共産主義者同盟(統一委員会)
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『戦旗』第1368号(2011年3月20日) 全ての原発を停止せよ! 日帝の失業・貧困・戦争攻撃打ち砕け 青年・学生は階級闘争の最先頭に起とう ■共産主義青年同盟(学生班協議会) 年頭、チュニジアからはじまった中東における民衆蜂起は、中東各地に波及した。エジプトでムバラク独裁政権が打倒されると、「エジプトに続け」とバーレン、イエメン、リビアなどで労働者民衆がデモや内戦をたたかっている。これは帝国主義と自国独裁政権に抑圧されてきたアラブ民衆の正義のたたかいであり、階級闘争の生きた歴史そのものだ。 中東民衆革命は、各国の事情に差異があるものの、長期にわたる独裁政権打倒の民主主義革命でという点で共通している。同時に、それらの独裁政権を背後で支援してきた米帝、欧州帝そしてイスラエルとのたたかいを内包した反帝国主義闘争でもある。 ●1章 青年・学生が先駆的な役割を果たした中東革命 とりわけエジプト・ムバラク独裁政権は、パレスチナ人民を殺戮し続けるイスラエル政権と結託するとともに、米帝の軍事援助を受けることによって、帝国主義の中東石油支配に加担してきた。これに刃向かうものを容赦なく弾圧してきたのがムバラク政権であり、その根幹をなすものがエジプト国軍だ。帝国主義は、自ら支援してきた政権が労働者民衆のたたかいによって打倒されたことに震撼し、石油支配が脅かされはしないか、イスラム政権が成立してしまわないかと警戒し、不安に駆られている。 ムバラク政権が崩壊した今、首都カイロでは政府機関や銀行、繊維工場などで労働者が賃上げを求めてストライキに立ち上がっている。これに対し軍は「治安や経済に大きな打撃となる」と反対声明を出している。労働者と国軍、その背後にいる帝国主義との対立は先鋭化せざるをえない。エジプト革命は、こうして反帝国主義と社会主義を内包した革命の第二段階に移行しようとしている。 われわれは、この一連の革命において青年、学生が果たした先駆的役割に注目する。中東革命の序曲となったのはチュニジアのベンアリ政権打倒闘争だが、このたたかいは昨年十二月十七日、中部都市シディブジッドの路上で物売りをしていた青年が、警察の無慈悲な取り締まりに抗議して、市役所前で焼身自殺をしたのが発端だ。青年は大学を出たものの職がなく、路上での野菜販売という不安定な仕事でかろうじて生活を維持していたという。青年に対する警察権力の仕打ちに、多くの青年が自らの姿を垣間見て、怒りをもって決起したのだ。この青年たちの先駆的決起に多くの労働者市民が合流した。青年たちはインターネットを武器に、燎原の火の如く反失業の全国闘争へとたたかいを発展させた。そして全人民的なベンアリ政権打倒闘争に至ったのである。 まさしく、青年・学生は未来を代表するがゆえに、その決起は全人民を突き動かす。われわれはチュニジア、エジプトなど中東の青年の決起を遠い世界の出来事ととらえることはできない。逆に彼ら彼女らのようなたたかいを、日本において実現するために全力で奮闘しなければならない。なぜならば、焼身決起したチュニジア青年のように、失業と貧困に苦しむ青年はどこよりもこの日本において増加・拡大しているからだ。 ●2章 多くの民衆の期待を裏切った菅政権を倒そう 民主党・菅政権に対する支持率は、二月二十日段階で20%におちこんでいる。政権としては末期状態といってよい。 何が不支持につながっているのか。無責任な「マニュフェストの見直し」。鳩山由紀夫前首相の「海兵隊は抑止力と言ったのは方便」なる軽薄な言辞。小沢一派の造反。こうした混乱の背後で、民主党政権の発足当初に掲げられていた「国民の生活が第一」というスローガンは「大企業の利益が第一」に、「対等な日米同盟」は対米追従・日米同盟最優先の路線に、それぞれとって代わった。こうして、「政権交代」にかけた多くの民衆の期待は無残にも裏切られた。 瀕死の菅政権ではあるが、あくまで「平成の開国」と称したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)締結をめざし、市場原理の徹底化をはかろうとしている。法人税減税で大企業を潤わせる一方、「社会保障の財源がない」と欺瞞をろうして消費税を大増税し、貧困層からさらに収奪することを狙っている。 いまやこの政権は、疑うことなく、一握りの大企業の代理人となった。一刻も早く打倒しなければならない。 小泉「構造改革」以降、新自由主義政策の展開によって失業・非正規雇用、社会保障制度の改悪がすすみ「格差社会」の現実が誰の目にも明らかになった。これに対する民衆の怒りを糾合しながら発足したのが民主党政権だが、少しでも人々の生活は楽になったか? そんなことはまったくない。若年失業率は公式統計でも10%に迫っている。今春卒業予定の大学生の就職内定率は68・8%(昨年十二月一日時点)で過去最低だった。民主党の公約だった労働者派遣法の「抜本改正」は棚ざらしにされており、非正社員の全労働者に占める割合は34・3%(二〇一〇年平均)で過去最大となっている。 こうした雇用状況のもとで、学生には「就活」競争がギリギリと迫られている。「大学の就職予備校化」が進み、入学当初から「資格をとれ」と新入生を煽る大学もある。一方で高い学費が重くのしかかり、アルバイトと資格取得のための勉強によって多くの学生が追い詰められている。奨学金でようやく大学を卒業しても、安定した仕事に就けない学生は「借金地獄」に陥っている。学生をとりまく状況は厳しくなる一方だが、サークル活動や学生自治活動など学生の団結形態は文科省・大学当局によって制限されている。その結果、多くの学生が分断され孤立化し、人知れず悩みを抱え込んでいるのが現状なのだ。 こうした青年、学生をとりまく現実は、一時的な「不況」のせいでもなければ、個人の努力が不足した結果の「自己責任」でも断じてない。世界を覆う新自由主義グローバリゼーションの進行によって、企業が「国際競争力」を強めるために「雇用の流動化」を進める一方、政府は教育予算や社会福祉予算を削減するという具体的な政策によって人為的に作り出されてきたものなのである。実際、これは世界的に共通する現象だ。中東革命の発火点は失業青年の怒りにあったことはすでに述べたが、ヨーロッパ諸国でも学費値上げや不安定雇用、社会福祉の削減に対して青年学生がデモやストなど実力闘争に立ち上がっている。 昨年十二月、イギリスで教育関連の予算削減法案に反対する実力闘争が燃え上がった。学費が二年後から三倍に値上げされることに対して、「低所得の人は大学に入学すらできなくなる」と国会前に三万人が結集した。その過程でチャールズ皇太子の乗った車両にも怒りが集中した。あるいは、フランスで年金改革に抗議して昨年十月、高校生や大学生を先頭に三百万人規模のデモがたたかわれたことは記憶に新しい。このようなたたかいを日本でも実現しなければならない。資本主義の矛盾を若者になすりつける民主党政権、大企業とたたかうことは当たり前の権利なのだ。 一方で菅政権は、日本とアジアの民衆を戦争に叩き込む軍拡の道を突進している。昨年末に閣議決定された新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」は、日米同盟の強化を基軸に、自衛隊のあり方を根本から変えようとしている。それは、これまでの自衛隊の位置づけである「基盤的防衛力」という構想を破棄し、「動的防衛力」構想を導入したことに明らかだ。大綱は言う。「即応性、機動性や柔軟性などを備え軍事水準技術の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた動的防衛力を構築する」。要するに相手の軍事力の動向に合わせて軍拡をしていく、と宣言しているに等しい。中国や朝鮮民主主義人民共和国を仮想敵国とし、米帝と軍事演習を繰り返している自衛隊は、こうして「中国や北朝鮮の脅威」を口実に、無制限の軍拡と戦争挑発をおこなおうとしているのだ。 昨年、海上保安庁による中国漁船の拿捕(だほ)に端を発した領土問題を利用して、「日本の領土を守れ」と中国への排外主義を煽動することによって沖縄への自衛隊配備・増強を強行しようとしているのだ。 さらには、自衛隊の海外派兵の恒常的強化がめざされている。陸上自衛隊の特殊部隊である「中央即応集団」を、いつでも海外展開可能な部隊として増強しようとしている。PKO法の改悪によって武器使用基準を緩和し、米帝とともにアフガニスタン「対テロ」戦争への参戦を狙っているのだ。 まさに自民党でも容易にはできなかった軍拡を狙うとともに、「日米同盟はアジア太平洋地域の公共財」などとうたって、沖縄の辺野古新基地建設をはじめとする米軍再編を強行しようとしているのが菅政権の危険な本質なのである。 ●3章 今春、反戦・反基地闘争に全力決起しよう 今春、すべての学友に訴えたいことは何よりも反戦・反基地闘争への決起である。 沖縄民衆は、辺野古新基地建設や高江ヘリパッド建設を阻止する実力闘争に立ち上がっている。この沖縄の怒りに応え、今春、5・15沖縄現地闘争を焦点とする沖縄解放闘争に決起しよう。 基地の県外移設を「公約」として掲げ登場した鳩山政権が、徳之島案を出すなど右往左往したあげく、「海兵隊は抑止力として沖縄に必要」なる結論を出し、沖縄の怒りに包まれ崩壊したのが昨年六月四日だった。それに先立つ四月二十五日には、読谷村運動広場で「普天間飛行場の県内移設に反対し、国外・県外への移設を求める県民大会」が九万人の結集で開かれ、鳩山政権に強い抗議を突きつけていたのである。まさに島ぐるみ闘争となった沖縄民衆のたたかいは、九月、辺野古新基地建設の現場である名護の市議選で「基地反対派」の圧勝へのぼりつめ、十一月の県知事選は新基地反対派の伊波氏が惜しくも敗北したものの、当選した仲井真氏も「県外移設」といわざるをえない状況である。 こうした状況に苛立った米国防長官ゲーツは二月、「(辺野古の代替施設について)今春末ごろには決めたい」と日本政府を恫喝した。米帝の圧力を受けて菅首相は「沖縄のみなさんに理解を求めていく」とあくまで辺野古移設を認めさせるため、振興策などの懐柔策と、なりふりかまわぬ圧力をかけようとしている。絶対に許してはならない。 沖縄北部の東村高江では、ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設工事がついに始まった。地元住民は体を張って阻止闘争をたたかっている。現場では防衛局が地元の若者を作業員として雇い、阻止行動をする住民を暴力的に排除し作業を強行した。その攻防で負傷者も出ている。防衛局は、ノグチゲラが営巣する三月から六月は、重機を使うなど騒音を伴う作業は控える方針だというが、まったく油断できない。現地攻防への決起をはじめ、あらゆる支援をおこなっていく必要がある。 「安保のために沖縄は犠牲になれ」と言っているに等しい日本政府、あるいは基地問題に無関心な「本土」の人々に対し、沖縄民衆は心底怒り、不信感を持っている。この怒りにどう応えるのか。「これ以上、沖縄を犠牲にするな」というたたかいを今こそ「本土」から巻き起こすべきだ。その先頭に学生が立とう。 5・15沖縄現地闘争に全国の学友は総決起し、沖縄―「本土」をつらぬく基地撤去・安保粉砕、沖縄解放のたたかいをともに前進させよう。 そしてふたつに、朝鮮戦争絶対阻止の国際反戦闘争に立ち上がることである。 昨年十一月の朝鮮民主主義人民共和国による延坪島砲撃によって、朝鮮戦争が休戦して以来、はじめて民間人の死傷者が発生した。この事態に対し政府やマスコミは「北朝鮮の暴走」と一面的に描き出したが、そもそも砲撃事件の起きた西海は休戦ラインが未確定の紛争地帯であり、そこで米韓軍事演習が行われることに対して共和国側は再三にわたり抗議していた。この悲劇の本質は、対北敵視政策をとり、挑発的な軍事演習を繰り返す李明博政権とそれを支える日米帝国主義の東アジア政策にある。実際、二月末からはまたしても米韓両軍は米軍の朝鮮半島侵略演習「キー・リゾルブ」や野外機動演習「フォール・イーグル」を実施している。これらの訓練は「北朝鮮の非常事態を想定」しているというが、主権侵害も甚だしい侵略訓練にほかならない。共和国と米韓側のどちらが戦争挑発者か明らかではないか。 朝鮮戦争再開を阻止するために、軍事演習・戦争挑発を阻止しよう。日本において、朝鮮半島に最も近い米軍基地は岩国基地だ。岩国基地の強大化を阻止し、戦争をとめよう。韓国、フィリピン、台湾のたたかう人民と連帯し、アジアから米軍総撤収をたたかいとろう。 ●4章 学生はキムに結集し、「階級闘争の先鋒隊」へ 日本において反戦闘争、菅政権打倒闘争を飛躍させていくために、われわれはすべての学友に対し、以下の三点を訴えたい。 第一に、今春の反戦・反基地闘争を「戦争・差別・貧困とたたかう学生グループ・あすじゃ」に結集する仲間とともに推進し、あすじゃの組織的飛躍をかちとるために奮闘することだ。 あすじゃは昨年、大きな運動的成果をかちとっている。ひとつには、沖縄・岩国の住民としっかりと結合した反基地闘争を担い、そこへ多くの学生の組織化をかちとってきた。ふたつに、韓国やフィリピンなどアジアの学生たちとの連帯を強め、日本学生運動の中に国際主義を刻印してきた。とりわけ駐韓米軍反対運動や、在日の自主平和統一運動を担う韓国人・朝鮮人の仲間たちとの連帯を前進させてきた。みっつに、帝国主義軍隊が不可避にもたらす性暴力とたたかい、「基地がある限り性暴力はなくならない」「加害者が処罰されなければ、被害は繰り返される」を確信にして、女性解放の内実をもって反基地闘争をすすめてきた。そしてよっつに、反戦反核を掲げ、被爆者・被爆二世三世と連帯し、8・6広島現地行動を大衆的に実現してきた。あすじゃは、こうした反戦運動とキャンパスにおける自治活動、サークル活動を結合させ、分断され孤立化した学生を団結させていくために奮闘してきた。 こうしたあすじゃ運動の地平をわれわれは断固支持する。多くの学生をあすじゃ運動へ組織していこう。そこにこそ、低迷する日本学生運動を突破する道筋がある。 第二に訴えたいことは、「反戦の砦」三里塚を支える現地行動隊への決起だ。昨年、三里塚では、団結街道廃止・第三誘導路建設の悪辣な攻撃に対して、反対同盟の市東孝雄さんが実力決起した。「羽田国際化」で追い詰められた空港会社は、市東さんの農地や現闘本部の強奪を狙っている。まさに国策として、カネと暴力でもって農民をたたき出し、空港を建設してきたやり方はまったく変わっていない。国家権力との攻防を一歩も退かずにたたかいぬく反対同盟に連帯しよう。日々の営農を支援し、農地強奪阻止の実力闘争をたたかおう。現地行動隊への決起を全国の学友に呼びかける。 そして最後にわれわれは、わが共産主義青年同盟(学生班協議会)=キムへの結集を、階級闘争にたちあがっているすべての学友に訴えたい。 いま菅政権に多くの青年学生は幻滅している。「政権交代」しても意味がない、政治には何も期待できない、と。それはある意味で正しい。資本主義そのものにメスを入れることのない「政権交代」によっては、結局のところ財界、官僚、大メディアといった支配層に取り込まれ、社会民主主義的な要求すら歪められるだけだからだ。経済問題だけではない。沖縄の普天間基地問題にせよ、米帝の恫喝や防衛・外務官僚のサボタージュによって、民主党政権は結局「辺野古」に回帰したではないか。 ではこのままわれわれは黙って大企業に搾取され競争させられ、戦争に加担されなければならないのか。断じてそうではない。中東の青年やヨーロッパの学生、あるいは韓国やフィリピンで自国政権とたたかいぬく若者たちのように、下からの大衆運動の力、団結した民衆の闘争によってこそ、社会は根本から変わる。資本主義を徹底批判し、戦争と格差のない社会をめざすすべての人々とともにたたかおう。とりわけ職場で苦闘している労働者や、差別され抑圧されている人々としっかりとスクラムを組んでたたかうなかに、資本主義に代わる新たな協同社会の萌芽が形成される。 新入生のみなさん、たたかう学友諸君!ともにキムに結集し、「階級闘争の先鋒隊」として日本革命にまい進しよう! |
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