1390号(2012年3月20日) 政治主張 |
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原発再稼働・輸出阻止! 消費税増税許すな! 3・25三里塚に総決起を 反原発・反戦反基地・三里塚を闘う 反帝国際主義学生運動に共に起とう 共産主義青年同盟(学生班協議会) はじめに 全ての学生の皆さん。とりわけ新入生の皆さんに、共産主義青年同盟(学生班協議会)より、反帝国際主義学生運動への参加を呼びかけます。 さて、唐突に反帝国際主義と言われても何の事だか分からない、という方も多いと思いますので、簡単に説明します。 反帝とは反帝国主義のことです。帝国主義とは、資本主義が最高度に発展している段階であり、たとえば、日本、米国、イギリス、フランス、ドイツなど、資本主義強国が、自国の利益のために、手を組んだり、相互に牽制しあいながら、帝国主義以外の国々や地域に対して経済的・政治的・軍事的な方法を用いて支配している(影響力を行使している)状態のことです。 先に自国の利益と述べましたが、その内部にも対立があり、一枚岩ではありません。資本主義社会においては、人々は生産手段を有する者たち(資本家階級・有産階級)と生産手段を持たない者たち(労働者階級・無産階級)とに分かれます。もちろんこの二つの階級のみ存在するというわけではありませんが、資本主義が有力になっている社会では、二つの階級が他の階級よりも大きな位置を占めます。この関係においては、資本家は労働者の働きがなければ自らの富を増やすことはできませんし、労働者は資本家の下で働かなければ賃金を得られません。資本主義社会において、労働者は資本家に「労働力」という商品を売り、賃金という形で支払いを受けます。そして、資本家階級が自らの取り分を増やそうとすると、労働者階級の取り分が減ります。資本家が儲かっている時や、労働者を集めることが困難な場合などには、労働者の取り分が増えることもありますが、それは「景気の良い時」に限られ、景気が悪くなれば労働者の地位は一気に不安定になります。日本でもリーマンショックの際、派遣労働者・契約労働者の契約打ち止めが多発し、「派遣切り」と呼ばれ大きな問題となったのは記憶に新しいでしょう。その前段には派遣労働の拡大を目的にした、「労働者派遣法」の改悪が行われており、それが被害を拡大したのです。 さて、少し話を戻しましょう。資本主義各国は各自の利益のために競い合い、時に同盟関係を結びます。一方で国の内においては資本家階級と労働者階級に分断されています。現在日本では議会制民主主義を政治制度としてとっており、政権は選挙民の投票結果を一定程度反映します。資本家階級が政権をとるにあたっては、社会の多数派である労働者階級からの票を得ることが必要です。しかし、労働者階級は資本家階級に経済的に依存させられているため立場が弱く、政権をとった資本家の政権は、労働者階級の利益ではなく資本家階級の利益を平気で優先させるのです。しかしながら資本家階級の立場のみを代弁することは各階級間での対立を激化させ、国民国家としての存立を怪しくするため、賃金の上昇や社会福祉政策の形で労働者階級の取り分を増やすこともあります。資本家階級内部での緊張関係もあるため複雑な様相を呈しますが、基本的には資本家階級の思惑が強く反映します。こういった状況を指して、資本家階級が支配階級であると呼びます。 国家がなしうる最大の害悪の一つが戦争です。戦争の原因はいろいろあり、あまたの大義が語られますが、戦争には膨大な金がかかります。つまり金のある人々の支持がなければ戦争は出来ません。ビジネスに一切繋がらないというのでは支持が得られないわけです。米国がアフガニスタン、イラクで行った戦争は、その原因として二〇〇一年の9・11米中枢同時多発攻撃が挙げられており、「対テロ」という大義が語られました。これらの政治的な理由付けを一切無視するということはできませんが、同時にイラク戦争が石油権益や復興事業での利益を狙ったものであるという分析も行われていました。米国はアフガニスタン・イラクへの侵略戦争が泥沼化し一兆二千八百億ドル(約百兆円)以上に及ぶ戦費を費やし、深刻な経済危機に陥っていますが、その背後で米国系の企業が利益を上げていました。イラク戦争では、兵器の使用による軍事物資の膨大な需要が生み出された他、従来米軍が行ってきた兵站や警備といった業務を民間会社(民間軍事会社)に委託する方式が作りだされるなど、「ビジネス」として戦争が行われていた側面もあるのです。 帝国主義だの資本家階級と労働者階級だのと言うのは古い、という人もいますが、現在の世界もこの枠組みから決定的に新しい段階に移っているとは思えません。演劇に例えるなら、配役が変わったり演出が変わったりするもののタイトルやシナリオの中身は同じといったところでしょうか。 以上、ごく大雑把に反帝について説明しました。イメージをつかんでもら得たでしょうか。 私たちの活動は「反帝」という思想と立場を持つ人たちとしか共有出来ないものではありません。現在、我々の周りには様々な問題があります。差別、貧困、戦争、災害などがあり、不条理な苦しみを受けている人々がいます。私たちは帝国主義がそうした問題を引き起こし、あるいは過酷なものとしていると考えます。私たちはこれまで「反帝」の立場を明確にしつつ、様々な課題に取り組んで来ました。そのいくつかを紹介します。 ●第一章 被災地住民と連帯し反原発闘争に起とう 昨年三月十一日、東日本をM9・2の大地震と津波が襲いました。震災の被害ですら甚大なものであるのに、これに加えて福島第一原発の事故があり、被害をますます深刻にしています。 私たちは、震災を受け、各大学においてボランティアを組織し、被災地への支援に取り組んで来ました。昨春来、各学園で参加者を募り、被災地に直接派遣して来ました。現在、「遠隔地からの支援」について検討しており、避難してきた被災者と連絡をとり、その意見を反映していこうと取り組んでいます。 同時に、私たちは、原発と原爆(核兵器)、「平和利用」と「戦争利用」は一つの物の二側面であり、どちらにも反対して「反核」の立場から主張しています。 福島第一原発の事故を契機に、反原発・脱原発の声が全国で高まっており、原発の停止・廃炉を求めて声を上げる人々が増えています。原発は「安全」であると宣伝されてきました。多くの人々が、原発は事故が起こらない限り安全であり、事故は起こらない、と思い込まされてきました。 しかし、原発の推進派でさえ、放射能は危険だと認めざるを得ません。私たちは、原発は事故が起こらず、安全に運転されていると言われる状況下でさえ、原発で働く労働者や周辺住民が放射能被曝の危険にさらされているということを問題視してきました。 震災から一年が過ぎ、震災直後の避難や救助の様子が徐々に明らかになってきました。震災に伴う福島第一原発の事故により、初期の避難や救助が妨げられてしまったことも明らかになってきています。 政府は昨年十二月十六日、第一原発の原子炉の「冷温停止状態」達成と発表し、事故収束工程のステップ2が完了したと発表しました。しかし事故が収束に向かいつつあると見ることは困難であり、その後もトラブルが続いていることが報道されています。 政府と東電が発表した福島第一原発一~四号機の廃炉工程では全ての作業が終了するまでには三十~四十年かかると見込まれています。しかも膨大に発生する核燃料などの放射性廃棄物の処理方法も確定していないのです。 政府や各電力会社は停止中の原発を再稼働させようと画策し動き回っています。経済界にも原発再稼働を求めている部分があります。彼らは福島第一原発事故を例外的なものとして捉え、電力の安定供給を口実として再稼働を進めようとしています。 経済界の一部も「電気代が上がるから」「電力が不安定になるから」と運転再開を求めていますが、事故が起きた際には彼らは何の責任も取りません。撤退するだけです(これをリスクの分散と言います)。経済界の理屈でいえば、彼らはこれまで原発の「安い電力」で多くの恩恵を受けてきたことになるのですから、責任の一端をとって東電が賠償費を払うために一肌脱いでやろうと言っても良いはずなのにそれには頬かむりです。 原発は原子力を利用します。この技術は核兵器開発に必要な技術につながります。原発を持つことに反対される国があるのは核兵器開発技術の拡散につながると危惧されているからです。皆さんは日本は原子力を軍事利用することはないと考えますか。反・脱原発が叫ばれる中、原発は将来の核武装の選択肢維持になるから抑止力になる、という趣旨の発言する政治家がいました。私たちが「反核」というのはこのためです。 私たちは3・11以前より八月六日、広島平和記念公園で全ての被爆者への補償と核利用の廃止を訴える集会や取り組みに参加するほか、山口県で新たに建設が計画されている中国電力上関原発に反対し、現地での阻止行動・抗議行動や反対派住民との交流等を行ってきました。また、3・11以後は各地での反原発デモ等に参加しています。本年度も全ての原発を廃炉にすることを訴え、行動に取り組みます。 ●第二章 沖縄・岩国・神奈川と結合し米軍基地を撤去させよう 二月八日、日米両政府は米軍再編見直しの基本方針を発表しました。大まかに言うと、二〇〇六年の日米合意で、「沖縄にある米軍の普天間基地の移転と海兵隊のグアム移転とを一四年までに実施する」、この二つはパッケージであり切り離すことはしない、としていたものを切り離し、海兵隊のグアム移転を先行させるというものです。この決定に対して沖縄では「普天間基地が固定化する恐れがある」と懸念する声が上がっています。 最近の報道の重きが沖縄に集中しているため見落とされがちですが、在日米軍再編は文字通り在日米軍全体の再編問題であり、全世界に展開する米軍の再配置の一角であり、世界的、全国的な問題です。米軍再編には神奈川県の厚木基地から山口県の岩国に米空母艦載機部隊五十九機を移駐させることや、神奈川県にあるキャンプ座間に米陸軍第一軍団司令部をワシントン州から移駐することなども含まれます。世界的な米軍再編の目的は米軍を機動的に運用することであり、在日米軍再編の目的はこのために在日米軍と日本の自衛隊との一体化・融合をはかることにあります。 米側はこれまで沖縄に配置している米海兵隊一万五千人の内、八千人をグアムに移転させるとしていたのを、見直しではグアムへの移転規模を四千七百人に縮小し、残りの三千三百人をハワイやオーストラリアなどにローテーションさせるとしています。二月上旬、このローテーション部隊の内千五百人を岩国基地に配置できないかとする米国の意見が報道されました。これに対し、米軍再編に反対する岩国住民は元より、容認している岩国市議会の会派も反対を表明。福田岩国市長や二井山口県知事も反対を表明し、米軍住宅用に防衛省に売却するとしていた愛宕山開発計画跡地についても売却を留保し、反対の態度を示してきました。 私たちは、沖縄・岩国・神奈川の反基地の闘いを支援・連帯して反基地闘争・米軍再編反対の闘いを取り組んで来ました。 岩国では二〇〇六年に米軍再編に伴う艦載機部隊の移駐に関する住民投票が行われ、岩国市民はこれに「反対」であることが示されました。この結果を受け、移駐に反対する態度を明確にした井原市長に対して、約束していた補助金をカットするなど露骨な攻撃をかけてきました。あまりに露骨な介入の結果、二〇〇八年に行われた岩国市長選では艦載機移駐を条件付きで容認する姿勢を示した福田候補が当選しました。これに対して、艦載機移駐に反対する岩国住民は四つの訴訟を起こして闘っています。 先に述べたように、岩国に普天間の米海兵隊の一部を移駐する案を米側が出した時、福田市長、二井県知事ともに「これ以上の負担は認められない」と抵抗しました。彼らは沖縄の米海兵隊の移駐に関しては反対していますが、艦載機部隊の移駐に関しては条件付きで賛成しています。彼らは「艦載機部隊移駐以上の負担は引き受けない」と言っているに過ぎません。私たちは「艦載機移駐も認めない」「基地被害を許さない」という住民たちを支持し、岩国でデモを行ったり、裁判の傍聴や署名運動への協力を行ってきました。 沖縄では、基地撤去を求める人々を支持、連帯して闘っています。日本政府は普天間代替施設として沖縄県名護市辺野古への新基地建設が唯一の選択肢であるとして、あくまでその姿勢を崩していません。辺野古への新基地建設計画が始まったのは一九九九年。十三年を経過しながら未だ本格工事も始まらないままです。これは辺野古の住民が基地に反対し、座り込みや、海上での調査活動への抗議を続けて建設を阻止し続けて来たためです。この住民の闘いには、沖縄の他の地区や全国から支援が寄せられ闘いを支えてきました。この闘いが現在の状況を作り出しています。私たちも辺野古現地での座り込みや、防衛省への抗議行動に取り組み支持を続けてきました。 米国は自国の利益のために各国に駐留しています。米国が全世界に展開出来るのは帝国主義の中で最も強国であるからに他なりません。日本も帝国主義ではありますが、軍事的、政治的に米国と同調することで自国の利益を獲得しようとしています。いわば共犯関係です。こうした中で、沖縄をはじめ、基地を押し付けられている地域では基地被害に苦しめられており、また外に目を向ければ米国の軍事力により抑えつけられている人々や、戦争で殺される人々がいます。私たちは全ての米軍基地の撤去・日米安保の破棄を求めます。 ●第三章 国策と対決する反対同盟とともに三里塚闘いぬこう 農地強奪・TPP阻止を闘う三里塚の農民に連帯することです。現在、農協等を中心として多くの農民がTPPに反対しています。これに対して、「農民はこれまで甘やかされてきた」という非難も起こっています。私たちは、自民党政権は農民に対して酷薄な政権であったと考えています。農政は貧困でした。日本政府は農業を時代遅れの産業ととらえており、権力基盤=票田にするために、彼らを保護するかのような態度を取りながらも、積極的な育成をせず、建設業や工業を優先してきました。その最たるものが三里塚問題(成田空港問題)です。これは新東京国際空港(成田空港)を建設するために、営農意思を持つ農民から金と暴力を持って農地を奪い取ろうとする政府に対して、三里塚農民と全国の支援者が団結し、農地強奪に反対して闘ってきたものです。政府と空港公団は激しい弾圧、切り崩しを行い、成田空港は一九七八年に暫定開港しました。しかし、滑走路を三本持つことは出来ず、A滑走路のみの暫定開港でした。その後、二〇〇二年には予定地内に住民を残したまま、二本目の滑走路を運用開始させます。これは管制塔からは目視で確認できないという暫定滑走路です。実際誘導路上で航空機同士が接触するという事故を引き起こした危険極まりない滑走路であるにも関わらず今なお運用を続けている状態です。しかも空港に反対している農家の頭上四十メートルに航空機を通過させるという許し難い生活破壊を強いながら。これが日本の現状です。 空港に反対する農民はどう闘っているか。彼らは空港会社やその意を汲んで営農活動を妨害する成田市政に抗議するほか、無農薬有機栽培野菜の産直をしながら、農業を続けることによって抵抗しています。私たちは三里塚芝山連合空港反対同盟に連帯し、成田空港建設に代表される政府・資本による支配と暴力に反対して闘っています。 ●第四章 新自由主義と対決し資本家支配打倒 各国によるあらゆる規制を撤廃し、経済活動を自由に行えるようにしようという、新自由主義政策を進めようという動きが強まっています。TPP(環太平洋経済連携協定)もその一環です。日本政府は工業製品等の輸出を拡大(維持)するためにこの協定に参加しようとしています。 日本経済の停滞が叫ばれて久しいですが、経済が発展したからと言って私たち労働者階級の生活が好転するとは言えません。 七〇年代のオイルショックで先進国の優位はすでに崩れていました。さらに投資の自由化が進み、これまで後進国と呼ばれてきた国々も経済発展をし始めました。競争相手が増えたということです。資本の輸出が進み、日本の製造業も多くが生産拠点を海外に移し始めました。資本家にとっては人件費が安いことが魅力であるし、成長を続ける国は今後の購入先になりますからその方が都合が良いということもあります。 翻って、日本国内では人件費が国際競争力を削ぐとして、大幅な人員削減や非正規雇用の拡大等が行われ、働けど働けど楽にならざる「ワーキングプア」を生み出しました。 経済活動が国境を超えて拡大した結果、富はますます富める者に集中しているのではないか。生活が破壊されているのではないか。格差と、貧困が拡大したのではないか、という声が高まり、二〇〇〇年代には国際的な反グローバリゼーション運動がおこりました。日本でも〇八年洞爺湖サミット、〇九年横浜APECに反対する闘いが取り組まれ、私たちもその一端を担いました。 昨年九月には帝国主義の中心である米国で「ウォール街占拠」が九月から二カ月にわたって闘われ、呼応する運動が八十二カ国に広がり大きなインパクトをもたらしました。 資本家による富の独占を是正するためには「政治」が必要です。資本家が支配している「政治」を私たちのための政治に変えて行かねばなりません。困難な課題ですがそれなくして根本的な解決はありません。青年・学生の皆さん、ともに闘いましょう。 ●第五章 学生の権利をとりもどせ! 新たに大学に入られた皆さん、また大学に通っている皆さんはどのような学生生活を求めていますか。 今や入学直後から就職を意識させること、就職率を上げることに各大学が血眼になっている状態です。就職活動の早期化、長期化、苛烈化が問題視され始め、様々な改革案が出されていますが一向に改善される兆しもありません。就職活動を行うために、早くからバイトで資金をためているという声も聞かれます。 学費の問題も深刻であり、奨学金を受けている人も増えています。こうした背景も学生が就職活動に追い込まれていく理由の一つでしょう。日本学生支援機構によると二〇一一年度時点の利用者は百二十七万人、貸与額は新規と継続をあわせて一兆七八一億円となっています。返済の滞納件数も増え、訴訟になるケースも増えています。滞納の理由としては経済困難や失業が挙げられており、返済猶予が承認された件数も〇六年度約五万八千件から一〇年度には九万一千四百件に増加し、理由の内訳では87%が経済困難・失業中を上げています(二月十九日付『朝日新聞』)。 就活に縛られたくないと思い、学内で自主活動をしようにも大学当局が施設の管理権なるものを盾に取り、利用に規制をかける傾向があります。 かつて大学が自由な活動と表現の場として捉えられていたこともありました。しかしそれは学生が勝ち取ってきた権利でした。今やそれすらも奪われてきています。 この分野に関して私たちは十分に取り組めていません。皆さんと議論しながらともに新たな課題に取り組んでいきたいと考えます。 |
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