共産主義者同盟(統一委員会)


1404号(2012年11月5日) 政治主張






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   沖縄―岩国―神奈川貫きオスプレイ飛行阻止―撤去!

 「岩国行動2012」の成功を

  米軍犯罪徹底弾劾! 全基地撤去!

  再稼動阻止! すべての原発を廃炉に





 十月十六日、沖縄において、またもや米兵が許しがたい性暴力事件が引き起した。われわれは満腔の怒りをもって弾劾する。事件が起きるたびに米軍は「綱紀粛正」と言うが、なんの解決にもならない。沖縄から全ての基地を撤去し、米軍が出て行く以外に解決の道はない。
 オスプレイ配備―飛行訓練を徹底弾劾する。米軍は日米合同委員会で確認した「遵守事項」をことごとく破って、学校や病院の上空をオスプレイを飛行させている。いつ墜落してもおかしくない欠陥機を普天間基地に配備し訓練飛行させること自体が言語道断だ。オスプレイ配備を撤回させ、普天間基地を撤去させよう。
 十一月岩国行動まで、約二週間、総力をあげて岩国現地決起にむけて奮闘しよう。職場、学園、地域で岩国闘争への決起を訴え、一人でも多くの労働者人民の「岩国行動2012」の参加をかちとろう。


  ●第1章 米兵の性暴力事件弾劾 オスプレイを撤去せよ

 十一月岩国闘争の第一の位置づけは、米兵による性暴力事件を徹底弾劾し、オスプレイを撤去させ、米軍基地そのものをアジアから撤去させるべく、その拠点―岩国に総結集して、直接岩国基地に対して闘うことである。
 十月十六日、沖縄において米海軍兵二人が性暴力事件を引き起した。この二人の米兵は、事件を引き起こしたあと数時間後には嘉手納基地からグアムへ移動する予定だった。なんと卑劣な! 犯罪を犯したあとに公然と出国し逃走しようとしていたのだ。事件翌日の十七日、防衛省ロビーで防衛相森本は記者団に対するコメントのなかで、事件を「事故」と表現した。徹頭徹尾悪いのは犯罪を犯した米軍兵士である。「事故」などでは決してない。この言葉で、森本がどちらの側に立っているかがはっきりとわかる。森本は、米軍がいかなる事件を引き起こそうとも、米軍を防衛し、日米安保を堅持することしか考えていないのだ。被害を被った沖縄人民のことは考えていないのだ。
 米兵による性暴力事件に対し、沖縄現地をはじめ、すぐさま抗議行動が取り組まれた。十月十七日夜、暴風雨の中、沖縄・キャンプ瑞慶覧のゲート前で「米軍は出て行け」と怒りの抗議行動がたたかわれた。同日、首相官邸前においても抗議行動が取り組まれた。
 米軍は、全米兵を対象に十月十九日から午後十一時から翌午前五時まで「夜間外出禁止令」を出した。しかし、これは一時的なものであり、なんの解決にもならない。米軍による犯罪・事件・事故をなくすにはすべての基地を撤去し、米軍が出ていくしかないのだ。
 オスプレイの訓練飛行を直ちに中止させ、オスプレイの配備を撤回させる闘いを沖縄―「本土」を貫いて闘おう。
 日米合同委員会における「合意事項」の文章はザルといってもいい抜け穴だらけのしろものだ。騒音については、「騒音規制措置に関する日米合同委員会合意を引き続き遵守する意図を有する」。飛行経路につても「周辺コミュニティへの影響が最小限になるよう飛行経路を設定する。この目的のため、進入及び出発経路は、できる限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避けるよう設定する。また、移動の際には、可能な限り水上を飛行する」と記している。「遵守」でも「禁止」でもない。「意図を有する」「できる限り」「可能な限り」と肝心なところをあいまいな言葉で「逃げ道」を作っているのだ。
 十月二十三日には、普天間基地においてオスプレイの初の夜間飛行訓練が強行された。米海兵隊は今後、低空飛行訓練や完全武装の兵士を乗せた輸送など、運用を本格化させる見通しだ。日増しに訓練の頻度が増加している状況だ。それは事故がいつ起きてもおかしくない状況下にあるということだ。
 オスプレイは、開発段階から事故が頻発していた。米軍や防衛省は「改良を加えたから問題ない」と強弁するが、そもそもより多くの兵士と兵器を、長い滑走路を必要とせず、より速く、より遠くに運ぶことを目的に開発された兵器であり、安全に人と貨物を運ぶ航空機としては開発されていない。航空機として飛行させること自体が無謀な機体なのだ。ヘリコプターモードから、固定翼モードに変換するために、通常のヘリコプターよりもプロペラが小さい。プロペラが小さい分、ヘリコプターモード時は回転数をあげて揚力を得なければならないので、その分エンジンにかなりの負担がかかる構造になっている。岩国基地で、離着陸時に、エンジン付近から煙が出ていたのが目撃されている。少しのオイル漏れでもあれば高回転で高温状態のエンジンの熱で発煙する可能性が高いということの現れである。それだけでも火災事故の危険性が高いということだ。
 沖縄の空、岩国の空にはオスプレイはいらない! 殺戮と破壊を目的とした米軍機は一切いらない!
 オスプレイ配備強行こそ、日米安保の本質だ。野田政権―森本防衛相は、人民の命と生活よりも、米帝・日帝の軍事戦略を優先した。日米安保が人民の生命を守ったことなど一度もない。米兵による事件・事故が放置され、人民は殺され、苦しめられてきただけだ。
 オスプレイという兵器そのものが、侵略軍隊―米海兵隊の本質を見事に表している。安全よりも、いかにして効率よく兵員・武器を輸送して殺戮ができるようにするかということしか計算されていない。乗員の米兵の生命すら軽んじている。
 こんな兵器を米国防総省の言いなりで、一片の反対意見をすることもなく配備させた森本こそ、日米安保の本質をまざまざと暴露している。オスプレイがなければいいというのではない。オスプレイこそ日米安保の必然なのだ。
 オスプレイのような兵器に行き着く軍事同盟だからこそ、われわれは日米安保を根本から批判し、根幹を粉砕するまで闘う。
 9・9沖縄でのオスプレイ配備反対を掲げた十万三千人の島ぐるみの総決起、9・9岩国集会、9・9東京での一万人国会包囲と、オスプレイ反対の闘いが沖縄―「本土」を貫いて爆発した。沖縄現地では、九月二十六日から連日、普天間基地ゲート前で座り込みが闘われ、十月一日には普天間基地ゲートを封鎖する座り込み闘争が闘いぬかれた。また、基地周辺においては抗議の風船や凧があげられるなど、ありとあらゆる実力闘争が展開された。われわれは、沖縄人民の実力決起に断固として結合する。
 改めて、沖縄―岩国―神奈川、全国を貫く反基地闘争の結合を強化し、日本帝国主義の存立基盤としての日米安保そのものと対決していく運動を創り出していこう。


  ●第2章 国際主義に貫かれた全人民政治闘争を

 第二の位置づけは、恐慌が深化する中、好戦的な領土拡張主義、民族排外主義が激化する中にあって、日帝・米帝と対決する岩国においてこそ、全人民的課題として反戦闘争―反帝闘争の発展をかちとっていくことである。そこに、全国から、海外から、反帝勢力が結集し、プロレタリア国際主義に貫かれた全人民政治闘争を実現していくのである。
 この岩国闘争においてこそ、反基地闘争と同時に、労働者階級人民の利害に立った政治闘争課題が結合して闘われる。
 福島住民を先頭に反原発闘争は、全国規模の闘いへと発展している。九月二十二日、福島県いわき市内において「福島原発告訴団」の第二次告訴にむけた全国集会がかちとられた。今年の三月に告訴団が結成され、六月十一日に、東電幹部や政府関係者ら三十三人を業務上過失致傷罪などで、福島地検に刑事告訴。八月一日に、告訴が受理された。福島原発事故の被害を受けたのは、福島の住民だけにはとどまらない。全国の人々が被害者なのだ。全国で告訴人を募る事務局が立ち上がっている。福島原発事故の責任を徹底追及する、福島原発告訴団の運動を支持・支援し、告訴団に参加しよう。さらに、福島原発事故から子どもを守る「集団疎開裁判」を支援しよう。
 今回の「岩国行動2012」では、反核反基地反原発を一貫して闘ってきた被爆者解放運動を中心とした独自企画の開催が呼びかけられている。福島原発事故によって、広範に新たな被曝者が生み出され続けている。さらに、原発は、必然的に被曝労働を伴うことを忘れてはならない。原発を稼働し続ければ、被曝労働を生み出すのだ。
 「岩国行動2012」で被爆者解放闘争を中心とした、反原発・被曝問題を正面から掲げた独自企画の開催を支持し、ともに結集していこう。
 帝国主義的領土拡張主義、民族排外主義との対決を鮮明にして闘おう。独島や釣魚諸島など領土領海問題をめぐる排外主義煽動と戦争準備に抗して、「岩国行動2012」を成功させよう。
 野田民主党政権は、国連で、領土・領海を防衛すると宣言した。自民党総裁選では、石破元防衛大臣や安倍元首相など好戦主義者が前面に踊り出て、自民党は安倍を総裁に選んだ。十月二十五日、石原慎太郎は、任期途中にもかかわらず東京都知事の職を投げ出し、極右新党を結成し、代表として次期衆議院選で比例区から立候補することを表明した。記者会見で石原は、民族排外主義の言動を丸出しに、自らの改憲論や釣魚諸島に施設を建設することなど領土併合と戦争準備を煽動した。こんな排外主義者石原慎太郎をのさばらせてはならない。石原が東京都でやったことは、教育現場で「日の丸・君が代」を強制し、反対する教育労働者を次々と処分し、歴史歪曲の教科書を強制したことである。福祉政策をどんどん切り捨てる一方で、首都圏三環状道路建設やオリンピック招致、新銀行東京などに都税を湯水のようにつぎこんで、企業の利益に供したことを「成果」だと自画自賛している。さらには、女性差別、障害者差別、民族差別の暴言をはきながら一切反省しないとんでもない人物だ。
 同様に、維新の会、在特会、幸福実現党など、差別排外主義潮流の伸長を断じて許してはならない。
 日帝足下の労働者階級人民がとるべき態度は明確だ。それは、自国帝国主義の領土拡張主義の野望に対して無条件かつ非妥協に闘うことだ。祖国敗北主義の旗幟を鮮明にし、アジア諸国・地域人民との国際連帯をさらに強め、日米帝国主義打倒へ突き進もう。


  ●第3章 「岩国行動2012」に総力決起しよう

 第三の位置付けは、労働者階級人民の解放闘争として闘うということである。
 労働者―労働組合が自らの課題として反戦闘争―反基地闘争を、岩国闘争を主体的に取り組むというところにこそ、十一月岩国全国決起の重要な意義がある。
 戦争に対して、基地に対して、原子力政策に対して、労働者階級が労働者階級としての利害を貫いて、反対行動に立ち上がることの意義をはっきりと確認しよう。
 1%に対する99%の闘いは突然はじまったことではない。社会の圧倒的多数の労働者こそが社会を本当に変革する力を持っている。労働者―労働組合が、その利害に立って、より大規模に全労働者階級の決起を促し導いていくような反戦闘争として岩国闘争を押し上げていこう。
 日帝足下の労働者自身が、アジア人民に対して再び加害者になるのか否かが鋭く問われている。国家主義、民族排外主義を前面に掲げた支配者階級の煽動に屈服してはならない。領土拡張主義、民族排外主義と分岐し対決する、労働者反戦闘争を、岩国集会の中から築き上げていこう。
 岩国集会では、青年、学生、被爆・被曝問題などさまざまな企画が準備されている。一つひとつの課題は、それぞれ重要な内容の課題をもっている。そして、労働者階級人民にとって普遍性をもった課題である。
 地域で、学園で、職場で、多くの労働者人民が現在の政治情勢に矛盾を感じている。
 野田政権の支持率が政権発足以来最低の18%と報じられた(『朝日新聞』十月二十日、二十一日実施の世論調査)。消費税増税の強行、原発再稼動の強行、欠陥機オスプレイの配備の強行などに対し、多くの労働者階級人民が日帝―野田政権打倒を突きつけているのだ。
 民主党も自民党も「国境紛争」を演出して戦争に駆り立てていこうとしている。政府も東電も原発事故を収束できぬまま、責任も補償も棚上げして、再稼動―原発推進に突き進もうとしている。さまざまな階層が声をあげ、立ち上がり、力を結集することが決定的に問われている。
 全人民の怒りを十一月、岩国に結集し、反政府闘争―反帝闘争を創出していこう。
 日帝―野田政権は、大飯原発の再稼動につづき、建設を中断していた大間原発(青森県大間町)の建設を再開させた。日帝―野田政権は、全国で数百万規模であがる反原発の声を踏みにじり、原子力発電の利益にむらがる電力資本、大企業、官僚機構の利権を優先させたのだ。日帝―野田政権は労働者階級人民の力で、打倒あるのみだ。
 職場、地域、学園、あらゆる場所から「岩国行動2012」に決起しよう!。労働者階級人民が闘いに決起する契機は、無数に存在する。さまざまな闘いから、「岩国行動2012」へと決起していこう。
 沖縄―岩国―神奈川と日米安保体制を揺るがす、反基地闘争の結合がかちとられてきている。韓国やアジア諸国・地域人民が集会・デモに参加し、国際連帯闘争として培われてきた。全国各地で労働運動を闘う労働者が結集する労働者反戦交流集会が積み重ねられてきた。
 全国各地の労働者階級人民が縦横に結びつき、階級的団結を形成する闘いとして、岩国闘争が発展してきていることの意義をしっかりと確認し、アジア共同行動日本連と12岩国・労働者反戦交流集会実行委員会が開催する「岩国行動2012」の成功にむけて奮闘しよう。

 

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