1392号(2012年4月20日) 政治主張 |
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沖縄―「本土」を貫く決起で米軍基地撤去を 5・15沖縄闘争に決起せよ 大飯原発再稼働絶対阻止! 消費税増税反対! 野田政権打倒 すべての労働者人民の皆さん、すべての『戦旗』読者の皆さん。 政権維持のみを自己目的化している民主党野田政権は、日帝ブルジョアジーの意図を実現することにおいてはかつての自民党政権時代となんら変わるところのない存在となり下がった。消費税増税を軸にして、今や自民党に対して「大連立」をさえ申し出ているのだ。東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故から一年を経過し、被災地の復旧と人民の生活再建を果たすどころか、大増税と原発再稼働、朝鮮民主主義人民共和国の「ミサイル」を口実とした戦争挑発に乗り出さんとしている日帝―野田政権を、もはや一日たりとも延命させてはならない。 増税路線では野田政権と全く一致している自民党も同様である。そして「改革者」を装い、「既得権益」を攻撃することで人民の権利そのものを無きものにせんと蠢動する、橋下徹「維新の会」の野望を、今春期の原発再稼働阻止、5・15沖縄解放闘争の爆発で粉砕しよう。 ●1章 原発再稼働阻止、全ての原発を廃炉に 日帝―野田政権は、菅前政権がかろうじて打ち出した「脱原発」路線を、電力独占資本、電機産業資本の意を受けてかなぐり捨てようとしている。原発の再稼働と、原発の輸出を推し進めようとしているのだ。 しかし、その足下を人民の決起がガタガタに揺さぶっている。「3・11」より一周年を経て、波状的に全国でたたかわれる反原発闘争が、野田政権とブルジョアジーをして、定期点検を迎えて次々停止する原子炉の再稼動に踏み切ることを許さずにいるのである。 五月五日に停止する北海道電力泊原発の三号機を最後に、国内五十四基全ての原子炉が停止する。われわれはついに招来した「原発ゼロ」情況を、今後もずっと日帝ブルジョアジーに強制してやらねばならない。原発の再稼働を、何がなんでもやらせてはならない。そしてそれらの全てを、そのまま廃炉へと追い込むのでなくてはならない。 当面の焦点は、政権とブルジョアジーとが「原発ゼロ」を何とか回避せんものと「再稼働第一号」の望みを託す、関西電力大飯原発(福井県)三、四号機である。政権側は再稼働に際して「同意」を得なければならない「地元」自治体の範囲を、極めて狭く限定しようとしている。福島の事態に際して設定された「原発から三十キロ」(それさえあまりにも狭いのだ!)に一部が入る滋賀県と京都府からの「同意」をとりつけることについて四月三日、官房長官藤村は「『同意』と『理解』とは異なる」として、再稼働に踏み切ろうとしている。そして首相・野田は再稼働の「政治判断」に必要な「暫定基準」づくりを同日、原子力安全・保安院に指示した。本来ならばそうした基準づくりを行うべき「原子力規制庁」が、いまだ存在しないからだ。「増税に政治生命をかける」(!)と言い切る野田が、消費増税を最優先して原発への規制を後回しにしているからだ。 同時に、最大野党である自民党も「消費税政局」で民主党政権を揺さぶることしか考えていない。彼らもまた、本音では従来からの原発政策の転換など考えていないことは明らかだ。 四月七日、大津市では「大飯原発再稼働を許さない4・7関西集会」がたたかわれた。多くの人民が再稼働反対の声をあげた。どこの原発の再稼働も許してはならない。 また、「維新の会」橋下の「脱原発」路線のペテンについても見抜いておかねばならない。橋下は元々明確な改憲論者であり、核武装論者なのである。その男が関西電力に脱原発を迫っているからと言って、それをわれわれは賛美出来るものではない。ファシストであり、かつ新自由主義者である橋下は、労働者人民の立場から脱原発を主張しているのではなく、電力独占資本―関電の電力利権を新興ブルジョアジーに分散しようというものでしかないのだ。そもそも五十四基の商業炉が停止され廃炉となるだけでは決定的に不十分なのだ。横須賀の空母ジョージ・ワシントンの二基の原子炉を容認する反原発闘争であってはならない。「核の平和利用」は認めないが、軍事利用は認める、などということがあっていいわけがないではないか! 全国で手を緩めることなく、連続した反原発闘争に立ち上がろう。 ●2章 沖縄へのPAC3配備弾劾! 朝鮮半島への戦争挑発を許すな! 三月三十日、防衛相田中は「破壊措置命令」を発した。朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)政府が打ち上げを発表した人工衛星「光明星三号」の失敗、落下に備えてのものだという。これを受けて四月三日、沖縄に地対空誘導弾パトリオットがはじめて搬入された。那覇市と南城市、宮古島と石垣島にそれぞれ、PAC3が配備される。また自衛隊員が合計七百人も「本土」から沖縄に乗り込む。 今回の「措置」をわれわれは、二重の意味において許してはならない。 一つにはこれが、共和国に対する戦争挑発攻撃であると言う点においてである。日米帝は今回の衛星打ち上げを「事実上のミサイル発射」なのだと言い立てるが、翻って自分たちの人工衛星打ち上げを「事実上のミサイル発射実験」であるなどと認めたことなどないではないか。仮に百歩譲って「ミサイル」とみなすのだとしても、そもそも一月には駐韓米軍の参加した日米共同の指揮所演習や、二月からは米韓合同演習が沖縄の海兵隊も参加して繰り広げられているという事実を抜きに、一方的に共和国政府を非難することなど許されるわけがない。先にソウルで開かれた第二回「核安全保障サミット」もまた、核保有五大国による独占支配の強化を狙うものとして共和国政府が非難をする中で強行されたものであった。 日米両帝国主義の側こそ、核兵器とミサイル技術を独占し、朝鮮半島への軍事的重圧をかけることをやめるべきなのである。 二つ目に、沖縄に対する自衛隊強化である点においてである。日帝は宮古島・石垣島などにまで、自衛隊を乗り込ませる口実として、今回の「ミサイル発射」を最大限に利用している。当然にも沖縄の各所で、「自衛隊の強化反対」を訴える取り組みがたたかわれた。沖縄民衆は今回の事態の本質をはっきりと見抜いている。軍隊が民衆を守ることはないことを、沖縄人民は知っている。沖縄への差別軍事支配の強化を許してはならない。沖縄―「本土」を貫いた反戦闘争に立ち上がろう。日本軍=自衛隊の反人民性を暴露してたたかおう。 ●3章 核安全保障サミット弾劾! イランへの戦争挑発弾劾! 三月二十六日から二十七日にかけてソウルにおいて第二回「核安全保障サミット」が開催された。読んで字のごとくこれは、「核軍縮サミット」ではない。核保有五大国を中心とした核独占、世界支配の体系の存続を、いかに「安全」に「保障」していくか、というものなのであり、徹頭徹尾反人民的な会議であった。 二十七日に議長李明博が発表した「ソウルコミュニケ」(首脳宣言文)は、「 核物質(高濃縮ウラン・プルトニウム)使用最小化努力」「核物質と放射性物質の安全管理」「原子力施設の保護」「核物質、放射性物質の不法取引防止」「核鑑識、核敏感情報の保護」「IAEAなど核安保関連国際機構の活動強化」「原子力施設に対する物理的保護の強化」「核・放射性物質の違法取引の遮断」をうたいあげるものだ。一読して核関連の情報を人民から遮断しようとすることが明白である。 そして野田は「福島第一原発事故で露呈した原子力施設の脆弱性」を、こともあろうに「テロからの防衛」強化で「克服する」のだと宣言した。原発事故の根本的な問題を、「対テロ」問題にすり替え、再稼動に突き進む宣言をしたのである。 ソウル・サミット参加に先がけて、米帝オバマは二十六日に南北の軍事境界線がある非武装地帯 (DMZ)に赴き、DMZ内の「キャンプ・ボニファス」で米韓の指揮官や兵士を激励した。朝鮮民主主義人民共和国政府に「圧力」をかけてみせたのだ。 またオバマは、核安全保障サミットの基調演説では「核テロの脅威」を強調し、「核安保の実現に向け、各国首脳は言葉だけでなく行動を見せるべきだ」とアジってみせたのだ。かつて自らが言及した「核なき世界」をではなく、「核安保」を目指せというのである。胡錦濤との会談では、イランと共和国の核開発封じ込めに、米中は共通の利害を負っているのだと迫った。 そして帰国後の三十日、イラン中央銀行と取引する各国金融機関などに対する制裁の発動を承認した。イランからの原油輸入の大幅削減を決めた日本や欧州連合(EU)などを除き、六月末から制裁が発動される。 しかしそもそも、ウラン濃縮を進めているというイランーアハマディネジャド政権の強硬な対欧米姿勢の背景には、米帝の中東政策、イスラエル政策の歴史があるのだ。イスラエルの核開発については不問に付しつつイラン政府を非難することなど、出来る道理ではない。米帝とその中東政策に追随する、すべての帝国主義政府にこそ事態の責任があるのだ! イランに核査察の受け入れを迫る前に、イスラエルにこそ受け入れさせるべきなのである。また入植地からの撤退などの安保理決議を受け入れさせるべきなのである。イランへの経済制裁発動、軍事挑発を許してはならない。新たな中東侵略反革命戦争攻撃を許すな。 ●4章 反革命統合40年弾劾! 5・15沖縄解放闘争に起とう 今年沖縄は、七二年反革命統合から四十年を迎える。日帝と米帝の沖縄差別軍事支配の現実は大きく変わるところがないが、しかし、沖縄民衆のたたかいは、米軍の世界的な再編計画をズタズタに切り裂き、破綻に追い込みつつある。沖縄のたたかいと、日米帝軍事当局とのぎりぎりとした攻防の中に、四十年目の「5・15」は訪れようとしているのだ。 名護市辺野古に新基地を建設し、普天間基地の機能を移転させ、さらに「沖縄の負担軽減」をうたい文句に日帝からカネを引き出してグアムに海兵隊基地を建設させようと目論んだ米軍の意向は、沖縄民衆のたたかいによって頓挫した。辺野古の新基地建設が進んでいない以上、それとワンパッケージであるグアムへの海兵隊移転計画の予算を認めるわけにはいかない、という米議会を、米帝オバマは説得することが出来なかったのだ。 普天間基地をどうするべきかははっきりしている。即時無条件の閉鎖、返還しかないのである。 しかし三月十七日、副総理岡田は宜野湾市を訪れ、佐喜真市長に対して必要に応じて普天間基地の補修工事も行う構えを見せた。普天間を「固定化」させたくなければ辺野古への移転を受け入れろ、と沖縄を恫喝しているのだ。 三月十四日には、国頭村高江におけるヘリパッド建設阻止のたたかいに対して、那覇地裁が許すことの出来ない不当判決を下した。住民の反対運動が工事の妨害になっており違法であるという沖縄防衛局の訴えを認めたのである。カネも権力もある国家の側が、徒手空拳の住民のやむにやまれぬたたかいの一部分を切り出して「違法だ」と提訴する、「スラップ訴訟」(SLAPP=市民に対する報復的民事訴訟)を認めた不当判決である。 カネと法とあらゆる暴力を動員して沖縄に屈服を迫る日帝―野田政権を許さず、沖縄―「本土」を貫く陣形のもと、来る「5・15」をたたかい抜こう。 「本土」の側のたたかいで言えば、二月に明らかになった、岩国基地への海兵隊の受け入れ打診という事態によって、拡大強化される岩国基地の存在が米軍にとって極めて大きなものであることが改めて浮き彫りとなった。愛宕山米軍住宅建設に反対したたかう岩国市民の声の前に、そもそも愛宕山の、ひいては街と住民の安全そのものの米帝への売り渡しを決めていた岩国市長福田と山口県知事二井までが、「要請断念まで愛宕山は売らない」と猿芝居を売って見せざるを得ない事態になった(結局「断念」後の三月二十三日に売却調印)。 日米両政府は海兵隊の「ローテーション方式」での全国的な受け入れを狙っている。その候補地に岩国もまたいつ組み入れられてもおかしくない。 イラク、アフガンの戦費負担に耐えかねて、「二正面戦略」を放棄した米帝は、対中国シフトへと戦略を転換させて来ている。沖縄の、岩国の、いや、全国の米軍、自衛隊基地を、アジアへの侵略反革命戦争の出撃拠点とさせてはならない。アジアから米軍を総撤収させるべくたたかおう。 5・15沖縄解放闘争を全国でたたかおう! 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