1453号(2015年2月5日) 政治主張 |
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全国から辺野古・高江現地に決起しよう 基地建設阻止―安倍政権打倒 人質を見殺しにした安倍弾劾 日帝の「対テロ」戦争参戦阻止 日帝―安倍政権は、一月十日深夜に、辺野古新基地建設に向けた資材・重機搬入を強行した。徹底弾劾する。 普天間基地即時撤去、辺野古新基地建設反対、オスプレイ反対をかかげ、「オール沖縄」の団結でたたかいに立ち上がった沖縄人民に対して、安倍政権は牙をむき出しにした攻撃をかけてきたのだ。安倍は、機動隊・海上保安庁を尖兵とし、むきだしの国家暴力を沖縄人民にふりおろしている。人民の決起を圧殺しようとしている。絶対に許してはならない。 そして一月二十六日、第百八十九回通常国会が始まった。 安倍は、今国会で戦争国家へと体制の再編を強行しようとしている。辺野古新基地建設をはじめ全国の軍事基地強化、原発再稼動、労働法制改悪、治安弾圧立法など、階級的本性をあらわにした攻撃だ。 沖縄をはじめとする反基地闘争、反原発闘争、労働法制改悪阻止闘争、あらゆる攻防の現場から、安倍政権打倒の階級決戦を組織していこう。辺野古現地攻防に全国から決起しよう。集団的自衛権「合憲」化―戦争立法を許さず、安倍政権を打倒する全人民の決起をつくり出していこうではないか。 ●1章 新基地建設阻止決戦・辺野古現地攻防へ 日帝―安倍政権は、一月十日からキャンプ・シュワブへの資材・重機の搬入を強行した。徹底弾劾する。 辺野古新基地建設では卑劣な攻撃が繰り返されてきた。二〇一一年末、防衛局が環境影響評価書を「県」庁の守衛室に押し込んだのは午前四時のことだった。埋め立て申請では、提出先の「県」庁を避け、アリバイ的に「県」の北部事務所に押し込んだ。昨夏のキャンプ・シュワブへの資材搬入は真夜中に強行した。 今回も同じだ。安倍政権は、十日の午後九時からミキサー車十五台や工事用重機を次々とキャンプ・シュワブに入れだした。連日ゲート前で阻止行動をたたかう沖縄人民が、つかの間の休息を取ろうとした矢先を襲った卑劣な工事開始だ。まさに闇討ちである。 ミキサー車の搬入を聞きつけた人民はゲート前に駆けつけ、阻止行動をたたかった。これに対して、権力―機動隊は強制排除を行ない、ミキサー車をシュワブ内へと押し込んだ。 十三日の午前八時前には、防衛局の旗を掲げた警戒船や作業船など三十隻がシュワブ沖に現れた。 この時点から辺野古現地では二十四時間体制での座り込み闘争を続けている。海上行動も再開された。十四日には午前五時から殺人鉄板の上に座り込み、ゲートを封鎖した状態のまま現地集会がたたかい抜かれた。稲嶺進名護市長もこの集会に駆けつけ、「選挙で示された県民の意思を踏みにじるのは、とても民主主義国家とはいえない」「力を合わせれば必ず阻止できる」と力をこめて檄を飛ばした。 この集会がたたかわれた十四日の深夜に、またしても権力―機動隊は、阻止闘争をたたかう沖縄人民の強制排除に乗り出している。座り込みを続ける沖縄人民は「同じウチナーンチュだろ」「島を売るのか」と怒りのシュプレヒコールを叩きつけ、機動隊の暴力を許さず、体を張った阻止行動をたたかい抜いた。 日帝―沖縄防衛局は、十五日から海上作業にも着手した。キャンプ・シュワブ沿岸にオイルフェンスを張ったのだ。これは、海上行動を妨害するためのものだ。その内側では、海上保安庁のゴムボートを止める七十メートルもの浮き桟橋を設置した。 連日、陸上と海上で辺野古新基地建設を阻止するたたかいが続けられている。これに対して、日帝―国家権力は、機動隊と海上保安庁の暴力をもって、たたかう人民に襲いかかり、新基地建設をごり押ししようとしている。陸上、海上で何十人もの人々が拘束され、八十歳の女性が頭部を地面に打ちつけられ、海上行動では肋骨を折る暴力が行われている。 安倍が警察当局に対し、辺野古新基地建設を強行するにあたって「反対運動の排除を徹底するよう」指示を出していることが報道からも明らかとなっている。絶対に安倍を許すな! 一九九七年の名護市民投票から、昨年一月の名護市長選、九月の名護市議選、十一月の知事選での辺野古新基地建設反対派の勝利、十二月の衆院選で沖縄の四つの全小選挙区で新基地建設反対候補が当選するなど、沖縄人民の辺野古新基地建設反対の意思はくりかえし明確に示されてきた。翁長知事は、仲井真による「埋立承認」を検証する作業を一月中旬には始めようとしていた。沖縄与党「県」議は、この検証作業の終了までは辺野古新基地建設の作業を中止するよう訴えていた。 これに対する日帝の回答が、機動隊―海保による暴力的弾圧、工事着工強行なのだ。沖縄に対する差別軍事支配の本性が、ここにまざまざと現れている。この暴力支配に抵抗して、辺野古現地では連日の新基地建設阻止実力闘争がたたかい抜かれている。文字通り「島ぐるみ」でたたかいぬかれているのだ。沖縄の各地から連日、辺野古にバスでかけつけ、機動隊と対峙し、新基地建設を阻止する座り込みのたたかいが続けられている。 日帝―国家権力は、今後、工事区域を明示するフロート(浮具)の設置、三百メートル規模の仮設岸壁の建設工事、十二地点で残っている海底ボーリング調査を行おうとしている。そして春以降、護岸やケーソン(コンクリート製の箱)の設置など埋め立て本体工事に着手しようとしている。 今こそ、「本土」の反戦・反基地運動、労働者人民のたたかいの真価が問われている。沖縄人民と共に、辺野古新基地建設阻止の決戦に立ちあがろう。辺野古現地攻防に決起しよう。 こうした安倍政権による沖縄への差別的攻撃は、辺野古現地にかぎらない。「辺野古に新基地は造らせない」との立場を明確にした翁長知事に対し、安倍政権は敵視した態度をあからさまにしている。 昨年末に東京を訪れた翁長知事に対して、官房長官の菅は「年内に会うつもりはない」と言い放った。翁長知事は、今年の一月七日と十四日にも東京を訪れたが、ここでも菅は「私は会いません」と拒否している。 また安倍は、十五年度予算案でも沖縄差別、敵視姿勢を露骨に示している。沖縄振興策について、概算要求額を四百億円ほど下回ったのみならず、前年比で百六十二億円減額させた。その一方で、辺野古新基地建設については千七百三十六億円を計上し、これは十四年度予算の二倍である。 「新基地建設は許さない」という沖縄人民の反戦・反基地の意思を踏みにじる、安倍政権のむきだしの沖縄差別政策を根底から粉砕しなければならない。 こうした中で、米軍のオスプレイ夜間飛行訓練が激化している。一月七日、八日、十日と立て続けにオスプレイの夜間飛行訓練が強行された。十日には午後十一時過ぎに、米海兵隊のMV22オスプレイが普天間基地に着陸した。普天間基地への着陸の直前には那覇上空を通過している。 そして辺野古新基地建設と同時に、高江ヘリパッド建設工事阻止行動に対して弾圧を強めようとしている。「県」道の側道を米軍の使用制限区域に戻し、刑特法の対象として座り込みの強制排除をたくらんでいる。座り込みを続けている路側帯に鉄柵を設置しようとしているのだ。辺野古と一体に高江ヘリパッド建設強行を断固として阻止しよう。沖縄人民とともにオスプレイ撤去をかち取るためにたたかおう。 日帝―安倍政権の国家暴力をむき出しにした工事強行を徹底弾劾し、断固として現地攻防をたたかいぬこう。沖縄―「本土」を貫くたたかいをもって、辺野古新基地建設を阻止し、安保粉砕―米帝放逐までたたかおう。戦争国家化に突き進む安倍政権を打ち倒すたたかいに立ち上がろう。 ●2章 貧困と格差拡大するアベノミクス粉砕 十二月解散総選挙で「自民圧勝」というキャンペーンがふりまかれているが、決して、自民党が圧倒的な支持を得たわけではない事実を確認しよう。 争点をはずした不意打ち解散総選挙ゆえに、史上最低の投票率(52・66%)だったのであり、比例区での自民党得票率は33%、絶対得票率では17%である。たったこれだけの支持で、議会内「安定多数」を獲得してしまっているのだ。ブルジョア二大政党制を理想形とする小選挙区制が、どれほど労働者人民の意志を歪曲するのか、その犯罪的な本性が明らかとなっている。 この支持されない安倍政権が、アベノミクスをさらに進めることを許してはならない。 安倍政権は、一月十四日に二〇一五年度予算案を閣議決定した。歳出総額は九十六兆三千億円で、過去最大となる。 その特徴は、新自由主義政策である。十四年末に閣議決定した税制大綱とあわせ、社会保障を切り縮め、法人税を減税し、軍事費を増大させるものだ。 第一に社会保障では、介護報酬の切り下げ、生活保護費の縮小などが決定された。介護報酬は、総額を2・27%引き下げる。生活保護では「住宅扶助」や「冬季加算」を引き下げ、百八十八億円を削減した。年金受給資格期間を二十五年から十年に短縮する政策も先送りされ、無年金で生活しなければならない高齢者への対応を後回しにしている。 第二に法人税である。一四年末に決定した税制大綱では、法人税は減税することを決定している。今年は2・51%下げ、さらに続けて来年も下げ、実効税率を31・33%にする。黒字で多額の利潤を得ている大企業に対する減税という性格のものだ。 第三に軍事費である。十五年度の軍事予算は四兆九千八百一億円だ。三年連続で増加し、過去最高額となっている。オスプレイ五機をはじめ、ステルス戦闘機F35を六機、新型哨戒機P1二十機、水陸両用車三十両を配備しようとしている。またイージス艦一隻を建造し、千六百八十億円を計上している。哨戒機P1については、十五年度予算では三千五百億円だが、七年の長期契約を結ぶという。その総額は二兆五千億円以上になる。しかも現在の財政法で許される契約期間は最長五年だ。その契約期間の上限を特措法でもって突破しようというのだ。 安倍が人民を切り捨て、戦争国家化につきすすむことを如実に示している予算案だ。 これに加えて、さらに十四年度補正予算でも二千億円以上の軍事費が計上されている。米軍再編の施設整備費や輸送ヘリの改修、装甲機動車の整備、離島の拠点整備などが目的だ。これは、十三年度補正予算の軍事費千百九十七億円から倍増するという大盤振舞だ。 日帝―安倍政権は、労働政策において新自由主義政策を推し進めようとしている。労働基準法改悪、労働者派遣法改悪をたくらんでいる。 一月十六日、厚生労働省の労働政策審議会は労働基準法改悪の骨子案をまとめた。 安倍政権はこの報告書をもとに、「残業代ゼロ」を合法化する労働基準法改悪を強行しようとしている。労働時間と賃金を切り離して、労働時間規制をなくそうというのだ。これによって、企業は残業や深夜・休日の割増賃金を支払う義務がなくなるというものだ。この新制度の本質は、一日八時間労働という原則を破壊するという点だ。対象は、「高度な専門知識を持つ働き手」で年収一千七十五万円以上という条件をつけているが、このさき年収条件を緩和することは目に見えている。安倍の狙いは、八時間労働の原則を破壊することだ。 また、裁量労働制の対象業務の拡大が狙われている。これまで「専門業務」「企画業務」が対象だったが、今回「営業型」にまで拡大しようとしている。 そして安倍は、昨年の国会で廃案になった労働者派遣法の改悪を狙っている。労働者派遣は一時的なものに限るという原則を破壊し、派遣対象業務も派遣期間も無制限にするものだ。 内閣府が公表した報告書「日本経済二〇一四―二〇一五」において、一四年四月の消費税率8%への増税に伴う物価上昇で、個人消費が一兆円ほど押し下げられたとの推計が示された。物価上昇に賃上げが追いつかず、実質賃金が減少している。このことが政府の統計にも現れてきたのだ。こうした現象は、低賃金で不安定な非正規雇用労働者が、青年や女性を中心に千九百七十万人にまで増大したことによる。安倍の労働政策は、こうした傾向をますます強めるものだ。 貧困と格差の拡大を許さず、春闘をたたかい抜こう。安倍の労働政策を弾劾し、労働法制の改悪を阻止しよう。 ●3章 戦争立法―改憲阻止!安倍政権打倒せよ 安倍政権は、昨年七月一日に強行した集団的自衛権「合憲」化の閣議決定―「武力行使の新三要件」に基づき、それを実質化する戦争法制を国会に提出する方針を明らかにしている。統一地方選後の国会提出が予想される。これと並行して、安倍は五月の訪米を準備しており、そこで日米ガイドラインの改定に踏み込もうとしている。 安倍が狙っているのは、自衛隊と米軍の一体化をおし進めることだ。そして、全世界に展開する米軍とともに、自衛隊も地理的な制約を受けずに活動することだ。 具体的には十本近くの法律の改悪をおこなおうとしている。それによって、大きく次の四点にわたって、自衛隊の軍事活動を拡大・強化しようとしている。 第一は、武力攻撃事態法に「存立事態」という新概念を組みいれようとしている。これによって、従来の「我が国に対する急迫不正の侵害があること」という従来の自衛権発動の三要件、この制約を法律上もとり払おうとしているのだ。存立事態とは、「日本と密接な他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」としている。つまり、米帝が武力攻撃を受けたら自衛隊も参戦するということだ。 第二は、海外での自衛隊の活動範囲について地理的制約をなくすことである。周辺事態法を廃止し、自衛隊海外派兵のための新たな恒久法を制定することを狙っている。 以上の二つによって、日米安保体制の性格が根本から変わることになる。世界のいたるところで、米軍と自衛隊が一体となって、侵略反革命戦争に踏み出こんでいこうとする攻撃だ。 第三は、いわゆる「グレーゾーン事態」での自衛隊の出動、武力行使である。安倍政権は、「尖閣諸島などの無人島に武装集団が上陸するケース」などを例にあげ、自衛権の発動が認められる武力攻撃ではないが、海上保安庁や警察では対応しきれない事態を「グレーゾーン」としてきた。こうした事態に対して、自衛隊による海上警備行動や治安出動の手続きを簡素化しようとしている。 第四はPKO協力法における武器使用基準の緩和だ。これによって自衛隊の派遣地域や活動内容の拡大を狙っている。 一月二十六日から通常国会が始まった。安倍政権とのたたかいの焦点となるのは、辺野古新基地建設阻止、原発再稼働阻止、戦争法制粉砕だ。「戦争する国」づくりを許してはならない。安倍政権打倒を掲げて、国会闘争をはじめ全人民政治闘争に全力で立ち上がっていこう。 沖縄反基地闘争と結合し、安保粉砕闘争をたたかおう。 |
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