1437号(2014年5月5日) 政治主張 |
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辺野古埋め立て阻止―新基地建設粉砕! 沖縄―「本土」貫く闘いを 集団的自衛権「合憲」化阻止! 安倍政権打倒 「エネルギー基本計画」粉砕! 原発再稼動阻止 全国のたたかう仲間のみなさん。『戦旗』読者のみなさん。 われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、四月十三日、中央政治集会、関西政治集会、九州・山口政治集会の成功をかちとった。統一の基調報告をもってかちとられた三つの政治集会では、日帝―安倍右翼反動政権の戦争国家攻撃と真っ向からたたかいぬく二〇一四年の政治方針を確認した。全国各地でそのたたかいに着手し、邁進している。 消費税増税、生活保護法の改悪、福祉切り捨てという事態を労働者階級人民に強制しているのは、日帝―安倍右翼反動政権だ。さらには、「領土問題」や戦争責任・戦後責任を清算し、差別排外主義を煽動し、解釈改憲で集団的自衛権の「合憲」化―戦争のできる国家へと突き進もうとしている。われわれは決して安倍政権を許さない。 アベノミクスなる「成長戦略」は、大企業の利益を保護し、労働者階級人民からは徹底的に絞り取っていくものだ。われわれ共産同(統一委員会)は、労働者階級人民の利害に立脚し、前衛党としての責務にかけて安倍右翼反動政権打倒の最先頭に立ってたたかう。 五月沖縄解放闘争を沖縄―「本土」を貫きたたかい抜こう。原発再稼動阻止闘争に決起しよう。反帝国際連帯運動を推進するアジア共同行動のたたかいを支持・支援しよう。 ●1章 「防衛装備移転三原則」弾劾、集団的自衛権「合憲」化阻止 集団的自衛権の「合憲」化に突き進む安倍政権を徹底批判しよう。 集団的自衛権の行使とは、同盟関係を根拠にして、他国の内戦や戦争に介入することである。米帝のベトナム侵略反革命戦争にも明らかなように、侵略反革命戦争を強行する口実である。「自衛権」とは全く異なる概念である。戦後史における「集団的自衛権」のこの意味を分かった上で、安倍は「自衛権」と「集団的自衛権」を意図的に混同する詭弁をもって、「集団的自衛権」を「合憲」化する言説を押し通そうとしている。 安倍の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」座長の北岡伸一こそ、この究極的な解釈改憲とも言うべき集団的自衛権の「合憲」化のペテン的論拠を「発案」し喧伝している張本人だ。 昨年十一月中旬、「集団的自衛権」をめぐり、北岡伸一と元防衛官僚の柳澤協二が、日本外国特派員協会で会見をひらいた。その会見で、北岡は詭弁を弄した。北岡は「九条の核心部分は、一九二八年のケロッグブリアン協定(不戦協定)や国連憲章と同じく、国際紛争を武力ではなく、平和的に解決するという点だ」とする。さらに「九条のいう『国際紛争』は、日本と他国の紛争、つまり日本が直接関与する紛争のことだ」として、国連のPKOなどは九条の対象外だと主張した。また、PKOにおいて、自衛隊の武器使用が厳しく制限されていることに関しても、「九条で禁止されているのはあくまで『武力』であって、『武器』とは違う」として、他の参加部隊と同じく、より幅広い武器使用を認めるべきだと主張した。 さらに九条二項についても、《自衛隊は自衛のための必要最小限度の実力だから、戦力には該当しない》という政府解釈を前提としたうえで、国連憲章やサンフランシスコ条約が認めるように、日本も集団的自衛権を行使できるはずだ、とした。 ここで参考のために、憲法九条を引用する。「第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」。九条二項「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」。 憲法九条は、そもそも軍隊を保持しなことが明記されている。自衛隊はどうとりつくろっても、陸海空の軍隊そのものであり、まずもって自衛隊からして憲法違反なのだ。 さらに、禁止されているのは「武力」だから「武器」の使用はいいと北岡は言うのだが、武器の使用は、武力の行使と同義であり、あたかも違うことのように論じること自体が論理的に破綻している。禁止されていることを、「禁止されていない」と強弁しているにすぎない。 さらに、「国際紛争」について、「日本が直接関与する紛争」のことで、これ以外はあたらないと。つまり、米帝が主導したイラク戦争やアフガニスタン戦争のような戦争にどんどん参戦していくと強弁しているのだ。この北岡のペテン的強弁を粉砕しよう。 安倍政権は、四月六日の小野寺・ヘーゲル日米防衛相会談で、集団的自衛権「合憲」化の米帝の承認を取り付けようとした。会談では、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)の「核開発」「弾道ミサイル発射」をことさらに持ち出して、日米の軍事一体化をますます強化していくことを確認した。さらに小野寺は、解釈改憲で、集団的自衛権を「合憲」化しようとすることを説明し、ヘーゲルの「日本側の政府が下された決定を歓迎する」という言辞を取り付けた。 安倍は、五十五年前に出された砂川事件の最高裁判決を根拠にして、集団的自衛権を「合憲」化する憲法解釈の変更を打ち出している。しかし、法理論的にまったくでたらめであるがゆえに、憲法学者らから、砂川事件を「都合よく利用」していると批判が噴出している。安倍政権はあらゆる詭弁をろうして、集団的自衛権を「合憲」化し戦争国家に突き進もうと躍起になっているのだ。 四月一日の閣議で、武器や関連技術の海外提供を原則禁止してきた武器輸出三原則を四十七年ぶりに全面的に見直し、輸出容認に転換する「防衛装備移転三原則」を決定した。これは、日米安保の強化の一環であり、さらには米帝・欧州各国帝の軍需産業と日本の軍需産業が共同して兵器を開発することと、兵器を相互に輸出入することに道を拓くものだ。このことは、われわれ日帝足下の労働者人民が殺戮兵器の製造を担わされ、その兵器を持たされてアジア諸国地域人民との殺し合いを強制されることを意味する。断じて許してはならない。 ●2章 労働者階級人民の搾取を強めるアベノミクス 安倍政権が掲げるアベノミクスなる「成長戦略」は、労働者人民の窮乏化を強めるものでしかない。消費税増税、公共料金などの引き上げ、年金などの負担増とともに、物価も上昇している。今春、一部企業の労働者の賃金がアップしたが、負担増分が大きいので、全体的に見れば労働者人民の窮乏化が加速しているのだ。「異次元の金融緩和」を一年続けても「景気回復」効果は根本的には表れていない。貿易赤字が恒常化し、本年一月まで四ヶ月も経常赤字が続いた。安倍政権は公共事業などの資本のための財政政策をとっている。それは、大手ゼネコンなどが利潤を享受するだけで、物価上昇と消費税増税で中小零細企業は危機的状況であり、「成長戦略」による「景気回復」は幻想でしかない。 安倍政権は「女性の活躍」を掲げながら、その実態は女性労働者の非正規雇用化でしかない。安倍政権は昨年四月に「女性が輝く日本へ」と題した成長戦略で、待機児童の解消、上場企業での女性役員の登用、三年間の育休などの政策を並べ立てた。実態はどうか。秘書官や省庁幹部に女性を登用することが「女性の活用」であるかのように宣伝するのみで、多くの女性が要望する切実な問題にはまったく向き合おうとはしていない。さらに、労働者派遣法改悪を閣議決定し、二〇一五年四月の施行を目指すとしている。この改悪によって派遣労働者は、正社員登用の道をふさがれ、同じ職場で三年しか働けなくなるという状況に追い込まれる。総務省統計局の労働力調査によると二〇一二年に学生を除いた非正規雇用労働者の総数は一千六百六十万人で、その七割が女性だった。派遣法改悪によって、女性が正規雇用で担っている事務などの仕事が非正規へと置き換えられていく事態が想定されるのだ。 さらに、安倍政権は、出産、育児を保障する政策をとっていないがゆえに、「少子化対策」はまったく進展していない。人口減少―労働力不足という問題に対して、「技能実習制度」の拡大をもって、外国人労働者の動員に踏み込もうとしている。日帝ブルジョアジーにとって、人口減少―労働力不足は、経済の低下と直結する深刻な問題なのだ。高齢化・後継者不足・労働力不足の農漁業の現場では、低賃金の「技能実習制度」下の外国人労働者が動員され、かれらによって日本の農漁業は支えられている実態がある。それを建設業や介護、家電サービスなど他の職種にまで拡大しようというのだ。場当たり的で差別的な、安倍政権を許してはならない。 日米両政府は、環太平洋経済連携協定(TPP)の関税協議でコメに高い関税をかける日本の輸入の枠組みを残すかわりに、米国産米の輸入量を増やす方向で最終調整に入った(四月十八日時点)。牛肉・豚肉については関税率の数値設定で日米双方の意見があわず難航している状況だが、四月二十四日に予定している日米首脳会談で「大筋合意」することを目指しているという。これに先立つ、四月七日、日本と豪州の経済連携協定(EPA)が大筋合意した。「安い牛タンが食べることができる」などという報道がなされているが、労働者階級人民にとっては「百害あって一利なし」の協定だ。TPPなどの協定の真の目的は、企業が利潤をより早く効率よく得るために、企業にとってのあらゆる「障壁」を取り払うという点にあり、新自由主義・グローバリゼーションそのものの経済政策だ。いったん協定が締結され、本格的に始動すれば、企業にとって利潤を得るのが何よりも優先される。そこには、徹底的な人件費の切り詰め、安全・衛生を保障する検査の省略が強行されるというとんでもない事態が現出することになる。TPP協定を断じて許すな。 ●3章 原発輸出を許すな、再稼働実力阻止! 安倍政権の下で、原子力規制委員会は、原発再稼働に踏み込もうとしている。原発稼動ゼロの状態でも、電力は賄えている状態にもかかわらずだ。原子力規制委員会は、川内原発、伊方原発、大飯原発と、審査基準を満たせば再稼動の許可を出そうとしている。福島第一原発の事故はいまだ収束していない。安全などどこにもないことは明白だ。ましてや、原発再稼動は、被曝労働をさらに増大させることを意味する。われわれはこのことを断じて許さず、全ての原発停止と廃炉に向けて闘おう。 四月十一日、安倍政権は、「原発ゼロ」を転換する方針を正式に決めた。閣議決定した「新たなエネルギー基本計画」は、「原子力は重要なベースロード電源」「規制基準に適合した原発は再稼動」「核燃料サイクルは推進」「『もんじゅ』は国際的な研究拠点に」とする一方で、「高レベル放射性廃棄物は国が前面に立ち最終処分に向けて取り組む」と最終処分場がいまだに決まらないのに、再稼動に踏み切るという支離滅裂な計画だ。事故続きで、施設そのものが経年劣化で廃炉しか選択肢がないはずの「もんじゅ」を維持するなど言語道断だ。 また、事故を起こし放射性汚染物質を広範囲に撒き散らし、人が立ち入ることができない状態にまで至った日本の原発を、安倍政権は積極的に輸出しようとしている。四月十八日、トルコとアラブ首長国連邦(UAE)に原発を輸出する原子力協定が、参院本会議で自民、公明、民主の賛成多数で強行的に可決・承認された。電機産業資本、大手ゼネコンなど「原子力村」にむらがる利権集団が、まさに「命よりも利益」をむさぼるために日帝―安倍を手先にして原発を売り込もうとしていることを断じて許してはならない。 福島第一原発事故は、全く収束していない。汚染水は満杯になり、海洋への排出を強行しようとしている。 経産省、電力会社も、電機産業資本も、再稼働や原発輸出を議論する資格などない。資金と技術のすべてを、まずもって事故収束―完全な廃炉のために投入しなくてはならない。 大飯原発再稼働阻止攻防の地平をもって、再稼働実力阻止に立ち上がろう。全国で反原発闘争に立ち上がろう。 ●4章 辺野古新基地建設阻止! 五月沖縄闘争に決起しよう 日帝―安倍政権は米帝オバマ政権との同盟強化を強く位置づけ、全体重をかけて辺野古新基地建設強行に踏み込もうとしている。 四月一日、沖縄防衛局は、入札公告していた辺野古埋め立ての業者の選定を行ったことを発表した。また、安倍政権は、辺野古新基地建設阻止の実力決起に恐怖するあまり、「新基地建設に対する妨害を排除するため」と称して、米軍施設・区域への侵入を禁じる「刑事特別法」を適用する方針を打ち出した。米軍施設でもなんでもない海上を「刑事特別法」適用区域とし、海上保安庁と警察を積極投入して、反対運動を圧殺しようというのだ。 われわれは、今年一月十九日の名護市長選挙、稲嶺進市長の再選・圧勝の意義を徹底的に確認しよう。名護市長選挙闘争は、日米両帝国主義の全体重をかけた米軍再編・辺野古新基地建設攻撃と全面的に対峙した第一級の全人民的政治決戦であった。その勝利は、昨十月三日の日米安全保障協議委員会(2+2)での「辺野古移設が普天間基地固定化を避ける唯一の策」との日米合意を打ち砕き、日米両帝国主義に痛打を与えた。四年前、二〇一〇年一月の名護市長選における稲嶺進氏初当選勝利は、「普天間基地は即時閉鎖・撤去、県内移設反対、県外・国外へ」というオール沖縄闘争の大奔流を生み出す歴史的な出発点となったが、今回の勝利は、従来の辺野古争点隠しではなく明確な「辺野古推進」を掲げる自民党候補に圧勝したという点において、一層大きな政治的意義がある。仲井真の反動的「埋め立て承認」強行弾劾と、自民党幹事長石破茂の「五百億円名護振興基金」なる公然たる利益誘導や「基地の場所は政府が決める」などの言辞への怒りを沖縄人民は直接的には名護市長選で表現したのだ。 五月沖縄解放闘争を沖縄―「本土」を貫く決起の大爆発で闘い、日帝―安倍政権の辺野古新基地建設を粉砕しよう。新基地建設絶対阻止の実力攻防に立ち上がろう。 京丹後Xバンドレーダー基地建設阻止に決起しよう。京丹後の住民と結び、新たな米軍基地建設阻止のたたかいを、全関西―全国の支援で創出しよう。三月二十一日、京都において「京都にも沖縄にもどこにも米軍基地はいらない! Xバンドレーダー基地建設着工反対! 3・21京都集会」が京都を中心に、滋賀や大阪からの結集のもとに、かちとられた。そして、四月二十日、「4・20京都にも沖縄にも、どこにも米軍基地はいらない! Xバンドレーダー基地工事着工反対! 京丹後現地集会」がたたかわれた。 沖縄―岩国・神奈川・京丹後と日米安保粉砕、反戦反基地闘争をたたかいぬく沖縄人民、労働者階級人民と固く結合し、日帝―安倍政権の戦争国家攻撃を粉々に打ち砕こう。 |
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