1463号(2015年7月5日) 政治主張 |
|||
|
政治弾圧、言論封殺、沖縄差別に怒りを集中せよ 国会包囲―安倍打倒! 辺野古現地に全国から決起を 川内原発再稼働阻止現地闘争へ 重弾圧を粉砕し、安倍政権打倒の総決起を 戦争法案絶対阻止の国会闘争をたたかおう 全国の闘う仲間の皆さん! 日帝―安倍政権の戦争法案に反対するあらゆる勢力が、国会前をはじめ、全国で精力的に闘いを組織している。「集団的自衛権法制化阻止・安倍たおせ! 反戦実行委員会」(以下、「安倍たおせ! 反戦実」)をはじめとした、たたかう労働者人民が、国会前での座り込み闘争を牽引している。 この六月、アジア共同行動(AWC)日本連絡会議呼びかけのアジア共同行動全国展開が行われた。六月十三日、京都円山野外音楽堂で開催された戦争法案反対集会には約二千三百人が結集した。六月十四日、「とめよう! 戦争法案 国会包囲行動」には、約二万五千人が参加し、国会を包囲した。六月二十一日、「安倍たおせ! 反戦実」が呼び掛けた「6・21全国総決起集会」が成功裏にかち取られた。これら一連のたたかいをAWCは、韓国の人士とともに日韓の共同闘争、反帝国際共同闘争として取り組んだ。 安倍右翼反動政権は、戦争法案反対の運動が高揚するのを恐れて、六月四日・五日と関西の反戦・反基地をたたかう仲間に対して、かつてない大弾圧を加えてきた。三名のデッチあげ不当逮捕と二十か所におよぶ家宅捜索である。 戦争国家化と一体となったこの治安弾圧を跳ね返し、全人民の総決起で、戦争法案もろとも安倍政権を打倒しよう! ●第1章 大阪府警公安第三課の弾圧弾劾! ▼1章―1節 デッチ上げ不当逮捕 大阪府警公安第三課は、京都・大阪を中心に米軍Xバンドレーダー基地の撤去を掲げてたたかう三名の仲間を不当逮捕した。同時に六月四日・五日、仲間の自宅をはじめ、全国で二十か所の強制捜索を強行した。 この弾圧は、昨年九月の米軍Xバンドレーダー基地建設に反対する京丹後現地闘争に参加者がバスを利用したことを、「道路運送法違反」(いわゆる「白バス」)としてデッチあげてきたものである。 今回、強制捜索は、デッチあげの容疑と関係のない労働組合事務所、市民運動の連絡先となっている弁護士事務所までをも捜索対象とした。さらに大阪府警は、三名の不当逮捕だけでは飽き足らず、関西の反戦・反基地をたたかう仲間に対して、逮捕をちらつかせながら任意の事情聴取を求めるなど、全く不当な弾圧を加えてきた。 ▼1章―2節 京丹後米軍基地建設反対運動の高揚に恐怖 今回の大弾圧の目的は、まずなによりも、米軍Xバンドレーダー基地反対運動とこれを推進してきた京都・関西のたたかいを押しつぶすことにあった。この米軍Xバンドレーダー基地は、近畿地方唯一の米軍基地として昨年十二月に本格運用が開始された。しかし、基地周辺の地元住民は決して納得していない。多くの地域住民が基地のない平和な京丹後を願っている。米軍基地からの騒音被害、米軍・軍属による交通事故など、建設前の地元住民への安全安心の約束は、ことごとく反故にされ、地元住民の不安と不満は高まっている。 米軍Xバンドレーダー基地反対をたたかう仲間は、このような地元住民の願い・不安・怒りに寄り添い、これまで四回にわたる大規模な現地闘争を組織してきた。そしてこの六月十八日にも現地闘争を準備している最中での弾圧であった。 今回の弾圧の対象となった昨年九月の現地闘争は、沖縄・岩国・神奈川など全国各地の反基地運動、さらに韓国の反基地運動の代表を含めて約四百人が結集したものであった。このような米軍Xバンドレーダー基地反対運動は、関西の反戦・反基地闘争をたたかい、沖縄人民のたたかいに連帯し、岩国基地の拡張強化に反対するたたかう関西の労働組合・市民運動が総結集して組織されてきた。この反基地闘争の発展を押しつぶそうとした弾圧である。 ▼1章―3節 戦争法制反対の全人民闘争への圧殺攻撃 戦争法案に反対するたたかいは、日々拡大している。この時期に弾圧を行った目的はまた戦争法案の廃案を要求し、安倍政権の打倒をめざす関西の労働者人民への先制攻撃であり、予防弾圧であった。 しかし関西では、六月四日・五日の弾圧に屈することなく、戦争法案に反対するたたかいに全力で立ち上がっている。米軍Xバンドレーダー基地に反対する闘争をはじめとした米軍基地に反対するたたかいも、一歩も後退させることなく闘い抜いている。 沖縄の島ぐるみ会議全国キャラバンが、六月五日に大阪で、六日に京都で取り組まれた。大阪では六月六日、秘密法廃止! ロックアクションが行なわれた。七日には大阪弁護士会主催の戦争法案に反対する集会・デモに四千人が結集した。十三日には京都円山野外音楽堂での戦争法案反対集会・デモに二千三百人が結集した。 このように大阪府警の大弾圧をはねのけて関西では、力強く戦争法案反対―米軍基地反対のたたかいが取り組まれた。 さらに十八日には、米軍Xバンドレーダー基地に反対する京丹後市抗議行動・京丹後市議会要請行動・基地ゲート前抗議闘争を中心とした京丹後現地闘争が貫徹された。 ▼1章―4節 弾圧を打ち破り仲間を奪還 この不当極まりない弾圧に対して六月六日、弾圧を主導した大阪西警察署に対する断固たる抗議行動が行われた。 そして、三名の闘う仲間は、六月十二日の勾留延長決定に対して準抗告し、予定されていた十八日・十九日の勾留理由開示公判の前の、十七日・十八日に相次いで奪還された。三名の闘う仲間は、完黙闘争をたたかい抜くとともに、長期勾留を狙っていた大阪府警公安の目論みを粉砕した。 また、今回の弾圧は、バスなどを使って結集が図られている反基地、反原発、反軍事空港などの現地闘争や首都闘争を組織している人々に対して、「いつでも逮捕するぞ」という脅しであり、闘争を委縮させようとする狙いをもって行われたものである。絶対に許せない。 大阪府警の弾圧と徹底してたたかい抜こう! 安倍政権下での治安弾圧の強化、不当な強制捜査・逮捕攻撃と断固としてたたかい抜こう! ●第2章 帝国主義間の対立と齟齬、エルマウ・G7サミット 六月七―八日、ドイツ南部エルマウで主要七カ国首脳会議(G7サミット)が開催された。昨年ロシアによるクリミア半島の併合に対して、帝国主義各国はロシア・ソチでのサミットをボイコットしてブリュッセルにおいてサミットを開催し、ロシアへの制裁を行なってきた。これによってサミットはロシアを加えたG8から冷戦時代のG7にたち戻った形になっている。首脳会議の論議と公表された宣言は、ロシア、中国の台頭や中東における「イスラム国」の軍事的伸張という事態が進むなかにあって、米帝国主義を中心とするG7諸国が世界の覇権を握りしめ打ち固めようとする強盗会議であったことを物語っている。同時に、「中心問題である対ロシア、対中国への結束を演出した」とメディアでも描写されているように、その実態においてはさまざまな対立が存在している。ロシア抜きのサミットでG7の結束を演出しようとしたが、実際には帝国主義各国間の覇権をめぐる利害対立が存在し、それは覆い隠すことができなかった。 今回のサミットでは地球温暖化対策、世界経済の回復、「イスラム国」などへのテロ対策、エボラ出血熱などの感染症対策などさまざまな課題も論議にあがったが、最大の課題は国際政治への対応であった。G7各国と欧州委員会がウクライナ問題をめぐるロシアへの制裁や、中国を想定した海洋安全保障問題で一致した対応をとれるか否かであった。とりわけ米帝オバマ政権はロシアが停戦合意を守らずにウクライナの親ロシア派を支援し武器援助もしていると非難し、停戦合意を守らせるために制裁圧力をかけ続けることを主張した。背景には、米帝がウクライナへの軍事介入の余力をもてなくなっている事実が存在する。他方、欧州諸国はロシアとの経済的な関係が深く、将来の制裁緩和の可能性も含めて手を縛られたくないという事情が存在する。また、日帝―安倍政権も年内にロシア大統領プーチン訪日を実現させて領土交渉を進展させようとしている。このような思惑もはらみながら「結束」が演出され、最終日の首脳宣言では対ロシア制裁の継続を確認した。これを推進した米国も欧州も、実はみずからがウクライナのロシア系住民への排外主義的迫害に手を貸しウクライナのEUへの包摂を押し進め、紛争の大きな要因を作ったのである。 一方、東アジアをめぐる問題では、安倍がここぞとばかり積極的に動き、東中国海問題や南中国海における中国によるスプラトリー諸島周辺地域の埋め立て問題を題材にしてG7の懸念をあおった。また、中国が進めるアジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐっても批判を浴びせた。米帝もまた、米軍艦船の航行の自由を主張した。ここでも欧州諸国は米・日とはスタンスが異なる。英、独、仏、伊は中国との経済的関係を重視しており、AIIBへの加入を決定しているのである。首脳宣言は「威嚇や強制、武力行使、大規模な埋め立てを含むいかなる一方的な現状変更にも強く反対する」と、中国への名指しは避けつつも牽制して圧力をかける表現になった。 他に、主催国ドイツのメルケル首相は、サミットの想定される利害対立が弱いと思われる地球温暖化対策においてG7参加各国の一致をつくるよう力を注いだ。そして、日、米、カナダなどの抵抗をおさえて、あいまいながら首脳宣言で「今世紀中に世界経済の脱炭素化」という長期目標を採択し、ようやく中国など途上国との協議に入る条件をつくった。また、世界経済については、低成長からの脱却を掲げる帝国主義各国は自由貿易の枠組みを推進しようと力を入れているが、人民の反対を反映して各国の利害対立の解消ができず、合意の努力を継続することしか確認できなかった。例えば、日、米、カナダが参加する環太平洋経済連携協定(TPP)は交渉が難航し、米国では大統領への交渉権限を一任する法案も大きな困難に直面した。 世界資本主義の覇権をG7諸国が掌握し続けることを宣言しつつ、それが作り上げていく資本の巨大な蓄積、貧困と格差の拡大のなかで国際金融資本、多国籍資本、各帝国主義国の思惑や利害が交錯し対立し調整を迫られる――このようなG7サミットの役割をますます露呈させたエルマウ・サミットであった。 日帝―安倍もこのサミットの機会を利用し、論義のなかで、また各国首脳との会談のなかで、日帝の東アジアにおける権益の確保と中国包囲網をつくることに腐心した。ウクライナ危機や西太平洋の安全保障にかこつけて、欧州諸国に対して中国の海洋進出の危険を煽った。そして、その中国の脅威に対抗する包囲網の一環という口実でもって日本の集団的自衛権の法制化について各国の支持を要請した。さらに露骨に、法案が成立すれば各国との相互協力が増大すると約束した。この狙いは、安倍政権による世界的な軍事交流の拡大と武器輸出の拡大にある。安倍政権はすでに昨年武器輸出三原則を撤廃し米、英、仏、豪と武器輸出に関する協定を結んだ。サミット直前にはフィリピンのアキノ大統領と会談し同様の協定を結ぶ交渉に入ることを合意した。 他方で、地球温暖化対策については、アベノミクス成長戦略の足を引っ張るという理由で消極的な態度に終始し、環境問題のNGOからも酷評される始末であった。 さらに安倍首相は、AIIBを批判し、TPPへの固執を主張した。現在、日本においても米国においてもTPPが労働者人民の生活を破壊することが明らかになり、人民の反対が高まっていることに対して、安倍は明確に敵対する主張をしたのだ。五十七カ国が参加しているAIIB問題においても、G7のうち日米のみが不参加という事態にいたった根拠をなんら把握していない無自覚さをさらけだしている。AIIBの成立をもたらした要因は、もちろんアジアにおける膨大なインフラ投資の需要であったが、それのみでない。IMFや世界銀行にみられるような、米国に過度に有利である現在の米国主導の国際秩序に対して中国・ロシアや途上国の批判が強かったことである。安倍政権は米国による「AIIBは中国の戦略的拡大の道具になる」という警告に飛びついて不参加を決めたのである。 安倍政権は、サミットにおいて「アジアの盟主」としての日帝の利害を露骨に主張し、二〇一六年の次回サミットを伊勢志摩で開催することを打ち出した。これに連動して、サミット、オリンピックをにらみ国内での排外主義宣伝、国益国防宣伝、治安対策が一層強化され、海外への報道の管理、統制も飛躍的に強化される。安倍政権の報道統制は東京の外国特派員にも及んでおり、すでに外務官僚がドイツの有力紙の東京特派員をチェックし、その記事に対しても「中国の反日宣伝に利用されている」などといいがかりをつけたり、根拠のない抗議をしたりしている。また、在米日本大使館は米主要紙の東京特派員に対してその記事中の有識者の選定について圧力をかけている。 日本の労働者人民がこの日帝―安倍政権とたたかい、その「アジアの盟主」の反人民的実態を海外にも暴露していく任務は重大である。 ●第3章 6・21全国総決起につづき、戦争法案粉砕の国会闘争へ 日帝国家権力の重弾圧下で、われわれは断固六月の政治闘争、戦争法案粉砕―安倍打倒の国会行動をたたかってきた。この六月、AWCは、全国展開(十三日・京都、十四日・東京、十六日・名古屋、十七日・神戸、十八日・京丹後、十九日・福山、二十一日・東京と福岡)を韓国の人士とともにたたかい抜いた。「安倍たおせ! 反戦実」をはじめとした労働者人民は、6・21全国総決起集会・デモ、そして国会前での座り込み行動を断固たたかい抜いてきた。 国会内においては、自民党推薦の憲法学者までが、安保法案を違憲と断じたことによって、安倍政権は混乱に陥っている。自民党・公明党が多数を占めるからといっても、違憲立法はそもそも成り立たない。国会質疑で追い詰められた防衛相・中谷は、「現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけば良いのかという議論を踏まえて、閣議決定を行なった」なる珍奇な答弁をしている。このような低次元の論議が安倍内閣の実態であり、かつ、本音なのだ。 憲法と法律に関して、国会でこのような転倒した論議を行なうこと自体が、立法府の存立危機事態である。安倍内閣を総辞職に追い込まなければならない。このような稚拙な議論で戦争立法を強行し、労働者人民を侵略反革命戦争に総動員することを、絶対に許してはならない。 戦争法案、労働法制改悪、新捜査手法など弾圧立法を断固粉砕すべく、国会闘争に立ち上がろう。 国会では、戦争法案とともに、労働法制の大改悪が目論まれている。日帝―安倍政権は、「日本が世界で一番、企業が活動しやすい国をめざす」と公然と述べている。これは、労働者を無権利状態に置くこと、労働者がたたかい取ってきた労働者保護制度の大改悪の意志を示したものである。これまで二度廃案になった労働者派遣法の大改悪の衆院通過を強行した。常用代替禁止を否定し、生涯派遣の拡大、正社員ゼロをめざすものである。雇用共同アクションをはじめとした労働者人民が、国会前の闘争をたたかい抜いている。 労働者派遣法の改悪に続いて目論まれているのは、労働基準法の改悪だ。これは「一日八時間」という全世界の労働者階級が第一インター以来長年のたたかいによってかち取ってきた労働時間の大原則を破壊する攻撃だ。残業代ゼロ法案・過労死促進法案とも言われるこの大改悪を絶対に許してはならない。 また、今国会では、刑事訴訟法改悪案が上程され、五月十九日から審議が始まっている。権力は、「取り調べの可視化」と抱き合わせの法案として提出している。この法案は、盗聴範囲を大幅に拡大し、冤罪を生む司法取引を導入するとんでもない治安弾圧の強化を狙ったものだ。盗聴できる事件の範囲を一般的な刑事事件にまで大幅に拡大し、盗聴の「合理化・効率化」の名目で、捜査機関が第三者の監視抜きで自由に盗聴できるようにするものだ。また、司法取引は、容疑者や被告が他人の犯罪について供述・証言するのと引き換えに、不起訴にしたり、求刑を軽くするというのだ。このような司法取引は冤罪の温床にほかならす、政治活動弾圧利用される治安弾圧立法だ。 戦争法案、労働法改悪法案とともに、この治安弾圧法案を粉砕するために、国会前闘争をはじめとしたたたかいに全力で立ち上がろう。戦争法案阻止、辺野古決戦勝利、原発再稼働阻止の三大決戦に立ち上がろう。大衆的で戦闘的な左派潮流の大結集をかち取り、安倍右翼反動政権を打倒しよう。 |
当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.