1467号(2015年9月20日) 政治主張 |
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不当逮捕弾劾! 全人民の怒りを国会に集中し 安倍政権打倒! 労働者派遣法改悪強行弾劾! 10・11三里塚へ全国総決起を 全国の、たたかう仲間の皆さん。『戦旗』読者の皆さん。安保関連法案=戦争法案制定を許さない、八月三十日の全国一斉行動を皆さんも、各地で取り組まれたことと思います。実に十二万人が集まって国会前を埋め尽くしたたたかいを先頭に、この日全国三百ヵ所以上で連帯の行動が取り組まれました。戦争法案を許さず安倍政権を追い詰める人民の声は今や全国に広がっています。「安倍を打倒し、戦争を止める」ということがもはや、当たり前のこととして街頭で叫ばれる情勢となっているのです。 政権側は「六十日ルール」での衆議院での再議決という形は避けたい、という判断で、参議院での採決を選択するようですが、そうであるならば九月の第三週あたりが、強行採決をにらんだギリギリのリミットになります。いずれにしても安倍政権とわれわれとのたたかいは、重大な局面を迎えています。 安倍は昨年の閣議決定から安保関連法の提出にいたるまでの過程で、帝国主義国におけるブルジョア民主主義的な制約すら無視して、文字通りの反動攻撃をしかけてきています。しかし人民は安倍自公政権の危険性、反人民性を見抜いて起ち上がりました。眼眩ましとして掲げて見せていた「アベノミクス」も、中国経済の不安定化を受けて株価が暴落するとともに円高に振れた結果、もうごまかされる人はおらず、支持率は下がりっぱなしです。各地での、一日一日のたたかいの連続が安倍を追い詰め、展望を切り拓きます。安倍には、人民の名においてこそ、祖父岸信介以上の敗北を強制してやらねばなりません。皆さん、この秋をともにたたかいましょう。安倍政権を打倒しましょう! ●1章 戦争法制粉砕! 安倍政権打倒! 安保関連法案が徹頭徹尾「戦争法案」であり、憲法違反のシロモノであることは、参議院での審議の中でますます明らかになっています。 そもそも安倍のブレーンとして、昨年七月の閣議決定から戦争法案までを主導してきた首相補佐官礒崎陽輔は、七月二十六日の国政報告会で「考えないといけないのは(安保関連法案が)我が国を守るために必要かどうかであり、法的安定性は関係ない」と言い放ちました。憲法の解釈など、時の政権の判断でどうにでもなる、やりたい放題なのだ、という宣言でした。もともと自民党憲法草案に対する反論として、自身のツイッターで「学生時代、立憲主義という言葉を聴いたことがない」と豪語していたこのような人物をブレーンとして抱えているのが安倍なのです。今回の「法的安定性」発言は、仮にもブルジョア民主主義や法治国家を標榜する国の政権担当者としてありえないし、戦争法案を支える思想そのものの違憲性、反人民性をあからさまにした発言であるにもかかわらず、安倍は礒崎をかばい通し、辞任させませんでした。 また、担当閣僚である中谷元の答弁もボロボロです。これまでの政権側の「説明」がどれほど人民に対するウソとペテンに満ちたものであったのかが、次々に明らかとなっているのです。 八月十一日、防衛省の幕僚監部が、法案審議が衆院で始まった五月の段階ですでに、法案の成立を前提とした詳細な「計画」を練っていたことが明らかにされました。四月の「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」改定を受けて、法案審議のなりゆきと関係なく、自衛隊が動き出していた、という事実です。内部文書を突きつけられた中谷は当初、「真偽がはっきりしない」ととぼけていましたが、その後、自身の指示によって作成されたものであると認めざるを得ませんでした。そう言わなければ文民統制上で重大な問題であることから、「知らなかった」という選択肢は中谷にはありえませんでした。 また、昨年閣議決定を受けての説明に際し、安倍が集団的自衛権を行使せねばならない事例の「目玉」として最初に掲げた、避難する邦人(母子)を乗せた米軍艦船を日本側が援護する、というものがありました。当時世論の一定の支持を獲得した「説明」ではあったわけですが、ところが、八月二十六日に中谷は答弁で、「邦人が乗っていてもいなくても『存立危機事態』とみなして米軍艦船を援護することがあり得る」と言わざるを得ませんでした。昨年の「説明」はあくまで、方便として持ち出したに過ぎなかったことを、隠しきれずに露呈してしまったのです。では「存立危機事態」とはどういう場合をいうのかと問えば、「政府が総合的に判断する」。これではやはり、全ては時の政府の判断次第、ということにしかなりません。他の帝国主義国とともに侵略戦争に参戦しようとする政府に、行動の自由を与えるわけにはいきません。 さらに、いわゆる「後方支援」の中身に関連して、自衛隊が核兵器であろうと劣化ウラン弾であろうと輸送できる、なんら歯止めのない法律であることも中谷は認めました。そのうえで安倍ともども、「政策判断として」それらの輸送は考えていないのだと言い張りますが、イラク戦争の際に自衛隊機が秘密裏に米兵を運んでいたことをわれわれは忘れてはいません。そもそも何を運び、何を運んでいないか、特定秘密保護法の下で明らかにされるわけがないではありませんか。 また九月二日の審議の中では、河野統合幕僚長が実に昨年十二月の段階で、米軍側に「安保関連法が二〇一五年夏までに成立する」と伝えていたことも、防衛省の内部文書から明らかにされました。加えて「オスプレイに反対するのは一部の活動家だけ」「ジブチの自衛隊基地を海賊対策以外にも」など、見過ごすことのできない暴言を吐いています。これもまた、どれほど政権と自衛隊が国会と人民をなめているのか、という話ではありませんか。軍事力の行使をもって、帝国主義としての利害を貫いていくことをしか考えていないのです。何が「切れ目のない安全保障」か! 安保関連法案は戦争法案だ。廃案あるのみです。 ここで安倍が八月十四日に出した「戦後七十年談話」について、安保法制との関連で改めて見てみます。 当初の目論見が外れて、安保関連法案への轟々たる非難の中で出すことになってしまった「七十年談話」は、方々への政治的「配慮」をちりばめた、冗漫なものとなりました。安倍にこうした歯切れの悪い「談話」を強制したことは、人民の一定の勝利ではありますが、しかしそれでも安倍は己の思想と狙いを確実に盛り込んでいます。アジア地域への侵略であったという歴史を、自らの認識としては決して認めず、日露戦争が「アジア諸国を勇気づけた」とまで言い切りました。また、己がアジア諸国人民に対して謝罪しない理由づけに次代の子孫を持ち出したのです。そして「積極的平和主義」と「未来志向」とで次の帝国主義戦争に踏み込むのだという宣言をしたのです。 日露戦争の評価を受け入れがたいロシアは別としても、アメリカはじめ、各帝国主義国政府からの今回「談話」への評価が低くないのは当然です。彼らもまた、過去の侵略と植民地支配への謝罪などしてこなかったからです。日本帝国主義の戦争被害者たちはまだ多くが存命であり、何の謝罪も補償も受けていません。戦後何年が経とうが、勝手に「これで終わり」と一方的に宣言するなど、認められるものではない。それはただ、これまでの帝国主義各国の居直りの歴史に新たな一頁を付け加えるだけのことです。いや、まさにそれこそが安倍の狙いであったのだというべきです。 安倍政権を、絶対に許してはなりません。戦争法案廃案、安倍打倒あるのみです。 ●2章 辺野古新基地建設阻止! 沖縄―「本土」貫く闘いを 安保関連法案反対のたたかいは、安倍政権に多方面で打撃を与えています。政権は翁長知事による、辺野古沖の埋め立て承認取り消しを回避する必要に迫られ、八月十日から辺野古沖での作業を一ヶ月「中断」し、沖縄「県」側との「集中協議」に入りました。 もちろんこの「協議」は、期限付きでしかないことからも明らかなように、ペテン的なシロモノです。安倍政権はこれまで、高い支持率を誇っていましたが、安保関連法案が「違憲」との指弾を受け、その内容が明らかにされるにつれて支持率はじわじわと下がり、衆議院での強行採決以降は大幅にダウンし、沖縄のたたかいに対して強行姿勢で臨むということが不可能となったので、当面表面的な沈静化をはかり、時間稼ぎをしようというだけのことです。昨年の就任以降、翁長知事が官邸に面会を幾度となく求めたのをことごとく無視して会おうとしなかったのは一体誰だったかと問いたくなる、度し難いご都合主義です。 翁長知事は「協議」開始を受けて、その継続期間中は、「県」側からの新たな法的手段を講じないことを言明しましたが、これまでに四回開かれた「協議」の中で辺野古の基地建設は認めないことを一貫して政府側に突きつけ続けています。「基地はいらない」という「オール沖縄」の声と、何よりキャンプ・シュワブゲート前と辺野古沖で体を張り続ける人々の存在が、知事の背中を押しているのです。 折も折、官房長官菅が二度目の「協議」のために沖縄を訪れた八月十二日、うるま市沖で米軍のヘリUH60が墜落しました。それには陸自中央即応旅団(CRF)の隊員二名が「研修」のため同乗していたことが判明しましたが、なぜ、何を目的に「研修」していたのか、詳細は明らかにされていません。また、四度目の「協議」当日の朝には、今度はタクシー強盗の容疑で米海軍の兵士が逮捕されました。いかに米軍の事故や犯罪が沖縄で日常茶飯事であるのか、一連の事態が明らかにしています。 八月三十一日、辺野古で、サンゴ礁の損傷などを確認するための「県」による潜水調査が開始されました。調査に必要とされる九月十二日までは、防衛省による工事作業は中断される見込みですが、菅は「(中断期間の)大幅延長はしない」と公言しています。作業の再開を阻止し、新基地建設を破綻に追い込みましょう。 安保関連法案反対のたたかいとともに、沖縄に連帯するたたかいの強化が求められています。九月十二日、「止めよう! 辺野古埋立て9・12国会包囲」がたたかい取られました。大義は沖縄と人民の側にあります。日米両帝国主義の野望を砕くべく、辺野古新基地建設阻止のたたかいを継続し、強化しましょう。 ●3章 安倍打倒の闘いの前進を 「戦争法案反対!」の声に追い詰められながらも、安倍はなお強行採決と、自民党総裁としての再選を狙っています。しかし、戦争法案以外についても、「丁寧に説明する」と口にしながらも、安倍が人民に対して説明をし、広く理解を求める気などさらさらないことはすでに明らかになっています。戦争法案反対のたたかい以外の領域でも、前進をかちとり、安倍政権を追い詰めていくのでなくてはなりません。 その第一は反原発のたたかいです。 八月十一日、九州電力は鹿児島の川内原発一号機の再稼動を強行しました。しかし、それに先立つ七日からの現地闘争は、猛暑にもかかわらず全国からの人民の結集で大高揚し、発電所正門ゲートは封鎖され、職員たちは海側から船で発電所に入ることを余儀なくされたのです。原発を許さない人民の意志は、福島第一の事故から四年を経ても立ち消えるどころかなお強固であることが示されました。安倍はいわゆる「新基準」策定後初の原発の再稼動について、その意義を高らかに宣言したかったはずですが、「規制委員会の判断だから」と責任逃れの発言に終始するほかありませんでした。「3・11」によって原発が人民の安全な生活や生命と相容れない危険な存在であることが暴露されてしまった以上、それにしがみつき再稼動させることなどありえません。かつてのように、堂々と「国策」として打ち出すことがもはや出来なくなっているのです。 川内原発一号機は再稼動早々、復水器に海水が混入するトラブルを起こしています。十月には二号機の再稼動が狙われていますが、これも阻止しなければなりません。川内に続き再稼動が狙われている愛媛・伊方原発についても、現地と連帯して阻止行動をたたかいましょう。 また、経産省前テントひろばの撤去が狙われていますが、これもまた、全国の連帯の力で阻止しましょう。原発の即時停止、廃炉をかちとるべくたたかい抜こうではありませんか。 第二は、各地での反基地闘争の高揚をかちとることです。いうまでもなく、たたかいは国会前だけにあるのではありません。沖縄はじめ、米軍基地、自衛隊基地を抱える地域における、日々の粘り強いたたかいが必要です。沖縄、岩国、神奈川、京丹後と、全国の反基地闘争を強化し、結合させ、日米安保―日米新ガイドラインそのものとの対決を果たして行きましょう。十一月岩国行動に総結集しましょう。 第三は十月の三里塚全国集会に総決起することです。空港会社は生き残りをかけて、「第三滑走路」の建設―新たな強制収用攻撃に乗り出しています。市東孝雄さんの農地の強奪を許さず、軍事空港建設を阻止すべく十月十一日、三里塚現地に総結集しましょう。 第四は、アジア共同行動のたたかいを軸とした、アジア民衆との連帯を果たしたたかうことです。戦争法案反対のたたかいにおいて、日本帝国主義の復活を許さないというアジアからの声を反映させることは決定的に重要です。安倍「七十年談話」のペテン、犯罪性を許さない、アジア地域における民衆の強固なたたかいの前進をかちとりましょう。安倍政権を打倒し、アジアに民衆の平和をもたらしましょう。 |
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