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『戦旗』第1365号(2011年2月5日)



 日帝―菅政権打倒! プロレタリア革命の前進かちとろう

 共産同政治集会に結集を

 沖縄・高江ヘリパッド工事強行弾劾!

 エジプト人民の反独裁民主化闘争断固支持





 一月十四日の内閣改造によって、菅政権の反動的・反人民的な性格はますます鮮明なものとなった。消費税増税派、TPP推進派によって固められた内閣には、民主党政権発足当時の「国民生活第一」のスローガンなどもはや見る影もない。全国のたたかう労働者・学生は、日帝ブルジョアジーの利害を代表し、新自由主義政策と大衆収奪を推進しようとする日帝―菅政権の打倒に向けて全力で立ち上がろう。
 日帝―菅政権はまた、緊迫する朝鮮半島情勢のなかで、米帝や韓国との軍事的連携を強化し、朝鮮戦争を具体的に想定した臨戦態勢を強化している。同時に、沖縄・高江におけるヘリパッド工事の再開など、米軍再編・基地強化の攻撃を強めている。こうした攻撃を絶対に許してはならない。沖縄―「本土」を貫くたたかいによって米軍再編・基地強化を粉砕しよう。緊迫する情勢のなかで強まる民族排外主義を打ち破り、朝鮮戦争を阻止する国際反戦闘争に決起しよう。
 この二月、反戦・反基地闘争を全力で推進するとともに、「11春闘」の勝利に向けた闘争を組織し、階級的労働運動を前進させていくことが全国のたたかう労働者の重大な任務だ。菅政権の反労働者政策に対する現場からの反撃を組織し、深まる失業と貧困、抑圧と生存権破壊を許さず、職場・地域でのたたかいの勝利を積み重ね、階級的労働運動の前進をかちとっていこう。
 これらのたたかいの成果を共産同政治集会の成功へと結び付けていこう。全国のたたかう労働者・学生は、共産同(統一委員会)とともにたたかいの最前線に立とう。


 ●第1章 朝鮮戦争阻止! 国際反戦闘争を闘おう

 昨年十一月の延坪島をめぐる南北砲撃戦は、朝鮮戦争がいまだ終結していないことをあらためて示した。そのなかで米国、日本、韓国の政府は、相互の軍事的連携・軍事的協力体制の強化をめざし、朝鮮戦争の再開をも具体的に想定した臨戦態勢を強めている。いまや民族排外主義を打ち破り、朝鮮戦争を阻止する国際反戦闘争に決起することは、日本の労働者人民の重大な国際主義的任務となっている。
 今年に入ってから、日米韓の閣僚間の会合が相次いでいる。一月六日には前原外相が訪米しクリントン米国務長官と会談し、続く一月十日には北澤防衛相が日本の防衛大臣として六年ぶりに訪韓し、日韓防衛相会合を行った。また、中国、日本、韓国への歴訪の一環として、一月十三日にはゲーツ米国防長官が来日し、菅首相、北澤防衛相、前原外相との会談を行った。さらに、一月十五日には前原外相が訪韓し、日韓外相会談を行った。これらの会合を通して、日米・日韓の軍事協力が飛躍的に強められていこうとしている。
 日米の軍事同盟関係においては、前原訪米の際に、在日米軍再編と辺野古新基地建設の推進を確認した「5・28日米共同声明」の履行を前提としつつ、二〇〇五年に策定した日米の「共通の戦略目標の見直し・再確認の作業を進めていくこと、我が国の防衛や周辺地域における事態でのより円滑な日米協力のための協議を更に加速させていくこと等で一致」(外務省)した。つまり、朝鮮戦争など「周辺事態」を具体的に見据え、米軍と自衛隊の軍事的協力体制の更なる強化を図っていこうとしているのだ。日米政府はその作業を踏まえ、今春に予定される菅首相の訪米―日米首脳会談において、「新日米安保共同宣言」を打ち出そうとしている。
 またこれと連動して北澤防衛相は、ゲーツ米国防長官の来日に先立つ十二日、東京都内での講演において、朝鮮戦争を想定しつつ「万一事態が悪化した際に備えることも政府の大きな責務だ。米国を支援するため、周辺事態法を含め、効果的な制度面での検討を始めることがわが国の安全保障上の喫緊の課題だ」と語り、周辺事態法の改悪にも言及している。朝鮮戦争を想定した日米軍事同盟の強化を許してはならない。
 同時に、菅政権はこの間の朝鮮半島情勢を奇貨として、日韓の軍事協力を急速に進めようとしている。先の日韓防衛相会談においては、自衛隊と韓国軍の部品や食料、輸送作業などを相互に融通する「物品役務相互提供協定」(ACSA)の締結に向けた協議に入ることで合意した。また、「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)の締結に向けた正式協議、日韓の防衛相、次官級の相互訪問の定例化も確認した。
 日本政府によれば、韓国とのACSAの適用範囲については、国連平和維持活動(PKO)、人道支援活動、災害復旧活動など「平時」の範囲にとどめるとしている。しかし日米間のACSAにおいても、当初は「平時」のみに適用とされ、それがその後「有事」にまで拡大・改悪されてきたことが示すように、それは「平時」における協力にとどまるものではない。そもそも、朝鮮戦争の再開を具体的に想定し、それに対応していくものとしてこの日韓ACSAの締結が浮上してきているのだ。このような、日韓間での朝鮮戦争を想定した協定、そのための協議そのものを絶対に許してはならない。日韓ACSAの締結を絶対に阻止し、日韓軍事同盟の策謀を粉砕しよう。
 日米・日韓の軍事同盟・軍事協力体制の構築を粉砕し、朝鮮侵略戦争策動を阻止するたたかいにおいて、民族排外主義との闘争は決定的な意義をもっている。この間の緊迫する朝鮮半島情勢やいわゆる「尖閣諸島問題」を捉えて、排外主義勢力の活動が活発化している。激化する民族排外主義を打ち破り、断固として反戦闘争をたたかおう。
 こうした民間の排外主義勢力の動きは、菅政権の姿勢によって支えられ助長されている。菅政権は共和国による延坪島への砲撃を理由にして、朝鮮学校への「高校無償化」制度の適用を凍結した。またこれと連動して東京都の石原都知事は、朝鮮学校への補助金の支出を中止した。これらの排外主義策動を絶対に許してはならない。朝鮮戦争の再開を許さない反戦闘争と一体のものとして、在日朝鮮人民をはじめとする広範な人々と連帯し、朝鮮学校への攻撃を許さず、「高校無償化」制度の適用をかちとろう。


 ●第2章 高江ヘリパッド着工攻撃弾劾を許すな

 この間沖縄・東村高江での米軍ヘリパッド建設策動をめぐる情勢が緊迫してきている。昨年末の十二月二十二日、沖縄防衛局はヘリパッドの工事を突如再開し、ヘリパッドの建設予定地への進入路二箇所に仮設フェンスを設置し、重機や資材を運び入れた。座り込みを続ける住民がいない早朝に百人もの沖縄防衛局の職員が押しかけて、抜き打ち的に作業を開始するという卑劣な手段によるものだ。
 高江における米軍ヘリパッド建設とその阻止闘争をめぐっては、日本政府が高江の住民を相手として、通行妨害禁止の訴訟をおこしていた。これ自体は不当で許しがたいものだが、この裁判に関して、工事再開に先立つ十二月一日には那覇地裁が政府側に対して住民らとの対話を促していた。しかし、政府・防衛省はそれを一切無視し、工事再開の暴挙に出たのだ。
 さらに工事再開の翌日十二月二十三日の夜八時ごろ、米軍のヘリコプターのホバリングによって、座り込みのテントが破壊されるという事件が発生した。米海兵隊に所属すると見られるヘリがテントの上空わずか十五メートルのところで一分間ホバリングをおこない、そのためにテントの骨が折られ、看板が吹き飛ばされた。幸い怪我人はでなかったが、危険きわまりないものであり、到底許すことはできない。
 なぜ民間地の上空でホバリングをおこなったのか、何のためのどのような訓練だったのか、操縦者は誰だったのかなど、この事件の真相究明がまったく進まないなかで、沖縄防衛局はさらに一月十一日にも再度工事を強行し、その後も工事を続けている。
 この高江をめぐる事態は、沖縄人民、沖縄の反基地闘争に敵対する菅政権の態度を赤裸々に示すものである。「沖縄の負担軽減」などと口先では言いつつも、実際にはなりふりかまわぬ姿勢で基地の強化に突き進んでいるのだ。高江の住民はいま、二十四時間の監視体制をとり、政府・沖縄防衛局の攻撃と真っ向から対峙している。在沖米軍基地の強化を許さず、高江ヘリパッド建設阻止、辺野古新基地建設阻止のたたかいを全国でさらに強化し、沖縄―「本土」を貫いたたたかいで、米軍と防衛省の暴挙を打ち破っていこうではないか。
 われわれはさらに、菅政権による自衛隊の沖縄配備の強化を阻止するために立ち上がっていかなくてはならない。菅政権は、「尖閣防衛」を掲げて、昨年十二月初旬に日米共同統合演習を強行してきた。そして、この軍事的緊張状況を最大限利用して、沖縄への自衛隊配備の一大強化をなそうとしている。
 昨年十二月十七日に閣議決定された新たな「防衛計画の大綱」および「中期防衛力整備計画」(中期防)においては、現在沖縄本島に配置されている陸上自衛隊二千人に加えて、南西諸島に新たに最大二千人を配置すること、与那国島を想定しつつ南西諸島の離島に陸上自衛隊の沿岸監視部隊約百名を配置することを打ち出した。宮古島・石垣島を念頭に実戦部隊を新設する方針も盛り込んだ。また、海自では潜水艦を十六隻から二十二隻に、航空自衛隊の那覇基地では現在の一個飛行隊から二個飛行隊に増強し、一個航空団を新設するというのだ。
 菅政権は米軍基地の新設・強化と自衛隊配備の一大強化によって、沖縄への重圧をますます強めていこうとしている。これを許さず、沖縄人民とともに、普天間基地即時無条件撤去―辺野古・高江新基地建設阻止、自衛隊の沖縄配備強化粉砕を断固たたかおう。


 ●第3章 反失業、反貧困かかげ、11春闘を闘いぬこう

 緊迫する情勢のなかで反戦闘争・反基地闘争を推進するとともに、貧困と失業、生活破壊に抗するたたかいと団結を強化し、「11春闘」の勝利に向けてたたかっていこう。
 労働者人民をめぐる状況は依然として厳しい。失業率が5%を超える状況が継続しており、若年失業率は公式統計でも10%に迫っている。今春卒業予定の大学生の就職内定率は68・8%(昨年十二月一日時点)と過去最低となった。
 こうしたなかで菅政権の反労働者的性格がますます鮮明になっている。政府のてこ入れで経営再建を進める日本航空は、昨年末の十二月三十一日に百六十五名の整理解雇を強行した。法人税の減税の一方で、労働者人民に対しては消費税増税によって大衆収奪をおし進めようとしている。労働者派遣法の「抜本改正」はまったく棚ざらしにされたままだ。
 反労働者的政策を進める菅政権と総対決し、11春闘をたたかっていこう。菅政権の政策はなにひとつ労働者の利益とはならない。大増税策動を阻止しよう。派遣労働自体をなくすことを展望しつつ、労働者派遣法の「抜本改正」の実現に向けてたたかっていこう。
 全労協など左派労働運動の11けんり春闘は、全職場でスト権を確立し、「大幅賃上げをかちとり、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を!」を掲げている。これに断固勝利しよう。
 11けんり春闘において、膨大な「内部留保」をかかえながら、更なる賃下げをもくろむ資本に対して大幅賃上げをかちとらなければならない。独占資本の利益を労働者のためにはき出させなければならない。
 これとともに、最低賃金の引き上げ、公契約条例、均等待遇等のたたかいを前進させ、中小・零細、非正規の労働者の労働条件を前進させていかねばならない。このなかで中小・零細、非正規の労働者の組織化と連帯を全国・各地で拡大していこう。
 そしてこのたたかいのなかで、雇用問題の重大な局面にある国鉄闘争をはじめとした、すべての争議に勝利し、階級的労働運動の反撃を拡大していくことである。
 同時に、労働者反戦闘争のさらなる前進を勝ち取っていこう。侵略戦争策動の強まりと基地強化の策動のなかで、反戦闘争・反基地闘争に立ち上がっていくことは労働運動にとっての不可欠の課題だ。この間、普天間基地即時撤去、辺野古新基地建設阻止のたたかいをはじめとして、沖縄・岩国・神奈川で多くの労働組合・労働者がたたかいに決起してきた。また、昨年十二月の岩国・労働者反戦交流集会は、新たな参加を得つつ、現地住民のたたかいと結合し、全国からたたかう労働者が結集して成功をかちとった。こうした地平をさらに前進させ、労働者―労働組合が主体となった反戦闘争、反基地闘争を全国・各地で前進させていこう。
 全国のたたかう仲間のみなさん、危機のなかで労働者人民への攻撃を強める日帝―菅政権と総対決し、たたかいの前進を切り拓いていこう。われわれ共産同(統一委員会)はこの二、三月、首都圏、関西、九州・山口の各地で同盟政治集会を開催し、二〇一一年のたたかいの方針を明らかにする。たたかう労働者・学生がぜひとも同盟政治集会に結集し、全国でたたかいの前進を共に担っていくことを呼びかける。




 

 

 

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