1434号(2014年3月20日) 政治主張 |
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改憲―戦争に突き進む安倍政権打倒 集団的自衛権「合憲」化粉砕 消費増税―生活破壊許すな 14春闘勝利 普天間基地即時閉鎖、辺野古新基地建設阻止! すべての闘う労働者人民の皆さん! われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、来る四月十三日、中央(東京)、関西、九州において、共産同政治集会を開催する。これらの政治集会において、われわれは安倍政権の打倒に向けた労働者人民の闘いの先頭に立ち、反帝国際主義の立場からこの闘いを牽引していくための任務・方針を提起する。そして、歴史的に命脈が尽きた資本主義・帝国主義の打倒、プロレタリア社会主義革命に向かう階級闘争の前進を切りひらいていくために、革命的労働者党の建設に総結集していくことを呼びかける。 ●第1章 安倍政権の戦争国家化と総対決しよう 昨年末に国家安全保障会議設置法と特定秘密保護法の制定を強行したことを画期として、安倍政権はその右翼反動政権としての本性をむきだしにしてきた。労働者人民に貧困と無権利を強制し、戦争国家化の道を突き進む安倍政権を打倒すること、日本の労働者人民の当面の最大の課題はここにある。 安倍政権が推進する戦争国家化は、集団的自衛権行使の「合憲」化という重大かつ決定的な局面を迎えている。安倍政権は、四月に予定されている「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の報告を受けて、現在の通常国会の期間中に閣議決定をもって憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使を「合憲」化しようとしている。 集団的自衛権とは、政府の解釈によれば「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」(一九八一年五月二十九日付政府答弁書)である。これまで政府は、現憲法九条のもとで許容される自衛権の発動について、次の三要件に該当する場合に限定してきた。すなわち、①我が国に対する急迫不正の侵害(武力攻撃)が存在すること、②この攻撃を排除するため、他の適当な手段がないこと、③自衛権行使の方法が必要最小限度の実力行使にとどまること、であった。そして、「憲法九条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものと解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない」(上記の政府答弁書)としてきた。 安倍政権は、このような歴代政府の憲法解釈を投げ捨てようとしている。集団的自衛権の行使を「合憲」化するならば、同盟関係にある国からの要請があれば日本は世界のどこにおいても武力行使が可能となる。例えば、日本政府はイラク侵略戦争に参戦し、米軍・英軍とともにイラクを爆撃し、武力制圧することも可能であったのだ。集団的自衛権行使の「合憲」化とは、まさに憲法九条の全面的で抜本的な改悪にほかならない。そんなことを閣議決定によって強行することなど絶対に許されない。安倍政権は、集団的自衛権行使の「合憲」化にもとづき、秋の臨時国会において自衛隊法・周辺事態法などの関連法制の改悪を行い、日米ガイドラインの改定まで強行しようとしているのだ。 安倍政権による戦争国家化は、また辺野古新基地建設の着工強行をはじめとした米軍再編・日米軍事一体化、新防衛大綱の制定による自衛隊の侵略戦争を遂行する軍隊としての再編・強化などと一体のものとして進行している。そして、安倍政権は排外主義的・好戦的言動によって中国や朝鮮・韓国との対立を深め、排外主義を煽りたててきた。昨年十二月二十六日の安倍首相による靖国神社参拝の強行はその頂点というべき所業であった。さらに安倍政権は、旧日本軍の「慰安所」設置に日本軍が直接あるいは間接にこれに関与したことを認め、被害女性への「お詫びと反省の気持ち」を表明した一九九三年八月四日の河野官房長官談話について、裏づけがないなどとして再検証することを明言した。まさに安倍政権は、旧日本軍性奴隷制度の被害女性たちを徹底して愚弄し、かつての日本帝国主義によるアジア植民地支配と侵略戦争の歴史を全面的に歪曲し、正当化していこうとしているのだ。 NHK新会長の籾井勝人による就任記者会見での数々の暴言は、決して偶然ではない。NHKの最高の意思決定機関で、会長を選任する権限を持つNHK経営委員会は、安倍政権が作成した人事案にもとづいて国会で承認されたものである。安倍政権は、密接な関係にある右翼排外主義的人物を集めて経営委員会を掌握し、政府に都合のよい報道だけを垂れ流すものへとNHKを改編しようとしてきたのだ。 安倍政権は、これらの右翼反動政権としての性格を全面化させることによって、国内における階級矛盾をさらに先鋭化させ、アジア各国・地域の人民との対立を深め、労働者人民の抵抗戦を不可避に拡大していく。また、この過程では原発政策や集団的自衛権行使の「合憲」化、憲法改悪などをめぐって支配階級内部に分裂が生まれ、安倍政権から離反する部分が拡大することも予測できる。東京都知事選挙をめぐっての細川・小泉連合の登場はそのあらわれのひとつであった。 安倍政権が議会内において圧倒的な多数派を保持しているという厳しい情勢のもとで、安倍政権を打倒するために社民党・日本共産党のような社会民主主義勢力みならず、リベラル派や保守勢力の一部をも含めた大統一戦線を追求する動きが自然発生しつづけるであろう。そのことは一般的に否定されるべきことではない。しかし、安倍政権から離反する支配階級の一部や社会民主主義勢力の後につき従うことであってならない。中心的な課題は、拡大する労働者人民の抵抗戦と結合し、安倍政権の打倒に向けた全人民政治闘争の一翼を担いつつ、反帝国際主義派のヘゲモニーを強化していくことであり、この闘いの全過程を通して何よりもプロレタリア革命に向けた階級闘争を前進させていくことにある。このことを実現できないならば、日本における階級闘争はさらに厳しい状況となる。そこにおいて、革命的労働者党がはたすべき責任はきわめて大きい。 ●第2章 アベノミクス打ち破る階級的労働運動の前進を アベノミクスこそ、貧困と格差拡大の元凶である。安倍政権は、首相が直轄する経済財政諮問会議の下に産業競争力会議や規制改革会議などを設置し、国家戦略特区構想や労働法制の全面的改悪、TPPなどを推進していこうとしている。そこに貫かれているのは、「世界で一番企業が活動しやすい国」をつくるという、徹底してブルジョアジーの利益を擁護する立場である。このような安倍政権と対決し、階級的労働運動の前進を切りひらいていかねばならない。 そのために、非正規雇用労働者や中小企業労働者の雇用と生活・権利をかけて、14春闘を闘いぬこう。円安や政策的なインフレへの誘導によって、物価はじりじりと値上がりしてきた。そこに四月からの8%への消費税増税が襲いかかり、医療・介護・厚生年金の保険料値上げなど労働者の負担は増加するばかりである。現在の生活を維持するためだけでも、少なくとも5%以上の賃上げが必要なのだ。そして、最低賃金ぎりぎりの非正規雇用労働者が38・2%に達し、年収二百万円以下のワーキングプアが一千万人を超えているなかでは、最低賃金を大幅に引き上げていくための闘いがきわめて重要となる。14春闘では、公契約条例制定運動と連動して、中央・地方の最低賃金審議会に意見書を集中し、署名運動に取り組み、最賃割れ企業を摘発することなどを通じて、最低賃金の大幅引き上げを何としても実現していこう。 また、労働者派遣法改悪などの労働法制改悪を阻止していかねばならない。二月二十七日、厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会・労働力需給制度部会は、厚労省が作成した労働者派遣法改悪のための法案要綱を了承した。現在の労働者派遣法においてすら、形式上は派遣労働を「臨時的・一時的」な労働に限るとし、派遣先企業で働く正規雇用労働者の代わりにしないという「常用代替防止」を原則としている。そして、専門二十六業務を除いて派遣期間を最長三年に制限してきた。しかし、提出された労働者派遣法案要綱では、この「派遣労働の利用を臨時的・一時的なものに限る」という原則が削除されている。そして、専門二十六業務とそれ以外の区別を撤廃し、事実上あらゆる業務において派遣労働者を期間の制限なしに使用することを可能にしている。この改悪案は、派遣労働を「臨時的・一時的なもの」とするこれまでの位置づけを根本的に転換させ、派遣労働者をさらに拡大しようとするものである。労働者にとっては、不安定で低賃金の派遣労働が当たり前の雇用形態になり、生涯を通して派遣労働者として生きていくことをますます強制されていくことになる。さらに安倍政権は、ホワイトカラー労働者の労働時間規制を撤廃し、残業代の支払いなしに無制限に働かせることができるホワイトカラーエグゼンプション、地域や職種限定の解雇しやすい限定正社員制度、金さえ払えばクビ切り自由となる解雇の金銭解決制度の導入など、まさに労働法制の全面的な改悪に突き進もうとしているのだ。 国家戦略特区は、安倍政権にとって法人税の引き下げなどの資本家への優遇措置をとりつつ、このような労働法制の改悪を特例的・先行的に実現するものとして構想されたものであった。しかし、「解雇特区」だという批判が高まり、安倍政権はいったん国家戦略特区における特例的・先行的な労働法制の規制緩和を断念した。だが、国家戦略特区構想は急速に具体化してきており、警戒を緩めることはできない。 このような安倍政権による貧困と無権利の強制、労働法制の全面的な改悪と対決し、全国各地で多くの労働者が闘いに立ちあがっている。とりわけ、全国一般全国協議会や全労協に結集する闘う労働組合は、ますます増大する非正規労働者、中小零細の労働者など、相対的下層労働者の要求を徹底して擁護し、闘い続けている。われわれは、このような闘いを支持し、階級的労働運動の全国各地における前進に結実させていくために全力で奮闘していかねばならない。 ●第3章 4月政治集会に結集を われわれは、このような労働運動における闘いとしっかりと結合させて、反戦反基地・反原発の闘いに全力で決起していかねばならない。 第一には、辺野古新基地建設着工と断固として対決し、反戦反基地闘争の高揚を切りひらいていくことである。一月十九日の名護市長選挙における稲嶺市長の圧勝は、安倍政権に痛打をあびせるものとなった。しかし、安倍政権はその二日後には、辺野古の埋め立てと基地建設に向けた入札公告を強行した。そして、早ければ四月にもボーリング調査が開始されようとしている。沖縄人民は、ボーリング調査を実力で阻止し、九月の名護市議選挙と十一月の沖縄知事選挙に何としても勝利しようと全力で決起している。また、高江でのオスプレイパッドの建設を実力で阻止しようとしている。これらの闘いに勝利することができるならば、それは辺野古新基地建設を最終的に葬り去り、沖縄からの米軍基地撤去の展望を切りひらくことになる。それにとどまらず、全国各地の反基地運動の新たな高揚をつくりだし、安倍政権を根底から揺るがすものとなる。われわれは、このような沖縄人民の闘い、差別軍事支配と闘う沖縄解放闘争の前進に断固として連帯し、ともに闘うことを呼びかける。このような沖縄連帯の闘いと結合させて、岩国・神奈川などを焦点とした米軍再編と対決する闘い、京都における米軍Ⅹバンドレーダー基地建設阻止闘争に決起していかねばならない。 米軍Ⅹバンドレーダー基地建設阻止闘争は、この四月にも防衛省が基地建設工事の着工を強行しようとしており、重大な局面を迎えている。これに対して、地元の住民組織である「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」は、三十六項目の質問状を突きつけ、広範な地元の住民と結びついて基地建設工事着工と対峙している。そして、米軍Ⅹバンドレーダー基地反対・近畿連絡会は、沖縄・岩国・神奈川など各地の反基地運動の代表を招き、四月二十日には「京都にも沖縄にもどこにも米軍基地はいらない! Ⅹバンドレーダー基地建設着工反対!4・20京丹後現地集会」を関西・全国からの結集をもって成功させることを呼びかけている。この呼びかけに応え、総結集を実現していかねばならない。 第二には、原発再稼働を阻止し、反原発運動の前進を切りひらいていくことである。三月八日・九日を中心にして、福島原発事故三年反原発集会が全国各地で取り組まれた。また、東京では三月十五日に大集会が開催された。これらの闘いの成功をふまえ、何よりも安倍政権による原発再稼働を阻止するために闘わねばならない。安倍政権は、今年の夏の電力需要期までに、何としてもいくつかの原発の再稼動を強行しようとしている。九州電力玄海原発・川内原発、中国電力伊方原発、関西電力大飯原発・高浜原発などがその焦点となってきている。二年前の大飯原発再稼働をめぐっては、地元の大飯町・嶺南地方の住民の立ちあがりをつくりだす闘いが粘り強く組織され、それと結合して大飯原発ゲート前の封鎖・占拠闘争を組織するという画期的な闘いが取り組まれた。これらの闘いの経験を引き継ぎ、原発再稼働を阻止するために全力で闘おう。再稼働阻止全国ネットは、地元の闘いに連帯し、全国からの総結集をもって再稼働阻止闘争を闘うことを呼びかけている。この呼びかけに応え、弾圧を恐れず再稼動阻止闘争に全力で決起しよう。 また、被曝を強制された原発労働者・除染労働者の闘いに連帯しよう。それは、反原発運動が労働者の生活と権利の擁護、労働者階級の解放という課題を内包したものとして発展していけるかどうかを迫るものである。そして、日帝―安倍政権による原発輸出と断固として対決していかねばならない。原発輸出とは、原発事故の危険性を全世界に拡大していくものであり、その建設の過程では日本帝国主義と各国の反動的政権による原発建設に反対する闘いへの大弾圧を不可避とするものである。まさに原発輸出とは、日本帝国主義による侵略そのものなのだ。だからこそ、自国帝国主義による原発輸出との闘いは、反原発運動の中に反帝国主義・国際主義の質を刻みこんでいけるのかを問う課題なのだ。 第三に、三月二十三日の三里塚全国集会(芝公園)に総結集し、三月二十六日の農地法裁判控訴審第一回口頭弁論(東京高裁)を闘いぬき、反帝闘争の拠点を防衛・発展させていくことである。昨年七月、千葉地裁・多見谷判決は、国家権力・空港会社の意のままに市東孝雄さんの農地の取り上げを認めるという、許しがたい反動判決であった。しかし、反対同盟をはじめとした全国の労働者人民の闘いによって、空港会社が切望した「仮執行宣言」をつけることはできなかった。闘いは、控訴審に引きつがれた。三里塚闘争は、どのような弾圧にも屈することなく、四十八年間にわたって成田空港建設という国策と対決してきた。そして、戦争国家化の道を突き進み、労働者に貧困と無権利を強制し、TPPの推進など農業破壊・生活破壊を強行する安倍政権の前に立ちはだかっている。三月全国集会、新三万人署名、控訴審闘争に取り組み、反帝闘争拠点を防衛・発展させていこう。 第四に、安倍政権による排外主義煽動と対決し、在特会ら差別排外主義者を粉砕することである。安倍政権による河野談話の見直しを絶対に粉砕しなければならない。旧日本軍性奴隷制度の被害女性を限りなく侮辱し、かつての日本帝国主義によるアジア植民地支配と侵略戦争の歴史を歪曲・正当化することなど許すわけにはいかない。在特会ら差別排外主義者どもは、東京の新大久保や大阪の鶴橋、京都のウトロ地域などでヘイトスピーチをくり返し、在日の仲間に対する襲撃をくり返してきた。これに対して昨年十月七日、京都地裁は京都朝鮮第一初級学校に対する襲撃を「国連人種差別禁止条約」に違反するものだと断罪し、千二百二十六万円の損害賠償を命じ、朝鮮学校周辺での街宣を禁止する画期的な判決を下した。この裁判は、在特会らの控訴によって大阪高裁での控訴審に移行している。控訴審闘争に結集し、在特会らを圧倒していかねばならない。しかし、差別排外主義者らとの主戦場は、法廷にあるのではない、在特会らの襲撃・ヘイトスピーチに対して、対抗行動(カウンターアクション)を組織し、現場において差別排外主義者を圧倒していくことこそ決定的に重大なのだ。 四月十三日の全国各地での共産同政治集会に結集し、二〇一四年の階級闘争の最先頭で決起しよう! |
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