共産主義者同盟(統一委員会)


1387号(2012年2月5日) 政治主張






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   消費税増税、原発推進、日米同盟強化の野田政権打倒

 3・11全国で反原発の決起を

 米軍再編改悪協議弾劾! 基地撤去

 反貧困・反格差 12春闘に勝利しよう!





 われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、一月七日急逝された三里塚芝山連合空港反対同盟事務局員・鈴木謙太郎さんに心からの哀悼の意をあらわすものである。
 謙太郎さんは、二年半前に逝去された父・幸司さんの遺志をうけつぎ、連れ合いの加代子さんとともに、廃村化攻撃にただ一軒反対を貫き、菱田地区中郷部落に住み続け、農業を営んできた。
 本年の三里塚情勢は、反対同盟が「二〇一二年闘争宣言」において明らかにしているように、「市東さんの農地を守る決戦の年」である。「用地内」農民の市東孝雄さんは、一月八日の反対同盟旗開きにおいて「謙太郎の死を受け入れるには時間がかかる」と涙ながらに語られた。萩原進事務局次長も、同様の主旨を語られた。しかし、同時に反対同盟各氏は、謙太郎さんの分まで闘い抜くことを表明しており、われわれもこの不屈の決意に断固として応え、空港廃港の勝利の日まで、ともに闘い抜くことをここに新たに決意するものである。
 全国の同志、とりわけたたかう学生は、反対同盟との革命的共闘にかけて、今こそ現地行動隊に決起しようではないか。市東さんの農地を守り抜こう。菱田廃村化と断固として闘い抜く鈴木さん一家の営農を支え抜いていこうではないか。
 全国から3・25三里塚現地闘争に決起しよう。


 第1章 沖縄人民の決起に結合し、反基地闘争の前進かちとれ

 ▼1節 辺野古新基地・アセス評価書提出強行弾劾!

 野田政権―防衛省・沖縄防衛局は昨年十二月二十八日未明、環境アセス評価書の提出を強行した。まずもってわれわれは、この暴挙を徹底的に弾劾しなければならない。
 前沖縄防衛局長・田中は昨年十一月二十八日、環境アセス評価書の年内提出時期をあいまいにしていることに対する記者からの質問に、これを女性への強かんに例えて「(女性を)犯すときに、『これから犯しますよ』と言うか」などと許しがたい差別暴言を吐いた(田中はその後更迭された)。
 これに抗議する沖縄人民の闘いの高揚に恐怖した政府・沖縄防衛局は、環境アセス評価書の直接手渡しを断念せざるをえなかった。
 だがしかし、米帝の強い意向である年内提出の実績づくりのために、郵送で送りつけるという卑怯(ひきょう)な手段での提出を目論んできたのだ。
 十二月二十七日、配送業者を使ったアセス評価書運搬は、多くの沖縄人民による連日の「県」庁包囲・阻止行動によって何度も阻止された。評価書を届けることすらできないという「異例の事態」を政府・沖縄防衛局に強制したのである。
 強力な阻止行動の前にいったんは提出を断念した沖縄防衛局であったが、なんと今度は二十八日の午前四時すぎという、抗議活動が手薄になる時間帯を見計らい、暗闇にまぎれて抜き打ち的に沖縄「県」庁の守衛室に押し込む手口で「提出」を強行しさったである。
 このような沖縄防衛局の卑劣極まりないやり方に対して、たたかう沖縄人民の猛抗議が闘いぬかれた。二十八日夕方、知事室前廊下には百人の人民が座りこみ闘争に決起し、仲井真を引きずり出し「釈明」させ、「県」のアセス評価書受理方針を徹底弾劾・追及したのである。
 そもそも昨年十一月に、沖縄「県」議会は、評価書提出の断念を求める意見書を全会一致で可決している。名護市においても、新基地建設反対を正面からかかげ当選した稲嶺市長はじめ、議会でも反対派が絶対多数を占めており、もはや新基地建設反対は沖縄人民の揺るぎない意思であることが幾度にもわたり証明されているのである。
 にもかかわらず、日帝政府・防衛省は本年六月ごろまでに辺野古沿岸の埋め立て申請を仲井真知事に申請し、あくまで辺野古移設をゴリ押ししようとしているのだ。
 また、そのための「アメ」として、日帝―防衛省はまたもや常套手段である沖縄振興策をつかって(これも人民の血税だ)いまや「島ぐるみ」闘争へと発展した、沖縄人民の広範な反基地闘争の分断・破壊を狙ってきている。
 野田政権は、二〇一二年度予算において、沖縄振興費を概算要求から五百億円積み増して二千九百三十七億円計上し、現在のところ「県外移設」の主張を維持している仲井真知事の懐柔をはかろうとしているのである。
 仲井真の裏切り、公有水面埋め立て許可決定を絶対に許すことなく、名護新基地建設を阻止する唯一の道は、絶対反対をかかげる沖縄の島ぐるみの闘いと、それに応える「本土」人民の大衆運動の持続・発展以外にない。
 その意味において今春の闘いは非常に重要だ。沖縄―「本土」を貫いた辺野古新基地建設阻止の大衆行動を広範な陣形で組織する闘いにたちあがっていこうではないか。
 すでに一月十日より、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックをはじめとした辺野古実のよびかける防衛省前行動がたたかわれている。
 昨年十一月十五日より、八カ月ぶりに東村高江ヘリパッド建設攻撃が強行された。東村住民はゲート前に座り込み、警察権力・沖縄防衛局職員らと対峙し、ショベルカーの搬入を阻止している。高江では、現在も二十四時間体制の監視行動が継続して闘いぬかれている。ヘリパッド建設攻撃はこの一~二月が一つの攻防局面となる。昨年にひきつづき、現地攻防への派遣も含めた体制を準備していかなければならない。
 与那国島への自衛隊配備策動に反対する闘いも進んでいる。昨年十一月十九日、与那国で初の反対集会が百五十名の結集によって開かれ、翌二十日にはデモ行進がたたかわれた。集会では「将来にわたって地域社会に禍根を残す不正・不当な暴挙に強く抗議し、自衛隊の誘致、配備、その双方の白紙撤回を求める」と町長の誘致策動に抗議し、「自衛隊配備に強固に反対し、配備計画を白紙撤回させるまで断固闘う」ことが決議された。
 自衛隊配備とたたかう与那国住民と連帯し、「本土」における反対闘争を強化していかなければならない。沖縄反基地の闘いは、日米帝の東アジア戦略、朝鮮侵略戦争計画と真正面から対決する闘いである。年末―年頭の闘いを引き継いで、二〇一二年の沖縄解放闘争をさらに強力に闘っていこう。

 ▼2節 アジア太平洋地域を重視した米帝新国防戦略

 米帝―オバマ政権は一月五日、新国防戦略を発表した。その特徴は、ひとつには朝鮮半島と中東という二つの大規模地域紛争に同時対処するという二正面作戦を放棄することである。今ひとつは中国の政治・軍事的プレゼンスに対抗するアジア太平洋地域を決定的に重視することである。
 米帝は、およそ十年にわたった「対テロ戦争」、すなわちイラク・アフガニスタン侵略反革命戦争の泥沼化のなかで、一兆二千八百億ドル(約百兆円)以上におよぶ巨額の戦費を費やし、現在深刻な財政危機におちいっている。その結果、民間の格付け会社から米国債の格付けを引き下げられ、超大国としての米帝の国家的威信はガタガタとなったのだ。
 米帝―オバマはこの状況の打開をかけ、新国防戦略に「南中国海を中国の勢力圏にさせないための戦力を維持する」と明記し、中国に対するあからさまな軍事的・経済的けん制と、朝鮮民主主義人民共和国への戦争重圧の継続・強化に軸足をすえる新たな軍事戦略を本年策定したのである。
 米帝はすでにオーストラリアへの米海兵隊の駐留方針をうちだしている。現在進行している辺野古新基地建設策動、岩国基地大強化攻撃なども、米軍のアジア太平洋地域へのシフトに位置づけられた米軍の再編攻撃そのものなのである。
 われわれは、この米帝・オバマによる新国防戦略に抗して、第一に沖縄―岩国―厚木をはじめとした全国の反米軍基地闘争をさらに強化・拡大し、第二にこの闘いを韓国やフィリピンはじめ、アジア各国での反米軍基地闘争の国際共同闘争を組織することによって、この攻撃を粉砕していかなければならない。
 昨年十二月二十六日には、防衛省内において山口県知事二井・岩国市長福田が、一川防衛相(当時)と会談し、愛宕山住宅開発跡地を百六十九億円で売却する合意を進めた。岩国住民投票での圧倒的反対の声を踏みにじるこの暴挙を徹底弾劾しなければならない。岩国住民と連帯し、米軍住宅阻止の闘いをおし進めていこう。
 昨年十二月十七日の金正日総書記死去(発表は十九日)を口実にした、米日帝国主義と韓国政府の朝鮮戦争攻撃と対決していこう。
 韓国大統領・李明博(イ・ミョンバク)は金正日総書記死去発表直後の十二月十九日午後二時、オバマ米大統領と緊急電話会談を行い、今後、米韓両国が共に状況を注視しつつ、緊密に協力していくことを確認した。韓国軍は即座に臨戦体制へと突入し、戦争挑発をしたのである。
 米韓両国は金総書記の死亡に伴う緊急事態に備えた共同作戦計画「五〇二九」を策定中であり、すでに李明博政権下において図上演習を数度実施しているのである。
 「五〇二九作戦計画」は、朝鮮民主主義人民共和国への、米韓軍による共同軍事制圧計画そのものである。
 排外主義と対決し、朝鮮戦争攻撃を断固として粉砕しよう。


 第2章 「冷温停止状態」はペテン! 反原発3・11福島へ!

 首相・野田は昨年十二月十六日、福島第一原発原子炉の「冷温停止状態」達成と、事故収束を目指した工程表の「ステップ2」完了を宣言した。
 そもそも技術用語としての原子炉の「冷温停止」とは、原子炉圧力容器底部の温度が摂氏百度以下であること。そして放射性物質の放射抑制・管理ができている状態を意味するのであって、そのような状態とは程遠いことは火を見るよりあきらかだ。
 福島第一原発一号機は現在、炉心溶融(メルトダウン)により、燃料棒が圧力容器を突き破り格納容器をも貫通するメルトスルー状態になっているといわれている。東電の発表によれば一号機格納容器床面のコンクリートを最大六十五センチ侵食しているという。
 二号機・三号機に関しても、燃料棒は圧力容器を突き破り、格納容器床面を侵食している可能性が高いが、高濃度の汚染により誰も実際にそれを確認したわけではなく、単なる推測にしかすぎない(政府・東電は事故隠しや過少な発表を常習とする隠蔽体質であることはもはや自明であり、これとてまったく信用できないのであるが)。
 放射性物質は現在も大気や海水などを通して外部に放出・拡散され続けており、原発作業員や周辺住民をはじめ、すべての生物に被曝を強制しつづけているのである。
 京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏の言葉をかりれば、「(冷温停止状態などという)そんな言葉を使うこと自身がもう著しくおかしいし、工学的に言うならば、常識をはるかに逸脱したことを言っている」ということなのだ。
 以上のように、首相・野田は何の科学的裏付けもない、矛盾に満ちたデマ宣伝を公然としているのである。
 現在も福島県内では、仮設住宅や民間借り上げ住宅などに九万五千人以上、県外では六万人以上もの住民が避難生活を強いられており、帰郷のメドなどまったくない状態となっている。住民に事故収束の実感などあろうはずもないのだ。
 このように科学的根拠の全くない「冷温停止状態」宣言は、あたかも原発事故が収束したかのような印象を人民にあたえ、かつ、それをもって、原発再稼働と原発輸出を狙う日帝・ブルジョアジーの悪辣な意図を体現したものに他ならない。
 野田政権は、現在停止中の原発について、安全性が確認され地元の「合意」が得られれば順次再稼動すると明言している。
 さらには、原発輸出を成長戦略の基軸のひとつにしようというこれまでのエネルギー基本政策をより強力に推進しようとしているのである。
 本年の反原発闘争は、日帝ブルジョアジーの原発政策と、そのあからさまな政治的代弁者である、民主党・野田政権のもくろみを許すのか否かの極めて重要な局面を迎えている。
 われわれは、反原発闘争を全人民的政治闘争として全国各地で強力に推進し、全ての原発を廃炉に追い込んでいかなければならない。
 火力や水力発電などにより、電力は十分まかなえるにもかかわらず、電力不足をいまだ煽りたて、原発の再稼動をもくろむ政府と東電の目論見を徹底的に暴露していかなければならない。
 そして何よりも、原発「安全神話」をふりまきつづけ、原発崩壊事故後も一切の責任を負わず、労働者人民、とりわけ子供たちに被曝を強制しつづける政府と電力会社を徹底的に追及し、必ずや責任をとらせていかなければならない。
 原発は五十四基(商業用)のうち、現在稼動中のものは六基だ。これが本年一月より順次定期検査に入り、このまま再稼動を阻止しつづけるならば、四月には全ての原発が停止することになる。
 原発再稼動を阻止することができるのは、反原発運動の全人民的政治闘争としての大衆行動の持続的高揚・発展のみであり、われわれはこれを実現するために全力を傾注していかなければならない。
 2・11全国一斉行動をステップに、3・11福島・郡山現地闘争、大阪・中之島集会、福岡・北九州集会の大高揚をかちとり、全ての原発を停止させていこうではないか。
 日帝は生き残りをかけ、原発推進・原発輸出を国策としてかかげており、それを根底から否定し、政策変更を求める反原発運動の全人民的発展は、日帝・ブルジョアジーの存立基盤を決定的に揺るがすものとなる。
 そうであるがゆえに、危機感にかられた日帝ブルジョアジーは現在、警察権力・ブルジョアマスコミなどを最大限動員しながら、反原発運動の沈静化・分断を狙ってきているのである。この間の反原発デモに対する機動隊・公安の不当弾圧の激化は日帝国家権力の危機感の表われである。運動が大衆的に発展・高揚するならば、弾圧はさらに強まることは必至だ。
 すべてのたたかう人民は、弾圧激化にひるむことなく、反原発の大衆行動を全国で強力に推進していこうではないか。


 第3章 青年・学生は日帝―野田政権打倒闘争に立ち上がろう

 欧州債務危機を具体的な発端とした世界恐慌の深化の中で昨年、貧困と格差に反対する民衆の叛乱や占拠が全世界で巻き起こり、それは現在も継続して闘いぬかれている。
 チュニジア革命に端を発するこの民衆蜂起は、エジプト、イエメン、バーレーン、サウジアラビア、オマーン、イラン、シリア、ヨルダン、そしてリビアへと拡大した。
 シリアなどでは、独裁政権による過酷な弾圧に屈することなく、民主化闘争が継続して闘い抜かれている。
 昨年九月より開始された反貧困・反格差を訴えるアメリカのウォール街占拠運動は、約二カ月間にわたってズコッティ公園を占拠し、金融資本などに対する抗議行動を展開した。この闘いは、ワシントン、ロサンゼルス、ボストン、シカゴなど全米の主要都市に拡大した。
 昨年十一月十日、ニューヨーク市警はズコッティ公園に突入し行動の拠点を強制排除し、全米各地の占拠キャンプも一斉に強制排除された。この一連の排除により、アメリカ全土で千五百人もの人々が逮捕された。
 この占拠運動は全世界へと拡大し、欧州、アジア、中東など全世界八十二カ国で呼応する行動が起こった。日本における貧困と格差に反対する闘いも、未だ小規模なものにとどまっているが、この全世界の叛乱・占拠の大きな流れの中にあるといえるだろう。
 これらの叛乱や占拠闘争の全世界的・同時的な拡大、あるいは昨年八月イギリス全土へと拡大した暴動、さらにはベルギー、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、フランス、イタリアなど西欧諸国でのゼネストやデモの拡大など、新自由主義が押し付ける貧困・格差の極限的な拡大に対し、世界中で労働者民衆、とりわけ青年層は、形態の違いはあれ、反撃の闘いにたちあがっている。
 われわれは今こそ、これらの反貧困・反格差・反資本主義を掲げる国際的な民衆運動の広範な拡がりに合流し、反原発・反基地・反戦の街頭行動と意識的に結合させながら、これを大失業と戦争国家化を狙う野田民主党政権打倒の巨大な奔流としていかなければならない。
 われわれが決定的に重視しているのは青年層のである。新自由主義の強制する貧困・格差に呻吟する青年労働者をこそ、日帝ブルジョアジーを震撼させる闘いの先頭に立とう!
 一月十一日に強行された南スーダンPKO派兵を弾劾し、反戦闘争を強化していこう。消費税増税、大衆収奪の極限的強化を絶対に阻止せよ。
 すべての青年・学生はわが共産同とともに、戦争と貧困化攻撃を強制する日帝・野田政権打倒闘争にともにたちあがろう。


 

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