1379号(2011年9月20日) 政治主張 |
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大増税、日米同盟深化、原発推進に突き進む野田政権打倒 10・9三里塚に総決起しよう 普天間基地を沖縄から叩き出せ! 労働者人民の利害貫く震災復興を 八月三十日、菅内閣総辞職を受けて衆参両院本会議は野田佳彦を首相に指名した。野田新首相は、〇五年十月、小泉内閣に対する質問主意書で「A級戦犯は戦争犯罪人ではない。合祀(ごうし)を理由に首相が靖国参拝しない論理は破綻している」と主張した侵略戦争賛美者である。脱原発の世論の高まりの中でも、なお原発再稼働に意欲を示している原発推進者でもある。また、「財務省公認」などと揶揄されるように、消費税大増税による財政再建を基本路線としている。震災復興と社会保障を口実にした大幅増税により、労働者人民に負担を押し付けて財政破たんの乗り切りと経済成長の回復をはかろうとしている野田政権と闘おう。 〇八年のリーマンショック―世界金融危機に対する強引な財政出動のつけが、今、世界を覆いつくし、より深い恐慌へと突き進んでいる。世界経済の不安定化の中で、ドルもユーロも信用を喪失し、その結果円高が続いている。高い経済成長を続けている中国やインドもバブル経済が極限に近付きつつある。不安定化する世界で、貧困と格差、社会不安の深まりに根をもって排外主義がはびこっている。破たんの淵に立つ資本主義が再び労働者人民への犠牲転化と戦争によって延命することを許すのか、否である。時代は大きな転換点にある。いまこそ、全世界の労働者人民は国際的な団結を強め、マネーゲームで労働者人民の生存をズタズタに破壊する強欲資本主義に終止符を打つ歴史的闘いへと向かっていこう。 ●第1章 世界恐慌の深化の中で、階級闘争の新たな高揚を ▼①一斉に進行する世界経済の破綻 九月一日アメリカ政府は二〇一一年の経済見通しを実質国内総生産(GDP)予想を2・6%増から1・7%増へ、失業率予想を平均8・8%から9・1%に大幅に下方修正する発表を行なった。 米帝―オバマ政権はデフォルトの危機をかろうじて回避したかに見えるが、債務上限の引き上げと引き換えに十年間で約二・五兆ドルの財政赤字削減へと舵を切った。現在でさえ、裁判所などの公的部門でも休業を増やし、人件費の大幅な削減を行なっているが、より一層の社会サービスの削減、福祉切り捨てを迫られる事態だ。今後は財政出動による景気対策を行なうことが今以上に困難になり、米国経済の危機は一層深まったと言える。さらにFRB(米連邦準備理事会)が八月九日発表した、二〇一三年半ばまでのゼロ金利継続や、八月五日の米国債の格付け引き下げにより、ドル売りに一層拍車がかかった。 これに対して、日本政府・日銀は八月四日約四兆五千億円の為替介入を行ない、日銀の追加金融緩和も行なったが、円高に歯止めはかからず、八月十九日には七十五円九十五銭と戦後最高値を更新した。 米帝―オバマ政権は雇用拡大に向けた税制優遇策や、金融緩和策など経済立て直しの政策を矢継ぎ早に発表するが、共和党ティーパーティ派の強固な抵抗により実行性は疑問である。9%の失業率と消費の低迷、産業の空洞化のどれをとっても短期に回復する見込みはない。 EUもまた財政危機にあえいでいる。ギリシャに続いて不動産バブルが崩壊したアイルランドやポルトガル、スペインやイタリアなどでも財政赤字が深刻になり、国債が売られ、株価が下落している。ギリシャ危機の後にEUとIMFが総額八十五兆五千億円の欧州金融安定化基金を作ったが、相次ぐ財政破たんでその存続が危ぶまれ、破綻国家への支援は欧州各国に大きな負担としてのしかかっている。EU総体の中に隠されていた各国の財政赤字がつぎつぎと明らかになり、金融市場が統一されているEUで、連鎖的な金融不安が起こっている。フランスの財政赤字削減策をはじめ、EU各国は軒並み緊縮財政に向かっている。EU全体の底支えを期待されていたドイツ経済も成長が鈍化し、株の下落など、混迷を深めている。 こうした世界経済の混乱は、〇八年リーマンショック―世界金融危機への帝国主義各国からの財政出動の矛盾の深まりに原因がある。莫大な財政赤字は帝国主義各国の政治・経済に深刻な影響を与え続けてきた。長期化する不況の中で失業率は高止まりしたまま改善せず、労働者人民に犠牲を押しつける緊縮財政政策はイギリスの暴動に見られるように、貧困層や失業率の高い若者層の反乱を生みだしている。 高い成長率を誇る中国やインドでもインフレが進み、食糧の値上がりは労働者人民の生活を直撃し、土地・住宅価格の高騰などバブル経済の限界に近付きつつある。また、今や米国の最大のパトロンとなり、膨大な米国債とドルを保有する中国も米国経済の危さに大きく影響を受けることになる。 アメリカやEUでの財政出動、金融緩和政策により市場にあふれた資金が、新興国に流れ込みバブルを招き、世界経済の不安定さをますます強めている。現在の円高は、カネ余りで行先を失った資金が消去法で円に向かって流れている結果だ。 帝国主義各国の財政危機は国債への不信を募らせ、世界経済の混沌の中で世界同時株安がじりじりが進行している。基軸通貨であったドルへの不信は通貨に対する信用を喪失させている。こうした中で金の価格高騰が通貨への不信を象徴するものとして注目されている。アメリカのユタ州では金を通貨として認める法律が制定された。通貨と信用によって成立していた資本主義経済システムそのものが根底から揺らいでいる。恐慌の第二幕が始まろうとしている。 ▼②ロンドン暴動の拡大 帝国主義各国の財政出動は限界に達し、莫大な財政赤字が帝国主義各国の足許を揺るがしている。緊縮財政への転換による福祉削減が、貧困層を直撃し格差の拡大が社会に不満を蓄積している。 緊縮財政で労働者人民に経済矛盾をおしつけてきた英帝―キャメロン政権下で、かつてない大規模な暴動が起こった。八月、警官による黒人青年射殺事件の抗議行動に端を発したロンドン暴動はイギリス各地に拡大した。この事態に対して、英帝―キャメロン政権は徹底した武力弾圧でこれを鎮圧し、逮捕者は千九百名にも及ぶ。緊縮財政下で、予算削減―人員削減された警察と政府との対立はありつつも一旦事態は沈静化している。暴動の参加者は多様で、参加の要因も様々であると報道されているが、貧困層の拡大と、失業率が20%にも及ぶ若者層の不満と不安が基礎にあることは疑いようもない事実だ。キャメロン首相は八月十五日の演説で、「ギャングとギャング・カルチャーに対する全面戦争」と「警察のプレゼンスの強化」を約束した。 英帝―キャメロン政権は、暴動発生の根底にある、失業・貧困問題、緊縮財政による貧しい社会サービス(教育・医療・福祉・コミュニティの活性化・インフラ整備……)、さらには政治家の汚職や利益第一主義の資本家によって社会にまき散らされたモラルハザードなど社会の荒廃の問題に労働者人民の目を向けさせないように、メディアを総動員して、暴動を移民・貧困者・片親家庭・不良・ギャングの集団の行為と描き出し、市民の怒りを掻き立てて、治安管理強化と排斥運動に市民を駆り立てている。キャメロンの意を受けた「暴徒から社会保障をはく奪すべき」との嘆願書は十万人以上の署名が集められ「地域の財産を破壊・略奪し、自分たちに生活保護を提供してくれている国家を軽視した者に対して、血税が使われるべきではない」と主張して、社会保障のはく奪について国会で審議するという。差別排外主義を煽り、労働者人民を分裂させて、真の敵から目をそらさせようとする英帝―キャメロン政権の策動を許してはならない。また、キャメロン首相は、マスコミの撮影した映像を暴動参加者特定のために、警察に提供するよう圧力をかけ、暴動の発生を抑えるためにソーシャルメディアの規制の可能性を提起し、警察はツイッターなどを監視して、それをもとに逮捕・弾圧を行なっている。 ▼③差別排外主義の強まり 差別排外主義の強まりは英帝だけの問題ではない。危機と矛盾を深める世界中で同様の動きが強まっている。 アメリカではティーパーティ(茶会派)が、オバマ政権の足元を右から揺さぶっている。白人富裕層、インテリ層を取り込んだティーパーティは、サブプライムローンで破たんに直面した低所得者層への支援や国民皆保険制への反対を表明し「小さな政府」を要求する保守系の草の根運動で共和党下院に影響力を強めている。彼らは自らの税負担軽減のために軍事費削減も要求しているが、それは必ずしも軍縮を意味しない。「同盟国」の負担増へと向かう可能性は大きい。 ドイツでもメディアを中心に「勤勉に働いて納めた税金でギリシャなどを救済するのはおかしい」と、自国民の利益防衛を前面に打ち出し、ギリシャにより厳しい財政赤字削減を求め、EU内部での対立を深めている。 ノルウェーでは議会第二党の進歩党が反移民政策を唱え、スウェーデンでは昨年の総選挙で、極右のスウェーデン民主党が初めて議席を獲得するなど、外国人排斥を主張する政党の拡大が目立ってきている。EUの域内では移動の自由が原則的に保証されているため、より暮らしやすい国を求めて人々が移動する。しかし二〇〇八年の金融危機による経済状況の悪化によって、「仕事が奪われる」と移民排斥の傾向が強まっている。日本では在特会などが、若者の不安と不満を排外主義へと組織し、在日外国人攻撃へと駆り立てている。政府そのものが、二年間に渡って高校無償化制度から朝鮮学校を排除しつづけ民族差別と排外主義を煽り続けてきた。また、大阪府では議会多数派となった維新の会が橋下知事を筆頭に教育現場での「日の丸・君が代」を強制する条例を制定し、天皇制イデオロギー攻撃を強めている。 世界的に経済危機が深まり、帝国主義諸国がのきなみ財政赤字を労働者人民への犠牲に転化する中で、貧困と格差はますます深まり、利益第一優先のもたらす社会的荒廃と将来への絶望がまん延している。 労働者人民の不満が権力へと向かうことを恐れる帝国主義者どもはなりふり構わず、社会に蔓延する不満と絶望を排外主義へと組織することに全力を挙げている。 このような時代に労働者人民の真の敵が何かを明らかにし、労働者階級の国際主義を高々と掲げて、階級的団結を強め、階級闘争を強化していくことが求められている。 排外主義と侵略反革命戦争の道と断固として闘い、恐慌の第二幕を迎える資本主義に終止符をうつ闘いを組織する労働者階級の歴史的任務の大道を歩むのかが問われる時代に突入している。 ●第2章 日帝―野田政権の増税路線を許すな 九月二日民主党野田内閣が発足した。野田政権は、円高・デフレなどの経済対策を前面に打ち出している。八月二十四日に発表された「円高対応緊急パッケージ」は野田新首相が財務相として中心的に関わったものであるが、円高メリットの徹底活用として、外国為替資金特別会計のドル資金から最大千億ドルを低利融資し、企業の合併・買収(M&A)などの海外直接投資や資源権益取得を促進するとしている。震災被害と円高という経済環境の中で、企業の海外移転の後押しをしようと言うのだ。それは、日本の産業空洞化をもたらし、雇用を喪失すものだ。野田政権は、「震災復興」を口実にして、経済成長に直結する「復興」計画のためには莫大な予算投入を行ない、原発再稼働による電力供給、金融緩和など、なりふりかまわず、経済・財政対策に打って出るだろう。こうした大資本の利潤追求を最優先にする政策を担保する財源として、「震災復興」と「社会保障」を口実にした消費税大増税が目論まれている。労働者人民の雇用や生活の復興は犠牲にされる。 野田政権は、大企業の経済活動を保障するためには電力の安定供給が必要として、原発の再開を明言している。福島第一原発事故の収束への道のりは混とんとしている。農業・畜産・漁業などへの被害も拡大しつづけている。政府・東電は住民を放射能汚染から守る対策を取らず、多くの住民が日々放射能の被害におびえて生活している。九月十一日~十九日、全国で反原発、脱原発のデモや集会が取り組まれる。全ての原発を廃炉に、という全人民の要求を掲げて、全国で決起しよう。大資本の利益優先の電力政策と、核兵器開発の野望を内在させてきた日帝―支配階級の原子力政策を根底から批判し、すべての原発の停止―廃炉に向けた全人民の決起を全力で作りだそう。 ●第3章 10・9三里塚に総結集かちとろう ▼①天神峰現闘本部破壊撤去徹底弾劾 千葉地裁執行官、成田空港会社、千葉県警は八月六日未明、天神峰現闘本部を強制執行によって破壊した。五月二十日東京高裁判決に抗議する反対同盟・支援五十名の不当逮捕から七月四日千葉地裁「強制執行」決定、そして八月六日未明の天神峰現闘本部の破壊撤去強行と権力はなりふり構わぬ徹底した弾圧と違法・違憲の限りをつくして、天神峰現闘本部破壊に打って出てきた。天神峰現闘本部は反対同盟の最初の闘争拠点であり、これを破壊することをもって三里塚闘争そのものを鎮圧しようとする攻撃に他ならない。それはまた同時に、「用地内」農民に対する重圧である。現闘本部破壊を怒りをもって糾弾する。 ▼②反対同盟に連帯し三里塚に総決起を 現闘本部の次には市東さんの農地を強奪しようと狙っている。空港会社は市東さん宅を誘導路で取り囲む第三誘導路の軒先工事を本格化させている。第三誘導路建設を断固阻止し、市東さんの農地をめぐる裁判闘争を、現地攻防と一体にたたかいぬこう。 反対同盟を中心に闘う労働者人民の大義は四十五年間変わらない。軍事空港と闘い、国家権力の卑劣な土地強奪と闘い、社会を変革する三里塚の闘いは、一歩たりとも歩みを止めることなく前進している。反対同盟は、八月七日天神峰現闘本部破壊を弾劾する声明で、――「国策事業」「国策裁判」は、このようにして進められるのだ。原発誘致でも、沖縄を始めとする軍事基地建設でも、そのやり方は同じである。だが、こうした攻撃に屈する反対同盟ではない。建物は不当に破壊されたが、絶対反対で闘う魂は脈々と生きている。現闘本部の破壊を急いだ狙いはただ一点。隣接する市東孝雄さんの農地強奪のための威嚇である。反対同盟は、「放射能で生活と命を脅かされる福島と全国の農漁民、そして被爆地ヒロシマ・ナガサキ、基地の全面撤去を求めて闘う沖縄の人々と固く連帯し、市東さんの農地を守りぬいて空港廃港へと闘いぬく」――と力強く表明している。10・9全国集会に総力で決起しよう。反原発闘争、沖縄解放闘争とともに三里塚闘争をたたかおう。 ●第4章 国際共同闘争推進し、反基地、反原発闘おう ▼①全国的決起の反原発闘争 三月十一日の東日本大震災・福島第一原発事故は、労働者人民の眼前に日本社会の矛盾を突きだした。原発の「安全神話」は崩壊し、財政難に苦しむ地方自治体を補助金漬けにして危険な原発を押しつけてきた実態は全人民の知るところとなった。放射能汚染の拡大防止や汚染地域からの人命保護よりも、電力会社の利益を優先し、情報のごまかしや隠蔽を続ける政府・東電の姿勢が白日の下にさらされた。生活の最も基本である食をささえる、農業・畜産・漁業はグローバリゼーションの下で、疲弊と衰退にさらされてきたが、いま、またしても、放射能汚染の被害にさらされている。土壌・空気・海水の汚染を止める手立ても、除染の手立てもなく放置されている。そして住民の命と健康が日々脅威にさらされている。 多くの人民が脱原発の闘いに立ち上がり、労働者・農民・漁民の粘り強い下からの復興努力が行なわれている。原発被害に対する草の根の抵抗が続いている。九月十一日~十九日全国で反原発、脱原発の闘いが取り組まれる。すでに起きてしまった被害への救済と、現在も続く被害への防止策の要求、そして、これからの原発の廃炉に向けた課題を真正面から政府・資本に突きつけよう。原発再開に意欲を燃やす野田新政権を追い詰め、脱原発への道のりを揺るがないものにしていこう。 ▼②韓国・済州島の闘いに連帯しよう 韓国の済州島で海軍基地建設阻止闘争が激化している。 韓国イ・ミョンバク政権は二〇一四年完成を目指して、イージス艦などの大型艦二十隻と、十五万トン級船舶二隻が同時に係留できる埠頭を備える軍民共用港を済州島南部の西帰浦市海岸に約九千七百七十億ウォン(約七百億円)をかけて建設しようとしている。 海軍基地建設は、共和国・中国に対する軍事的圧力であり、挑発である。東北アジアの軍事的緊張をますます強めるものだ。 済州島の農漁民、闘う韓国の労働者人民と連帯し、済州島海軍基地建設阻止闘争を国際共同闘争としてたたかおう 自衛隊の沖縄配備増強を許すな。 八月十日の国会で、官房長官枝野は釣魚諸島について「他国が侵略してきたら、あらゆる犠牲を払ってでも自衛権を行使し、これを排除する」と発言した。与那国島、宮古島、石垣島への自衛隊戦力の配備を進めようとしている中でのこの発言は、中国を挑発し、沖縄を再び巻き込んで侵略戦争をなそうとする意図をあらわにしたものだ。一坪反戦地主会・関東ブロックは八月十八日枝野官房長官の自衛権行使発言の撤回と枝野の辞任を求める官邸前緊急抗議行動を行ない、厳しく抗議した。 その二日後の八月二十日、防衛省は南西諸島の防衛強化を目的に百人規模の陸上自衛隊「沿岸監視部隊」を与那国島に配備することを決定し、二〇一二年度予算案の概算要求で用地取得費などの計上を求め、二〇一五年度までに隊舎などを整備する計画を発表した。沖縄を侵略戦争の前線として軍事的緊張を高める自衛隊の沖縄配備増強と闘おう。 また、米軍が普天間にオスプレイ配備を言明したことで、高江に建設を強行しようとしているヘリ基地がオスプレイヘリパッド基地であることが明らかになっている。すでに米軍は環境調査に着手しており、来年三月までの環境調査の後十月からの配備を計画している。普天間基地へのオスプレイ配備を断固阻止しよう。高江にオスプレイヘリパッド基地を作らせないために、高江住民の闘いを全国から支えよう。 岩国では、米軍岩国基地の大強化に反対する闘いが粘り強く闘われている。米空母艦載機移駐にともなう米軍住宅建設の予定地とされている愛宕山開発跡地では、「愛宕山を守る市民連絡協議会」を先頭に、住民の「見守りの集い」が八月二十一日で一年を迎えた。おりからの悪天候の中ではあったが、岩国住民は全国から結集したアジア共同行動日本連など多くの支援者と共に一周年の集いを行ない、愛宕山開発跡地に米軍住宅を作らせない決意を確かめ合った。故郷の地を米軍再編のために使うのではなく「東北震災被災者支援住宅」に転換しようとする「愛宕山を守る市民連絡協議会」の運動を、全国から支えよう。 また、岩国基地への艦載機移駐と一体となった、艦載機の発着訓練(FCLP)の候補地として鹿児島県・馬毛島が浮上している。馬毛島の99%を所有するタストン・エアポート(旧馬毛島開発)が米軍基地誘致に向けて南北四千二百メートル、東西二千四百メートルの滑走路建設を強行しようとしている。許認可権を持つ県や市の黙認の上で、違法な環境破壊の大規模開発が進んでいる。馬毛島での艦載機離着陸訓練を阻止しよう。 ▼③岩国行動2011の成功に向け奮闘しよう アジア共同行動は、十一月岩国国際集会に向けて準備を進めている。沖縄―岩国―神奈川をはじめとした反基地闘争の結合はますます強まっている。 八月三十一日、米国の民間軍事会社「ATAC」所有の戦闘機「ホーカーハンター」(厚木基地駐在)が米軍岩国基地から厚木基地に向けて飛行中に故障し、岡山空港に緊急着陸するという事件が起こった。「ATAC」は主に戦闘機による仮想敵業務の代行を行う民間軍事会社である。日米安保下の在日米軍基地では民間軍事会社を使った訓練が行なわれているのだ。厚木基地と岩国基地の緊密な連携は米軍再編と共にますます強化されるだろう。日本が米軍と民間軍事会社の実践的な訓練の舞台となり、出撃拠点となっている現実を根底から変えていく反基地・反安保闘争を全力で組織していこう。 この秋、岩国では九月二十四~二十五日国際反基地シンポジウムが開催される。韓国では十月一日群山平和大行進が行なわれる。アジア各地で反基地闘争を闘い、十一月岩国国際集会に総結集を勝ち取ろう! |
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