共産主義者同盟(統一委員会)


1371号(2011年5月5日) 政治主張






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     基地建設阻止! 沖縄への自衛隊配備増強を許すな!

  5・15沖縄闘争へ

  全国で反原発運動にたちあがろう

  米英仏帝のリビア軍事介入弾劾





 三月十一日、三陸沖を震源として発生したマグニチュード9・0の東北地方太平洋沖地震と、三陸沖全体を襲った津波により、少なくとも二万七千人を超える方が死亡・行方不明となっている。また福島第一原発は、長年政府が繰り返してきた「安全神話」と共に崩壊し、放射性物質を世界中にまき散らし、放射能汚染水を海洋に垂れ流し、世界中の人民に多大な被害を与えている。被災者救援の行動と、日帝の原子力政策への闘いを、不可分のものとして共に取り組んでいこう。
 この巨大な被災を前にしてもなお日米軍事同盟を最優先し、沖縄への差別軍事支配を続ける政府への怒りを組織し、5・15沖縄闘争の爆発をかちとろう。


  ●第1章 福島原発事故弾劾! 全ての原発を廃炉へ


  ▼①事態の深刻さを隠す政府・東電


 事態は、原発炉内の核燃料、及び炉外の使用済核燃料の冷却不全による爆発、放射性物質の飛散に至り、また配管の破損による、高レベル放射能汚染水の漏れも発生するという極めて深刻なレベルになっている。経済産業省はINES(国際原子力事象評価尺度)にもとづき、今回の原発事故が、チェルノブイリと同レベルの深刻さであるレベル7であることを認めた。
 この大事故を前にして、改めて明らかにしなければならないことは、これが明らかに人災であるということだ。
 福島に原発があったのは、まずもって東京電力がそこに建設したからである。また国・県・町が建設を認め、そして継続を認めてきたからである。今回の事故の原因に、津波による非常用電源の損傷があげられているが、過去にも度々大きな津波が発生している三陸沖で、津波の影響を受ける場所に非常用電源を置いた東電と、そんなずさんな計画で許可を出した政府・行政の責任は鋭く追及されなくてはならない。
 事故から一月経っても危機は続いている。
 燃料棒は水面から露出しているため、炉内への注水が続いている。当然、その分だけ漏れてくる高レベル汚染水を回収―貯蔵せねばならなくなる。そのために四月四日、政府は既に貯蔵されていた、「低レベル汚染水」(それでも排水基準の約百倍の放射能汚染水である)約一万トンを海洋投棄した。とんでもない行為である。
 しかしそれでも、炉心溶融を防ぐためには注水を続けねばならないほど、状況は深刻である。むろん貯蔵にも限界がある。その場しのぎの政府・東電の対応は、これまで事故を想定した準備を一切していなかったことを、そこに住む住民の生命と生活のことを少しも考えてこなかったことを明らかにしている。
 進展しない事故対応とは対照的に、情報管制・操作はおそろしいほどに進められた。例えば被曝線量についての報道では、現地で測定された一時間当り被曝線量と、年間許容量とされている被曝線量とを、単位を揃えずに併記し続けた。また単純に線量の大小ばかりを報道し、放射性物質を吸い込むなどで体内で被曝し続ける、内部被曝の危険性についても正しく説明しようとしない。
 繰り返されるセンセーショナルな津波等の映像、無根拠に「大丈夫」「風評被害」と言う御用学者、責任主体をあいまいにする「がんばれ、日本!」というコピー。これらの果てない繰り返しの前に、人民の生命と生活に一番大切な情報がかき消されている。
 また厚労省は三月十四日に、福島原発の復旧作業が進まないからと、原発労働者の被曝線量限度を二・五倍に引き上げた。決して許してはならない。原発労働者の生命と健康を何だと思っているのか?しかも、事故の第一の責任者である政府・東電は安全な場所に待避したままであり、責任を末端労働者に押しつけようとしているのだ。
 日帝政府がしばしば言う「危機管理」の本質が、今鮮明に浮かび上がってきている。彼らの言う「危機管理」とは、危機を管理して民衆を守るのではなく、危機の際には民衆を管理して、何が何でも支配層たる自分たちの権益を維持しようとするものなのだ。
 政府-経産省、東京電力は、深刻な事実をすべて明らかにせよ! すべての責任をとれ! あらゆる手段を尽くして原発を制動し、これ以上放射能を拡散するな!


  ▼②日帝の原子力政策断固粉砕!

 東京電力会長勝俣は三月三十日に至って初めて公式に、福島第一原発一~四号機を廃炉にせざるを得ないと認めた。大きく損傷したこれらの廃炉は、単なる追認にすぎない話だ。問題は、各電力会社が全国に建設した原発も、同じ危険性を持っていることである。
 日本中のどの原発も断層の上に位置している。また原発の構造上、海沿いとなるので、同様の事故が発生する根拠は十分ある。加えて、今回の事故で明らかとなったが、政府・電力会社の言う安全対策・事故対策は全く信用できないものである。
 福島をはじめとした東日本住民、原発内労働者、農漁業者。彼・彼女らの被害を明らかにし、補償を政府・東電に求めていくことは、日帝の原子力政策そのものの責任を問う闘いだ。今こそ、全ての原発建設計画を撤回させよう。全ての原発を即刻稼動停止させ、廃炉させよう。菅政権の原発輸出政策を頓挫させよう。


  ▼③全世界にひろがる衝撃と反原発の声

 福島第一原発の事故の衝撃は世界中にひろがっている。各国民衆は、あらためて核と人類は共存できないことに気づかされている。ドイツでもフランスでも、選挙で反原発を掲げる政党が躍進している。原発廃止は、全世界の労働者人民が当然の要求である。だからこそ米帝・仏帝は、日帝に協力してでも福島の危機を押さえ込み、自らの原発推進計画の破綻を回避しようとしているのだ。
 今こそ世界中な反原発の機運の高まりにあわせ、世界中から原発を無くしていこう。核と人類の共存はありえないことを明らかにしていこう。



  ●第2章 被災者救援の全人民運動を


  ▼①被災地の現状


 既に地震から一月が経過しているが、なお物資・燃料などが被災地に十分に届かない状況がある。宮城・岩手の病院の内、未だ二割が通常診療できない状態(四月十四日時点)であり、被災者は避難所生活を強いられている。
 地震の規模がいかに大きかったとはいえ、この事態は明らかに政治問題である。政府が、災害時の住民の生活のことを考えず、対策を準備してこなかったことが明らかになっている。また、地方ほど疲弊している中、山間の集落には救援物資も届きにくい状況が発生し、より事態を深刻にしている。
 今回救援をさらに困難にしているものは、福島原発事故である。
 原発周囲の立ち入りができない中、被害実態さえまだ十分明らかにできていない。また放射能の飛散と危険性について政府が情報管制をするため、住民は対応をとりにくい状況となり、そのことが一層事態を混乱させている。


  ▼②あらゆる社会勢力は救援運動に立とう

 多くの人民の生命・生活が一挙に破壊されている。現地では日々の生活にさえ困る状況の中、さらに多くの労働者が解雇され、福島原発事故もあり多くの漁民・農民がなすすべを失っている。
 今必要なのは、「がんばれ、日本!」という何の具体性もないスローガンではない。労働者人民の利害を貫く、生活再建のための具体的な支援、具体的な闘いなのだ。
 現地では、解雇された労働者に対して労働相談が支援者により取り組まれだしている。このような活動を断固支援しよう。福島原発事故により甚大な被害を被った漁民・農民に対して、政府・東電にキッチリ補償させる闘いを支えていこう。



  ●第3章 リビア人民の民主化闘争支持!帝国主義の軍事介入弾劾!


  ▼①北アフリカ・中東の民主化闘争断固支持

 チュニジア、エジプトから始まった北アフリカ、中東における、労働者人民が先頭に立った反独裁闘争―民主化闘争の前進を断固支持しよう。
 リビアでは、人民の民主化闘争はカダフィ政権との内戦状況になっている。カダフィ政権は人民の立ち上がりに対して、治安部隊・国軍・雇われ外国人部隊を繰り出し、機銃掃射や無差別空爆による虐殺で弾圧してきた。六千人もの死者が出ているともいう。しかし人民は屈せず、闘いは全国に拡大し、今も闘い続けられている。
 アラブ人民の主体的な民主化闘争として、リビア人民の闘いを支持しよう。


  ▼②米英仏帝によるリビア爆撃弾劾

 三月十七日、帝国主義各国は国連安保理において、カダフィ政権による軍事弾圧に苦しめられているリビア民主化闘争への支援だとして、リビア上空に飛行禁止空域を設定し軍事行使を容認する決議を採択させた。十九日にはこの決議を根拠にして、米・英・仏軍を中心にした多国籍軍「対リビア有志連合」が一斉にリビア攻撃を開始した。連日、トマホークによる攻撃、爆撃機・戦闘機による空爆が行なわれている。そこではリビア人民も被害を受けている。
 帝国主義各国の目的は、民主化闘争支援ではない。北アフリカ・中東の植民地支配の妨げとなるカダフィ政権を、軍事的に排除する格好の機会と捉えただけである。軍事介入した上で、民主化闘争の革命的発展を押さえつけ、石油利権もからめて帝国主義の傀儡政権の樹立へと事態を捻じ曲げていこうとしているのだ。
 有志連合のリビア空爆弾劾!ただちに帝国主義各国は、リビアへの軍事介入をやめよ!



  ●4章 五月沖縄闘争に決起しよう


  ▼①沖縄―岩国―横須賀を貫く反基地闘争を


 三月三十一日、衆院・参院本会議で「思いやり予算」の継続が、民主党・自民党などの賛成多数のもと承認された。翌四月一日には、岩国基地の軍民共用化にむけた予算十四億円が、そして辺野古新基地や高江ヘリパッド新設にむけたものとして沖縄防衛局名護事務所が設置されている。
 今、東日本大震災の被災者救援には、かつてないほどの多額の予算が必要となることが分かっている。福島原発事故を除いた震災被害だけで、十六~二十五兆円が必要とも言われている。だが現在、政府が震災で使える予備費は一・二兆円にすぎず、今後、一層の福祉切り捨て攻撃と、増税攻撃が予想される。
 しかし真っ先に切り捨てるべきは「思いやり予算」であり、岩国・沖縄への新基地建設攻撃に関連したこれら予算である。これらだけで六千億円が拠出できるのだ。また岩国では、愛宕山を守る市民連絡協議会が、愛宕山開発跡地に、国が建設を強行する米軍住宅ではなく、被災者用の仮設・恒久住宅の建設を求める緊急提言を出している。岩国市民の言う通りである。国・山口県は、被災者のことを考えるならば、この提言を受け入れるべきである。
 東日本大震災の中で、在日米軍は艦船を三陸沖に展開させて、「トモダチ作戦」なる行動を開始した。社会的に、あらゆる力を動員して救援が必要な状況を利用して、日米軍事同盟のイメージアップを図ろうとしているのだ。
 しかし米軍は、在沖・在日米軍基地を利用し、「思いやり予算」があるからこそ展開できているにすぎない。むしろ米軍基地の施設全てを被災者に開放し、米軍基地に供給している電力を停止すれば、全ての原発を停止しても電力不足に陥ることはなく、その方がよほど被災者支援になるはずである。
 日米帝国主義による日米同盟の美化に断固として反撃しよう。今こそ米軍は出ていけ!


  ▼②沖縄―「本土」を貫き5・15を闘おう

 四月六日、ウィラード米太平洋軍司令官は下院軍事委の公聴会で、「現存する普天間飛行場での活動を継続するつもりだ」と発言し、沖縄人民の、普天間基地撤去を求める声は一顧だにしない姿勢を改めて明らかにした。また、高江ヘリパッドを巡る闘いは、依然緊迫した状況にあり、沖縄への差別軍事支配の姿を浮き彫りにしている。
 政府は、震災救援・復興が急がれている状況の中にもかかわらず、日米の外務・防衛担当閣僚会議(2+2)開催を強行しようとしている。2+2で狙われている、辺野古新基地建設強行を柱とした日米安保の新たな強化を、絶対に阻止しなければならない。
 五月沖縄現地闘争を、沖縄解放闘争として、反基地国際共同闘争として、全力で闘い抜こう。

 

 

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