共産主義者同盟(統一委員会)


1410号(2013年2月20日) 政治主張






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  朝鮮民主主義人民共和国への安保理制裁決議弾劾

 3月反原発を闘おう

 日米同盟強化粉砕! 安倍政権打倒

 労働者の生活と権利守る13春闘勝利





 アルジェリアでの人質殺害事件を受けて、安倍政権は、邦人保護を口実として戦闘部隊―自衛隊を派遣するために、自衛隊法改悪を進めようとしている。だが、こうした事件が起こる原因には、帝国主義諸国による侵略と介入が存在しているのである。マリに対するフランス帝国主義の軍事侵攻こそ弾劾されねばならない。
 また、一月二十七日、二十八日には、オスプレイの配備に反対する沖縄県民大会実行委員会が、沖縄の四十一市町村長、県議、市町村議会議長ら総勢約百四十四名による代表団をもって、総理直訴行動を行った。文字通り、全沖縄の声である。沖縄は一丸となって、普天間基地へのオスプレイ配備に抗議している。沖縄人民は、オスプレイ配備の撤回を求め、普天間基地を閉鎖すること、辺野古への新基地建設に反対している。沖縄人民に連帯し、オスプレイ配備と低空飛行訓練に反対する全国でのたたかいをすすめよう。今春期闘争に決起しよう。

 ●1章 デタラメな「経済再生」と安保強化の所信表明

 安倍は一月二十八日、国会で、「経済再生」「震災復興」「外交・安全保障」を柱とする所信表明演説を行った。だが、その内容たるや、自身が狙う憲法改悪等にはまったくふれていないばかりか、空疎なものであった。原発には一言も触れず、震災復興も具体的内容は一切ない。安倍が長々と語ったのは、アベノミクスなる、デタラメな「経済再生」方針であり、また外交・安全保障で、日米同盟の強化と普天間移設(辺野古への移設ということ)であった。こうした安倍政権の姿勢を、マスコミなどは、安倍の右翼的な政治信条を抑えた現実的態度であるなどと賛美している。だが、これこそ、安倍政権の周到な戦術なのである。それは、今夏の参議院選挙で多数派を獲得することで、衆参両院での多数派を条件に、その右翼反動政権としての攻勢に踏み出してくるということである。それまでは、特に、景気対策を軸に、政権への支持をつなぎ止めていこうということなのである。
 アベノミクスなる景気対策は、実際は、労働者人民の生活をますます破壊し、一部資本にのみ潤いをもたらすというものなのである。安倍政権は、デフレ不況からの脱却を、金融緩和、財政出動、経済再生戦略という「三本の矢」によって実現し、2%のインフレを目標にしている。だが、インフレは、労働者階級の賃金上昇をともなうことなしには、労働者階級からの搾取強化となる。かつ、大きな比重を占める家計消費をめぐる需要増大ぬきに景気回復などありはしない。にもかかわらず、小泉時代に、電気や自動車などの輸出産業の利益拡大のみに立脚した景気回復が叫ばれたように、安倍が進める景気回復なるものも、労働者階級の犠牲の上に成立する景気回復でしかないのである。安倍は、金融緩和と財政出動という公共事業によって、いったん、ばらまき政策をとりつつ、経済成長戦略という新自由主義路線を推進していくことを考えている。
 いずれにしても、安倍は、今夏の参議院選挙での勝利を最初の目標にしており、衆参両院で多数派を形成すれば、その右翼反動政権としての本性をむき出しにしてくるつもりなのである。その主内容は、第一に、米軍再編(日米軍事同盟の再編強化)であり、辺野古新基地建設の強行策動である。また、二〇一七年に変更された厚木艦載機移駐、これとF35配備、愛宕山米軍住宅建設という岩国基地大強化の政策である。沖縄を先頭とした反基地闘争を解体し、中国敵視や朝鮮民主主義人民共和国敵視の軍事対決体制を整えていこうというのだ。第二に、反原発闘争を解体し、原発を推進していくということにある。再稼働、上関などでの新規原発建設、これらに踏み込もうとしている。第三に、河野談話、村山談話を否定し、日本軍「慰安婦」問題での強制はなかったとし、戦後補償問題に全面的な敵対を強めてくる。第四に、これらを進めながら、改憲条件の緩和を狙う九六条改悪から九条改憲、国防軍創設、戦争国家確立に踏み込んでくる。安倍政権の右翼反動攻勢に全面的に対決し、総抵抗を組織しよう。今春期闘争に突入していこう。

 ●2章 労働者の生活と権利守る13春闘を闘おう

 まず第一に、あらゆる職場で春闘をたたかうことである。安倍政権が、2%インフレ目標をうちだすなか、総資本は「総人件費抑制」、ベースアップどころか定昇さえも否定するという攻勢を継続している。インフレの場合、賃金が上がらなければ、実際の賃下げでしかない。とことん労働者に犠牲を押しつけてくるつもりなのだ。
 新自由主義のもとで、雇用は破壊され、多くが非正規雇用や半失業状態を強制されてきた。労働者階級のなかに、ワーキングプアが固定化され構造化されてきた。働いても働いても生きるのが精一杯という状態を強いられてきたのだ。しかも、安倍政権は、生活保護費削減を早々と決定した。最低賃金より生活保護のほうが額が高いからという。逆だ。最低賃金をあげるべきなのだ。そうではなくて、より下へ下へと足並みをそろえさせようとするのが資本家階級とその政府なのだ。資本家階級は莫大な内部留保を確保している。賃上げはまったく可能なのである。
 労働者は、労働者の生活と権利を守るために、春闘をたたかおう。労働条件の改善、賃上げ、特に、非正規雇用労働者の利益を擁護し、あらゆる職場でたたかおう。春闘を、安倍政権のアベノミクス、インフレ政策の欺瞞を批判し、大幅な賃上げこそ、需要拡大と景気回復の核心であることを訴えてたたかおう。また、原発廃炉を要求し、放射能被曝の強制を弾劾し、労働者の命と健康を守るたたかいとして、反原発をたたかおう。さらに、基地強化を許さない、労働者の反戦闘争をたたかおう。

 ●3章 再稼動阻止、全国で3月反原発闘争に起とう

 第二に、この三月、反原発闘争の大高揚を作り出していくことである。東日本大震災、福島第一原発事故からまる二年をむかえるこの三月、反原発闘争の引き続く大高揚を実現していくことが重要である。安倍政権は、原発推進である。自民党は、「三年以内にすべての原発について再稼働の判断を行う、十年をめどにエネルギーのベストミックスを確立する」などと主張している。安倍政権は、そもそも、反原発闘争や反基地闘争の前進に対する真正面からの反動として性格をもって登場した。反原発闘争の解体と再稼働、新規原発建設に踏み込んでくる。核燃料サイクル政策を堅持し、将来の核武装の条件を確保し続けようとしている。絶対に許すな。福島をはじめとした被曝者への東電と国家の責任を明確にし、責任者を処罰っせねばならない。全面的な補償を実現させよう。被曝はいまでも、日々強制され続けている。東電と政府の責任を追及し、福島の人々に連帯し、全国で反原発のたたかいを前進させよう。安倍政権に反原発の全人民政治闘争のさらなる爆発をたたきつけよう。原発推進内閣は、無条件に打倒しなければならない。
 三月九日明治公園で開催される「つながろうフクシマ!さようなら反原発大集会」に結集しよう。続いて、三月十日には「原発ゼロ大行動」が日比谷野外音楽堂で開催される。3・11前後には、全国各地で、さまざまに反原発集会が予定されている。こうしたたたかいに結集していこう。さらに、三月二十三日には、福島市で「原発のない福島を!県民大会」が呼びかけられている。総力で結集しよう。また、経産省前テントを防衛してたたかおう。関西では、昨年の大飯原発再稼働に対するたたかいへの事後弾圧から始まり、関電前での包囲行動や大阪市のがれき焼却処理に対する反対闘争などで、次々と弾圧が吹き荒れている。二月三日には、こうした弾圧に抗議する全国集会が開催された。反原発闘争に対する弾圧を許さず、ともにたたかっていこう。

 ●4章 オスプレイ配備撤回、飛行訓練阻止を闘おう

 第三に、オスプレイ配備撤回、全国低空飛行訓練阻止、辺野古新基地建設阻止、岩国基地大強化阻止のうねりを作り出していくことである。一月二十七日二十八日に行われた沖縄の総理直訴行動を受け、全国でオスプレイ配備撤回、全国低空飛行訓練阻止のたたかいを強化しよう。そもそも、普天間基地は世界で最も危険な基地と政府自身が認めてきたにもかかわらず、その基地に欠陥機であり構造上の危険性が指摘されているオスプレイを配備するということ自体が、許しがたいことなのである。オスプレイは、オートローテーション機能がなく、民間では、こうしたヘリはそもそも飛行できない。ヘリモードから飛行モードへの切り替え(その逆も)が、そもそも構造上の不安定さと欠陥を有している機体である。それ故に事故を多発させているにも関わらず、その運用と配備を強行するのは、ただ、その戦闘機能ゆえである。すなわち、滑走路がなくても離発着可能で、航続距離が長く、多くの兵員を一挙に輸送できるからである。逆に言えば、欠陥機であっても戦闘行動には都合がいいのであり、兵士の命などはどうでもいいのだ。このオスプレイが、普天間基地周辺の市街地を日常的に飛行し、さらには、全国各地で飛行訓練を常態化するというのである。沖縄の人々が、与党もふくめて、一丸となって、オスプレイ配備の撤回を求めることはまったく正当である。
 昨年、オスプレイ搬入時には、岩国市民は、オスプレイ搬入に抗議し立ち上がった。岩国も、オスプレイ全国低空飛行訓練の拠点に位置づけられているのである。さらに、低空飛行訓練が予定される各地の自治体もおしなべてこれに反対している。だが、安倍政権は、米軍再編を強行しようとしている。また、オスプレイの購入さえ、防衛省は検討しだしている。
 こうした策動を許さず、オスプレイ配備を撤回させよう。全国低空飛行訓練を阻止しよう。そして、普天間基地を即時閉鎖させよう。辺野古新基地建設を絶対に阻止し、岩国基地大強化を阻止しよう。今春、全国でオスプレイ配備撤回、低空飛行訓練阻止のたたかいをまきおこそう。

 ●5章 3・24三里塚現地闘争に決起しよう

 第四に、三里塚闘争に決起することだ。市東さんの農地をめぐる裁判(行政訴訟・農地法裁判)が最終局面に突入している。二月四日萩原進さんの証人尋問、二月十八日市東孝雄さんの本人尋問が行われた。反対同盟は、「農地法」を根拠に市東さんの農地を奪おうとする権力犯罪を打ち砕くため、この裁判闘争を位置付け、法廷内での証人尋問―傍聴闘争、そして、千葉市内での集会―デモ、街頭情宣、千葉地裁包囲行動を闘いぬいた。
 そもそも、この裁判で争われている農地は、市東市太郎さん、東市さん、孝雄さんと三代にわたって耕作してきた土地であり、本来ならば、農地法に基づいて市東東市さん、孝雄さんの所有となるべき土地である。それを、成田空港会社がだまし討ち的に地主から買収した。空港会社は、成田市農業委員会、千葉県農業会議、千葉県農林部、堂本千葉県知事(当時)と結託して、市東孝雄さんの耕作権を否定し、「空港用地」に転用し、土地明け渡しを強要しようというのである。しかも、その「根拠」が農地法だというのだ。
 空港会社が起こした訴訟は、司法権力も結託して、この権力犯罪を「合法化」しようというものだ。三代にわたって営農してきた市東さんの正統な耕作権を、こんな権力の横暴をもって強奪させてはならない。
 この農地強奪攻撃と一体に、三里塚現地では、生活破壊・営農破壊がさらに激化している。
 市東さん宅を取り囲むように建設されてきた第三誘導路が三月七日に供用開始されようとしている。空港会社は、これをもって、ナリタの年間飛行回数を二十七万回に引き上げようとしている。「用地内」農民に間断なく騒音を突きつけ、叩き出そうとしているのだ。
 一方で、格安航空会社(LCC)の運航のために、これまで絶対に制限されてきた午後十一時から午前六時の時間帯に関して「運用時間制限の緩和」を成田市議会が認めようとしている。LCCの経営合理化のために「運用時間制限」を午前〇時から五時に改悪して、住民の睡眠時間を破壊する決定をなそうというのだ。市民の生活を守るべき行政のやることか!
 裁判闘争が最終盤に向かう中で、現地での農民叩き出し攻撃も熾烈を極めている。成田市では、説明会の開催そのものを拒否する地域も出ている。空港反対闘争の正しさは、空港会社、成田市の横暴がきわまる中で、再認識されてきている。
 反対同盟と三里塚勢力は二月の二つの裁判闘争を全力でたたかいぬいた。反対同盟は、3・24全国集会に空前の結集を呼びかけている。反対同盟は、二月、三月のたたかいを全国の労働者人民に拡大するために、パンフレット「市東さんの農地取り上げを阻むために/農地は私の命 負けるわけにはいかない!」を発行した。より多くの人々にこのパンフレットを広め、三里塚への総決起をかちとっていこう。
 市東さんの農地をめぐる今春決戦を、反対同盟とともにたたかいぬこう。3・24三里塚現地に総決起しよう。

 ●6章 卒・入学式での「日の丸・君が代」強制阻止

 第五に、卒入学式での「日の丸・君が代」強制と教職員への処分攻撃を許さずたたかうことである。
 卒入学式での「日の丸・君が代」強制と不起立教員への処分攻撃が吹き荒れてきた。東京につづいて、大阪でも、この攻撃が徹底してなされてきた。石原と橋下という日本維新の会両共同代表が、それぞれの都政、府政、市政の重要政策として強行してきたのが、「日の丸・君が代」強制と教員処分であった。日教組を憎悪する首相安倍は、こうした連中とまったく同一であり、愛国心と民族主義を、教育を通して強制することに執念を燃やしている。
 大阪の堺市では、教員の口元をチェックし「君が代」を歌っているかどうかを確認し、歌っていなければ処分するという攻撃までしかけてきたのである。昨年の卒入学式を通して、大阪でも多くの教員が攻撃にさらされた。大阪の職員基本条例が制定されたが、それらは、まさに、罰則の体系であり、まるで刑法なのである。教育とは関係ない。教員への罰則条例でしかない。
 こうした連中が、日本維新の会などと、衆議院選に続き今夏参議院選でも大量の議席を狙っている。安倍政権と日本維新の会の連中などが連立すれば、改憲などへと一挙に突き進んでいくし、「日の丸・君が代」の強制や愛国心教育、さらに、これに従わない教職員の処分、徹底した公務員組合の破壊、そして、子どもたちへの思想統制などが全国化し、国家の力で進められていくという事態になってしまうのだ。絶対に許してはならない。
 二月十一日には、大阪でこうした攻撃に反対する全国集会が開催された。各地でも同様の集会が開催された。引き続き、全国で、卒入学式での「日の丸・君が代」強制と教員への処分攻撃を許さずたたかおう。

 

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