共産主義者同盟(統一委員会)


1374号(2011年6月20日) 政治主張






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   反原発・反戦・反基地・反帝国際連帯運動の前進かちとろう

  アジア共同行動の成功を

  5・20「不退去罪」弾圧粉砕し38人奪還!

  排外主義襲撃集団を包囲解体しよう





 五月二十日、東京高裁(井上繁規裁判長)は三里塚・天神峰現闘本部裁判控訴審において控訴棄却した。そして、そのうえで仮執行宣言もつけるという一審を上回る超反動判決を強行してきたのである。しかも、判決直後に反対同盟と支援五十名を「建造物不退去」容疑で逮捕するという暴挙を行ってきた。我々はかかる暴挙を徹底的に弾劾する! 一方、福島第一原発事故はさらなる泥沼的様相を呈しはじめている。事故の収束点は一向に見えない。こうした状況下において、日帝の原発政策に対する労働者階級人民の怒りは頂点をきわめ、全国各地で反原発デモが吹き荒れている。被爆者・被爆二世の闘いと結合した全人民的課題として反原発闘争に立ち上がろう!
 3・11東日本大震災を契機とした挙国一致キャンペーンが展開されている一方において、差別・排外主義が組織されようとしている。政府による朝鮮学校に対する「無償化」除外もさることながら、この機に乗じて補助金をカットしようとする地方自治体が出現している。排外主義を粉砕せよ。朝鮮学校の「無償化」実現運動を闘おう。
 六月、国際連帯運動のさらなる推進を勝ち取ろう。我々はアジア共同行動(AWC)日本連絡会議による六月各地集会を断固として支えていく。そして七月から八月にかけてのフィリピン・韓国との国際連帯運動を具体的に進めていかなければならない。
 プロレタリア国際主義の旗幟を鮮明にし、全世界人民との具体的実践的連帯を進め、自国帝国主義打倒の闘いに邁進しようではないか!


  ●第1章 現闘本部裁判―超反動判決、50名大量不当逮捕徹底弾劾!

 我々は五月二十日の東京高裁による暴挙を絶対に許しはしない。この日、裁判長井上はまさに「歴史的」ともいうべき訴訟指揮を行った。空港会社が天神峰現地闘争本部の土地明け渡しを求めた裁判の控訴審において、東京高裁は一審の千葉地裁判決に続き空港会社の請求を認め控訴を棄却した。そしてあろうことか、高裁は「仮執行宣言」まで付け、判決確定前でも現闘本部の強制撤去を法手続き的に可能としたのである。
 なんたる反動判決!ならば裁判の意味など無いに等しいではないか! 判決確定することなしに、一方の当事者の思うままに事が運ぶということである!
 さらに許しがたい弾圧が東京高裁の現場で強行された。この超反動判決に対して反対同盟弁護団が仮執行停止の申し立てのため交渉を求めたが、井上は面会を拒否した。そしてなんと、裁判所内にいた反対同盟と我が同志を含む支援の五十名を「不退去」容疑で不当逮捕したのである!
 まさに暗黒裁判である! 裁判長井上と一体となった警視庁は、もはや「法治国家」などいう看板をかなぐり捨てた態度をもって三里塚闘争に敵対してきている。徹底的に弾劾しなければならない。反対同盟はすぐさま反撃の体制を整え、五月二十九日に不当逮捕弾劾と強制収用を阻止するための現地集会を開催している。
 我々はこの反対同盟の決意に応え、「農地死守・実力闘争」の地平を継承した天神峰現闘本部防衛の闘いに決起していかなければならない! 三里塚闘争のより一層の大衆的発展を勝ち取り、不当弾圧に対する断固とした反撃戦にうってでようではないか!


  ●第2章 反原発運動のさらなる推進をかちとろう

 そして我々は6・11―12と全国で取り組まれた反原発集会に続き、より一層の大胆な反原発運動の推進を勝ち取っていかなければならない。六月アジア共同行動においても、反原発運動と震災被災者支援を最重要の課題として打ち出されている。反原発運動を国際連帯、反基地運動、反戦闘争などあらゆる大衆運動と結合させ、全人民的政治課題として押し上げていこうではないか。
 福島第一原発事故はかつてのチェルノブイリ事故より深刻な様相を呈している。
 東京電力と政府は、二カ月以上もたった時点で3・11震災直後の情報を小出しにしてきた。そのなかで明らかになったのは、福島第一原発は地震直後から破損していたという事実である。これまで事故の直接の原因として説明されていた「想定外の津波」以前に原発は地震ですでに故障していたのだ。すなわち、福島第一原発の耐震構造そのものに問題があったのだ。これは全ての原発の存立根拠に波及する問題でもある。
 そして政府―東京電力が当初吹聴していた「炉心溶融(メルトダウン)の危険性は少ない」なる言葉が、まったくのデマゴギーであったことが明らかになってきている。燃料棒の溶融の危険性は事故発生直後から認識されており、そのことを隠しおおせなくなるや否や、実は溶融していましたなどとふざけた発表を政府と東京電力は行っているのである。明らかに「情報操作」がなされている。「大本営発表」と寸分たがわないデマゴギーが東電と権力によって組織されてきたのだ。
 一、二、三号機ともに燃料棒の炉心溶融(メルトダウン)という状況になっている。核燃料が溶けているから、これを取り出し処理することがますます困難になってきている。溶融した燃料棒は放水などの方法で半永久的に冷却していかなけれなならない。しかし核容器が破損しているために、いくら注水してもだだ漏れ状態になっており、東電は「水棺」と呼ばれる原子炉を水で満たして放射能を閉じ込める方法を放棄した。しかも核燃料の冷却に使われ放射能汚染された水は十万トンにおよび、その水の処理さえ滞っている始末である。
 もはや原子力エネルギーが「クリーンで安価」などと言うデタラメは通用しない。原子力発電の危険性とコスト高は余りにも明らかだ。全ての原発を即刻廃炉にすべきなのである。
 我々は原発に対して以下の観点で批判していく。
 第一に、原発は一度事故が発生すれば破滅的な結果をもたらす。そして事故を完全になくすことはできないのが原発である。現在の人類の知識と技術では核分裂反応を制御することはできない。制御することのできないエネルギーに頼ることはできない。
 第二に、例え事故を起こさなくとも原発は作業員労働者の被曝や周辺地域の放射能汚染を前提にしてしか維持できないしろものである。原発が運転される限りにおいて、誰かが確実に放射能汚染に曝されるのである。しかも、実際に原発の現場で働く労働者の圧倒的多くは非正規労働者である。すなわち、労働者下層の命と引き換えに運転されるのが原発である。労働者階級の生活防衛を掲げる我々にとってけっして容認できない。
 第三に、原発は日帝の核武装と結びつている点を批判していかなければならない。核エネルギーの「平和利用」が原発であり、「軍事利用」が核兵器だという区分けは成立しない。原発の建設と核武装の準備は最初から結び付いたものとして批判されねばならない。
 一九六九年の外務省極秘文書「わが国の外交政策大綱」には「核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャルは常に保持する」と書かれ、それを「原子力の平和利用」の枠組みで進めるとされている。さらに六八、六九年に防衛庁(当時)が公表した報告書では、「プルトニウムをつくるには、特別の施設は必要としない。平和利用目的で使用されている通常原子炉の運転方法を変更するだけで容易に達成できる」と述べられ、使用済み核燃料からプルトニウムを抽出する方法が最も適していると位置付けられているのである。
 日帝はこうした位置付けをもって原発を政策路線として推進してきたのだ。その過程で産学複合体が形成され、同時に巨大独占資本が利潤を求めて介入していくなかで「原発村」が形成されてきたのである。競走相手もいないはずの独占的電力会社が巨額の宣伝費を使用してきた。その金をマスコミにばらまくことによって、「安全なエネルギー」としての原子力キャンペーンと情報操作が繰り返されてきたのだ。
 すなわち原発とは徹頭徹尾、反労働者的施設であり、我々はこの地上からすべて原発と核兵器を葬り去っていくために闘わなければならない。
 我々は被爆者・被爆二世とともに被爆者解放闘争を進める立場から、反核―反原発を鮮明に掲げて全国で闘う。労働者人民の反原発運動の盛り上がりのなかで、菅政権は浜岡原発の一時停止を決定せざるを得なくなった。これは第一歩である。全原発の即時停止と廃炉に向けて闘っていこうではないか。


  ●第3章 排外主義をうちやぶり、朝鮮学校「無償化」実現を

 3・11大震災下において、国家統制と天皇制・天皇制イデオロギー攻撃が吹き荒れている。3・11以降、天皇と皇族は意識的・政策的に被災地の「慰問」を行っている。これはまさに「慰問」を軸にした国家主義への統制と天皇制・天皇制イデオロギー攻撃に他ならない。絶対に許してはならない。我々はかつて敗戦直後に天皇ヒロヒトが全国各地を行脚し、そのことをもって戦後階級闘争の高揚を抑え込まんとした歴史を思い起こさねばならない。戦争や災害等で国家的統制が危機に陥らんとする時、必ずと言っていいほど天皇と皇族がその前面にでてきて階級融和を演出してきた。今回もまた地震や原発事故で噴出せんとする労働者階級人民の怒りを解体しようという意図明らかである。そしてこの階級融和の行き着く先は国家統制であり、労働者階級人民の生活を破壊する増税をもってする「震災地支援、復興」である。労働者階級人民の闘いに対する「自粛」攻撃を打ち破れ。階級融和に対しては非和解的階級闘争を対置しなければならない。
 そしてこうした天皇制・天皇制イデオロギー攻撃が展開されている一方において、差別・排外主義が組織されようとしている。
 震災下で朝鮮学校の高校「無償化」除外問題はたなざらしにされたままだ。そればかりでなく、震災下の地方自治体の財政見直しの過程で、宮城県や埼玉県では朝鮮学校への助成金を打ち切る決定がなされている。宮城県では東北朝鮮初中級学校への補助金(百六十二万四千円)を二〇一一年度から廃止すると発表されている。言うまでもなく、震災や原発事故の被害は日本人ばかりではなく在日・滞日外国人にも降りかかっている。当然、朝鮮学校にも被害が出ている。こうした状況下における補助金打ち切りはけっして許されるものではない。
 宮城県仙台市の東北朝鮮初中級学校では校舎に大きな被害が出て使用できない状態にある。校庭も百以上の地割れがあり使用できない。県内外から集まる生徒のための寄宿舎四棟のうち一棟が傾き、残り三棟を使って授業を再開している。福島県郡山市の朝鮮学校には放射能汚染が及び、新潟の朝鮮学校に疎開しての授業が行われている。かかる状況下における補助金のカットとは、在日の民族教育そのものを認めないということに等しい。あからさまな民族差別である。
 そして我々が忘れてならないのは、こういった動きは震災発生前からの政府による高校「無償化」除外策動に端を発しているのであり、朝鮮学校の「無償化」除外が解決されないかぎり同様の動きが広がることは確実だということだ。我々は地域勢力や在日団体と結合して「無償化」除外反対を闘っていかなければならない。これ以上の地方自治体における補助金カットを許してはならない。
 我々には震災下で朝鮮学校「無償化」実現の闘いを前進させていくことが改めて問われている。6・23朝鮮学校即時「無償化」を求める全国集会に結集し、全力で支援していこう。


  ●第4章 6月アジア共同行動から、7~8月国際連帯運動の推進を

 震災被災者支援、反原発運動が全国で取り組まれる中で、六月アジア共同行動各地区集会が全国で連続的に闘われる。我々はこの闘いを全力で支えていかなければならない。
 震災被災者救援、原発事故弾劾と結合し、国際連帯の大衆運動を大胆に進めていこうではないか。我々は6・11反原発闘争の地平を継承し、六月のアジア共同行動各地区集会の成功のために奮闘していかなければならない。
 そして同時に六月の闘いは五月沖縄闘争の高揚をうけた、さらなる米軍総撤収を求める闘いとしていかなければならない。
 沖縄を先頭にした反基地運動によって米帝支配層(米上院軍事委員会)から「辺野古移設は非現実的。困難」という主張がなされ、普天間の嘉手納基地統合案が浮上していきている。しかし沖縄人民は普天間基地の嘉手納統合を望んでいるわけではけっしてない。沖縄人民は全ての米軍基地の撤去を求めているのである。この状況をしっかりと捉え、普天間の「県内移設」反対、米軍基地の無条件撤去をはっきりと掲げて闘いぬこうではないか。沖縄人民の闘いに結合し、辺野古新基地建設阻止! 高江ヘリパッド建設阻止を闘おう。
 そして震災状況下の今こそ労働運動の一大前進が求められてる時はない。震災を口実とした解雇、賃金未払いなどが続発しているのである。原発事故の処理には大量の非正規雇用労働者が駆り出され、文字通りの命がけの仕事をやらされているのだ。労働者階級と被抑圧人民の利害を掲げた労働運動を構築していこうではないか。戦闘的・階級的労働運動の再生を勝ち取っていこうではないか。
 そしてこれらの闘いを、国際主義の立場で闘っていこうではないか。アジア―全世界人民と連帯し、反戦―反基地、反原発の闘いを推し進めよう。
 六月アジア共同行動各地区集会の実践の中において、韓国、フィリピンをはじめとするアジア各国人民との連帯関係を強化していこうではないか。そしてかかる地平を継承・発展させる闘いとして七月~八月にかけての韓国、フィリピンとの国際連帯運動を具体的に推進していこう。七月のILPS(国際民衆闘争同盟)第四回総会と八月の訪韓運動の大衆的成功を勝ち取ろう!


 

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