共産主義者同盟(統一委員会)


1462号(2015年6月20日) 政治主張






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  重弾圧粉砕し、反政府闘争を前進させよう

  違憲立法粉砕! 安倍打倒

  派遣法改悪強行採決許すな

  農地法裁判控訴棄却徹底弾劾
               

 


 
 『戦旗』読者のみなさん! 全国のたたかう仲間のみなさん!
 五月、全国各地で、日帝―安倍政権打倒の労働者人民の決起がかちとられた。
 5・3横浜で三万、京都で三千と「反戦・反原発・反改憲」を掲げた集会がかちとられた。さらに戦争法制定に突き進む日帝―安倍政権に対し、連日にわたる国会前座り込みがたたかわれた。
 沖縄では、辺野古新基地建設に対して、「NO」を掲げ三万五千人が決起した「5・17県民大会」がかちとられた。さらに、沖縄の代表も加わった5・24国会包囲が一万五千人の決起でたたかいぬかれた。
 このたたかいをさらに押し広げるために、奮闘しよう。「安倍たおせ! 反戦実」が呼びかける「戦争国家化をうち砕け 安倍たおせ! 6・21全国総決起集会」に全国から総結集しよう。
 この安倍政権打倒闘争の高揚を恐れた日帝―国家権力は、前代未聞の弾圧に踏み込んできた。大阪府警公安第三課は六月四・五日、「道路運送法違反」をデッチあげ、一斉に十数か所に強制捜索を行い、三名を不当逮捕した。
 関西を中心に断固として米軍基地反対に立ち上がったXバンドレーダー基地反対闘争に対する大弾圧である。同時に、戦争法制反対―安倍政権打倒闘争のさなかに、この反帝決起を封じ込めようとする目的を持った弾圧だ。われわれはこのデッチあげ弾圧を徹底弾圧する!
 不当逮捕者の即時奪還と、米軍Xバンドレーダー基地の撤去を掲げてたたかおう。

  ●1章 違憲違法の戦争法案粉砕、安倍打倒の国会闘争を

 日帝―安倍政権は五月十四日、戦争法十一法案を閣議決定した。そもそもが憲法違反の戦争法案を「平和安全法整備法案」とまったく真逆の言葉で言い表していることから、矛盾だらけでの法案であり、そのことから国会の答弁は、「ウソとペテンと強弁」でやりすごすしかない代物だ。国会審議の場で、議長に指名されてもいないのに安倍は勝手に自説を述べ、質問に立った野党議員に対して「早く質問しろよ」とヤジを飛ばすなど不遜極まりない態度に終始している。安倍は、国会審議の場を「論議を尽くす」場などとは露ほどにも思っていない。はじめから、七月には戦争法を「成立させる」と結論ありきで、国会審議を単なる通過儀礼としか考えていないのだ。
 日帝―安倍政権は今通常国会で、この戦争法案を押し通そうとしている。こんなことは絶対に許してはならない。
 集団的自衛権「合憲」化―侵略反革命戦争参戦を可能にする戦争法案を粉砕しよう。
 十本の現行法を「一括改正」する「平和安全法制整備法案」と新法「国際平和支援法案」=恒久法のうち、「武力攻撃事態法改正案」「重要影響事態法案(周辺事態法改正案)」「PKO協力法改正案」「自衛隊法改正案」「国際平和支援法案(新法)」について見ていく。
 まず、「武力攻撃事態法改正案」についてだ。現行の武力攻撃事態法は日本が武力攻撃の対象となった場合を想定している。攻撃が①発生した事態②切迫している事態③予測される事態に、政府はそれぞれ基本方針を閣議決定するとしている。これに対し「改正案」は他国への攻撃によって日本の存立が脅かされ、国民の権利が覆される明白な危険がある「存立危機事態」という文言を新設。政府が「存立危機事態」を認定すれば、自衛隊は武力で他国を守ることができるとするものだ。さらに緊急時には国会の事後承認も認めるとしている。どのような場合が「存立危機事態」なのかの詳細な説明は条文になく、政府は国会で「日本が攻撃を受けた場合と同様な深刻な被害が及ぶ場合」と答弁。これまでの「日本が攻撃されたら対応する」という「専守防衛」という論理を逸脱し、「他国を守るために武力行使」するという、参戦を可能にする内容なのだ。
 つぎに「重要影響事態法案(周辺事態法改正案)」についてだ。現行の周辺事態法は日本の周り、具体的には朝鮮半島や台湾海峡での戦闘を想定した米軍支援を念頭に置き、政府は「周辺事態が中東やインド洋で起きることは想定されていない」と国会で答弁してきた。今回の法案では「日本周辺」を削除。「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」を「重要影響事態」と名付けた。「日本の平和と安全に重要な影響がある」と判断すれば、地球上のどこでも自衛隊を派遣できるとするものだ。さらに活動地域について「現に戦闘を行っていない現場」と拡大。支援対象も米軍を中心としつつ、他国軍も加えた。
 つぎに、「PKO協力法改正案」についてだ。現行PKO法は、国連決議に基づき実施されるPKOに自衛隊が参加することを定めているが、「改正案」はいわゆる米帝を中心とした「有志連合」によるアフガニスタン戦争のような戦争に参戦することを目指している。現行PKO法は、自衛隊の任務が「停戦や選挙の監視、医療提供や食料配布」という非戦闘的活動に重点がおかれているが、「改正案」では「住民の安全を確保する巡回や検問、警護」を自衛隊が担うことになっている。「検問、警護」任務を遂行することになれば、「反政府・テロ組織」と規定した人民と戦闘を行うことになる。
 つぎに、「自衛隊法改正案」についてだ。新たに「存立危機事態」の際には、首相が自衛隊に海外で武力行使するための出動を命じることができると定めている。「重要影響事態」「国際平和共同対処事態」での活動も自衛隊の任務に加えた。さらに新たな任務として「邦人救出」を加えた。武器使用に関しては、米軍をはじめとする他国軍が攻撃された場合、自衛隊が守れるようにする規定を盛り込んだ。
 最後に新法である「国際平和支援法案」だ。他国軍の軍事行動を支援するため、自衛隊を海外に随時派遣できるようにする内容だ。「大量破壊兵器」や「アルカイダとの関係」といううそを理由にして米帝が開始した二〇〇三年のイラク戦争の際には、期限と目的を限った特別措置法を制定して自衛隊を米軍支援に派遣した。この新法は、特措法など作る必要がなく、いつでも自衛隊が、このような侵略戦争に参戦できるようにするものだ。さらにこれまで実施していなかった弾薬提供や発進準備中の航空機への給油も解禁した。自衛隊の活動地域についても、「非戦闘地域」に限っていた過去の特措法と違い、「現に戦闘を行っている現場以外」と、格段に活動範囲を拡大したのだ。
 六月一日、中谷防衛大臣は、自衛隊が「イスラム国」の掃討作戦を行うアメリカ軍などの後方支援活動を行う可能性について、「法律的にはあり得る」と答弁した。この戦争法案が出される直前の四月二十七日に、日米ガイドライン改定が行われた。一九九七年に作られたこれまでの日米ガイドラインは、朝鮮半島有事を念頭に日本周辺での有事の際の自衛隊と米軍の役割分担を定めていた。第三の日米ガイドラインは、自衛隊による米軍支援を世界規模に広げたのだ。この新ガイドラインをもとに、世界中どこでも米帝とともに侵略反革命戦争に打って出ようというのが、戦争法案だ。
 いま国会で審議中の戦争法案は、明確に日本帝国主義が侵略反革命戦争に踏み込む法律だ。
 六月四日、衆院憲法審査会で自民党など各党の推薦で参考人招致された憲法学者三人が、新たな安保関連法案について、いずれも「憲法違反」との見解を明らかにした。この後、官房長官菅は、「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」と会見で述べたが、憲法違反を「違反じゃない」と言い切るのはほんの少数の極右の学者しかいない。
 憲法九条は、第一項で「戦争の放棄」、第二項で「戦力の不保持」と「交戦権の否認」を定めている。この憲法九条を踏みにじる、違憲違法な戦争法を日帝―安倍政権は、強行成立させようとしているのだ。違憲違法な戦争法案はすぐさま廃案しかない。
 「安倍たおせ! 反戦実」が呼びかける「戦争国家化をうち砕け 安倍たおせ! 6・21全国総決起集会」にさらなる労働者人民の決起をかちとり、安倍政権打倒の国会闘争へと突き進もう。

  ●第2章 辺野古決戦勝利、日米軍事同盟粉砕

 日帝―安倍政権の辺野古新基地建設の強行に対し、沖縄現地では、連日、キャンプ・シュワブゲート前、そして海上で、実力阻止攻防がたたかいぬかれている。この攻防は文字通り「島ぐるみ」の決起として担い抜かれている。本年の五月沖縄闘争は、辺野古新基地建設を阻止するたたかいとして、沖縄―「本土」を貫いてかちとられた。
 五月十五日、沖縄・那覇市において「五・一五を問う沖縄実行委員会」が呼びかけた「『五・一五復帰』四十三年を問う国際通り道ジュネー」が右翼の妨害をはねのけて、たたかいぬかれた。五月十六日には、沖韓民衆連帯主催の「海を越え平和の手をつなごう」集会がかちとられた。並行して、キャンプ・シュワブゲート前の攻防への参加もかちとられている。
 連続したたたかいの上に、五月十七日、「戦後七十年 止めよう辺野古新基地建設! 沖縄県民大会」に、沖縄人民を先頭にした三万五千人の労働者人民が結集した。沖縄労共闘は「本土」から結集した労働者人民とともに、大情宣行動を展開し「辺野古決戦勝利」「戦争法案阻止」「日帝―安倍政権打倒」を訴えた。また「本土」においては、五月十五日、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの主催で辺野古新基地建設阻止を訴える新宿デモがたたかいぬかれた。
 「5・17県民大会」の三万五千人のたたかいを引き継ぎ、東京においては沖縄代表も加わり5・24国会包囲ヒューマン・チェーンが一万五千人の決起でたたかいぬかれた。
 沖縄―「本土」を貫き、万余を越える労働者人民が日帝―安倍政権の推進する日米安保強化、辺野古新基地建設に大きな楔を打ち込んだのだ。
 五月十八日(日本時間)、米・ハワイにおいて米海兵隊のMV22オスプレイが訓練中に墜落した。乗っていた海兵隊員一名が死亡し、二十一人の負傷者が出た。事故機は、沖縄の普天間基地に配備されているオスプレイと同型機だ。オスプレイは不安定な機体構造のため、多くの重大事故を引き起こしてきた。オスプレイ事故による乗組員の死亡はこれで累計四十人に達した。
 これに先立つ五月十二日、日米両政府は、普天間基地のMV22オスプレイに加え、米空軍横田基地(東京都)にCV22を二〇一七年以降、十機配備する計画を発表していた。さらに、一九年度以降、佐賀空港に陸上自衛隊がオスプレイ十七機を配備する計画もある。
 開発段階から、死傷者を出し、欠陥機であることが明確なオスプレイの配備、飛行を許してならない。横田基地への配備を断固として阻止し、普天間基地からの即時撤去をたたかおう。
 決戦の辺野古現地へ全国から決起しよう。辺野古新基地建設を阻止するために、辺野古現地では、キャンプ・シュワブゲート前での座り込み行動、海上におけるカヌー隊の海上阻止行動がたたかいぬかれている。辺野古現地のたたかいに支援・連帯するために、全国から現地派遣をたたかいぬこう。

  ●第3章 6・7福岡集会に続き、川内現地闘争で再稼働阻止

 四月十四日、高浜原発三・四号機の「原子炉を運転してはならない」とする仮処分決定が福井地裁・樋口英明裁判長によって出された。この高浜原発再稼働差し止め仮処分決定は、単に高浜原発個別の理由からではなく、原子力規制委員会の新規制基準そのものの合理性欠如を全面批判する内容として出された。まさに、この決定内容は、日本中の原発再稼働を不可能にするものである。
 この福井地裁の決定を引き出した根底的な要因は、反原発運動の前進である。福島の人々をはじめ全国の労働者人民が、二度と原発事故の被害にされられないことを願い、原発のない社会を希求し、たたかってきたことが司法権力を揺り動かしたのだ。
 そもそも原子力規制委員会の新規制基準は「再稼働するため」の「規制基準」であり、人々の生命と生活を守るための基準ではない。それは原子力規制委員会が基準地震動としている値が、これまでの地震の平均像を基礎として導きだしていることだ。過去十年間に日本で起こった地震のうち五回の地震で基準地震動を超えており、こんなものでは「原発の安全性」が確保されるはずなどないのだ。
 日本の原発に関して「万が一にも」事故が起きないように規制基準を設定し直した場合、そのレベルに原発を「改善」することは技術的にも経済的にもあらゆる意味において不可能だ。そもそも日本は、地震が多発する活断層が無数に存在し、活火山は百十もある。活火山はいつ大規模噴火してもおかしくない。地震や、火山の噴火の予知などできないのだ。それこそが3・11の教訓ではないか! 川内原発の再稼働などもってのほかだ。原発に高温の火砕流が到達した時点で、重大事故につながってしまうことは明らかだ。すぐさま廃炉にし、解体しなければならないのだ。
 6・7福岡集会に続き、川内現地へ決起し再稼働阻止の実力決起をたたかいぬこう。原発再稼働を阻止し、安倍政権打倒をたたかおう。



 

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