共産主義者同盟(統一委員会)


1399号(2012年8月5日) 政治主張






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   8・6広島の成功かちとり反原発闘争の前進を

  全国で反オスプレイの闘いを

  米帝の新国防戦略指針弾劾  

  日帝の「動的防衛力」構築粉砕!






 七月十六日、東京・代々木公園はまさに人民の海で埋め尽くされた。十七万に及ぶ人民が原発反対を主張して集まったのである! われわれはこれら人民の怒りと結合し、原発再稼働を強行する野田政権を打倒していこうではないか!
 そして、われわれは野田政権によるオスプレイの岩国搬入を絶対に許さない闘いに立ち上がらなければならない。沖縄―岩国へのオスプレイ搬入・配備を許すな! 七月二十三日のオスプレイ岩国搬入強行弾劾! 沖縄人民、岩国市民の闘いを踏みにじる防衛相森本を糾弾する!
 六月AWCの各地区行動の成功をばねに今夏、反原発、オスプレイ配備反対の闘いに邁進しようではないか! 韓国では日本の7・16と連帯した集会が同日に闘われている。日本の反原発闘争はすでに国際主義的闘いとして位置付けられるということである。そして、かかる闘いの先頭に全国各地のAWCの仲間がいることを確認しなければならない! われわれは国際主義の旗を鮮明にし、労働者階級人民の闘いのエネルギーと結合し、今夏、野田政権を打倒する闘いに登りつめていこう。


  ●第一章 7・16集会の成功から全原発の停止―廃炉を

 猛暑の七月十六日、代々木公園で人民の怒りが爆発した。当初予定の十万人を超える実に十七万人(主催者発表)の人民が「さようなら原発」集会に集まったのである。原宿駅から代々木公園にいたる道路は人の波で埋め尽くされた。渋谷駅から旗、横断幕を掲げた集会参加者が続々と会場に向かう様子は、それ自身がデモであった。
 メインステージでは集会呼び掛け人からの発言がなされ、口々に反原発が訴えられた。そして第四ステージでは、韓国でもこの日に日本の闘いに連帯する集会が行われていることが報告された。七月十六日は日韓同時決起で反原発集会が開催されたという意味でも歴史的な日となったのだ。また、共産主義者同盟(統一委員会)の同志は、反原発集会に結集してくる労働者人民に、三面論文で大飯原発再稼動徹底弾劾を打ち出した『戦旗』第一三九七号の販売活動をおこなった。
 三方向にわかれてデモが行われた。「原発反対!」「再稼働反対!」「野田を倒せ!」というシュプレヒコールが鳴り響く。沿道では人々が手を振りデモ隊に応える。デモコースの各歩道橋には「NO NUKES」という横断幕が掲げられた。
 7・16集会の大成功をもって、日本労働者階級人民の圧倒的意思は原発反対であるということが満天下に明らかになったのである。われわれはこの7・16集会でかちとられた地平をもって、反原発闘争のさらなる発展をかちとっていかなければならない。
 昨年の3・11福島第一原発事故によって東北、関東が放射性物質による汚染にさらされ続けてきた。そして、そのような状況に生命の危機を抱く多くの人民の闘いは、五月五日国内全原発の停止という状況を日帝―支配階級に強制した。そして野田をはじめとする支配階級が何よりも恐れたことは、国内全原発停止のまま夏の電力需要を乗り切ってしまうことであった。
 夏前に原発の再稼働を強行することこそ野田の至上課題であり、そのために大飯原発の再稼働に突進してきたことは間違いない。しかし福井県庁前抗議行動や福井市・おおい町現地での再稼働反対行動は一挙に拡大した。そして一方、首都東京では首相官邸前抗議行動が数万、数十万と膨れ上がっていく状況が創出された。
 しかし野田はこれら人民の意思を無視し、再稼働を強行した。そこには建て前としての「民主主義国家」の姿すらない。あるのは、ただ日帝ブルジョアジーの利害防衛を第一とする支配階級の本音をむき出しにした姿だけだ。われわれはこの歴史的犯罪を断罪していかなければならない!
 7・16反原発集会に結集した十七万の人民の怒りは、もはや「脱原発」を願っているという穏やかなものではない。このまま原発に依存していく社会か、それともすべての原発を廃炉にする社会か、原発を巡る選択はどちらかしかない。政府の意に反し、原発の廃炉を選択をする人々が怒りを抱いて結集したのが7・16集会である。すなわち、反原発の闘いとは本質的に社会の変革を要求する闘いであり、野田政権打倒という主張に直結する行動であるということだ。
 現在の反原発の大衆的高揚は、昨年来の世界的激動―チュニジア、エジプトから始まり、スペイン、ギリシャ、そしてアメリカ・ニューヨークのウォール街と拡大していった闘いと通ずるエネルギーの奔流が吹き出しているものなのだ。日本の労働者階級人民は漫然と世界的激動を眺めていたのではない。少数者がいかに資本と政治権力―国家暴力装置を自らの手中に納めようとも、巨万人民の決起は支配階級がよって立つその基盤から覆すことが可能である。大飯原発再稼動阻止闘争がはっきりと示したように、人民の直接行動こそが、支配階級をゆるがしていくのだ。そのように、人民の意志を直接行動で示すことこそ民主主義を実現していくのである。われわれは「民主主義」も、コミューンも、ソヴェトも、膨大な人民の決起によってこそその実体がつちかわれていくという歴史的教訓を忘れてはならない。
 われわれは反政府闘争として、社会変革を目指す大衆運動として、反原発闘争の前進をかちとっていかなければならない。
 われわれは反原発闘争の大きな根拠として被爆者、被爆二世・三世の闘いがあり、原発事故被害が集中する福島の人々の闘いがあることを確認しなければならない。われわれは、あらためて被爆者解放闘争の苦闘から学び、放射能被害の強制を拒否し、国家の責任放棄を絶対に許さない闘いを断固推し進めていかなければならない。8・6広島集会を闘おう!
 原発事故の一切の責任は東電にある。そしてその東電を実質国有化した以上、当然その最終責任は政府にある。電機産業、電力会社、政府に原発事故と現在も続く放射能汚染の全責任をとらせなければならない。福島第一原発の工事を下請けした「ビルドアップ」の役員が、現場労働者に線量計を鉛カバーで覆って作業させていた。明確な被曝隠しが行われていたのである。原発労働における矛盾が派遣労働者―非正規雇用労働者に押しつけられている。被曝労働によって成り立っている原子力発電そのものをわれわれは許さない。
 原発事故の本来的総括は、今後は絶対に事故が起こらないようにすることである。そしてそれは全原発の即時停止であり、計画的廃炉以外にありえない。この単純明快な結論を圧倒的多数の意思として政府に強制していこうではないか! 再稼働阻止! 全原発の即時停止―廃炉を求める闘いを全国いたるところで闘おう!


  ●第二章 オスプレイ岩国搬入弾劾! 沖縄―岩国貫く闘いを

 七月二十三日、オスプレイが岩国に搬入された。われわれはかかる暴挙を徹底的に弾劾する! 岩国市民、沖縄人民とともにオスプレイ配備反対を闘っていこう!
 二十三日早朝、MV22オスプレイ十二機を載せた民間輸送船「グリーンリッジ」が岩国基地に入港した。前日の二十二日、これに反対する岩国市民千百名が岩国市役所前で緊急集会・デモで闘った。集会参加者はオスプレイの写真にバツ印をつけた紙を掲げ反対の意思を明確に示した。二十三日当日は「岩国大行動」として、海上での阻止行動と陸上からの阻止行動が闘われた。海上からはゴムボートを出し抗議行動が行われた。陸上では岩国基地対岸の堤防で集会が行われ、岩国市民は「怒」と書かれたプラカードを基地に向けてつきつけ、人間の鎖でアピールした。こうした事態の中で、福田岩国市長は「われわれの安全保障政策への立ち位置も大いに変更せざるを得ない」(七月二十四日『東京新聞』)と発言し、これまでの安保政策への協力姿勢の転換のポーズを見せるしかなかった。また二井山口県知事は、「一時駐機が岩国で長期化すれば米軍再編に伴う厚木基地からの空母艦載機移転を『考え直さねばならない』と発言」(同)している。これら基地容認勢力の動揺の根拠は、明らかに岩国市民とこれに連帯する人民の反対運動の存在である。
 しかし、こうした多くの岩国市民の反対の声を前にして、森本敏防衛相は「(オスプレイの配備について)安全性が懸念されて地元で受け入れがたいという運動が起きたとき、日米安保体制が揺らぐのではという側面は否定できない」(七月二十三日『朝日新聞』)と、恫喝まがいの言辞を吐いている。そして十月からの本格運用に関する記者団の質問に、「日米間で擦り合せしており変更する考えはない」(二十三日『東京新聞』)と明言している。要するに、いかに危険な欠陥機であろうとも日米安保体制堅持のためにオスプレイを配備するということである。われわれは、地域住民の命よりも日米安保を優先すると言う防衛大臣を絶対に許してはならない。防衛相森本を徹底的に糾弾しようではないか!
 沖縄の反対運動の高揚を恐れた米軍と防衛省は、オスプレイを岩国に搬入し組み立てて飛行訓練した後、沖縄―普天基地に配備し本格運用しようとしている。住宅街のど真ん中にあり、それでなくとも「世界一危険な飛行場」と言われる普天間基地への配備は許されるものではなく、実際に墜落事故が起きればどれ程の被害がでるか測り知れない
 またこれは岩国、沖縄だけの問題ではない。
 米軍はオスプレイを岩国に搬入し普天間に配備した後、キャンプ富士や岩国基地に移動させる。その際、日本全国を六ルートに別けて低空飛行訓練(最低飛行高度百五十メートル)を繰り返すことを計画している。沖縄―普天間に危険を集中しつつ、飛行直下のすべての地域を墜落の危険と恐怖にたたき込んでいこうとしている。この低空飛行訓練は、米本国でも反対運動が起こり訓練が延期されている。「オスプレイの低空飛行訓練計画に対し、米国南西部にある空軍基地周辺で反対運動が起き、訓練内容を半年延期し、内容を見直していた」(七月十九日『東京新聞』)のだ。低空飛行訓練を許すな。
 そして開発段階で事故を繰り返したMV22オスプレイは、昨年までに実に三十回もの事故を引き起こしている。「米側はオスプレイの事故率について、二百万ドル以上の損害や死者が発生した『クラスA』で算出しており、損害二百万ドル未満やけが人発生などのクラスB、Cの事故数は含めていない」(七月八日『琉球新報』)のだ。滑走中に前脚が機体から外れる事故などの「クラスB」が六件、高い位置でホバリングして墜落した形で着陸した事故などの「クラスC」が二十二件起きている。これにクラスAの事故二件を加えれば、オスプレイは〇六年十一月から十一年十二月までの期間に計三十件の事故を起こしているのだ。これら事故の特徴はエンジン部分に関するものが多い。三十件中、実に九件がエンジン関係の事故だ。そのうち、エンジンもしくはエンジンルームの炎上が五件に及ぶ。事故件数もさることながら、その内容を詳細に見ればオスプレイは基幹部であるエンジンに問題を抱えていることは明らかだ。オスプレイの事故は乗組員の操縦ミスだとか、整備不良という問題ではない。事故が発生するのが当たり前の輸送機だということだ。
 加えて言えば、これは米海兵隊のMV22オスプレイの事故だが、米空軍が導入したCV22オスプレイでは同時期に二十八件の事故をおこしている。合わせれば昨年までに五十八件の事故を起こしている。その上で、今年に入ってからも新たな事故が続いているのだ。
 こんな輸送機を飛ばすこと自体が犯罪なのだ。米軍は兵士が死傷するのは当然と考えているから、こんな欠陥機を実戦配備するのだ。
 われわれは沖縄人民の巨大な怒り―8・5「県民大会」と結合し、オスプレイ配備阻止! 米軍総撤収を全力で闘おう! そして辺野古新基地建設阻止! 高江ヘリパッド建設阻止を闘おう! 七月十九日、高江では沖縄防衛局とダンプカーがゲート前に集まり作業に着手した。作業強行弾劾! 絶対に許すな! 同時に普天間基地の固定化を許さず、普天間の即時閉鎖と基地撤去を掲げて闘おう!


  ●第三章 日帝―野田政権打倒に起ち上がろう

 野田政権は福島原発事故の収束など全くできていないなかで、大飯原発の再稼働を強行した。福島事故の検証もなんら進んでいないにもかかわらずである。事故の責任を一切明らかにしない中での再稼働など絶対に許されるはずもない。危険極まりない原子力推進政策を根底から問い直す事態の中で、独占資本と官僚どもの意のままに原子力政策をあらためて推進してきたのが野田政権だ。そしてそんな政権に対して、自らの生存権をかけた闘いが反原発の闘いである。首相官邸前や7・16の爆発はその証明である。
 われわれは、原発再稼働を阻止するために、おおい町の住民や全国の反原発を闘う人々とともに大飯現地闘争を闘った。大飯の闘いは全国の再稼働阻止闘争を全人民闘争として闘う道筋を切り開いた。かかる地平をもって反原発―再稼働阻止闘争を闘おう。
 野田政権は、米帝―オバマ政権の東アジア重視政策と結び付き、米軍の東アジア重視―米軍再編と一体の新基地建設を強行しようとしてきた。オスプレイの配備もまたこの米軍再編の過程での攻撃である。アジアからの米軍総撤収を掲げて闘おう!
 消費税増税に固執した野田は、自民党と結託して増税に突き進んでいる。一方で、生活保護費の引き下げ策動にみられるごとく、社会的弱者切り捨ての政策を強行している。労働者階級人民に全面的に敵対する野田政権を打倒しよう!
 アジア共同行動(AWC)日本連絡会議は今夏期の闘いを総括し、秋の闘いに向けた方針を確定しようとしている。われわれはこのAWCの今秋の運動に対して最大限の支援を行う。アジア規模の反戦―反帝闘争の前進をかちとっていこうではないか! 九月~十月にかけての各地のAWC運動の成功をかちとろう! 同様に、岩国労働者反戦交流集会実行委員会の前進をかちとっていかなければならない。そしてこれら闘いの前進をもって、十一月岩国行動を全力で支えていこう! 全ての同志・友人諸君と共に岩国で闘おう!


 

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