共産主義者同盟(統一委員会)


1444号(2014年9月5日) 政治主張






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  辺野古ボーリング調査徹底弾劾! 新基地建設阻止!

  沖縄―「本土」貫く反基地決起を

  京丹後Xバンドレーダー建設阻止!

  原発再稼働阻止に決起しよう


 


 全国で闘いぬいている同志・友人の皆さん!
 安倍右翼反動政権は、集団的自衛権行使容認の閣議決定強行につづいて、次に沖縄に襲いかかった。辺野古新基地建設を、国家権力の圧倒的な力によって沖縄人民の民意を踏みにじり進めている。「丁寧に説明し、理解を得る」などと言いながら、警察、海上保安庁を投入し沖縄人民の反対を力ずくで封じ込め、基地建設を強行している。内容空疎な詭弁・屁理屈を並べ人民を愚弄し、問答無用で反動政策を推進する安倍政権を許すことはできない。
 今秋期政治闘争の第一の課題は、まさに新たな「島ぐるみ闘争」として爆発する沖縄人民の辺野古新基地建設阻止の闘いに連帯する「本土」における闘いを強力に作り出していくことだ。
 同時に、「戦争する国」へ突き進む安倍政権は、年内にも「日米防衛協力のための指針」(以下、日米ガイドライン)の改定を行い、日米帝の侵略反革命戦争体制をより強化しようとしている。集団的自衛権行使を実体化する戦争法制の先取りである。閣議決定を糾弾して全国で巻き起こった闘いを引き継ぎ、集団的自衛権行使と一体のガイドライン改定を許さない全人民闘争を闘おう!
 沖縄と連帯する闘いとして「本土」における反基地闘争も重要な領域だ。二〇一七年完了を目指す岩国基地における米軍住宅建設・空母艦載機の移駐との闘い、あるいはオスプレイの訓練拠点化と対決する闘い、京丹後Xバンドレーダー基地建設阻止の闘い、沖縄の負担軽減の名目で拡大するオスプレイ訓練の全国化を許さない横田基地や厚木基地の闘いだ。横田、厚木では違法爆音を糾弾し、基地撤去を地元住民、団体とともに闘おう。
 年内の再稼働が困難視されている原発だが、安倍政権の再稼働・原発輸出の推進姿勢は何も変わってはいない。東電救済と全避難住民の切り捨てと棄民化、新たな被曝強制、福島の欺瞞的な「復興」が進められている。福島第一原発の事故収束はいまだ何の展望も見えず、汚染水の処理すらもできていないのが実情だ。再稼働を許さない闘いを継続し、すべての原発を廃炉に追い込まなければならない。
 戦後史を画する反動政権として独裁的に次々と戦争攻撃を打ち出す一方、雇用の規制緩和―非正規化、成果主義賃金の導入、増税、社会福祉の削減を進める安倍政権への労働者階級の怒りは、広く深く拡大している。もはや「安倍政権打倒」「安倍を倒せ」のスローガンは人民運動の中で共有されている。
 われわれは、このような情勢の下で、左派勢力が分散状況を打破し、左派共闘を公然と形成し、安倍政権打倒の全人民闘争を前進させていくために奮闘しなければならない。
 反帝拠点三里塚闘争においても、市東さんの農地強奪を許さない闘いを継続しよう。十月農地法裁判東京高裁闘争と全国総決起集会に全力で立ち上がろう。
 アジア共同行動日本連絡会議とともに、十一月岩国国際行動の成功を勝ち取ろう! 反帝国際連帯運動の飛躍を勝ち取ろう!
 これらの今秋期闘争の課題を、安倍政権とこれと一体に跋扈する右翼ファシスト、排外主義勢力と対峙し、組織の総力で勝利的に推進しようではないか。

  ●第1章 集団的自衛権閣議決定弾劾 新ガイドライン改定粉砕

 七月一日、安倍政権は、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を強行した。安倍の私的諮問機関に過ぎない「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」に、集団的自衛権行使賛成派の学者や官僚を集め、結論がわかりきった答申を出させ、その答申をもとに政府の基本方向を打ち出し、「期限ありきではない」といいながら、年末に予定される日米ガイドラインの再改定をにらんで、国会での審議もろくにしないまま、公明党との密室の与党協議によって閣議決定は強行された。まさにデタラメの一言だ。
 安倍政権のデタラメ極まりない九条の解釈変更と閣議決定に対し、労働者人民は全国で立ち上がった。全国津々浦々で集会やデモが取り組まれ、地方議会では反対決議が相次いであげられた。国会周辺の議員会館前、首相官邸前、日比谷野外音楽堂では連日抗議の取り組みが続けられ、多くの労働者人民・青年が駆けつけた。閣議決定前日の六月三十日には、国会周辺に万余の人民が駆けつけ、警察権力の弾圧をはね退けて、深夜まで抗議と怒りの声を上げ続けた。法曹界、言論マスコミ、文化人なども安倍の手法に戦争への危惧を感じ続々と反対の声を上げた。われわれも全国を貫いて、集団的自衛権行使容認の閣議決定を許さない全人民闘争に立ち上がった。特定秘密保護法の成立強行に続く集団的自衛権の閣議決定によって、安倍政権の支持率は大きく下がり、「安倍政権の暴走」として批判が高まった。
 安倍政権の集団的自衛権行使容認の論理は、一九七二年の個別的自衛権に関する政府解釈――九条の下でも日本が急迫不正な攻撃を受けた場合は、国民の生命や人権を守るため必要最小限度の武力行使は認められる――の必要最小限度の自衛権に集団的自衛権も一部含まれる、という解釈をもちだし、一内閣の判断でこれを「合憲化」した。つまり「わが国と密接な関係にある他国に対する攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ国民の生命・自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」があるとき集団的自衛権の行使を容認するというのだ。
 そもそも自衛権の名の下に帝国主義の侵略が繰り返されてきた歴史を踏まえれば、日本帝国主義のいう自衛権など個別的であれ集団的であれ認めることなど出来ないが、自衛権に集団的自衛権が含まれるという解釈は、もはや解釈などと言えるものではない。実質的に九条の解体である。さらに独善的な解釈を閣議決定し、集団的自衛権の行使という安全保障政策の大転換を閣議決定で強行した。これでは法治の基軸である憲法を、一内閣の解釈によって都合よく変更しうることになり、ブルジョア民主制の枠内においてすら許されることではない。
 安倍は、七月一日の閣議決定後の記者会見で、「再び戦争をする国になることは、ありえない」「むしろ、あらゆる事態に対処できるからこそ、そして対処できる法整備によってこそ抑止力が高まり、わが国が戦争に巻き込まれることがなくなると考えます」と言い放っている。批判に対し向き合い、説得するという政治家としての当然の態度を全く取らず、言葉遊びともいえる内容のない発言をくり返し、自分の「信念」を数の力で強引に押し通す安倍の傲岸不遜な手法を許すことはできない。
 閣議決定をもとに安倍政権は、年末の日米ガイドラインの改定と来年通常国会への戦争法制の一括成立を狙っている。集団的自衛権の行使と一体の攻撃として、徹底した暴露・批判を行い、労働者人民の先頭で闘わなければならない。集団的自衛権の行使が、自衛隊の海外派兵・武力行使の拡大、米軍との一体化につながることは明白だ。
 日米ガイドラインの改定の内容は、朝鮮半島有事の際に日米がどこまで踏み込んだ共同行動をとることができるかが焦点になると言われている。集団的自衛権の閣議決定によって、共和国へ攻撃に向かう米軍艦船を自衛隊が護衛するなど、これまで出来ないとされてきた活動が可能なる。現在安倍政権が進めている「拉致問題」についての日朝交渉も、米帝との共和国への侵略反革命戦争を見越した動きとも捉えることができる。
 安倍政権は九月の内閣改造で安保担当大臣を新設し、来年通常国会の準備を進めている。一括提案されてくる戦争法制は、自衛隊法や周辺事態法、PKO法など十本以上の法律の改悪だ。集団的自衛権の行使のための戦争法制を粉砕し、安倍政権を打倒しよう!

  ●第2章 沖縄―「本土」貫く決起で辺野古新基地建設阻止しよう

 八月十七日、安倍政権・沖縄防衛局は圧倒的反対の沖縄の民意を踏みにじって海底ボーリング調査を開始した。地元紙『沖縄タイムス』は、「取り返しのつかない愚行」と「理不尽な蛮行」が始まった日として胸に刻む、と社説で怒りを表明している。稲嶺・名護市長も「激しい憤りを禁じ得ない」「地域の人権と生物多様性を踏みにじるものであり、民主主義の体をなしていない」と厳しく批判している。
 昨年、安倍政権と自民党は、沖縄選出国会議員と自民党沖縄県連の「県外移設」の公約を撤回させ、十二月末には仲井真知事から、実現する根拠もない「基地負担軽減策」と振興策と引き換えに、「埋め立て申請」の承認を引き出した。仲井真知事は、安倍首相の「普天間の五年以内の運用停止」や「牧港補給基地の七年以内の全面返還」など、およそ実効性のない口約束を担保に「県外移設」の公約を投げ捨て、恥も外聞もない裏切りを働いた。仲井真知事の裏切りを糾弾する沖縄人民は、「県」庁を包囲し一階ロビーでの座り込みを闘った。
 辺野古において激しい反対行動が続いているなか、仲井真知事は沖縄防衛局が提出した埋め立て本体工事にかかわる岩礁破砕申請を許可した。これにより防衛局は、移設で必要な「県」への許可手続きをすべて取得したことになる。仲井真知事は、安倍政権と一体となって新基地建設を加速させているのだ。
 安倍政権は十一月に行われる沖縄知事選への選挙対策として、「五年以内の運用停止」のため普天間基地のオスプレイ部隊を暫定的に佐賀空港に移す画策をしたが、米軍に断られ、地元佐賀でも激しい反発を受け、失敗に終わっている。
 集団的自衛権の行使容認の閣議決定と同じ七月一日、安倍政権は辺野古沿岸における「臨時制限区域」を閣議決定した。これは辺野古新基地建設に向けてキャンプ・シュワブ沿岸提供水域の第一水域(常時立ち入り制限区域)を現行の「沿岸から五十メートル」から「同二千メートル」へと大幅拡大し、「工事完了の日まで」の「臨時制限区域」の設定によって抗議行動を徹底排除しようというものである。この日、キャンプ・シュワブ内では兵舎などの解体作業も始まった。
 安倍政権のこの動きを受けてヘリ基地反対協は、七月二日「辺野古制限水域拡大・海底ボーリング調査反対緊急アピール」、七月十八日には「緊急の訴え」を沖縄・全国に発信して支援を訴えた。
 二日のアピールのなかでは、「安倍政権は県民の抗議行動を『海上犯罪』として『刑事特別法』を適用して取り締まるように海上保安庁に指示し、海保はそのための訓練を辺野古海域で開始している。海保の増員、沖縄防衛局辺野古現地事務所の増員、名護漁協への法外な漁業補償も含め、あらゆる権力と金力を用いて名護市民・沖縄県民の民意を徹底的につぶそうとする国家権力の横暴を看過することは、独裁政治と沖縄戦再現への道を追認することであり、私たちは断固拒否する」と、国家権力の総力で沖縄人民の反対運動を押しつぶそうとする安倍政権の動きを弾劾し、決して屈することなく闘いぬくことを宣言している。
 七月二十日からキャンプ・シュワブゲート前では、制限水域を示すブイの設置を阻止するために関連資材を積んだトラックの搬入を監視・抗議する行動がはじまった。これに対し沖縄防衛局は、警察権力と民間警備会社を大量に動員し、座り込みや抗議行動を排除している。
 七月二十七日には「殺人鉄板」が設置された。沖縄防衛局は、トラックのタイヤについた赤土や砂利を落とすためと強弁するが、座り込みやゲート前デモを規制し妨害するためのものであることは明らかだ。もし転んだりしたら大怪我する危険極まりないものだ。設置された場所は、米軍への提供施設外であり、自由に歩けるところなのだ。規制する法的根拠がないにもかかわらず、沖縄防衛局は撤去に応じない。
 海上保安庁も海上抗議行動の仲間に、無法な暴力を繰り返している。海底ボーリング調査のためのブイとフロートの設置に抗議するカヌー隊に、立ち入り制限水域の外側にもかかわらず、ゴムボートによる進路妨害や監視、執拗な追い回しと「警備活動」と称する暴力的な拘束を繰り返している。海上保安庁の拘束にも法的根拠がない。海上保安庁は、まさに無法な暴力集団である。二十二日にはついにカヌー隊の男性が拘束された際に首に頸椎捻挫全治十日間の暴行を受けた。この暴行に対して男性は、二十九日海上保安官三名を特別公務員暴行陵虐致傷容疑で、那覇地検名護支部に告訴状を提出し、徹底的な追及を行う。
 まさにこのような沖縄防衛局・警察権力・海上保安庁一体となった力ずくの工事強行に対する怒りは、八月二十三日のゲート前集会となって爆発した。二十三日午後二時からキャンプ・シュワブ第一ゲート周辺で県民集会「止めよう新基地建設! みんなで行こう、辺野古へ」が開催され、三千六百人の人民が結集した。参加者は歩道からあふれ、傾斜の厳しいのり面を埋め尽くした。そして「民意を無視するな」「政府の暴力を許さない」の力強いシュプレヒコールの声が響き渡った。九月二十日には、さらに大規模な結集を目指して辺野古の浜辺で集会が開催される。十月中旬の予定で一万人規模の大集会を名護で開催する計画も進んでいる。
 沖縄人民の決起は、警察権力と海上保安庁の動員による反対運動の封じ込めによって、抵抗を諦めさせる安倍政権の狙いを完全に破たんさせている。逆に力ずくの工事強行は怒りに油を注ぎ、怒りのマグマの爆発を誘発する役割を果たそうとしている。まさに沖縄では、普天間基地の即時閉鎖・撤去、辺野古新基地建設阻止、オスプレイ配備撤回、日米地位協定改定要求を軸とする沖縄人民総体の、新たな島ぐるみ闘争が始まっている。
 全国をつらぬいて沖縄人民連帯、辺野古新基地建設を許さない闘いに立ち上がろう。辺野古新基地建設は、日米帝による沖縄軍事支配と沖縄人民に対する永続的な差別支配の維持につながる。来春にも予定される埋め立て本体工事を、絶対に阻止しなければならない。
 辺野古新基地建設と並行して、新防衛大綱のもと、沖縄を国境地帯として中国との軍事衝突をも想定した自衛隊の増強が進んでいる。与那国島への沿岸監視部隊配備が強行され、奄美大島や石垣島に陸上自衛隊の警備部隊の配備が計画されている。沖縄人民とともに、沖縄を侵略反革命戦争の前線基地にしようとする攻撃と対決し、これを粉砕しよう。

  ●第3章 原発再稼働阻止する全国決起を

 反原発闘争における闘いの当面の中心課題は、現在すべて停止している原発の再稼働を許さない闘いを推進することだ。
 七月十六日、原子力規制委員会は、鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原発一、二号機の安全対策が、再稼働に必要な新規制基準に適合しているとの審査書案を公表し、事実上再稼働を認める決定を行った。この時点では、早ければ十月にも再稼働がなされると予想された。しかしその後、建物や機器の詳細設計をまとめた「工事計画認可」の補正申請書の提出が早くとも九月末に遅れることを九電が明らかにし、再稼働が大幅にずれ込むことになった。再稼働に必要な手続きとして、「工事計画認可」以外にも運転管理体制に関する「保安規定認可」の取得、さらに申請書通りに設備が取り付けられているかチェックする「起動前検査」(一~二カ月かかる)と地元自治体の同意も必要になる。年内の再稼働は不可能になっている。
 このような書類の不備は、新規制基準に対する電力会社のずさんな準備が原因であるが、再稼働に積極的な安倍政権の下で多少の不備は規制委員会も見逃すであろう、という甘い見通しもあったことは間違いない。再稼働に反対し、原発政策の転換を求める全国の反原発の闘いが、規制委員会を監視し、杜撰な審理を許さなかったのだ。規制委員会が、再稼働を前提とした推進機関であることは変わらない。
 川内原発に続き再稼働二番目とされていた高浜原発三、四号機は津波想定に計算ミスが見つかり、現時点では審査書案の作成に入れていない。申請の遅かった沸騰水型の原発は、まったく再稼働が見通せない情勢だ。
 しかし十六日の発表時に規制委員会の田中委員長は、川内原発の審査が山場を越えたことで、川内原発と同じ加圧水型原発である玄海原発三、四号機の審査は「相当に詰まってきている」と言い、審査が加速させていくことを明らかにしている。
 安倍政権は、新規制基準が「世界最高水準」であり、規制委員会の審査を合格した原発は「安全」だとデマを飛ばしている。福島第一原発は、電源と冷却水を失い原子炉が炉心溶融を起こしたが、新規制基準はその原子炉本体には立ち入ってはいない。原子炉本体の安全対策は多大な費用が必要なのだ。どこまでの範囲なら電力会社が負担できる範囲なのかを配慮した基準となっている。「世界最高水準」でもないし新規制基準が安全を保障しているわけでもない。
 再稼働の停滞をよそに、安倍政権は原発の輸出のために、八月に首相が来日したインドとの原子力協定交渉再開、昨年五月訪問したアラブ首長国連邦やトルコと原子力協定締結と先頭に立って原発輸出を推進している。福島第一原発の事故によって、原発がいかに危険な技術であり核というものが取り返しのつかない環境汚染をもたらすことを福島の現実が突きつけているにもかかわらずである。
 安倍政権は全国で再稼働にふみきって行こうとしている。原発所在地の反対運動との連帯・支援、「再稼働阻止! 全国ネットワーク」をはじめ現地闘争を闘う諸団体と結合し、再稼働阻止の闘いを進めていこう。原発の再稼働を遅らすことは、各電力会社の経営を直撃する。再稼働を阻止する闘いは、原発に依存する経営そのものの転換を迫る闘いでもある。再稼働を阻止し続け、すべての原発を廃炉に追い込もう。

  ●第4章 今秋期安倍政権打倒の中央政治闘争に決起を

 今秋期、安倍政権の「戦争する国」と対決する反戦反基地闘争、国際連帯闘争の課題を確認しよう。
 まずもって決戦に突入している辺野古ボーリング調査強行阻止―新基地建設を断固闘うことである。同時に今冬にも予想される川内原発再稼働阻止の現地攻防を闘うことである。その上で日帝―安倍政権と対決する以下の闘争を、今秋期闘争の重要方針として提起する。
 第一は、京丹後Xバンドレーダー基地建設阻止を闘うことだ。京丹後のXバンドレーダーは、米軍のミサイル防衛システムの一環であり、朝鮮民主主義人民共和国からの弾道ミサイルの探知、追尾、迎撃ミサイルを誘導するための移動式早期警戒レーダーだ。探査距離は千キロメートル以上の最新鋭の兵器で、青森県の車力にも配備されている。車力のレーダーはハワイ、京丹後のレーダーはグアムへと向かうミサイルを捕捉すると見られている。まさに集団的自衛権の具体化だ。
 地元では住民団体「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」が結成され、これと結合する「米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会」「近畿連絡会」が京都と関西をカバーする形で反対運動が行われてきた。四月二十日の現地集会には四百名が結集し、新たな米軍基地建設反対を訴えた。地元でも米軍基地建設への戸惑いや事故や米兵の事件に不安を感じる声もあったが、防衛省は京都府や京丹後市を抱き込み、建設を推進してきた。
 昨年十二月段階で、防衛省による予定地の地権者との契約は完了し、五月二十七日には工事着工が強行された。十月にはレーダー本体の搬入、十二月からは基地の運用が始まろうとしている。この動きへの反撃として、九月二十八日に「京都にも沖縄にも東アジアのどこにも米軍基地はいらない! Xバンドレーダー搬入反対! 9・28全国集会in京丹後」(主催:米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会)が開催される。基地反対の地元住民を勇気づける大結集を実現し、迫るレーダー搬入を阻止するために闘おう!
 第二は、反帝拠点・三里塚闘争を闘おう。十月八日控訴審闘争―十月十二日三里塚全国総決起集会に立ち上がろう。農地法を悪用した空港会社の農地強奪攻撃を粉砕しなければならない。空港建設を阻み、農民として生きる市東さんを守り抜こう。東京高裁の拙速審理を許さず、千葉地裁の出した不当な多見谷判決で控訴審闘争で打ち砕こう。
 第三は、岩国基地強化と闘おう。米軍再編の中で岩国基地は、極東最大の海兵隊基地へと強化されようとしている。二〇一七年までに、厚木基地からの空母艦載機の移駐、F35の配備が計画されている。さらに沖縄の負担軽減を名目に、普天間基地から空中給油機部隊の移駐が強行され、オスプレイの訓練拠点としても岩国基地は利用されている。
 岩国市民の悲願であった滑走路の沖合移設事業は基地の強化となり、愛宕山開発事業が米軍住宅建設として、岩国市民をだまして強行されようとしている。岩国市民は二〇〇六年の住民投票で空母艦載機の移駐を拒否した。米軍住宅建設を阻止しよう! 岩国基地強化と闘おう! 岩国市民とともに、粘り強く闘い抜いていこう。
 アジア共同行動日本連絡会議が提起する十一月岩国連帯行動を支え、ともに闘おう!
 第四に、左派勢力の結集による安倍政権打倒を掲げた中央政治闘争に向けて闘おう!左派勢力こそ安倍政権打倒の全人民闘争の先頭に立たなければならない。左派勢力の共闘は、安倍政権と闘う労働者人民の直接行動と結びつき、これを一層促進させること、さらに安倍政権打倒の全人民闘争の中に資本主義・帝国主義に対する反乱の結集点としての役割を果たすものでなければならない。今秋期の中央政治闘争を、来年敗戦七十年を戦争法制の確立、民族排外主義の下への労働者人民の取り込みに徹底的な利用を企てる安倍政権を打倒する左派共闘の起点としていこう。


 

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