共産主義者同盟(統一委員会)

 

■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームに戻る

『戦旗』第1369号(2011年4月5日)



 
  リビア人民の民主化闘争支持! 米英仏軍の空爆弾劾!

  全力で被災者支援を! 震災下の内定取消し・解雇を許すな

  東電は全ての責任をとれ!全ての原発を停止し、廃炉へ





 三月十一日午後二時四十六分、東北地方太平洋沖でマグニチュード九・〇の大地震が発生した。数度にわたる大津波、各地での大火災、余震が続いた。そして福島原発は地震と津波で大きく破損し、電源と冷却機能が失われ、炉心溶融、放射能放出―被曝の大事態が引き起こされた。電気、電話、水道、交通網などインフラは壊滅した。数万人規模の死亡・行方不明が予想されている。
 途方もない規模の東日本大震災のすべての犠牲者に心から哀悼の意を表明する。
 被災した地域の人民への救済支援に全力で取り組んでいこう。
 福島原発では極めて深刻な原発破壊・放射能汚染・被曝が起きた。日帝の原発政策の本質は、核武装であり、電力会社・電機産業という巨大独占資本が核エネルギーを独占することにある。今回の取り返しのつかない事態は、日帝の原子力政策そのものの破綻である。
 福島第一原発では三月十四日までに、第一、第二、第三号原子炉で炉心溶融が発生した。建屋の水素爆発、大量の放射能放出と被曝が引き起こされた。冷却機能喪失という危機的事態の中で、東京消防庁、大阪消防局、自衛隊、民間の特殊コンクリートポンプ車まで動員し、放水を続けて、核燃料の冷却を続けている状況だ。
 福島第一原発からは周囲三十キロ、第二原発から二十キロの緊急避難命令が発令された。しかし、水素爆発と、海水を注入して放出するという異常な「冷却」方法によって、放射性物質が大規模、広範囲に拡散している。海水、水道水、農産物が放射性物質によって汚染されている。きわめて深刻な事態である。政府・電力会社は、福島原発事故の情報公開を徹底化し、避難住民の生命・生活への適切な防護対策、全面的な補償を行なわなければならない。
 すべての原発が同じ危険を抱えたまま稼動しているのだ。稼働中のすべての原発を即時停止しなければならない。これまでも、原発は、被曝事故をひきおこしてきた。そして、原発は日常的に労働者に被曝を強いてきた。われわれは、被爆者とその二世・三世の仲間が先頭に立って闘いぬいてきた反戦・反核・被爆者解放運動をいっそう強めていく。全人民政治闘争として、福島原発「事故」糾弾・放射能封じ込め・避難住民救済の徹底、すべての原発の即時運転停止・廃止、上関原発建設阻止のたたかいを推進していこう。
 日帝は、すでに自衛隊十万人規模を被災地に出動させた。また、米韓合同軍事演習に向かっていた米空母ロナルド・レーガンをはじめ第七艦隊の一部が海自と一体となって、「トモダチ作戦」なる被災地支援作戦を三陸沖で展開している。被災者の生命を守るためにあらゆる手段が尽くされるべきだが、この事態を利用して、自衛隊―米軍の一体化、日米軍事同盟を強化しようとする反革命的意図は徹底的に弾劾する。反革命治安出動=侵略反革命戦争出動としてなされる軍事行動を看過してはならない。日米同盟深化の格好の宣伝扇動をなし、労働者人民の反戦反核反基地意識を解体する攻撃は、絶対に許さない。日帝の五兆円規模の軍事費、千八百億円を超える駐留米軍支援費(思いやり予算)の五年間実施、三兆円をこえる米軍再編計画の費用こそを、まずもって、大震災への救援や復興資金へと転換させなければならない。


  ●第1章 アラブ人民の解放闘争断固支持! 
            帝国主義のリビア軍事介入弾劾!


 一月にチュニジアで、二月にはエジプトで、いずれも民衆蜂起と労働者のストライキが長期独裁政権を打倒した。ジャスミン革命と呼ばれるチュニジアでの独裁政権打倒闘争の勝利は、北アフリカ・中東の全域における巨大な革命運動の発火点となった。ヨルダン・アルジェリア・モーリタニア・イエメン・リビア・バーレーン・サウジアラビアでの集会、デモに拡大し、独裁政権や王族支配体制と真っ向から対峙している。
 リビアでは四十一年に及ぶカダフィ政権に対し、民衆が独裁打倒を掲げて立ち上がった。カダフィ政権打倒を掲げる勢力はベンガジなど東部の都市を拠点として武装蜂起し、リビアは内戦状態になっている。圧倒的な軍事力を保持するカダフィ政権側は、治安部隊、国軍、傭兵部隊を総動員して、自国民に対する機銃掃射、無差別空爆を強行し、民衆殺戮を続けている。
 リビア内戦状況に対して、帝国主義各国は三月十七日、国連安保理において、リビア上空に飛行禁止空域を設定し軍事行使を容認する決議を採択させた。これを主導した米帝、英帝、仏帝は、歴史的に中東・北アフリカ諸国を植民地として支配し、自国権益圏としてきたがゆえに、軍事介入を当然のこととして論じた。
 安保理決議からわずか二日後の十九日、米帝、英帝、仏帝は、「アラブ連盟の支持」「安保理決議」を根拠にして、リビア内戦への軍事介入に踏み込んだ。米、英、仏、イタリア、カナダを中心にした多国籍軍「対リビア有志連合」が一斉にリビア攻撃を開始した。米海軍、英海軍は地中海から巡航ミサイル・トマホーク攻撃を開始し、フランスなど各国空軍は爆撃機・戦闘機による空爆を行なっている。
 帝国主義各国を中心にした多国籍軍は、リビア軍事介入の理由を「一般市民を守るため」と繰り返しているが、目的は、これまで反米の一つの拠点となってきたリビア・カダフィ政権の軍事的せん滅と石油資源の支配にある。人民の民主化闘争を本当に支援しようなどというものではない。帝国主義の中東・北アフリカ植民地支配にとって妨げとなるカダフィ政権を軍事的に排除する格好の機会と捉えたからにほかならない。
 われわれは、北アフリカ・中東の独裁打倒―民主化闘争を断固支持する。しかし、帝国主義が植民地支配の利害をあからさまにして軍事介入した上で、民主化闘争の革命的発展を押さえつけ、帝国主義の傀儡政権の成立へと闘争をねじ曲げていくことを絶対に許しはしない。軍事介入を徹底的に弾劾する。
 北アフリカ・中東人民を突き動かしているものは、第一に失業・貧困・物価高の解決を求める生活権の要求であり、第二に政治弾圧反対、言論、政党活動の自由の要求であり、第三には自国政府の親米親イスラエル政策への抗議であり、アラブ人民としてパレスチナ人民解放の要求であるだろう。これらの要求は、現在の反政府闘争を独裁政権の後ろ盾となっている米帝をはじめとする帝国主義に対する闘争へと発展させていくだろう。そして、これらの要求は決して、資本主義の枠内の改良に止まる要求ではない。貧困・格差の根拠となっている帝国主義資本のグローバルな支配と対決する力を獲得していくだろう。
 米帝をはじめとした帝国主義の中東植民地支配は、石油をはじめとするエネルギー資源を独占し、現代資本主義の経済成長の重要な基盤となってきた。しかし、アラブ人民の独裁打倒闘争、蜂起、反帝闘争への発展は、この現代帝国主義をその成立の根底から大きく揺さぶるものとなるだろう。そして、政治的には、この帝国主義の中東植民地支配の要としてのイスラエルに対する、アラブ人民総体による新たな攻勢も始まるだろう。
 われわれは、北アフリカ・中東全域で巻き起こる民主化闘争の革命的な発展と連帯し、帝国主義の軍事介入、新たな中東植民地支配への野望を打ち破るべくたたかう。東アジアにおける米軍総撤収を柱とした反基地闘争、反戦闘争こそ、帝国主義の軍事的覇権と対決するたたかいとして、国際的な反帝闘争とつながっている。
 そして、新自由主義グローバリゼーションの破綻が世界規模ではじまっていることを、われわれは、今進む北アフリカ・中東の革命運動の中から、はっきり感じ取ることができる。決起して勝利を掴みとった人々は、労働者階級・被抑圧人民が貧困と格差からの解放をかけて、奪われたものを実力で奪還するたたかいの大義をまざまざと見せている。現代帝国主義の世界支配を根底から打ち破るプロレタリア世界革命の現実性を引き寄せていくには、この北アフリカ・中東の労働者階級人民の闘争を支持し、これに連なる闘争に自らが立ち上がっていくことが不可欠である。


 ●第2章 韓米合同軍事演習弾劾! 
           米軍・自衛隊の治安出動許すな


 東北関東大震災と福島原発事故が日本のみならず、全世界の耳目を集めている中にあって、米軍は「トモダチ作戦」などと銘打って、被災者支援を日米軍事同盟強化に政治利用しようとしている。米軍は、この「トモダチ作戦」においても、沖縄・岩国を補給拠点として位置づけて、艦船や輸送機を運用している。災害支援そのものをすら、有事=「朝鮮戦争」を想定した輸送―補給の実戦訓練として展開しているということだ。
 しかし、一方において、東アジアの米軍の本隊は、計画どおり米韓合同軍事演習を大規模に実施している。
 二月二十八日から大規模米韓合同軍事演習が韓国全土で展開されている。戦時増援演習キー・リゾルブは三月十日まで、野外機動演習フォール・イーグルは四月三十日まで行われる。その演習シナリオは、昨年の「哨戒艦沈没事件や延坪島砲撃戦」のような「局地戦」を想定するとともに、核兵器やミサイル攻撃など大量殺戮兵器「無力化」訓練、さらに、ピョンヤン制圧・占領のための大規模上陸作戦、渡河訓練、市街戦訓練、加えて共和国の各施設と核兵器の奪取までを含んでいる。
 米軍一万二千八百名と韓国軍二十万人以上が参加する両演習は、「作戦計画五〇二七」「作戦計画五〇二九」に基づいて行なわれている。これは、「①核・ミサイル・生物化学兵器など大量破壊兵器の流出、②北朝鮮の政権交代、③クーデターなどの内戦、④韓国人人質事態、⑤大量住民脱出事態、⑥大規模自然災害」など六つの「急変事態」を想定し、共和国の解体と制圧にむけて軍事攻撃しようとするものである。
 これは、侵略戦争そのものである。新たな朝鮮戦争を準備し、かつ、実戦演習を突きつけて、共和国を戦争挑発するものである。
 そして、日帝―自衛隊はこの演習にオブザーバー参加する。なによりも、このような米韓合同軍事演習を可能とさせている大きな根拠は日米安保であり、沖縄をはじめとする米軍基地の存在である。沖縄、岩国、横須賀からの出撃によって、大規模米韓合同軍事演習が可能となっているのだ。米軍の朝鮮戦争作戦計画においては、在沖米軍基地、在日米軍基地からの出撃、補給などすべて一体のものとして組み込まれていることは当然だ。自衛隊の支援・参加も当然のこととして、朝鮮戦争演習は成立しているだろう。
 日帝―菅政権は、昨年の延坪島砲撃戦の直後に、韓国との間で「物品およびサービス相互提供協定(ACSA)」や「韓日情報保護包括協定(GSOMIA)」の協議を開始した。まさに、日帝は、朝鮮半島を自らの権益圏「東アジア」の重要な環として捉え、ここでの軍事作戦に対してはなんとしても参戦しようとしているのだ。日韓軍事同盟を絶対に許してはならない。
 日本の労働者人民は、「周辺事態」「日本有事」への動員として、この戦争計画に組み込まれようとしている。米韓合同軍事演習=米韓日合同軍事演習に対して、国際共同闘争をもって反対していくことは、日本人民の義務である。
 加えて許しがたいことは、日帝―菅は、延坪島砲撃戦直後に、「不測の事態に備え、万全の体勢を整えていく必要がある」との理由をつけて、朝鮮学校「無償化」適用手続きの中断を直接指示したことだ。われわれは菅直人を、そして、これに従う文科省を弾劾する! 植民地支配と侵略戦争の責任から、在日朝鮮人民の民族教育は保障されなければならない。卒業式が迫る中で、朝鮮学校「無償化」即時実現の闘いが、京都、東京等各地で行われてきた。排外主義勢力と対決し、朝鮮学校「無償化」除外を打ち破るたたかいを絶対に勝利させようではないか。


  ●第3章 反帝国際連帯を掲げ国際共同闘争の前進を

 アジア共同行動日本連は三月、第十六回総会を開催し、二〇一一年の運動方針を確定した。アジア共同行動の一一年運動方針を全面的に支持し、支援し、全国で反帝国際連帯運動を拡大させていこう。
 アジア共同行動は六月、首都圏、京都、九州・山口など各地で反戦国際連帯集会を開催する。また、クンサン(群山)と岩国の反基地交流の推進や、今年末に予定される岩国国際集会への結集を呼びかけている。フィリピンでの五月ISA(国際連帯行動)や七月ILPS(国際人民闘争同盟)総会、七月下旬の訪韓を呼びかけている。東北関東大震災の被災者支援運動や、アラブ中東・北アフリカの人民闘争支援も呼びかけている。この運動方針、呼びかけにこたえ、闘おう。
 米帝をはじめとする帝国主義は、中東植民地支配を貫徹するために、リビアへの軍事介入を強行している。帝国主義の軍事介入を徹底弾劾し、その阻止闘争に立ち上がることは、日本人民の国際的責務である。命をかけた北アフリカ・中東人民の革命運動に連帯し、日本革命の勝利に向け闘おう。
 われわれは東アジアにおいて、朝鮮戦争重圧をうちやぶる朝鮮反戦のたたかいをしっかりと推し進めていかなくてはならない。日米韓臨戦態勢を打ち破ろう。沖縄への新基地建設を絶対に阻止しよう。
 高江では現地攻防の緊張が続いている。辺野古移設反対の名護市・稲嶺市政は、再編交付金を止められたが、基地依存からの脱却と自己決定権をもってする予算編成をかちとろうとしている。防衛局の辺野古現況調査を拒否し、その不服申し立てを却下し、「基地に頼らない街づくり」「日米合意撤回」を推進している。
 米国務省日本部長メアは、沖縄人民は「ゆすりとたかりの名人」「ゴーヤもつくれない怠け者」であるとか、「普天間は危険でない」などの暴言を吐いた。沖縄では、米・日の差別軍事支配・メア発言への怒りが沸騰した。沖縄人民の徹底糾弾の前に、米帝は事態の収拾を図ろうとし、米国務次官補キャンベルが三月十日、メアを更迭した。しかし、この発言はメアの失言ではない。まさに、沖縄に対する差別・植民地支配意識の本音を吐露したものである。本当に謝罪するなら、沖縄の米軍基地をすべて撤去せよ!
 今こそ、沖縄―「本土」を貫いて沖縄解放闘争に立ち上がろう。普天間即時撤去・辺野古新基地建設粉砕・高江ヘリパッド建設阻止をたたかおう。与那国島、石垣島、宮古など沖縄への自衛隊配備増強を阻止し、新防衛大綱・米軍再編を粉砕していこう。
 5・15沖縄闘争に決起しよう!

 

 

 

 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.