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『戦旗』第1357号(2010年9月20日)



 名護市議選圧勝から、さらに11月知事選の勝利へ

 第3誘導路粉砕10・10三里塚へ

 ソウルG20―横浜APEC粉砕に総決起しよう

 「高校無償化」からの朝鮮学校排除を許すな





 日帝―政府は、辺野古新基地建設に関して、二つの案を併記して配置や工法について日米専門家協議の報告書を公表した。沖縄人民の新基地建設反対の声を踏みにじり、あくまで辺野古へ新基地建設をおこなおうとしているのである。絶対に許すことはできない。九月名護市議選―十一月沖縄知事選は、新基地建設阻止、米軍基地撤去の重要な闘いである。全国から基地反対派を支持し闘おう。
 そして今秋、われわれは反戦・反グローバリゼーションの連続した闘いに断固立ち上がる。十月三里塚全国集会、十一月ソウルG20―横浜APEC闘争、十二月岩国反戦国際連帯集会を日帝―国家権力の弾圧を許さず、闘い抜こう!


 ●第1章 辺野古新基地建設阻止! 菅民主党政権打倒しよう

 「米軍再編の見直し」を公約として掲げながら誕生した民主党政権の前首相鳩山と菅政権が強行しようとしてきた新基地の位置・工法の八月決定は、名護市民―沖縄人民の怒りによって粉砕されている。五月に打ち出された日米共同声明において、「代替の施設の位置、配置及び工法に関する専門家による検討を速やかに(いかなる場合でも二〇一〇年八月末日までに)完了させ」ることが日米両政府の間で確認されている。しかし、工法においては、アメリカの主張するこれまでのV字の滑走路・A案と、日本政府が主張しているI字=一本の滑走路のB案の二つの案を併記せざるを得ない状況である。アメリカの主張するA案では、米側が垂直離着陸機MV22オスプレイの配備を理由に、これまでよりさらに陸上に接近する飛行ルートを求めており、住民へのさらなる被害が拡大していくことになる。米側は日本政府の飛行経路の説明を誤りと主張している。またB案においても地元住民の上空を飛行することになる。そして防衛相北澤は辺野古新基地に自衛隊をおき、日米共同運用を検討していることまで明らかにした。沖縄人民への抑圧を強める新基地建設を絶対に許してはならない。
 新基地建設における位置・工法の八月末までの決定は事実上頓挫し、菅政権は十一月の沖縄知事選の結果がでるまで移設決定の結論を先延ばししようとしている。
 最終的な結論は両政府の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で決めるとしている。閣議決定をもって最終決定とするそのこと自体粉砕されなければならないが、その開催のめどさえ立っていない。
 普天間基地撤去、新基地建設反対の沖縄人民の意思は明らかである。それにもかかわらず鳩山も菅も、沖縄を犠牲にして日米軍事同盟強化に突き進もうとしてきた。菅政権は政権発足当初から鳩山政権が迷走の末に打ち出した日米共同宣言―辺野古新基地建設を継承することを宣言し、米大統領オバマと「日米同盟の深化」を確認しあったのである。沖縄人民、名護・辺野古住民の基地撤去の意思を踏みにじり、基地建設を強行する菅政権を絶対に許すことはできない。基地建設強行の現場から、この攻撃を打ち破っていこう。
 辺野古・キャンプシュワブでは二〇〇六年に日米が合意したロードマップに従い、下士官宿舎等の建設が着々と押し進められている。また八月十七日には、国土交通省・大臣の前原と辺野古新基地建設を推進する島袋前名護市長や地元区長らとの密会が報じられている。
 菅政権は「日本外交の基軸は日米関係」と位置付けており、日米安保を強化し何としてでも日米共同宣言通り、辺野古への新基地建設を強行しようとしているのである。菅政権の押し進める米軍再編―新基地建設を、沖縄人民と連帯し粉砕していかなくてはならない。沖縄人民の反基地闘争と連帯し、共に闘おう。
 また高江ヘリパッド建設を許してはならない。那覇防衛局はヘリパッド建設に反対する高江住民十四人に対して、通行妨害禁止の仮処分を那覇地裁に求めていた。これに対して二〇〇九年十二月那覇地裁は二人に対して通行妨害禁止を命じる決定を下した。しかし住民側はこれを拒否。那覇地裁は、沖縄防衛局に対して提訴するように命令した。今年一月政府―沖縄防衛局は、ヘリパッド建設に反対するための座り込みを行っていた住民二人に対して通行妨害禁止を求める訴訟を那覇地裁に起こした。司法を使っての運動潰しに高江住民は「許しがたい住民弾圧」であると抗議声明を発表した。この裁判の中で、高江住民は「ヘリパッドは本来、工事の前に環境アセスを行うべき施設だ」と政府のヘリパッド建設強行を批判した。裁判所は九月に裁判官が実際に現地を視察する現地進行協議を行う予定である。米軍再編を公約に掲げて成立した民主党政権下においても、自民党政権と何一つ変わらない住民への弾圧が続いている。沖縄―「本土」を貫いて、普天間基地即時無条件撤去―辺野古新基地建設阻止、高江ヘリパッド建設阻止の闘いを沖縄人民の闘いに連帯して闘い抜こう。
 そして九月名護市議選に続き、十一月沖縄知事選は、沖縄反基地闘争の命運を決する闘いになる。全国から基地反対の候補、伊波洋一を支援しよう。


 ●第2章 三里塚第三誘導路建設阻止! 10・10全国集会に結集せよ

 反対同盟は政府による空港建設が突如として打ち出されて以来四十四年間一歩も退くことなく政府―国家権力と敢然と闘いぬいてきている。そして今反対同盟はまさに臨戦態勢で闘いを推し進めているのである。成田空港会社は、第三誘導路建設をもって、市東さんへの営農破壊・生活破壊を極限的に進めようとしている。このような卑劣極まりない策動を絶対に許してはならない。
 今年十月の羽田第四滑走路供用開始―羽田国際化、日本航空の経営破綻という状況の 中で、成田の国際空港としての位置は大きく減退している。
 昨年十月、国交省大臣前原は羽田のハブ化を打ち出した。これまでの内際分離を取り払い、羽田の国際化に大きく踏み込んだのである。東アジアにおいては二〇〇一年に開港した韓国・仁川空港が四千メートル級の滑走路を持ち二十四時間体制で運用されている。仁川空港は四本目の滑走路も予定され、さらには五本目の滑走路も建設できるようになっている。この仁川空港が日本の地方空港から国際線への乗り継ぎの拠点の一つとなっていたのである。政府はこれを危機として、羽田の国際化―ハブ化を打ち出したのである。羽田の四本目の滑走路の完成によって、昼間の発着枠が現在の年約三十万回から約三十三万回に増え、増加した三万回は国際線に割り振られる。さらに深夜早朝の国際線枠も三万回新設する。三年後には発着枠を年四十万七千回まで増やし、そのうち国際線を九万回まで増やす計画である。都心から遠く、夜間発着することのできない成田はアジアのハブ空港とはなりえず、決定的にその地位は低下していかざるを得ない。
 このように追いつめられたがゆえに、成田空港会社は新たな攻撃をかけてきているのだ。
 成田市は今年三月、市東孝雄さんが自宅と農地を結ぶ生活道路として使用していた団結街道(成田市道十余三―天神峰線)を廃道とする法案を可決させ、空港会社へと売り渡した。自宅と農地を行き来する生活道路を閉鎖し、今までの三倍もの距離を迂回させようとするこの策動は、自宅と農地を分断し、自宅そのものをも空港の中へと囲い込み、生活と営農を妨害、破壊し、強奪しようとするものである。断じて許すことはできない。
 五月には空港会社は、まだ市道である団結街道に「通行止め」の看板を設置し、これに抗議した市東さんを逮捕するという暴挙を行った。六月二十八日には、人目に付かぬ午前三時に、機動隊・ガードマンを動員して団結街道の封鎖を強行したのである。さらには七月二十六日、団結街道を閉鎖し、営農・生活道路を奪った上、市東さんの畑を鉄板フェンスで囲いこむという許しがたい暴挙を行ったのである。しかも市東さんをはじめ反対同盟が、空港会社が市東さんの耕作する畑の一部を一方的に「不法耕作」として提訴してきた裁判に出ている隙におこなったのである。悪辣極まりない空港会社の営農破壊・生活破壊、農地強奪攻撃を絶対に許すことはできない。反対同盟は逮捕をも恐れず、体を張って闘いぬいている。なりふり構わぬ空港会社の攻撃を、反対同盟とともに実力闘争で打ち破ろうではないか。反対同盟を断固支え抜き、暫定滑走路閉鎖―軍事空港閉鎖を闘い抜こう。
 そして現在行われている、裁判闘争に対する支援を強化しよう。
 天神峰現闘本部強奪裁判(控訴審)、市東さんの農地強奪を狙う裁判など、空港会社は訴訟の形式をとって農地強奪攻撃を進めてきている。
 現地攻防とともに、裁判闘争支援を強化しよう。


 ●第3章 ソウルG20―横浜APEC反対闘争に起とう

 十一月ソウルで二十カ国・地域の首脳会合―サミット・G20が、続いてアジア太平洋経済協力会議(APEC)が横浜で行われようとしている。新自由主義―グローバリゼーションの拡大は、「第三世界」諸国の労働者人民をはじめ、帝国主義足下の労働者人民からの搾取、収奪をも強め、さらなる貧困と無権利状態へとたたきこんでいくのである。横浜APECではアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)が構想され、「テロ対策」などの軍事的覇権を含み、日米帝国主義と中国がこのアジア太平洋地域における権益をめぐる主導権を争う場となる。これらは労働者階級人民の利害と真っ向から対立するものである。
 今、全世界で反戦・反グローバリゼーションの闘いが前進している。六月にカナダで行われたG20首脳会議に対しても反戦・反グローバリゼーションの闘いがたたきつけられた。この間さまざまな反人民的首脳閣僚会合に対して、戦争と投資や貿易の自由化が押し進められたことによってますます生命が脅かされ、貧困化する人民の怒りが爆発している。
 こうした国際的な反戦・反グローバリゼーションの闘いの前進の前に、人民の闘いを封じ込めるために、各国政府による予防弾圧がおこなわれている。アジア共同行動日本連絡会議(AWC)の仲間が韓国政府から入国拒否されるなど、不当弾圧がおこなわれている。また韓国では、全国二十二の空港と港湾に「外国人指紋確認システム」を導入して、G20に反対する民衆を入国拒否し、反対の声を押しつぶそうとしている。横浜APECに対して日本政府は、〇八年洞爺湖サミットを上回る警備体制を準備しつつある。権力による弾圧を許さず、反戦・反グローバリゼーションの闘いを前進させようではないか。
 十一月ソウルG20―横浜APEC反対の闘いを国際共同闘争として大衆的に推進していこう。アジア共同行動(AWC)日本連絡会議は、アジア太平洋地域の反帝勢力による国際共同闘争として、ソウルG20―横浜APECに反対する連続闘争を呼びかけている。今秋期の反帝国際共同闘争の最大の闘いとして全国から決起していこう。
 また日帝―政府は九月、十一月に日米首脳会談を設定し、軍事同盟強化を進めようとしている。
 横浜APECそのものと同時に、日米首脳会談―日米同盟強化を断固粉砕しよう。

 ▼12月岩国行動を成功させよう

 十二月五日、岩国国際集会「岩国の闘いを応援しよう~岩国基地大強化を許さない!アジア米軍総撤収!岩国国際集会二〇一〇」がアジア共同行動日本連絡会議によって呼びかけられている。全国から労働者人民の反基地闘争への決起を勝ち取ろう。7・30岩国連帯・関西学習交流集会をうけ、二〇一〇年岩国労働者反戦交流集会を準備していこう。
 岩国基地では五月、沖合に建設された新滑走路の運用が開始された。岩国基地の大強化を許してはならない。また八月二十一日には、米軍住宅建設に反対する愛宕山住民の座り込みが開始されている。陸・海・空・テーブルの四つの裁判闘争とともに、座り込みの闘いが開始され、実力行動で闘いぬく決意を固めている。岩国市民の闘い、愛宕山住民の闘いに支援、連帯したたかおう。沖縄・岩国・神奈川そして韓国の反基地闘争と連帯し、十二月岩国国際集会に決起しよう。

 ▼朝鮮学校の「高校無償化」排除粉砕

 5・30関西集会、また、東京における7・22「朝鮮学校も無償化に!下町集会」など、排外主義と対決する大衆的な闘いが、全国で前進している。
 朝鮮学校の「高校無償化」排除反対、排外主義襲撃集団解体の闘いをさらに大きく進めていこう。
 文科相が五月に設置した教育専門家の検討会議は八月三十一日、朝鮮学校の課程が高校の課程に類するかどうかの報告書を公表した。専門家の基準案は、専修学校に求められる授業時間数や教員の数、校舎の面積などの条件に準じるもので、教材や教育の内容については問わないとしている。この案に基づけば、全国に十校ある朝鮮学校はすべて対象となる。文科省では、当初八月中にこの専門家会議の案をもとに適用を決める予定にしていた。しかし民主党文部科学部門会議において、首相が川端文科相に対し、「党の意見も踏まえて丁寧な手続きを進めてほしい」などと拉致問題を理由に無償化に反対する議員に配慮するよう指示し、拉致問題を担当している内閣部門会議との共催で、報告書を検討することになっている。朝鮮学校の高校無償化からの排除などという、在日朝鮮人民にたいする明確な差別を絶対に許してはならない。在日朝鮮人民とともに、朝鮮学校の高校無償化からの排除攻撃を粉砕していこう!
 また「在特会」ら排外主義集団の跳梁跋扈を許すな。昨年十二月、京都朝鮮第一初級学校に対して、拡声器で授業を妨害し、学校が管理するスピーカーのコードを切断するなどした在特会のメンバー七名に対して、八月二十七日京都府警は組織犯罪処罰法違反で書類送検した。しかし同時に元学校長に対しても、京都市から公園に設置したサッカーゴールや朝礼台、スピーカーを撤去するよう指導されていたにもかかわらず、撤去しなかったとして都市公園法違反で書類送検している。
 このような中にあっても、在特会らは水曜デモなど元日本軍「慰安婦」問題の解決を求める闘いに対して、執拗に妨害、攻撃をしかけてきている。関西においては、排外主義とたたかうネットワーク関西(ACAN KANSAI)による防衛行動がたたかわれている。差別排外主義襲撃集団を社会的に包囲し解体していこう。
 今秋の反戦反基地・反差別・反グローバリゼーションの連続闘争に断固として決起し、闘い抜こう!


 

 

 

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