共産主義者同盟(統一委員会)


1464号(2015年7月20日) 政治主張






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  戦争法案採択強行弾劾!

 全人民の決起で安倍打倒

 8月再稼働阻止! 川内現地へ
               

 


 『戦旗』読者のみなさん! 全国のたたかう仲間のみなさん! 
 日帝―安倍政権は戦争法案を成立させるために国会を九月二十七日まで延長した。七月中に衆議院で強行採決、その後参議院で六十日以内に採決できなかった場合、衆議院での再可決で成立というシナリオを想定した国会の大幅な会期延長である。
 しかし、戦争法案審議の長期化は、安倍にとって危険な賭けである。自民党や公明党の腐りきった答弁が長引くほど、人民の怒りは高まり、沸騰するのは必至である。戦争法案成立阻止の広範な世論を喚起し、国会前を焦点とする直接行動・街頭行動、国会包囲の実力闘争を前進させよう。
 アジア共同行動日本連絡会議は六月、韓国からゲストを迎え東京、名古屋、京都、福山、福岡でアジア共同行動集会を開催した。また、「集団的自衛権法制化阻止・安倍たおせ! 反戦実行委員会」は六月二十一日に全国総決起集会を開催した。
 これらの集会は、六月四~五日の日帝―国家権力による反革命弾圧に抗してたたかいぬかれた。今回の弾圧は、京丹後Xバンドレーダー基地建設反対運動に対する真っ向からの大弾圧であった。国家権力はことさらに党派名を押し出した情報をたれ流し、マスコミ報道を通じて反革命的煽動を行った。京丹後現地の人びとと京都・近畿全域における反対運動とを分断しようとするものであった。同時に、高揚する戦争法案反対闘争と辺野古新基地建設反対運動など、反戦・反基地運動全体に対する弾圧であった。
 国家権力による反革命弾圧に対し、われわれは反弾圧闘争として反撃を組織した。そして六月十七~十八日には不当逮捕された三名を奪還した。
 弾圧をはねのけ、六月アジア共同行動各地集会、そして6・21左派総結集の全国集会を成功させた意義は大きい。引き続く戦争法案をめぐる国会攻防を軸に、辺野古新基地建設阻止、岩国基地大強化反対のたたかいを全国各地で一層前進させていこう。今夏安倍政権打倒のたたかいをさらに強力に進めよう。

 ●第1章 6・21全国決起に続き、戦争法案粉砕! 国会闘争へ

 六月二十一日、「集団的自衛権法制化阻止・安倍たおせ! 反戦実行委員会」(以下「安倍たおせ! 反戦実」)は全国総決起集会を都内で開催した。「安倍たおせ! 反戦実」は3・21の結成デモ以降、連日国会行動をたたかい、戦争法案粉砕の全人民闘争の中で、左派―反帝国際主義派の潮流としてたたかいぬいてきている。6・21には全国各地から三百五十名が結集し、集会とデモをたたかった。
 集会では「安倍たおせ! 反戦実」の代表が基調報告を行い、「安倍政権は戦争法案の今夏までの成立をアメリカに約束し、強行採決へと進んでいる。この法案の成立は、日本の侵略戦争国家への転換を加速させ、軌道に乗せる意味を持つ。憲法九条を実質的に全面否定するような侵略戦争国家への道を許さず、ともにたたかおう」と集会参加者に訴えた。
 その後、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、AWC韓国委員会、経産省前テントひろばから特別報告が行われた。AWC韓国の方は、安倍政権がアジア侵略戦争や植民地支配について無反省で居直っていることを徹底弾劾し、アジアと世界の人民が連帯して米日帝国主義の侵略戦争を粉砕しようと力強く訴えた。
 各地の報告として、京都Xバンドレーダー基地反対運動、日雇全協・釜ヶ崎日雇労働組合、九条改憲阻止共同行動・関西から発言が行なわれた。米軍Xバンドレーダー基地反対運動の被弾圧者は警察権力の不当弾圧に対し獄内外を貫いてたたかいぬいたことを報告し、「Xバンドレーダー基地は集団的自衛権行使そのものだから、これとの対決はすなわち、沖縄・アジアと連帯した米軍撤去闘争だ」と明言した。
 集会終了後はラディカル・マーチングバンド「ノラ・ブリゲード」が先頭に立ち、力強い演奏とともに原宿から渋谷を席巻するデモを行なった。6・21全国決起につづき、戦争法案粉砕の国会闘争をさらにおし進めよう。
 日帝―安倍政権は、戦争法案をなんとしても成立させるために、九月二十七日まで超長期の国会会期延長を決定した。安倍は時間さえあれば衆議院の多数で押し切って、戦争法案を成立できるともくろんでいる。しかし、審議が延びれば延びるほど戦争法案が違憲であること、人民をあざむく安倍政権の企み、反対運動に対する弾圧の意図がますます暴露されていく。直近の世論調査でも安倍政権の支持率は低下し始めており、安倍に対する人民の憤怒はますます増大している。
 そうした中、六月二十五日、自民党本部で「文化芸術懇話会」なる会合が開かれ、安倍晋三の取り巻きの自民党議員らと講師である作家・百田直樹が極端な言論弾圧発言・沖縄差別暴言を行った。
 会合の中で百田は「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん」「沖縄の米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方がはるかに率が高い」などと許しがたい暴言を吐いた。また大西英男ら自民党議員の連中は「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連は働きかけてほしい」と言論封殺発言を行った。なお、会合中に発言を注意する者は誰一人いなかったという。
 百田らのこうした暴言に対し、すぐさま沖縄タイムスと琉球新報は連名で抗議声明を出した。しかしその後百田は「沖縄の新聞つぶせは冗談だ。本当につぶれてほしいのは朝日・毎日・東京新聞だ」とさらなる言論弾圧の意図をあらわにした。大西にいたっては「問題があったとは思えない。事実無根の報道をする一部メディアを懲らしめないといけない」と言論弾圧発言を重ねて行った。こうした「身内」の暴言・暴論に対し、安倍は「その場にいないのに勝手におわびできない」と居直り、官房長官菅は「民間人の発言に政府としてコメントはさし控える」と責任逃れの発言をした。
 こうした暴言・暴論の連続は、現在の安倍政権の意思を如実に示すものだ。すなわち、わが政権に意を唱える者は許さない、批判するやつらは封殺すればいいという安倍政権のおごり以外の何物でもない。今回の暴言・暴論の連続は決して偶然のものではなく、労働者階級人民の反戦闘争が高揚する中で、それに恐怖し、安倍政権の本性が必然的に表れたものだ。言論を封殺し、沖縄差別軍事支配を激化させ、戦争法案の強行成立をねらう安倍政権に対し「安倍たおせ!」の怒りの声を叩きつけよう。今夏、さらなる国会行動をもって、日帝―安倍政権打倒の全人民闘争をさらに拡大していこう。

 ●第2章 派遣法改悪法案衆院可決強行弾劾!

 日帝―安倍政権は六月十九日、労働者派遣法改悪案の衆議院採決を強行した。
 企業は現在、同じ職場で最長三年間しか派遣労働者を受け入れられない。しかし、今回の改悪案では規制をゆるめ、企業が労働組合から意見を聞き、働く者を交代させれば同じ職場でずっと派遣労働者を受け入れられるとする。すなわち、低賃金で退職金を出さなくてよく雇い止めがしやすい派遣労働がさらに拡大する恐れがある。
 派遣労働者を企業が受け入れる期間の上限をなくすことが派遣法改悪法案の柱だが、安倍政権が派遣法改悪法案成立を急ぐ背景にはもうひとつ理由がある。それは民主党政権時代に決まっていた派遣労働者保護のために、企業側を規制する強化策が今年十月から始まることがある。その前に改悪法案を成立させ、企業への規制をゆるめようというのだ。正社員より低賃金で雇い止めもしやすい派遣労働者を使いたい企業は、十月からの規制強化によって直接雇用を求められる「みなし制度」を避けたい。今回の改悪法案が成立すれば、専門二十六業務の区分もなくなり、実質的には企業側の規制強化にはならないのである。
 この労働者派遣法改悪案の悪らつなねらいが明らかになり、しかも年金情報の外部流出という事態の中で成立があやぶまれる中、維新の党の裏切りによって六月十九日衆議院採決が強行された。しかも維新の党の出した当初の修正案は、同じ仕事内容なら正社員と派遣労働者の待遇を均等にし、賃金や福利厚生を同じにするというものだったが、自民・公明両党と維新の党による修正案により「均等な待遇および均衡のとれた待遇」と文言が修正された。「均衡」とは、社員の仕事内容や責任度合いの考慮を認めることを意味する。そのため、企業の側は正社員と派遣労働者のキャリアの違いなどを口実にして、賃金などの待遇格差を強めることとなった。安倍政権に助け舟を出した維新の党の動きを糾弾する。
 日帝―厚労省は、もはや経済界の要求しか聴いていない。そのことは、派遣法改悪法案の厚労省担当課長が今年一月に派遣業界の会合で「派遣労働者はモノ扱いだったが、ようやく人間扱いする法律になった」との暴言を吐いたことからも明らかだ。
 安倍政権は労働者派遣法改悪のみならず、労働基準法の改悪ももくろんでいる。新しい労働時間制度は「残業代ゼロ法案」とも呼ばれ、働く本人が同意すれば残業代や休日・深夜の割増賃金などが支払われない。高度専門職がその対象としてはいるが、いったんこの制度が導入されればなし崩しに対象範囲が拡大することは必至である。現に経団連会長榊原は「最終的に制度を本当に実効性のあるものにするには、年収要件の緩和や対象職種を広げる方向で考えるべきだ」と述べている。
 そして次に狙われているのが解雇の金銭解決制度である。これが導入されれば企業側は簡単に労働組合をつぶすことができる。なぜなら、企業の気に入らない労働者はいかなる理由でもかまわず解雇して金銭で退職させられるからである。こうした労働法制の改悪により、労働者は文字通り「企業の奴隷」にさせられるのだ。
 アベノミクスなる政策は、資本家・富裕層を徹底的に優遇し、労働者人民の権利を奪い去って生活を破壊していく。戦争法案と同時に貧困と格差拡大を進める安倍政権への労働者人民の怒りを集中し、日帝―安倍政権を打倒しよう。

 ●第3章 戦争法案と一体の安倍七十年談話を許すな

 安倍は延長国会のただ中で、八月初旬にも戦後七十年の「安倍談話」なるものを発表しようとしている。「安倍談話」は、米帝の世界支配と一体化し、第二次帝国主義間戦争の敗北から戦後復活した日本帝国主義を賛美し、性奴隷制度などの戦争犯罪・戦後賠償責任を居直り放棄するものだ。
 安倍政権は、性奴隷制度としての日本軍「慰安婦」制度の責任を認めず、被害者への謝罪・賠償を拒否している。安倍の日本軍「慰安婦」制度問題への徹底的な敵視は、歴史的事実に基づいた告発と被害者からの糾弾を封じ込め、日本軍「慰安婦」制度そのものを日本帝国主義の戦争犯罪から消し去ろうとするものだ。絶対に許してはならない。戦争犯罪の歴史的事実を否定し、侵略戦争を賛美する安倍の悪らつな意図を徹底的に暴いていかなくてはならない。
 本年八月六日、七十年前原爆が投下されたその日に、右翼ジャーナリスト櫻井よしこが広島で「反核平和七十年の失敗」と題した講演を行うという。安倍政権閣僚の八割以上が右翼「日本会議」のメンバーであり、櫻井よしこもそのメンバーだ。安倍は昨年8・6広島でのスピーチを長崎でそのまま使いまわしたことで、被爆者を中心に大ひんしゅくをかった。この安倍を支える櫻井が広島で、被爆者を先頭にした反核のたたかいに敵対しようというのだ。右翼ファシスト・差別排外主義者どもの敵対を粉砕し、被爆七十年を糾弾する8・6広島青空式典を被爆者・被爆二世とともにたたかおう。
 官房長官菅は七月四日、沖縄の翁長知事との会談の中で、先の自民党議員勉強会で出た沖縄差別暴言について「ご迷惑をかけて申しわけない」と陳謝した。しかし「おわび」をしたからといって、辺野古新基地建設の野望を決してあきらめたわけではない。キャンプ・シュワブゲート前での座り込み行動は七月六日で丸一年を迎えたが、辺野古現地では沖縄防衛局による海上作業や海上保安庁・警察権力による暴力的弾圧は依然続いている。日帝―防衛省は今夏にも辺野古沖埋め立てに着手しようとしている。現地実力攻防と固く連帯し、沖縄―「本土」を貫くたたかいで辺野古新基地建設を実力で絶対阻止しよう。
 安倍政権と資本家どもそして原子力規制委員会は、新たな「原発安全神話」をデッチあげ、原発を再稼働しようと躍起になっている。九州電力は川内原発一号機の起動を今年八月十日ごろに行うとブチ上げた。七月七日から原子炉への核燃料の装填が始まった。九州電力は発電した電力の送電を始める再稼働を八月十三日前後と想定している。九州電力や鹿児島県は、火山や活断層・地震問題、ずさんな避難計画などについて説明責任を全く放棄している。薩摩川内市議会は七月三日、川内原発の再稼働前に防災訓練実施を求める陳情を不採択とした。
 九州電力をはじめとする原発利権にむらがる資本の利害だけが優先されている。活発化する火山活動も地震も見ようとはしない。原発事故が何をもたらすか。東京電力福島第一原発事故後の福島の現状を見ても容易に想像がつくはずだ。
 原発立地現地で身体を張ってたたかう人びと、そして、今なお苦難を余儀なくされている福島の人びとと固く連帯し、原発再稼働を実力で阻止しよう。日帝―経産省によるテントひろば解体攻撃を許さず、すべての原発廃炉をかちとろう。


 

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