1377号(2011年8月5日) 政治主張 |
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臨戦態勢で現闘本部破壊を実力阻止しよう 第3誘導路粉砕! 反核―反原発を闘おう 労働者階級人民の国際共闘で 反基地闘争・労働運動を推進しよう ●第1章 天神峰現闘本部破壊 強制執行攻撃粉砕! 千葉地裁民事第四部裁判官藤山雅行は七月四日、現闘本部撤去の強制執行を決定し、反対同盟に対して送達してきた。 5・20東京高裁判決をもって反対同盟に「収去義務」があるとし、執行官が強制執行するという決定だ。 まずもってわれわれは、この反動決定を徹底的に弾劾しなければならない。そして、七月六日に全国・全人民に向けて発せられた、反対同盟の「天神峰現闘本部死守!戦闘宣言」(以下「戦闘宣言」)を断固支持し、現闘本部死守の実力闘争に決起するのでなければならない。 5・20高裁井上による超反動判決は、一九九〇年一月以降、成田治安法の封鎖処分により立ち入ることすらできない現闘本部に対して、反対同盟が自らこれを撤去しろという、まったく荒唐無稽かつ許しがたいものであるのだが、今回の千葉地裁藤山決定ではさらに「(立ち入りは禁止されていたとしても)取り壊しは禁止していない」などとして、現闘本部建物の撤去と治安法による封鎖処分という、絶対的矛盾について完全に居直っているのだ。 しかも千葉地裁藤本は、現闘本部撤去を「債務者の費用で」執行官が強制執行を行なうなどという超反動決定をなしてきたのだ。絶対に許すことはできない。 さらには、鉄骨造り現闘本部建物の中には、木造の旧現闘本部建物が存在しており、この建物が「取り壊しの対象から抜け落ちている」という決定的な破たん点については、「仮に木造建物が存在すればそれも取り壊し対象に含める」と、藤山決定は高裁判決を勝手に拡大解釈しているのである。 5・20東京高裁・井上判決は、反対同盟弁護団が要求する証拠調べ、証人調べの一切を拒否して、審理としては何も行なわないにも関わらず、一審の仲戸川反動判決を全面的に認め、かつ、空港会社側の主張のみ取り入れて、新たに「仮執行宣言」を付加するという超反動判決であった。 反対同盟は当然のことながら上告し、仮執行停止を申し立てた。高裁―井上は仮執行停止申し立てをも却下したが、この過程で警視庁は反対同盟をはじめとする五十名を不当逮捕し、三十八名を二十二日間にわたって勾留し続けるという前代未聞の暴挙に出たのである。 高裁井上の5・20超反動判決、それと一体の警視庁公安による前代未聞の「不退去罪」デッチあげ、五十名の不当逮捕。そして今回の7・4千葉地裁藤山による反対同盟への「収去」決定という、一連の反動判決と弾圧の激化こそが、司法権力の危機の表現であり、成田空港会社の危機的状況を示してあまりある。 市東さんを先頭とする、反対同盟の「農地死守・実力闘争」の前に、もはやこのようなデタラメな法的根拠をもってしか、「へ」の字誘導路の解消すらできないのである。 反対同盟は「戦闘宣言」において、天神峰現闘本部を「三里塚四十五年の歴史と一体のわれわれの魂」と表現している。その反対同盟が、なにゆえ自ら現闘本部を撤去しなくてはならないのか。こんな理不尽なことはない。これを拒否するのはまったく当然のことである。 反対同盟は7・18三里塚現地闘争をもって、現闘本部にたいする強制執行攻撃に対して、臨戦体制でのぞむことを宣言した。敵が現闘本部破壊に手をかけようとするならば、すぐさま三里塚現地に結集し、実力闘争に決起しようと全国に訴えた。 また、反対同盟は「戦闘宣言」において、現闘本部死守の決戦を、九〇年の成田治安法決戦以上の決意で闘うことを明らかにしている。さらには、「この歴史的決戦を、震災―原発事故という、数千万人民が怒りを沸騰させる情勢下で、さらに沖縄の人々が基地への怒りを噴出させる中で迎えている。(中略)『フクシマの怒り』と『ナリタの怒り』はひとつだ。そして、国家と資本の利益を最優先にし、労働者、農民を虫けらのごとく扱う今の社会のあり方に対して、これを根本から覆す労働者・農民の闘いへの号砲としよう」(「戦闘宣言」)と、この決戦過程に対する、極めて先進的で革命的な決意を表明している。 これこそが、反対同盟四十五年の実力闘争が創り上げてきた、闘いの巨大な地平に他ならない。 われわれは、この反対同盟の宣言を断固として支持するとともに、革命的共闘にかけて、現闘団・行動隊を先頭に現闘本部死守、第三誘導路建設阻止にともに全力で決起していく決意である。 全国の労働者・学生は三里塚現地にかけつけよう。今秋10・9三里塚全国総決起集会に全力で決起していこう。 ●第2章 8・6広島から反核―反原発の闘いをさらに進めよう われわれは、この間、6・11全国百万人アクションをはじめ、6・23福島集会、7・23新宿集会など、反原発闘争を連続的に闘い抜いてきている。 福島第一原発の崩壊は、メルトスルー状態になっているといわれ、現在もなお放射性物質は大気中や海中に撒き散らされつづけ、いまだに収束の兆しは全く無い。すでにこの核被害からの避難者は十数万人規模に達している。 人類は、そもそも核分裂のもつ莫大なエネルギーと放射能汚染を制御・停止できる技術を持ち合わせていないのであり、この一点において、全世界の原子力発電所は即座に廃止すべきことは明らかなのである。 そればかりではない。原子力発電は、その維持・管理をするなかで、たとえ事故がなくても膨大な被曝者を構造的に生み出さざるをえないのである。 そして被曝を強制される労働者の多くが、重層的下請け構造のもとで働く底辺の労働者である。それも、釜ヶ崎などの寄せ場において、日雇い労働者が「運転の仕事」などとだまされて、福島第一での原発労働に動員されるなどの事態が横行しているのである。また、放射能汚染への防備も極めて不十分な形でしか対策されていない。それどころかまったく対策すらされないケースもままあるのだ。 3・11以降、東電社員や、多くの「協力会社」と呼ばれる下請け・孫請け企業の労働者が動員され、被曝を強制されつづけている。 六月二十日、東電は福島第一原発で働いてきた三千六百三十九人分の労働者について、厚生省に被曝調査結果を報告した。 それによると、3・11から三月末までの間、事故前の「総被曝量の限度」である百ミリシーベルトを超えた作業員がすでに百二十四人にのぼっており、さらに事故後にひきあげられた二百五十ミリシーベルト以上被曝した労働者が九人もいるというすさまじい現実があきらかとなったのである。しかし、まだ百二十五人の測定がされておらず、このうち下請け企業の作業員六十九人と連絡がとれないばかりか、そのうち三十人にいたっては連絡先や名前すら分からないというのである。 これらの数字の示すものは、まず何よりも、東電の安全管理のあまりのずさんさだ。労働者の生命を極めて軽視していると言わざるをえない東電の体質には改めて怒りを禁じえない。 しかも、これら東電から出された数字をそのまま信じることはできない。少なめに発表しておいて、あとでこっそりと訂正するのは東電のこの間の常套手段だからだ。 そもそも、「百ミリシーベルト」あるいは「二百五十ミリシーベルト」という作業員への緊急時における「被曝限度基準」すら、「ここまでなら絶対安全」であることを保証するものでも何でもない。これらは、推進派の作った勝手な「基準値」であり、科学的根拠など無いのだ。ガンや遺伝障害などは、放射線を浴びれば浴びるほどその発病の確率が高くなる可能性があるのだが、逆にいえば、どんなに少なくとも、浴びると危険なのである。百ミリシーベルト以下の被曝量でも発病する例などいくらでもあるのだ。 例えば、一九七六年以降、白血病や多発性骨髄腫を発病し、労災が認められた原発労働者十人のうち、実に九人までが、被曝量は百ミリシーベルト以下なのである(厚生労働省調べ)。 被曝にさらされているのは、原発労働者だけではない。飛散しつづける放射性物質は、三十キロ圏内外を問わず、人々の体内に入り込んでいる。とりわけ細胞分裂が活発な子供たちの人体への影響が懸念されている。 六月三十日、福島の市民団体は、福島市内の六~十六歳の子供十人の尿から、放射性セシウムを検出したと発表した。 福島市は福島第一原発からは六十キロメートル以上も離れているが、検査した子供たち十人全員からセシウムが検出され、内部被曝していることが明らかとなったのである。 また、福島県南相馬市、浅川町などの農家が出荷した牛肉から、暫定規制値(一キログラム当たり五百ベクレル)を上回るセシウムが検出され、二十八都府県に流通し、すでに十三府県において消費されていることが明らかとなった(七月十六日現在。これら以外の地域からも、暫定基準値以上のセシウムが検出された牛肉が出荷されていることが続々と判明してきている)。 福島第一原発から放出されつづける放射性物質は、今後数十年単位ですべての生物を外部から、そしてそれを食物連鎖のなかで摂取した生物を、内部から被曝させていくのである。 このような中で、九州電力の組織的やらせメール事件が発覚した。 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の運転再開をめぐって、経済産業省が六月二十六日に放送した説明番組(ケーブルテレビ)に対し、九電が社員や関係者に、原発の再稼働に賛成する内容の電子メールを番組あてに送れとの指示を組織的にだしていたというのだ。 当初組織ぐるみの工作を否定していた九電側も、「やらせ依頼メール」の文面そのものが、内部告発・暴露されるに至り、ついに組織的関与を認めざるを得なくなったのである。メールでの指示は、九電の四つの子会社の少なくとも二千三百人に送られたとされる。 九電社長・真部は七月十四日に記者会見し、原子力担当の段上守・元副社長(六月下旬に関連会社社長に就任)を頂点にした組織的な世論工作だったことを認めた。 もちろんこれは、九電に限らず、各電力会社がおこなってきた世論誘導工作のひとつであり、氷山の一角に過ぎない。 原発立地となる自治体住民を対象に開かれる公開ヒアリングなどで、質問をする「意見陳述人」に、電力会社の意を汲んだ人間を仕込む、あるいはヒアリング会場の傍聴者も、反対派が多数とならないよう、電力会社の社員が券を確保するなどという露骨な世論操作の工作活動が、歴史的に常套手段として行われているのである。 電力会社は、こんなペテン説明会により、原発建設の「住民の理解を得た」といっていたのだ。まったくふざけているとしか言いようが無い。 東電・政府および原発推進の御用学者どもに対する怒りは、被災地を中心に満ち満ちている。われわれは、福島第一原発事故の責任を日帝と東電(電力資本)と東芝(電機資本)などに取らせ、責任者の処罰を求めていかなければならない。 今夏の8・6広島闘争は、極めて重大な意義をもって取り組まれようとしている。闘う被爆者、被爆二世は反核―反戦と同時に、反原発に一貫して取り組んできた。帝国主義戦争において生み出された核兵器が広島、長崎において、何十万人という膨大な犠牲者を出した。そして放射能の被害は、被爆者、被爆二世、さらにはその子、孫へと強制されつづけているのである。 福島第一原発事故が、人民に対し長期にわたる深刻な放射能被害をもたらしているのが、今の日本の現状であるが、原発の稼動そのこと自体が、実は日々の被曝労働によってしか成り立ちえないのだということを、被爆者、被爆二世こそが告発し続けてきたのだ。 福島第一原発事故は、日帝の核政策の歴史的かつ壊滅的な破綻である。今こそ、被爆者・被爆二世とともに、日本の労働者階級人民は、原発を断固拒否し即刻廃止していくために、全力をあげていかなければならない。 日帝・政府に反原発を強制させることができるのか否かが、労働者階級人民に今大きく問われているのである。 侵略反革命と闘う被爆二世の会は、今年の8・6広島反戦・反核・被爆者解放の呼びかけ文のなかで、3・11以降、新たに福島で多くの被曝者がつくられていることに深い憤りを明らかにしている。 そして、「我々と同じように、これから福島の人々が一生、放射能の影響による健康への不安を背負っていくことになるのかと思うと無念でならない。我々被爆者・被爆二世(三世)は、二度とヒバクシャを作るなと叫んで来た。もっと我々は、自らの体験をもとに『核と人類は共存できない』ということを、社会に発信していく必要がある」という決意を明らかにしたうえで「今、福島では多くの方が被曝しているが、自ら『被曝者だ』と社会に向かって対決することは、差別がある中で、厳しい闘いだ。それを応援し、団結して、被爆二世自らの問題として取り組んでいきたい。そこから、原発も原爆も許さない社会を作ることがきっと出来るはずだ」と、福島をはじめとする被曝者への連帯と団結を呼びかけている。 われわれは、この被爆二世の闘いの地平と決意を断固支持すると同時に、反戦・反核・被爆者解放闘争のさらなる推進にむけてともに全力で闘い抜いていかなければならない。 現在、反原発運動の全人民的高揚の前に、浜岡原発が止まり、上関原発の工事も止まっている。さらに運動の高揚に全力を注ぎ、すべての原発を停止させ、廃炉へと追い込んでいこうではないか。 8・6ヒロシマ闘争に総結集し、反核―反原発を反帝闘争の重要な課題として闘い、さらに秋期、反原発闘争の一大高揚をつかみとろう。9・19さようなら原発!五万人集会に大結集しよう。 ●第3章 国際連帯運動を前進させ、11月岩国に総結集しよう 今夏、労働者・学生が先頭にたって、被災地支援、反原発運動を取り組みながら、反基地闘争、国際連帯運動をしっかり進めていこう。 われわれは、労働運動と学生運動において、この間数次にわたって被災地支援活動を組織しているが、特に全国の学生は、夏期休暇を利用した被災地支援を各大学拠点において広範によびかけていこうではないか。 まず第一に、AWC日本連による、六月アジア共同行動各地集会・デモの成功をひきつぎ、今夏八・六広島をはじめとした反戦・反核闘争、反帝国際連帯などの取り組みを支持し、ともに闘いぬいていかなければならない。 七月フィリピンで開催されたILPS(国際民衆闘争同盟)第四回総会に、アジア共同行動日本連は派遣団を組織した。許しがたいことに、またもやフィリピン政府・入管は、闘う仲間一名の入国拒否・強制送還を強行し、国際連帯運動への露骨な政治弾圧に手を染めたのである。 派遣団は、このようなフィリピン当局の弾圧攻撃に屈することなく、三十数カ国の反帝国際主義勢力の仲間と合流し、総会の圧倒的な成功に貢献したのである。 われわれは、この反帝国主義と国際主義に貫かれた、アジアにおける先進的活動家の取り組みを断固として支持するとともに、今後とも全力で支援していかなければならない。 八月訪韓運動の大衆的成功をかちとっていこう。 第二に、沖縄反基地闘争に断固として立ち上がっていこう。天然記念物であるノグチゲラの繁殖に合わせた三~六月の休工期間を過ぎ、高江ヘリパッド建設着工情勢はふたたび緊迫している。 高江現地では、七月三日にヘリパッドいらない住民の会が、座り込み四周年報告集会を、五百人の結集でかちとっている。これに呼応し、京都や東京でも、高江を支援する集会・デモが組織されている。住民を先頭とする二十四時間の座り込みにより、日帝・那覇防衛局の工事強行を実力で阻止し続けている。 われわれも、闘う学生を先頭とした、二月着工阻止の現地闘争派遣の地平を引き継ぎ、現地実力闘争で工事再開を絶対に阻止していこうではないか。 七月十四日、沖縄県議会はアメリカ軍が二〇一二年中の配備をもくろむ、垂直離着陸機MV22オスプレイの米海兵隊普天間基地への配備計画撤回を要求する抗議決議を全会一致で可決した。 決議は、墜落事故を繰り返す、欠陥機オスプレイの配備を「断じて許されるものではない」として徹底弾劾している。もはや島ぐるみの米軍基地反対の声は強まりこそすれ、弱まることは決して無いのだ。 七月五日、稲嶺進名護市長は、名護新基地建設を明記した日米安全保障協議委員会(2プラス2)合意の取り消しを要求し、防衛相への面会を申し入れたが、防衛相北沢はこれを拒否する暴挙にでた。 稲嶺市長は「こんなかたくなな態度で県民に理解を求めるのは理解不能だ。国が決めたことに従え、と言っているようにしか思えない」と、まったく当然の抗議を表明した。 名護市民は市民投票、市長選、名護市議選において、米軍基地はいらないという意志を、再三にわたり表明しつづけてきたのである。名護新基地建設を絶対に阻止し、米軍再編攻撃を粉砕しよう。 第三に、岩国反基地闘争にひきつづき取り組んでいかなければならない。 岩国・愛宕山米軍住宅建設に反対し、愛宕山跡地を東日本大震災被災者の住宅へと転換しようという、住民の画期的な取り組みを断固として支持していこう。AWC日本連と岩国労働者実行委員会は、これへの百六十団体・三百七十個人の賛同を組織したのである。 11岩国労働者実の7・23集会の成功を受け、九月二十四―二十五日岩国現地での国際反基地シンポジウムの成功をかちとり、十一月岩国国際集会の総力結集をかちとろうではないか。 全国の労働者・学生のみなさん。八月反戦・反核・反基地闘争にともに決起し、ともに闘おう。 |
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