共産主義者同盟(統一委員会)


1427号(2013年11月20日) 政治主張






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  改憲―戦争国家化に突き進む安倍政権打倒

 岩国現地に総結集しよう

 国家安保会議設置法・秘密保護法粉砕!

 米軍Xバンドレーダー基地建設阻止


 

 
 安倍政権は、日米安保の再編強化を進め、戦争国家化への策動を強めている。集団的自衛権行使「合憲化」、国家安全保障会議創設、国家安全保障局創設、特定秘密保護法制定、敵基地攻撃能力の確保を含む新防衛大綱の作成、新たな日米ガイドラインの策定などを推し進め、これらの総仕上げに憲法九条改悪と国防軍創設をなそうとしている。
 こうした安倍政権の戦争国家化と総対決していかなければならない。反戦反基地闘争と日米安保反対闘争を基軸とした反改憲闘争、戦争国家化に反対する闘争に決起することが必要だ。「岩国行動二〇一三」が、アジア共同行動日本連絡会議と13岩国・労働者反戦交流集会実行委員会(岩国労働者実)によって呼びかけられている。この呼びかけに応え、全国の労働者学生は、十一月三十日、十二月一日、岩国に総結集しよう。


 
●第1章 岩国市民の闘いを全国から支えよう

 ▼第1章―1節 次から次へと再編・強化される岩国基地


 米帝は、朝鮮民主主義人民共和国(共和国)や中華人民共和国(中国)に対向して、ますますアジア重視を強め、アジア太平洋地域での軍事プレゼンスを強化している。日本、韓国、フィリピンをはじめとした東南アジア諸国・地域、オーストラリア、ニュージーランドなどとの軍事同盟、集団的軍事体制の形成、二国間・多国間での共同軍事演習を強めている。
 日米軍事同盟と沖縄・「本土」の米軍基地は、米帝の出撃拠点として、ますますその位置を増大させていこうとしている。安倍政権も、共和国敵視政策を強め、中国脅威論を扇動し、自衛隊の強化、日米安保再編強化を一層加速させている。
 十月三日に開催された日米安全保障協議委員会(2+2)では、安倍政権が進める集団的自衛権行使「合憲化」を米側も支持し、共和国や中国を仮想敵とした「新たな日米防衛協力の指針(日米ガイドライン)」を来年末までに策定すること、日米軍事同盟の再編強化を進めることを宣言した。そして、普天間基地の移設として辺野古新基地建設の強行を改めてうちだし、かつ、オスプレイの「本土」各地での訓練強化などを宣言した。さらに、二〇二〇年代前半までに、沖縄海兵隊の一部グアム移転を行い、しかも、日本側の財政支出でグアムに日米共同訓練場を建設するなどとしている。
 そして岩国基地に関しては、①普天間飛行場から岩国基地への空中給油機KC―130飛行隊の移駐の加速、②海上自衛隊を岩国基地に維持、③厚木飛行場から岩国基地への空母艦載機部隊の移駐を二〇一七年頃までに完了、さらに、④米海兵隊による戦闘機F―35Bの米国外における初の前方配備となる二〇一七年の配備の開始、を確認した。十月三十日、米給油機の来年夏までの岩国移転を説明に来た外務副大臣と防衛政務官は、給油機は、当初の十二機ではなく、米軍の体制変更に伴い十五機(軍人・軍属は家族を含め約八百七十人)にのぼることを明らかにした。このように次から次へと岩国基地は、再編・強化されようとしている。

 ◆第1章―1節―1項 オスプレイ配備、演習の実質的拠点化

 オスプレイの配備以降、沖縄、さらには岩国基地を拠点としてオレンジルート(四国―和歌山)での飛行訓練は、住民の生命を危険にさらし続けている。
 陸上自衛隊饗庭野演習場(滋賀県高島市)で行われた日米合同軍事演習(十月七日~十八日)では、十月十六日、オスプレイを使用した初めての日米合同軍事演習が行われた。さらに十月二十五日にも高知県でオスプレイを使った日米共同統合防災訓練が予定された(台風で中止)。いずれの訓練も、岩国基地を経由しての訓練だ。防衛省は、「沖縄の負担軽減になる」と強調するが全くの詭弁だ。沖縄でのオスプレイ訓練は継続したまま、岩国基地を拠点とした、オスプレイの「本土」での訓練を拡大しているというのが実態である。

 ◆第1章―1節―2項 愛宕山米軍住宅建設攻撃

 愛宕山は「愛宕山新住宅市街地開発事業」で崩され、掘り出された土砂は、岩国基地の滑走路「沖合移設」に使われた。事業は、住宅などの整備と滑走路移設で「米軍機の騒音や墜落の危険の軽減を図るもの」とされていた。「地域の発展と騒音に苦しむ市民の助けになるなら」と地域住民は神社の移転という苦しい決断もした。しかし、県は赤字を理由に事業を中止し、国も認可を取り消した。
 「岩国行動二〇一三」で上映される映画「消えた鎮守の森~見えてきた沖合移設のからくり」(二〇〇七年春)は、こうした愛宕山米軍住宅建設問題を振り返るうえで必見である。
 岩国市民は、愛宕山米軍住宅建設攻撃に対して、二〇〇九年七月、「山の裁判」(愛宕山開発事業認可取り消し処分取り消し請求訴訟)と、二〇一〇年八月からの愛宕山見守りの集いで反撃しているが、二〇一二年三月、国へ愛宕山跡地が売却された。

 ▼第1章―2節 住民投票の勝利引き継ぐ岩国市民の闘い

 岩国市民の現在のたたかいは、基地強化に反対した二〇〇六年の住民投票の勝利の地平を引き継ぐ闘いである。

 ◆第1章―2節―1項 裁判闘争

 岩国市民は基地強化に反対し、四つの裁判闘争に取り組んでいる。すなわち、いわゆる海の裁判(沖合移設事業埋め立て承認処分取り消し請求訴訟)、山の裁判、テーブルの裁判(愛宕山開発に関わる市長協議報告非開示決定取り消し訴訟、一部勝訴で終了)、空の裁判(岩国爆音訴訟)である。岩国爆音訴訟は、飛行差し止め、空母艦載機の移駐差し止めを真正面から求めて争われている。そして、この十一月十三日には、「海の裁判」の判決公判が、十一月二十七日には「山の裁判」の判決公判が行われる。判決公判に結集しよう!

 ◆第1章―2節―2項 愛宕山見守りの集い

 二〇一〇年八月から開始された米軍住宅建設に反対する愛宕山見守りの集い(集会)は、毎月一日、十一日、二十一日と、住民と支援者の参加で続けられている。愛宕山跡地の国への売却という困難な状況の中で見守りの集いは継続され、三年を超えた。この見守りの集いは、沖縄・辺野古の座り込み闘争にヒントを得たたたかいであり、沖縄-岩国を結ぶたたかいでもある。「岩国行動二〇一三」の二日目には、この見守りの集いへの参加も計画されている。

 ▼第1章―3節 全国の反基地闘争との結合をかちとろう

 沖縄では、辺野古新基地建設に向けた「公有水面埋め立て申請」に対して、仲井真知事の判断が焦点となっている。埋め立て不承認、二〇一四年一月名護市長選勝利を目指したたたかいが正念場を迎えている。
 京都では、京丹後市に新たに米軍Xバンドレーダー基地が建設されようとしている。京丹後の現地では十二月十五日「京丹後市・経ケ岬に米軍基地はいりません! 平和の叫び&人間のくさり」が行われる。
 全国各地の反米軍基地闘争をそれぞれ大きく前進させ、そして、それらの結合を進めていこう。沖縄、岩国、神奈川を始めとした各地の反基地闘争を一層強めていこう。岩国市民の反米軍基地のたたかいを激励し、発展させていこう。


 
●第2章 安倍政権との総対決、岩国総決起を闘おう

 ▼2章―1節 戦争国家化への再編を許すな


 安倍政権は、国家安全保障会議設置法案、特定秘密保護法案など、戦争国家化に向けた反動立法を一挙に進めようとしている。
 集団的自衛権行使の「合憲化」を目指していることにも明白なように、この戦争国家化の根底には日米安保がある。その実体は米軍基地であり、日米合同軍事演習をはじめとした軍事同盟関係の強化である。だからこそ、米軍基地に対するたたかいは、安倍政権の根幹を突き崩すたたかいなのである。

 ▼2章―2節 労働者使い捨ての「成長戦略」・消費増税

 十月一日、安倍政権は、来年四月から消費税を現在の5%から8%へ引き上げることを閣議決定した。安倍政権の経済政策は、円安・株高を誘導したが、それで利益を得ているのは大資本だけである。労働者人民は、輸入物資の高騰、公共料金の値上げなど、物価上昇に見舞われている。年金支給額の引き下げ、社会保険料の引き上げなどがあり、労働者人民の生活苦は進んでいる。こうした生活苦にさらに拍車をかける消費増税を許してはならない。消費増税の一方で、設備投資減税、賃上げ企業への法人税減税など、資本家のための政策が打ち出されている。
 安倍政権は、「日本を世界で一番企業が活動しやすい国にする」として、労働者派遣法の改悪、雇用特区、解雇ルールの「規制緩和」を策動している。労働者を使い捨てにする政策にほかならない。
 安倍政権の消費増税、企業減税、労働の規制緩和など、これらはすべて資本家のための政策であり、これらと徹底してたたかっていこう。

 ▼2章―3節 汚染水漏出事故と原発再稼働・輸出

 福島第一原発での汚染水漏れ事故という事態の中で安倍政権は、原発再稼動、原発輸出に突き進もうとしている。
 福島第一原発の放射能汚染水漏出事故が続いている。汚染水漏れ事故は全く「コントロール」できていない。安倍首相は、九月七日、IOC総会で「状況は完全にコントロールされている」「汚染水による影響は福島第一原発の港湾内の0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」「健康問題については、いままでも、現在も、将来もまったく問題ない」などと平然と全世界に向けて嘘をついている。全く許すことが出来ない。
 さらに福島原発事故が全く収束していないにも関わらず、安倍政権は原発輸出を進めている。安倍首相は、十月末、国会開催中の平日にもかかわらずトルコに異例の訪問を行った。これは原発を輸出するための訪問であった。こうした原発輸出を絶対に許してはならない。
 東京電力は、事故の責任をとらず、被曝者・避難者への補償をまともにできない。政府は東電を解体し、国家の責任で事故の収拾、補償を行なわせなければならない。
 福島の人たちの避難と補償、すべての原発の再稼動阻止、廃炉を実現すべく、反原発闘争を進めよう。

 ▼2章―4節 全国で反戦闘争―反基地闘争の強化を

 戦争国家化に突き進む安倍政権を打倒するたたかいを、全国で反戦闘争―反基地闘争を強化することをもって進めよう。
 沖縄、岩国、神奈川をはじめとする全国の軍事基地こそ、日米安保の実体である。オスプレイ撤去、普天間基地撤去、辺野古新基地建設阻止、岩国基地強化阻止、愛宕山米軍住宅建設粉砕、京都府京丹後市への米軍Xバンドレーダー基地建設阻止。これらのたたかいこそ、日米軍事同盟を一つひとつ突き崩していくたたかいだ。
 全国で反戦―反基地闘争を推し進め、十一月「岩国行動二〇一三」への総決起を実現しよう!


 
第3章 労働者階級人民による反帝国際連帯の前進を

 岩国における反基地闘争は、岩国の住民を主体としたたたかいであるとともに、その東アジアにおける軍事的な位置付けから、アジアにおける反戦闘争の拠点となるべき意義を有している。日米の「2+2」合意を見ても明らかなように、岩国基地の強化は、米軍再編の要となってきている。極東最大級の基地として強化されようとしている。アジア地域への侵略の拠点となっている岩国基地の強化、これを絶対に阻止すべく、アジア人民との連帯をかけ「岩国行動二〇一三」をたたかおう。
 「岩国行動二〇一三」に、米国、韓国、フィリピンからの参加が準備されている。アメリカからはイラク反戦以降、この間のアメリカの反戦闘争をけん引してきたANSWER連合。韓国からは駐韓米軍の撤収をもとめてたたかう「群山米軍基地  我が土地取戻し市民の会」。フィリピンからは一度撤退した米軍の再駐留とたたかうバヤンの仲間の参加が準備されている。各国の反基地闘争、反戦闘争との国際共同闘争として「岩国行動二〇一三」をたたかおう。
 「岩国行動二〇一三」は、アジア共同行動日本連絡会議と岩国労働者実の両者の呼びかけで開催される。これらの組織の発展に貢献し、こうしたたたかいをともに推し進めていこう。
 アジア共同行動日本連絡会議は、二十年以上にわたり、反グローバリゼーション闘争や、アジア太平洋地域における反米軍基地闘争などでの国際共同闘争を、アジア各国・地域において一貫して組織してきた。帝国主義とたたかう実践的な国際共同闘争の推進をその生命力としてきている。今後も反資本主義反帝国主義潮流をいきいきと結集し続ける運動へとより発展させていかねばならない。
 また、岩国労働者実の発展についても同様である。岩国労働者実は、労働運動のなかに反戦反基地闘争を大衆的に再建しようとして形成されてきた。安倍政権のもとで、激化する戦争国家化にむけた総攻撃というべき局面が開始された今日、たたかいの中軸には労働者階級こそが立つ必要がある。階級的労働運動を担い、労働者人民自身が主体となった国際共同闘争の推進が実践されていく中で、真のプロレタリア国際主義がつかみ取られていくだろう。
 「岩国行動二〇一三」に、全国から総結集しよう。



 

 

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