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『戦旗』第1356号(2010年9月5日)



 11月沖縄知事選―9月名護市議選の勝利を!

 辺野古移設報告書弾劾!

 横浜APEC粉砕闘争に起とう

 差別・排外主義許さず戦争動員攻撃粉砕





 7・11参院選で菅民主党は大敗北を喫した。辺野古回帰の5・28日米共同声明の踏襲、消費税増税など、沖縄人民や労働者人民を裏切り、その批判と怒りを増幅させていった菅政権。当然の審判である。この間、貧困・失業、戦争国家化に反対する労働者人民のたたかいは昨年の総選挙で自公政権を敗退させた。民主党連立政権の登場とその後の迷走ぶりは、労働者人民のたたかいにとって、大きな政治経験と教訓をもたらした。すなわち自公など旧政権勢力も、また民主党政権も、独占ブルジョアジー・多国籍資本の利害にたって、米軍再編と新日米軍事同盟や消費税増税・搾取を強化する反人民的な帝国主義政権にほかならないのであった。我々は、閉塞状況にある労働者人民に団結と解放へのたちあがりを組織していかねばならない。労働者階級・被抑圧人民の解放闘争に深く立脚し、差別・排外主義勢力を粉砕し、国際主義の路線にたって、日共などの排外主義・改良主義と分岐し、危機にたつ日帝ブルジョアジー・民主党政権を打倒する社会主義革命のたたかいを組織していかなくてはならない。この総路線を堅持し、今秋期政治闘争を呼びかける。
 米軍再編・日米軍事一体化を粉砕する沖縄人民のたたかいや岩国・神奈川の攻防をいっそう支援しよう。三里塚現地集会へ総決起をつくりだそう。ソウルG20―横浜APEC粉砕の十一月国際行動、十二月、二〇一〇岩国行動の高揚をかちとろう。そうしたたたかいから、日帝・民主党政権打倒の全人民政治闘争を進めよう。


 1章 危機にたつ米帝、日帝の反人民攻撃

 世界恐慌による階級矛盾の爆発は、続いている。七月、米FRBバーナンキ議長は「予測できない不確実性」と米国経済を嘆いた。米国失業率は9・5%と高い。七千八百七十億ドル(六十八兆円)という政府の緊急財政出動によって、GMやAIG、住宅公社など大企業・大金融資本の倒産危機を先送りした。危機にたつ米帝は、イラクから戦闘部隊撤収を開始した。逆に、アフガン戦争を強め、「成長のアジア」を支配しようと米日韓軍事同盟・軍事演習がはげしくなった。韓国民衆が朝鮮民主主義人民共和国との戦争危機を回避しようとして、徹底的な真相究明を求めている天安艦沈没事件。これは米帝と韓国政府の謀略事件の性格が濃い。事件は、普天間基地撤去や米軍再編見直しを求める沖縄―「本土」のたたかいによって動揺する日帝・民主党政権に対して、辺野古回帰や日米同盟を強化する圧力として利用されている。オバマ政権は、軍産複合体の独占資本の利害を拡大し、ドル安誘導による輸出倍増計画を進め、さらなる金融緩和も推進している。反戦・反貧困・反排外主義・新自由主義グローバリゼーション反対を掲げ、米国・ANSWER連合など労働者人民は、雇用・福祉・医療と教育の充実を求め行動している。これに連帯し米帝とたたかおう。
 日帝の危機も深い。ギリシャ危機と欧州大不況に連動し、ドル安・ユーロ安によって異常な円高が進む。需給ギャップ三十兆円の長期デフレが日本資本主義経済を蝕んでいる。エコカー・エコ家電・住宅への減税・補助金や、成長率の高い中国・インド・ASEANなどへの自動車・電機・中間財輸出の増大によって、ようやく日本独占資本は延命した。ところが、円の独歩高・デフレ・株安で、日帝の危機はさらに深まっている。その犠牲は賃下げ・リストラ解雇・失業・貧困化など労働者人民へ転化されている。六月の失業は5・3%、三百四十九万人であり、依然高い。「強い経済、強い財政」を掲げる民主党政権は、日本経団連との結合を強めている。消費税の税率10%への増税―法人税5%減、そして最低賃金を千円へ引き上げる公約は二〇二〇年目標へ先送りされた。派遣法改正では有期雇用雇い止めを温存し「製造業」「登録型」の「派遣禁止」に抜け道を残した。明らかに独占資本の利害を守る反労働者人民政策へと転換した。菅は、自公「みんなの党」などとの政策連合によって、政権運営を進めるつもりだ。これは、日本資本主義の危機を「現実的政策」というなし崩しの総保守翼賛化による右からの突破で切り抜けようとするものだ。すなわち戦争国家化と人民への生活破壊である。米軍再編・日米軍事一体化の推進、ソマリア沖自衛隊派兵の継続、パキスタン洪水への陸自出兵、朝鮮民主主義人民共和国への日米韓軍事同盟による戦争重圧への加担。そして菅首相の諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」報告にみられる「南西諸島への自衛隊配備」「武器輸出三原則の緩和」「ミサイル防衛などで集団的自衛権行使」などである。
 「日韓併合百年」首相談話は、菅政権の反人民的な侵略居直りを暴露した。朝鮮侵略と植民地支配にたいする真の謝罪とは、戦後賠償を真摯に実行し、責任者を処罰し、侵略戦争を二度と繰り返さない歴史教育を実施することである。ところが菅政権は、六五年日韓基本条約の締結で問題は解決したという歴代政権の誤りを踏襲した。すなわち朝鮮戦争休戦状態の南北分断固定化に加担し、共和国敵視や在日の分断と同化・排除を組み込み、「対日賠償請求権」を放棄させて有償・無償五億ドルの「経済協力」を結び、逆に日本資本の韓国再経済侵略のテコとした歴史的暴挙の日韓条約。独島(ドクト)併合の領有権を主張し、帝国主義的領土拡張主義も進めている。かつてのアジア侵略戦争の「清算」をペテン的に演出し、東アジア共同体・FTA推進による侵略支配を強める日帝・菅政権には、アジア人民と連帯して打倒あるのみだ。


 ●2章 今秋期闘争を闘い抜こう

 ▼1節 秋期闘争の爆発で民主党政権打倒を

 たたかいの第一は、恐慌すなわち日本資本主義の危機と対決し、資本主義社会を根底から変革する労働者・被抑圧人民の反貧困・反失業・生活破壊阻止のたたかい、階級的労働運動を前進させることである。はげしいグローバル大競争のなかで、日本独占資本の多国籍企業化、関連企業のアジア移転が加速し、地方経済疲弊や不安定雇用化・失業・貧困化が労働者人民を覆っている。民主党の環境・健康医療介護などの領域を産業として育成していくという新成長戦略は、いまだ雇用増を生み出していない。貧困・低賃金・長時間労働・失業に呻吟する労働者人民の連帯と団結をつくりだし、資本・国家にたいする抵抗と団結の構造を建設していくことは重要である。疲弊し、個々ばらばらに解体され、重層的な分断構造に叩き込まれ、閉塞感と差別排外主義に襲われる労働者人民。彼ら彼女らのなかに、連帯と団結への立ち上がりを組織し、明日への希望を生み出し、階級的労働運動の建設を前進させていこうではないか。労働者の貧困化、非正規・貧困化の根拠である派遣法を廃止していくための抜本的改正をかちとり、最低賃金千円の早期実施をもとめ、階級的労働運動を拡大強化しよう。秋季政治闘争の基礎的取り組みとして、また革命的労働者党の建設としても、ぜひとも、この反貧困・反失業など階級的労働運動のたたかいを推進しようではないか。

 ▼2節 沖縄―岩国―神奈川の闘いを結合して闘おう

 第二には、沖縄差別軍事支配からの解放闘争をたたかい、岩国や神奈川のたたかいと結合し、米軍再編―日米軍事一体化を粉砕することである。たたかいは決定的局面を迎えている。米軍再編の一四年実施計画は延長に追い込まれ、「頓挫」している。米国議会では海兵隊の削減や不要論が主張され、グアム基地の拡充では費用不足でインフラも整備できないなど、米軍再編の破綻の兆しが生まれている。普天間基地即時撤去と辺野古新基地建設阻止のたたかいは、現地の座り込み・海上阻止行動・爆音訴訟や、オバマ来日の恫喝をはねかえす二万千人の十一月県民大会、1・24名護市長選での稲嶺進氏の勝利、鳩山公約実施を求める九万三千人の4・25県民大会、5・16普天間基地包囲へ一万七千の決起、鳩山や菅の訪沖への直接抗議行動、首相官邸への抗議など、いくつもの勝利をつみあげてきた。沖縄人民の総意を踏みにじる辺野古回帰の日米合意は実施不可能である。沖縄人民の十一月知事選―九月名護市議選の勝利にむけ、支援を強め、普天間基地撤去―辺野古新基地建設阻止のたたかいを全国各地で強めよう。沖縄―岩国―神奈川のたたかいを結合し、アジア人民との連帯をすすめ、米韓日軍事同盟と朝鮮戦争挑発に抗議し、これをうちやぶるたたかいを組織しよう。

 ▼3節 ソウルG20―横浜APEC粉砕に決起しよう

 第三には、ソウルG20―横浜APECに反対する十一月国際行動を反帝闘争として断固たたかうことである。11・11―12のG20サミット・ソウル会合では、恐慌から金融資本・大企業を救済する機会とし、財政赤字削減など各国経済の相互監視や、銀行税など金融資本の規制と支援が狙われている。大銀行・独占ブルジョアジー・大資産家を守り、労働者人民の貧困化と搾取抑圧を強化する国際強盗団の頭目会議である。民主労総などが結集した「G20対応民衆準備委員会(韓国)」が組織されている。新自由主義グローバリゼーション反対を掲げ、労働者人民の団結・生存・人権の諸権利を前進させる取り組みや、全国労働者大会、フォーラム・集会デモが準備されている。G20トロント・サミットに直接抗議した巨万の労働者人民の国際行動に引き続き、このたたかいへの大衆的派遣や連帯行動を組織しよう。
 続く11・13―14の横浜APEC首脳会合や日米首脳会談・安保強化に対して、さまざまなたたかいが広範に行われようとしている。横浜APECでは、日米帝が主導するアジア太平洋自由貿易圏構想(FTAAP)の二〇二〇年達成という横浜目標が策定されようとしている。それは、「地域経済統合」「域内成長戦略」「対テロ・感染症など人間の安全保障」として推進されるというのだ。明らかに、独占資本・多国籍企業の「自由」な搾取をつよめ、労働運動・人民運動の弾圧と権利剥奪の強化、原発の増設、「対テロ戦争」協力が謀議される。新自由主義グローバリゼーションと「対テロ協力」を進めるAPECによって、帝国主義国や新興大国などの略奪・戦争の強化を許してはならない。我々は、横浜APECに反対する労働者人民のさまざまな決起を支持し、広範な反対闘争を促進する。とくにアジア共同行動日本連などが呼びかけている「戦争と貧困を強めるソウルG20―横浜APECに反対する国際行動」による反帝派が総結集するたたかいを支援しよう。同「国際行動」による、国際フォーラム・国際共同闘争・反米軍基地フィールドワークなどのたたかいを広範に組織しよう。韓国の民主労総・AWC韓国委、フィリピン・バヤン、台湾労働人権協会、インドネシアYMB、米国・ANSWER連合などと連帯し、内外の反帝派が総結集する横浜APEC反対の反帝国際共同行動に決起していこう。
 その前段、11・6APEC財務相京都会合の反対闘争が取り組まれる。AWC京都などのよびかけによる全関西規模の反対闘争である。この成功にむけ、奮闘しよう。

 ▼4節 12月岩国行動の成功に向け奮闘しよう

 第四には、岩国のたたかいに連帯する十二月・二〇一〇岩国行動の成功のために奮闘することである。岩国基地では、日米共同声明の翌五月二十九日、新滑走路運用が開始された。編隊離陸や、市街地上空飛行が行われ、旧滑走路はヘリ飛行に使われている。米兵犯罪や爆音の基地被害が強まり、住民の生活が破壊されている。米軍再編によって岩国基地は、厚木空母艦載機七十機が移駐し総勢百三十機という北東アジア最大の米軍飛行場へ変貌する。沖合一キロ地点に新滑走路を拡張し、水深十三メートルの港湾施設も作られた。愛宕山住宅開発計画を変更し、かわって鉄条網と銃で囲まれた四千名規模の米軍住宅の建設が狙われている。「岩国市民は負けない」との反対闘争が粘り強く続く。米軍再編・日米軍事一体化を粉砕するたたかいの中心戦場の一つである、公有水面埋立訴訟、爆音訴訟、愛宕山米軍住宅化反対の裁判、文書の公開裁判という四つの裁判が多くの傍聴を集め闘われている。沖縄や神奈川、徳之島のたたかいと連帯し、愛宕山を守る会などは辺野古を訪問するなど、着実にたたかいは発展している。愛宕山米軍住宅反対の座り込みも八月二十一日から開始された。
 岩国闘争を応援するために、アジア共同行動日本連や左派労働運動などが韓国反米軍基地活動家などたたかうアジア人民と連帯し、岩国国際集会を組織してきた。ことしは十二月四―五日の予定だ。左派労働運動は「一〇岩国・労働者反戦交流集会実行委」を再結成し、労働運動における反戦闘争の再構築をめざし、岩国闘争支援を継続している。画期的である。沖縄―岩国―神奈川のたたかいを結合し、アジア米軍総撤収をかかげ、十二月・二〇一〇岩国行動の成功をかちとろう。

 ▼5節 10・10三里塚現地へ全国から結集しよう

 第五には、10・10全国集会をメルクマールとした三里塚の今秋期の攻防をしっかりたたかい抜くことである。六月二十八日、成田市と空港会社による団結街道閉鎖攻撃が強行された。市東孝雄さんをはじめ反対同盟農民の生活と営農を破壊する攻撃が日々続いている。これを跳ね返し、農地死守・実力闘争を堅持する反対同盟農民と支援のたたかいは、今春夏期の攻防の中で、一段と強化されてきた。この間、三里塚闘争は、普天間基地撤去―辺野古新基地建設阻止を軸とした沖縄解放闘争との結合も深めてきた。天神峰現闘本部裁判闘争は控訴審に入り、満天下にその不当性を暴露していく局面となっている。現地の実力闘争態勢を固め、沖縄解放闘争の前進と連帯し、三里塚闘争支援の広範なたたかいを進めよう。三里塚侵略反革命軍事空港粉砕のたたかいを前進させよう。10・10三里塚現地に全国から結集しよう。

 ▼6節 排外主義襲撃集団を包囲・解体せよ

 第六には、在特会などファシスト・排外主義集団による在日朝鮮人や外国人労働者、戦後補償運動への民族排外主義的襲撃を阻止し、やつらの社会的包囲と解体にむけてたたかうことである。日帝の危機と階級矛盾の激化が排外主義勢力台頭の背景にある。噴出する人民大衆の閉塞感と生活苦につけこみ、保守右派と天皇制右翼ファシストたちがこれを民族排外主義・差別排外主義や侵略賛美の国家主義歴史観へとねじまげ、在日や被差別大衆への攻撃へ転化している。労働者人民のたたかいとして、在日や外国人労働者、被差別大衆のたたかいに対する支援の飛躍的強化が求められている。排外主義勢力の差別襲撃策動への社会的非難と包囲を強め、同時に、やつらの攻撃を現場共闘によって粉砕しなくてはならない。この間、戦闘的左派労組などが結集した「反排外主義行動ネットワーク・関西」の運動や、朝鮮学校の無償化を実現する広範な大衆運動など、重要なたたかいが行われている。いっそうファシスト・排外主義集団を解体するたたかいをすすめよう。

 ▼7節 革命的労働者党建設に向け邁進しよう

 最後に、日本共産党の決定的な誤りとたたかい、共産主義者同盟(統一委員会)の党建設へ結集することをよびかける。日共は、参院選敗北の総括として、消費税増税反対だけを主張し、いかなる社会を建設するのかをめぐる論戦や提案が決定的に弱かったと嘆いている。その通り、まったくの立ち遅れであった。だが、たとえ日共が綱領的論戦をくりひろげても、労働者・被抑圧人民の解放闘争を発展させることはできない。彼らは、財界の横暴と対米従属という「二つの異常」から抜け出し、「ルールある経済社会」と「憲法九条による自主外交」を進める議会内の民主連合政権樹立を主張する。日米軍事同盟に代わって、ASEAN地域フォーラム(ARF)を日本の地域安全保障外交に組み込もうという。欧州の福祉国家やアジア地域集団安保を日本社会の変革展望としている。これは、危機を深める日帝に対して、小ブル社会民主主義路線にたって、日帝のアジア侵略支配を免罪し、資本主義改良の幻想を煽るだけである。求められている変革は、労働者・被抑圧人民の解放闘争のソビエト的団結形態を組織し、国際主義に立って、独占資本家階級とその政治権力を実力で打倒し、生産手段の社会化を軸とする社会主義革命を実現していくことである。搾取と差別・抑圧の「軽減」では決して解決しない。我々は、国際主義にたった日帝打倒―社会主義革命を推進する革命的労働者党の建設へ結集することを訴える。ともにたたかわん。



 

 

 

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