共産主義者同盟(統一委員会)


1417号(2013年6月5日) 政治主張






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

  新自由主義と闘う労働者階級の国際的団結を

 アジア共同行動に結集しよう

 市東さんの農地強奪阻止!

 反原発!6・30大飯全国集会へ

 


 
 安倍政権の右翼反動政権としての本質があらわになってきている。辺野古新基地建設、閣僚らの靖国神社参拝、原発の再稼働と輸出推進という反人民的政策を進め、その地金をさらけ出してきている。安倍政権は憲法九六条改悪をステップにした憲法改悪策動に本格的に踏み出そうとしている。このことが東アジア情勢の緊張をますます高める要因になっている。
 この情勢のなかで、アジア共同行動日本連絡会議は韓国からたたかう仲間を迎え、全国各地での共同行動を準備している。われわれはアジア人民と連帯し、安倍右翼反動政権と総対決を推進する立場から、六月アジア共同行動の取り組みを全力で支えていく。六月共同行動の成功から安倍政権打倒に邁進しよう!


 ●第1章 反戦闘争―反基地の闘いの爆発を


 六月アジア共同行動を支持し支援していく上で第一の課題は、反戦闘争―反基地闘争を国際共同闘争として推し進めていくことである。
 自衛隊PKO派兵阻止の国際共同闘争から開始されたアジア共同行動は、日帝・米帝の軍事基地強化に反対し、朝鮮半島―東アジアにおける戦争を阻止していくことを最重要な課題としてきた。こうした内実をもった反帝国際主義運動をしっかりと支えていかなければならない。われわれは朝鮮戦争策動を断固阻止していく。日米韓による朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に対する戦争重圧を徹底的に弾劾する。
 今年三月から四月にかけて米韓による合同軍事演習が米軍約一万人、韓国軍約二十万人の規模で強行された。米軍は核兵器搭載可能なB52戦略爆撃機やB2ステルス爆撃機、最新鋭のF22ステルス戦闘機をこの演習に投入している。米韓合同軍事演習の強行は核兵器の恫喝をもってする共和国に対する巨大な戦争重圧に他ならない。
 そして安倍政権は日本独自の対共和国制裁を強化しつつ、共和国の「弾道ミサイル発射の可能性」を声高に叫び立てて「脅威」を煽り、「破壊措置命令」を「非公表」で発令した。地上配備型迎撃ミサイル(PAC3)を防衛省敷地や沖縄などに常時配備し、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦を展開させてきた。安倍政権はこの機会に乗じて、日本の独自武装と対共和国侵略戦争体制を強化してきたのだ。
 日米韓が一体となって朝鮮半島の戦争情勢を作り出してきたのは間違いない。アジア人民と連帯し、朝鮮戦争を阻止していこう。
 われわれは朝鮮戦争阻止と一体の闘いとして、日米軍事同盟反対・米軍基地撤去の闘いを進めていかなければならない。沖縄人民の怒りが大きな闘争となった本年の4・28―5・15闘争を受け、オスプレイ撤去・辺野古新基地建設阻止の闘いをさらに推進していこう。
 今春、安倍政権は辺野古新基地建設を推進するために「公有水面埋め立て承認申請書」の提出を強行した。四月に日米両政府が合意した「嘉手納以南の米軍基地返還計画」も、その核心点は辺野古新基地建設をあくまで推し進めようという日米政府の意思をあらためて確認したところにある。合意の中身は「辺野古移設」を普天間基地の返還の前提条件とするものであり、辺野古移設ができなければ普天間基地を固定化すると言っているに等しい代物だ。
 さらに許しがたいことは、世界一危険な輸送機オスプレイを沖縄に追加配備しようとしていることだ。四月三十日、小野寺防衛相とヘーゲル米国防長官はMV22オスプレイ十二機を、七月にも普天間基地に追加配備することで合意している。これは一月二十七日・二十八日、全沖縄規模でとりくまれた「オスプレイ配備反対・県内移設反対」の直訴行動を平然と踏みにじる暴挙に他ならない。
 この追加配備されようとするオスプレイは、岩国基地に陸揚げしてから普天間に配備される計画となっている。三月に「本土」で行われたオスプレイ低空飛行訓練は、岩国基地を拠点に展開されている。さらに四月に韓国で行われた野外機動訓練に参加したオスプレイは、岩国基地を経由して普天間基地に帰還している。
 オスプレイは沖縄・普天間―山口県・岩国そして韓国を基本的ラインとして展開されている。すなわち、オスプレイ配備とは明らかに、米軍再編と朝鮮半島における軍事的緊張―戦争挑発に直結する問題なのだ。岩国基地の拡大強化とは、米軍にとって東アジアの軍事的緊張に対応する米軍再編の要であることは間違いない。
 アジア共同行動と岩国労働者反戦集会実の闘いを支え、岩国基地拡大強化に反対する全国陣形をさらに強化していこうではないか。沖縄―岩国―神奈川、そしてアジア各地の反基地闘争と連帯して米軍再編と闘おう。
 われわれは、安倍政権による改憲策動と全面的に対決していく。九六条改憲から九条改憲に突き進もうとする攻撃を絶対に阻止しよう。
 自民党の改憲草案は、現行憲法の根本的性格の一つである「国民主権」を否定し、これを「国家主権」に置き換えようとしている。すなわち、国家権力による無制限の人民支配が可能なものへと憲法性格を転換しようとしているのだ。戦争国家化が改憲の狙いであることは明らかである。
 アジア人民との具体的・実践的連帯による反戦・反基地をたたかうアジア共同行動とともに、改憲阻止の全人民的闘いの高揚をかち取ろう。


 ●第2章 原発の再稼働阻止、6・30大飯集会へ

 原発再稼働阻止、すべての原発の停止―廃炉は全人民的課題である。アジア共同行動は全国各地で再稼働阻止の大衆的実力闘争を進めてきている。六月アジア共同行動を支持支援する上で、第二の課題は、原発再稼働阻止の闘いである。
 安倍政権はその発足当初から原発再稼働ゼロ方針を見直すと公言してきた。今年二月の施政方針演説では「安全が確認された原発は再稼働する」と明言している。安倍は厚顔無恥にも海外への原発売り込みを積極的に展開している。安倍内閣とはまさに原発推進内閣である。
 原子力規制委員会は七月十八日に「規制基準」を決定しようとしている。ここでの攻防が一つの山場になる。
 そもそもこの原子力規制委員会とは、原子力保安院などの規制機関が経済産業省の下に置かれていたことに強い批判が集中し、民主党政権下で新たに環境省の外局として組織された委員会である。昨年改定された原子炉等規制法では原発の設置の許可、基準を満たしていないときの使用停止等はこの規制委員会が行うことになっている。
 しかしこの原子力規制委員会が本年四月に発表した新基準には、防潮堤や免震重要棟の設置を義務づける一方、「緊急時制御室」などの大規模な設備については五年間の猶予を与えるという抜け道が用意された。さらに、すでに再稼働が強行された大飯原発三、四号機については、法的根拠もなく今年九月の定期点検まで「例外的にその稼働を認める」としている。要するに、原子力規制委員会が打ち出す「新基準」そのものが、再稼働にむけた政治的ジェスチャーに他ならないということだ。すなわち、原発政策のすべてが再稼働ありきで方針化されているのだ。
 七月の新基準の施行に向かう政治過程では、大飯原発の例外的再稼働と五年間の基準適用猶予が焦点課題となる。われわれは、原子力規制委員会の欺瞞的「審査」や「規制」を許さない闘いを組織していかなければならない。福島第一原発事故の収束もままならない状態で、それでも旧来的な原子力政策を全面的に復活させようという安倍政権と対決していこう。反原発闘争のさらなる大衆的高揚を勝ち取っていこう。
 日帝国家権力が反原発闘争の大衆的高揚に対して弾圧を強化し、闘いを圧殺しようとしていることを許してはならない。
 経済産業省前で反原発闘争の全人民的拠点・象徴として運営されてきた「経済産業省前テントひろば」に対して、政府はテントの撤去と明け渡しを求めて提訴してきた。そしてテントの二名に対して土地利用相当額の損害金として約一千百万円を請求してきている。
 五月十日、丸の内署がテントのスタッフ一名を暴行容疑で不当逮捕するという事態が発生した。当日、経済産業省職員がこのスタッフの顔を至近距離から執拗にビデオ撮影をした。当然これに抗議したスタッフに対して、この職員が「暴行だ」と叫びだし警察権力に緊急連絡したのである。まさに、経済産業省―警察権力一体となったデッチ上げ弾圧に他ならない。明らかに国家権力は「経産省前テントひろば」を封じ込め、撤去し、反原発運動の大衆的高揚を鎮圧しようと狙っているのだ。
 「経産省前テントひろば」は福島原発事故の責任を追及し、政府による原発再稼働を許さない民衆の意思の表現である。多くのカンパ・支援が自然発生的にテントに集中する。たまたま通りかかったタクシーの運転手が夜中に缶コーヒーを差し入れる。また、他の目的で東京に訪れた人がテントに立ち寄る。そして、福島の人々が精神的支柱としているのが「経産省前テントひろば」なのだ。福島の人々は東京の経済産業前において福島と連帯して反原発を訴えるテントの存在に、信頼と闘いの希望を見いだしているのである。
 現在テントの運営メンバーは弾圧に対してハンガーストライキをもって闘っている。文字通りの命懸けの闘いである。われわれは経産省による提訴を弾劾し、不当逮捕攻撃を許さず、テントひろばを防衛していく。ハンガーストライキを支援していこう。そして、これまでを上回る反原発の大衆運動を推進していこう。「6・2NO NUKES DAY」に続き、大飯原発再稼働阻止の6・30大飯原発全国集会に結集しよう。全国各地で原発の再稼働を実際に阻止する闘いに進撃していこう。


 ●第3章 AWC六月行動を成功させよう

 アジア共同行動はアジア各国の労働者階級人民の直接の交流、連帯行動、国際共同行動を実践してきた。反戦運動―反基地運動、そして階級的労働運動の現場における共同行動をその核心的中身として、実体をもった国際連帯運動を発展させてきた。この地平を継承し、労働者同士が国境を超えて団結する場として、AWCは六月行動を実現しようとしている。第三の課題として、労働運動を担うもの同士の実践的な国際的連帯の意義を確認して、AWCを支えていこう。
 新自由主義グローバリゼーションの進展のなかで、全世界的規模で貧困と格差が拡大している。現代ほど下層労働者と非正規労働者の現実と闘いを共有し、共闘していくことが問われている時代はない。われわれはこうした時代的要請に応える闘いとして、六月のアジア共同行動の闘いを支援していく。こうした闘いを一般的な立場の確認であるとか、理念的な内容の確認という枠に切り縮めてはならない。具体的闘いを現場で闘っているもの同士がその経験を根拠にして、国境を超えた団結を形成するということの中に決定的な意義が存在する。AWC運動が蓄積してきた運動的地平の継承・発展として六月行動の成功がかち取られていかなければならないということである。
 そしてこの団結の構築は、プロレタリア国際主義に貫かれた差別排外主義との闘いと一体のものでなければならない。
 安倍政権の排外主義的本性は鮮明になってきている。安倍は侵略戦争を否定し、領土拡張主義を鮮明にした軍事外交を強めている。四月二十八日には天皇出席の「主権回復の日」政府式典を強行した。
 維新の会共同代表橋下の「従軍慰安婦制度は必要だった」なる一連の暴言も、安倍右翼反動政権の排外主義的政策の強行という流れの中で出てきたものである。実際、橋下発言は全世界で安倍政権による排外主義的・右翼民族主義的動向と一体のものとして批判されている。
 それはまた、安倍は強権的に排外主義的攻撃を進めているが、この排外主義政策が同時に安倍政権の脆弱な側面であることの証明でもある。安倍政権は中国、韓国からの批判で明らかなように、アジアからの孤立化の深みにはまってしまっている。そればりか、米や欧州各国からも孤立しようとしている。橋下発言はこうした傾向に拍車をかけたのだ。安倍はこれ以上の海外からの批判をかわすために、橋下発言と距離を置く事に躍起となっている。安倍の極右排外主義の本性を徹底的に暴き、これと対決していくことこそ日本労働者階級人民の責務である。
 われわれは差別排外主義を許さない闘いとして、そしてそれは同時に安倍政権の脆弱性を突く闘いとして、国際主義の実践としてあるAWC六月行動を支え、成功させていこうではないか。われわれはアジア共同行動を反帝国際連帯運動の重要な環として闘っていく。反戦闘争、反基地闘争、反原発闘争、階級的労働運動を推進していく闘いとしてAWC運動を支えていかなければならない。
 日本の現情勢において、以上の課題を掲げる闘いは日帝―安倍政権との総対決となることは必至である。今夏、改憲阻止―安倍政権打倒として六月共同行動をとりくんでいこう!


 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.