1459号(2015年5月5日) 政治主張 |
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5月沖縄―「本土」貫く反基地決起を 辺野古決戦勝利へ 戦争法案閣議決定阻止! 左派勢力総結集し安倍打倒へ 安倍政権は本年初頭より沖縄―辺野古沖でのボーリング調査を強行している。沖縄人民の意志を無視し、辺野古新基地建設に邁進しているのだ。この暴挙に対して人民の怒りは沸騰し、連日にわたる抗議行動が暴力的な弾圧をはねのけて闘われている。 そして四月五日に翁長知事と菅官房長官による会談が行われた。そこで菅は、恫喝まがいの言辞をはき、沖縄人民に辺野古新基地建設を強要しようとしてきた。絶対に許してはならない。沖縄人民の怒りと結合し辺野古新基地建設阻止を闘おう! 安倍政権はこの五月にでも戦争立法強行に踏み込まんとしている。日米新ガイドライン合意から安保法制の改悪を行おうとしているのだ。国会を人民の海で包囲し安倍政権もろとも戦争法制を粉砕しよう。 今夏、原発の再稼働が目論まれている。川内原発再稼働を現地攻防で阻止しよう。経産省前テントを断固として防衛しようではないか。同時に労働者の生活と生命を破壊しようする労働法制の改悪と闘おう。 そしてわれわれは安倍打倒闘争を反帝国際主義で闘おう。アジア共同行動による六月行動の成功を共に勝ち取ろう。さらに左派総結集の闘いとして3・21新宿デモの地平を継承し、安倍政権打倒に向けた大衆運動のさらなる発展を勝ち取っていこう! ●第一章 菅発言弾劾! 違法工事強行する安倍政権許すな 翁長知事は三月二十三日、辺野古におけるボーリング調査の作業停止を沖縄防衛局に指示した。知事はボーリング調査に伴うコンクリートブロックがサンゴ礁を破壊している問題を受け、県が許可した以外の区域でのサンゴ礁損壊を調査するために当面の作業停止を指示したのである。この指示は法的にもまったく妥当なものだ。防衛省―防衛局が県の許可した区域外でサンゴ礁を破壊する工事を強行していたことはあまりにも明らかであった。 しかしこの当然な指示に対して、防衛省―沖縄防衛局と農林水産省は結託して卑劣な手段による「対抗措置」をとってきた。 沖縄防衛局は行政不服審査法に基づく審査請求によって、行政機関=「沖縄県」の指示を執行停止にするという手続きを行ってきた。しかしこの審査請求は、権力の濫用によって個人の人権が妨げられるのを防ぐための措置であって、国家権力そのものである防衛省が「一事業者として」などという立場で使える法的手段ではない。これこそ、違法で卑劣な「法的手続き」の濫用である。沖縄防衛局は、翁長知事の指示に従って、直ちに辺野古での蛮行を停止せよ。 一方で安倍政権は翁長知事と菅官房長官との会談を設定してきた。これまで翁長知事との会談を多忙を理由に拒否してきたのは安倍政権である。辺野古新基地建設反対の意思を突きつけられることを回避してきたのである。ここにきて手のひらを返したような政権側からの会談設定は、新基地建設をめぐる状況が膠着するなかで、与党内部でも翁長知事に対する対応を疑問視する声が出はじめたからに過ぎない。 しかし、四月五日に行われた菅官房長官と翁長知事の会談は、まったくの平行線で終始した。そもそも菅は当初から、沖縄の声を聴き建設的な議論をしようという態度ではなかった。ただひたすらに、政府方針を沖縄―翁長知事に飲ませようという腹づもりでしかなかったことは明白だ。 菅は「日米同盟の抑止力の維持や、普天間飛行場の危険性除去を考えたとき、辺野古移設は唯一の解決策だ」「移設の断念は普天間の固定化につながる。法令に基づき粛々と進める」と発言した。要するに、普天間問題の解決と辺野古新基地建設は一体と主張し、基地建設を容認させようという話にすぎない。しかも「普天間問題の解決」を持ち出しているので、その言辞には多分に恫喝的ニュアンスが漂うことになる。実際、「移設の断念は普天間の固定化につながる」という言い分は、裏を返せば「辺野古移設を認めなければ普天間は永遠に解決しなぞ」という主張になる。世間一般では、こうした物言いを「恫喝」と呼ぶ。すなわち、菅は「会談」するためではなく恫喝をしに沖縄に行ったのである。 ゆえに、翁長知事が「粛々という言葉には、問答無用という姿勢が感じられる」「県民の心は離れて怒りは増幅される」と反発するのは当然である。辺野古新基地建設を認めさせようと恫喝し、その恫喝した内容を「粛々と進める」などと吐く人物は、相手に喧嘩を売っていると思われても仕方がないし、沖縄人民の支持など得られるはずもない。 われわれは、四月五日会談における菅発言を徹底的に批判し、弾劾していかなければならない。菅発言こそ、安倍政権の沖縄政策と位置づけの本質が現れているのだ。安倍政権にとって、島ぐるみで新基地建設に反対する沖縄人民は恫喝の対象でしかなかったということだ。絶対に許してはならない! そして、われわれが確認すべきは、翁長知事の対決姿勢を強めさせているのは、さらには基地建設阻止の議員団を動かしているのは、名護市民―沖縄人民の闘いであるということだ。辺野古現地、キャンプシュワブゲート前や海上で弾圧に屈せず闘いぬく沖縄人民の闘いが情勢を切り拓いているのだ。 闘いは今や、沖縄対政府の総対決の様相を示してきている。辺野古決戦こそ、安倍政権打倒の最重要の闘いであることは、もはや疑いようはない。沖縄人民に連帯し、辺野古新基地建設絶対阻止の闘いを、沖縄―辺野古現地と「本土」を貫いて闘いぬこう!5・17県民大会、5・24首都圏アクションに立ち上がり、辺野古新基地建設阻止を闘おう! ●第二章 ガイドライン改定―戦争立法を打ち破れ! 五月に安倍政権はいよいよ戦争立法強行に踏み込んでくる。われわれはプロレタリア国際主義の真価をかけて、戦争国家体制づくりと全面的に対決していこうではないか。 安倍は四月二十七日の2+2で日米防衛協力指針―いわゆるガイドラインを再改定し、翌二十八日の日米首脳会談でそのガイドラインの内容を確認する。そのうえで通常国会開催中の五月にでも参戦法案を提出しようとしている。すなわち、日米帝国主義の共同作戦計画に沿って、憲法の制約を乗り越える参戦法規の成立を強行しようというのだ。 今回の日米ガイドライン改定の内容は、昨年七月一日に強行した集団的自衛権「合憲」化の閣議決定を具体化し、日本の参戦―他国で戦争をすることを日米両国間で合意しあうものに他ならない。 四月八日、来日中のカーター米国防長官と会談した中谷防衛相は、ガイドライン再改定をめぐって「日米同盟をかつてなく強固なものにする歴史的な取り組みだ」(四月九日東京新聞)と発言した。これ対してカーターは、「アジア・太平洋地域だけではなく世界に対して非常に大きな影響を持つ」(同)と応えている。このやり取りで明らかなように、日米ガイドラインの再改定は「東アジア」「日本周辺」という枠組みを超えて、日米軍事同盟の及ぶ地理的範囲を全世界規模に拡大するということである。 またこの席上、中谷は辺野古新基地建設を「堅実に進めていく」とカーターに伝え、岸田外相も新基地建設を「強い決意で進めていく」と述べている。官邸でカーターと会談した安倍首相は、新基地建設を含む米軍再編を「今後とも断固たる決意の下で進めていく」と決意表明している。 ガイドライン再改定―辺野古新基地建設と米軍再編、そして自衛隊の海外派兵恒常化―日帝の全世界規模の参戦は一体の問題なのだ。 われわれはガイドライン再改定―五月戦争法制粉砕を果敢に闘っていこうではないか! 日米軍事一体化―日帝の戦争国家化阻止、米軍再編反対―アジアからの米軍総撤収を掲げた大衆運動を巻き起こしていこう! 五月、国会を包囲する大衆闘争の爆発を勝ち取っていこう! ●第三章 原発再稼働阻止!労働法制改悪と闘おう! 安倍政権は、日米新ガイドラインの画歴史的改編から戦争立法へと突き進もうとしている。その重要な基盤として沖縄―辺野古新基地建設を位置づけ強行している。と同時に人民の圧倒的反対を踏みにじって原発再稼働を推し進めようとしているのだ。 一部報道機関によれば、「災害リスクを専門とする学者と民間調査会社が、原発・エネルギーに関する世論調査を実施したところ、再稼働に対して反対が70・8%、賛成が27・9%という結果が出た。また、現状での再稼働では、73・8%が東京電力福島第一原発事故と同規模の事故が発生すると懸念」(四月七日ロイター通信)と報じている。 こうした調査を待つまでもなく、多くの人民が原発再稼働に反対なのは明らかだ。国会前行動などの再稼働反対の意志表示の現場に、いまだ巨万人民が結集している事実がその証左である。 しかしながら、経済産業省と自民党は再稼働に向けて福島の清算を図っている。経産省は四月十日、二〇三〇年に目指す再生可能エネルギーや原発など、電源種類別の比率を検討する有識者会合を開いた。ここで自民党と経産省が原発で二割程度を賄うことを念頭に水面下で比率案を調整していることが明らかになり、「出席者からは『福島(の原発)事故がなかったかのような議論だ』などの異論が相次いだ」(四月十一日東京新聞)。 経産省と自民党並びに政府が考えていることは福島の現実を清算し、もって原発再稼働を強行しようということに他ならない。われわれは、福島の人々と連帯し、原発再稼働阻止を闘おう。川内原発再稼働阻止を現地攻防として闘おう。経産省前テントを断固として防衛しよう。 そして安倍政権は、一方でアベノミクスなるまやかしの経済政策を強行し続け、さらなる労働法制の改悪を推し進めようとしている。われわれは、格差と貧困を拡大させてきた責任は安倍政権にあるのであり、安倍政権を徹底的に批判しなければならない。 安倍政権は四月三日、アベノミクス「成長戦略」の一環として残業代ゼロ法案を国会に提出した。この法案は「年収千七十五万円以上」の労働者に限定する制度などとしているが、いったん成立してしまえば改悪を繰り返して、年収の限度など無関係に全労働者に適用されていくことはあまりにも明らかだ。労働運動関係者はいみじくも「過労死促進法案」と表現している。 「日本の労基法は…労働時間規制が実質的に無いに等しいから『過労死』が蔓延するという事態になっている。これ以上、労働時間規制を緩和すれば過労死する労働者がこれまで以上に、多数発生しかねないのが現実である」「一定の賃金水準以下の労働者は八時間働くだけでは生活できない賃金水準にし、長時間労働を強要することになる。要するに全ての労働者を八時間以上、働かせたいということである」「資本、企業にとって丸儲けの制度の前では、『千七十五万円』という年収要件など何の意味もない」(『戦旗』第一四五五号)。 われわれは、このような過労死促進法案の成立を絶対に許してはならない。また安倍政権は解雇金銭解決制度を導入しようとしている。これは解雇無効と裁判所で判断されても、使用者が申し立てると一定の金銭の支払いによって退職させることができる制度である。すなわち、金さえあれば解雇できるという使用者の不当解雇をさらに促進させる代物でしかない。同時に派遣法の改悪によって生涯派遣の拡大、正社員ゼロ化を目指そうとしている。一方で過労死促進法案に見られるように、正社員には過労死するまで働かせようとしているのだ。 われわれは、労働者・人民の生活破壊を許さない闘いとして、断固として労働法制解体と闘っていこう。 ●第四章 安倍打倒の政治決戦に決起しよう 今こそ「安倍倒せ!」をはっきり掲げ全人民的政治闘争を推し進めていかなければならない。辺野古決戦、戦争法制阻止、原発再稼働阻止を安倍打倒闘争として闘おう。そのためにも反帝国際連帯運動を全力で成功させていこうではないか! アジア共同行動(AWC)日本連絡会議は六月行動を全国で展開する。われわれはこの闘いを断固として支持し、連帯し、共に闘っていく。今求められているのは国際連帯の中身を有した反戦運動の大衆的高揚である。AWCは闘うアジア人民との具体的実践的連帯を掲げて反戦・反基地闘争を闘ってきた。「アジアからの米軍総撤収」をメインスローガンの一つにしながら、アジア―世界規模の反戦運動を展開してきた大衆団体である。六月行動は、アジアから闘う人士を招聘し、報告、討論、交流をもってアジア規模の反戦運動を確認する重要な闘いである。われわれは、AWC六月行動の成功を突破口に、国際主義の内実で安倍打倒に突き進んでいこう。 そして、こうした安倍打倒の闘いを文字通りの左派総結集の大衆運動として闘っていこうではないか。三月二十一日、集団的自衛権法制化阻止・安倍たおせ!反戦実行委員会(略称 反戦実)による新宿デモが闘われた。この3・21新宿デモから開始された安倍政権打倒の左派総結集の闘争をさらに大きく拡大していいこうではないか。五~六月の国会行動を全人民的決起で闘いぬき、反戦実が呼びかける6・21集会とデモに総結集しよう。今春夏季の政治決戦を労働者階級人民の最先頭で闘いぬいていこう! |
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