共産主義者同盟(統一委員会)


1443号(2014年8月5日) 政治主張






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  スラエルのガザ侵攻―パレスチナ人民虐殺徹底弾劾

 反戦―反基地闘い安倍打倒へ

 ボーリング調査阻止! 全国から辺野古へ

 基地反対! 名護市議選勝利を


 
 七月八日、イスラエル軍はパレスチナ自治区・ガザ地区に対する侵略を再開した。二十六日現在、虐殺されたパレスチナ人は八百六十五人となった。無差別空爆によって子どもも多数犠牲となり、病院も砲撃された。シオニストはこの攻撃を「イスラム原理主義ハマスによるロケット弾攻撃への報復」としている。だが、イスラエルによるパレスチナ自治区の占領や入植地の拡大こそが問題の核心だ。占領を背景に行われている、圧倒的な軍事力による一方的な虐殺こそ、事態の本質だ。
 この侵略とジェノサイドに対し、米帝オバマは「停戦の実現を」とポーズをとるだけで、ネタニヤフ首相を決して止めようとしない。ましてや何らかの制裁をする気はない。イスラエル以外では考えられない対応であり、相変わらずのダブルスタンダードだ。
 イスラエルの蛮行に対する抗議は世界で拡大している。パレスチナ民衆の抵抗闘争に連帯し、シオニストによる虐殺を止めさせる行動に立ち上がろう。

 ●第1章 辺野古ボーリング調査絶対阻止

 安倍政権は、集団的自衛権「合憲」を閣議決定した七月一日、辺野古沿岸の「臨時制限区域」を閣議決定した。キャンプ・シュワブ沿岸提供水域を辺野古新基地の「工事完了まで」大幅拡大し、現行の五十メートルから二千メートルへと一挙に拡大。立ち入れば「刑事特別法」で逮捕する構えだ。この海域での抗議行動を、全面的に排除しようとする許しがたい攻撃だ。
 その後の報道で明らかになったところでは、立ち入り禁止区域の境界にブイを並べると共に、海底ボーリング調査の足場周辺にフロートを張り巡らす。ブイの周囲を海上保安庁や民間警備船、警戒船が二十四時間体制で監視する。ブイ設置と同時に、沿岸近くの二ヶ所にボーリング用の単管足場を組む。重層的な警備体制を敷き、抗議行動を威圧し、徹底的に押さえ込もうというのだ。
 さらに注目されるのが、この立ち入り禁止区域を明示するブイ設置の関連業務の一部を防衛省が「秘密指定」していることだ。基地建設=戦争に関する情報を隠し、情報を入手しようとすれば投獄するという、政府権力が秘密保護法制定に込めた狙いが、早くも如実に示されている。
 だがわれわれはこうした安倍政権の重弾圧攻撃に屈するわけにはいかない。沖縄人民は「これは銃剣とブルドーザーで住民を追い出して基地を作ったやり方と同じだ」と猛烈に抗議の声を上げている。集団的自衛権の「合憲」化と同じ日に、辺野古「臨時制限区域」を拡大した狙いは明らかである。侵略戦争のできる国家へ突撃することと同時一体に、何が何でも新たな米軍基地建設をやりきるという意志なのだ。
 名護・ヘリ基地反対協は閣議決定翌日の七月二日、緊急アピールを発した。抗議行動への弾圧体制や名護漁協への法外な漁業補償を弾劾し、「あらゆる権力と金力を用いて名護市民・沖縄県民の民意を徹底的に潰そうとする国家権力の横暴を看過することは、独裁政治と沖縄戦再現への道を追認することであり、私たちは断固拒否する」と述べた。さらに同月十八日にも全国の民衆に対し「緊急の訴え」を発した。「テントでの座り込み、ゲート前での監視、海上での船に乗って・カヌーでの抗議など多くの行動があります。必ず勝利できます。追い込まれているのは、暴走する安倍内閣なのです。勝利の日まで皆さんのご協力、ご奮闘を心より訴えます」と現地闘争への参加・支援を呼びかけている。この呼びかけに断固応え、全国から派遣団を組織しようではないか。
 名護市議選の投票日が、九月七日と迫っている。辺野古新基地建設を阻んできた大きな力は、沖縄人民―名護市民の新基地建設反対の意思が名護―稲嶺市政として実現されてきたことである。この名護市民の意思は本年一月の市長選で稲嶺進市長が再選されたことで、改めてはっきりと示された。それは昨年十二月二十七日、仲井真知事が政府に屈して公有水面埋め立て申請を承認するという事態を乗り越えて勝ち取られたものだ。稲嶺市長は「私は今後とも日本政府からのいかなる圧力に対しても屈することなく『辺野古の海にも陸にも新たな基地は造らせない』という信念を貫き、不退転の覚悟を持って臨んでいく」(7・19東京集会へのメッセージ)とその決意を明らかにしている。この反基地派の稲嶺市政をより磐石なものにするためには、九月名護市議選において基地反対を貫く現与党議員の勝利をかちとることが必須だ。基地推進派・容認派、あるいは防衛省・沖縄防衛局は、陰に陽に与党議員の追い落としに奔走するだろう。この策動を打ち破り、名護市民の反基地の闘いを全国から支えよう。
 全国で米軍基地建設の攻撃が強まっている。五月十五日岩国の愛宕山米軍住宅着工、五月二十七日京都のXバンドレーダー基地着工、そして七月、沖縄では辺野古と同時並行で高江ヘリパッド工事が再開している。住民の怒りと苦悩を受け止め、断固支援すること、かつ、各地の反基地闘争の横のつながりを促進していくことが、いま必要だ。「普天間基地撤去・オスプレイ撤回」の島ぐるみ闘争に応える運動を「本土」反基地闘争の結合をもって推し進めよう。
 七月十六日、十八日、普天間基地所属の垂直離着陸機オスプレイが厚木基地(神奈川県)に飛来し、十九日には横田基地(東京都)に飛来した。住宅密集地でのパラシュート降下訓練が、今後は欠陥機オスプレイによって展開されるのではないかと周辺住民の不安が広がっている。だが日米両政府は、オスプレイ訓練の全国化を「沖縄の負担軽減」を理由に掲げて強行している。沖縄と「本土」における反基地運動の分断をはかる、許しがたい論理である。
 そもそもオスプレイは、事故多発の欠陥機で、低周波騒音を撒き散らす輸送機だが、問題はそれにとどまらない。空中給油機能を持ち、軍用ヘリとは比較にならない航続距離と巡航速度を持つ。他国への殴りこみ部隊として編成された海兵隊を運ぶのがその役割であり、自ら武装もできる。まさしく侵略兵器だ。このオスプレイを防衛省は購入しようとしている。自衛隊を侵略のできる軍隊へ飛躍させようという、その意図は明らかだ。米軍オスプレイの全国訓練は、侵略戦争訓練以外の何物でもない。「沖縄の負担軽減」論を粉砕して、オスプレイそのものを、沖縄から全国から撤去させよう。
 オバマ政権の米軍アジア再配置戦略と、安倍政権の集団的自衛権行使の「合憲」化により、日米軍事同盟関係が根本的に改編される。しかし、その実体的根拠である基地、とりわけ新たに建設されようとしている米軍基地建設を阻止すれば、この日米政府の目論みは大きく頓挫することになる。今こそ、全国の反基地闘争の強化と結合を改めて進めるときである。そして韓国やフィリピンをはじめとするたたかうアジア人民の反米軍闘争と結合し、アジアから米軍総撤収のたたかいを強化していこう。

 ●第2章 原発再稼動阻止、反戦―反核の決起を

 安倍政権は、電力資本、電機産業資本の意を受けて、なんとしても原発再稼動に踏み込もうとしている。そのために原子力規制委員を推進派に入れ替えた。
 その目論見どおり、七月十六日、規制委は九州電力川内原発一、二号機について「原発の新規制基準を満たしている」との審査結果を了承した。とんでもないデタラメである。それは審査の新基準が「住民の避難計画」を対象にせず、自治体任せになっていることを見ても明らかだ。審査対象となっているものも、抜け穴だらけだ。事故が起きた際の作業員の拠点は建設中で、重大事故を防止するためのフィルターつきベント設備もない。火山への対応も「予知で対応する」と主張して、何の備えもしていない。つまり、3・11福島第一原発事故の教訓は何も生かされていない。こんな新基準を安倍は「世界で最も厳しい」と言い、田中俊一・規制委員長は「(川内原発の安全性は)ほぼ世界最高レベル」と言っている。
 だが、そう言いながらも安倍政権は、規制委が安全と判断したものは内閣で検討することなく再稼動を認めるとし、規制委はみずからは規制基準を満たしたかどうかを判断するだけで、再稼動の判断はしないとする。もし事故が生じた際、再稼動を判断した責任を回避する意図が明白だ。ひどい無責任体制であり、目先の利益のことしか念頭にないことがわかる。
 安倍政権はこの規制委員会の承認を持って、今秋にも川内原発の再稼動を強行しようとしている。だが世論の過半数は「再稼動反対」だ。今も首相官邸前では大規模な抗議行動が粘り強く続けられている。脱原発テントは経産省前に堂々と屹立し、全国の反原発運動の砦であり、交流の場となっている。川内現地においても、6・14全国集会が断固打ち抜かれた。周辺住民の安全軽視に対する怒りも湧き起こっている。鹿児島県姶良(あいら)市議会は七月十一日、九州電力川内原発の再稼働に反対し、廃炉を求める決議案を可決した。
 こうした再稼動反対の民衆の意志と力を結集させ、なんとしても「国内稼動ゼロ」を守り抜かなければならない。引き続き、川内原発再稼動阻止闘争を現地闘争を軸に高揚させよう。原子力ムラを解体し、すべての原発を廃炉にするまでたたかおう。
 反戦・反核のたたかいとして、今年も8・6広島青空式典に全国から結集しよう。
 安倍政権が中国や朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)を敵国として位置づけ、在日米軍再編を強行し、侵略戦争のできる国へ舵を切った今、8・6広島闘争は決定的重要性を持っている。
 安倍政権は昨年十二月、原爆症の認定基準を発表したが、それは内部被爆や残留放射能の影響を認めず、認定基準を狭めるものだった。核兵器の被害を過小評価することで、将来の核武装への道を掃き清める狙いがある。われわれは、あくまでも国家による戦争責任・戦後責任を明確にした国家補償の実現を求め続ける。同時に、広島でも長崎でも、朝鮮半島出身の被爆者は戦後放置され、今なお被爆者援護法の完全適用には至っていないという重大な問題がある(共和国は国交がないという理由で全く適用されていない)。
 こうしたなか「8・6広島青空式典から9・6『山口の広島デー』へ!連続実行委」が呼びかける青空式典は、安倍政権による核被害の隠蔽と核武装を許さず、すべての被爆者に対する援護法の完全適用を要求し、福島第一原発事故の被害者との連帯を訴えるものとして開催される。被爆二世が中心となって取り組まれる青空式典は、昨年に引き続き韓国民衆との同時行動としてとり組まれる。全国から結集しよう。

 ●第3章 安倍政権打倒の政治攻防を闘おう

 安倍政権は解釈改憲の閣議決定から「侵略戦争ができる国家」に向けて、具体的体制整備に踏み込もうとしている。
 すでに国家安全保障会議のもとに三十名規模の官僚を集め、法案作成チームを発足させている。報道では今秋臨時国会で「グレーゾーン事態」に関わる戦争法案が上程され、集団的自衛権関連の戦争法案は、来春の統一地方選後の通常国会に上程するとしている。戦争法案づくりと並行して、年内に「日米防衛協力の指針(日米ガイドライン)」を改定し、そこに集団的自衛権の行使を反映させようとしている。まさに集団的自衛権行使、集団的安全保障への参加―参戦に向けた、戦争法の改悪と立法攻撃にこれから立ち向かっていかなければならない。
 予想される戦争法案は、自衛隊法、武力攻撃事態法、周辺事態安全確保法、船舶検査活動法、国民保護法など多岐にわたる。戦後史を画する一大攻撃である。
 「安倍政権打倒!」の声はいま、反戦運動、反原発運動、反貧困運動のなかで、怒りをもって拡大している。「戦争の放棄」「平和主義」という憲法原則の解体、それも一内閣の解釈で変えてしまうという国家主義的手法、沖縄をはじめとする強権的な軍事基地建設、「命よりカネ」の原発事故被害者切り捨てと原発再稼動攻撃、さらにアベノミクスによる労働者民衆の生活破壊・貧困化のもと、安倍政権に対する怒りが高まるのは当然だ。
 こうした労働者人民の苦悩と怒りに分け入り、それを安倍政権とその土台をなす資本主義に対する大衆的叛乱へと解き放つ左翼勢力の登場が、いまこそ強く求められている。
 この間の反原発闘争は、その全人民性や運動形態において、新たな大衆闘争とでもいうべき特徴を示してきた。他方、運動内部は、反資本主義闘争としてたたかう部分から、再生可能エネルギーに新たな資本投下と市場を求める資本家階級の要求まで存在している。だが原発を必要とする勢力は日本資本主義の根幹に関わっている。反原発闘争を反資本主義のたたかいとして貫徹することが反原発闘争の勝利の道だ。
 沖縄でも「本土」でも、日米安保のもとで米軍基地の建設や強化が進んでいる。世界中に展開する帝国主義軍隊の出撃拠点へますます変貌を遂げようとしているのだ。この根拠となる日米安保体制そのものの打倒をめざす左翼勢力の前進が問われている。
 労働者人民、とりわけ青年層には、新自由主義イデオロギーのもとで、将来に希望の持てない人々、ワーキングプア層がますます拡大している。出口のない怒りや不満を抱える人々に対し、安倍政権は国家主義や排外主義を扇動している。中国や韓国への憎しみをあおり、その結果として、「在特会」ら排外主義襲撃集団が公然と登場してきた。貧困や絶望の根源である日帝―安倍政権に対して怒りを解き放つ闘争を組織すべき左翼勢力、この退潮こそが、今日の事態をもたらした原因のひとつだ。
 われわれ日帝足下の革命勢力は、今こそ安倍右翼反動政権打倒の政治闘争を断固として組織していかなければならない。そのことを通じて、反原発・反基地・反貧困運動の反資本主義闘争としての発展をかちとり、左翼勢力の大衆的再生をかちとろうではないか。
 一方、反帝国主義・国際連帯を旗印に独自の運動を進めてきたアジア共同行動は、夏期、岩国において反戦合宿を開催し、十一月には岩国国際連帯集会を準備している。アジア共同行動は労働者、労働組合が地域の反戦・反基地闘争に決起してゆく大衆運動の一翼である。と同時に、フィリピン、韓国、台湾などアジア―世界の労働者人民との国際連帯を一貫して推進している。今夏今秋、アジア共同行動に対する支持、支援をいっそう強めていこう。


 

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