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『戦旗』第1353号(2010年7月5日)



 朝鮮民主主義人民共和国への戦争圧力強める日帝―菅政権を許すな!

  日帝の沖縄差別軍事支配粉砕!

  団結街道の閉鎖弾劾! 第三誘導路粉砕!

  朝鮮学校排除反対! 排外主義集団解体




  ●第1章 「辺野古合意」弾劾! 米軍基地撤去を闘おう

 「政治とカネ」そして普天間基地問題の迷走によって、人民からの支持を完全に失った民主党・鳩山と小沢が、六月三日辞任した。これにさきだち、日米政府は五月二十八日、移設先を再度辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部と隣接水域とし、設置位置・工法についての検討を今年八月末までに完了、沖縄「県」外への訓練移転を拡充するため鹿児島県・徳之島の活用を検討することなどで合意した。
 普天間基地の沖縄「県」外移設を政権公約とし、沖縄人民からの支持を取り付け、自民党から政権を奪取した民主党・鳩山政権による沖縄人民への歴史的な大裏切りである。
 日米合意―日米同盟の堅持を最優先し、外務官僚・防衛官僚の意図のままに、普天間基地を再度辺野古に押し付けようとする攻撃を絶対に許してはならない。
 鳩山、小沢が辞任して、米軍基地問題の責任が消えてしまった訳ではない。菅直人は代表選出馬会見で「日本外交の基軸は日米関係」と主張しているが、米軍基地問題に触れようともしていない。
 安保粉砕―基地撤去を鮮明に掲げ、辺野古新基地建設絶対阻止のたたかいをさらに強化していこう。

  ▼1節 日米同盟強化を打ち出した所信表明

 六月十一日、辞任した鳩山に代わって、菅直人が新たに首相となり、衆参本会議において所信表明演説を行った。
 菅は冒頭に、「鳩山前総理は、ご自身と民主党の小沢前幹事長に関する『政治と金』の問題、そして普天間基地移設問題に対する責任を率直に認め、辞任という形で自らけじめ をつけられました」などと述べ、鳩山・小沢の個人献金問題をすでに「決着済み」の問題であると表明したのである。
 これこそ、民主党が旧自民党政権となんら代わらない、金権腐敗にまみれた第二ブルジョア政党でしかないことの証明であるといえる。
 安保・外交戦略については、「日米同盟を外交の基軸とし、同時にアジア諸国との連携を強化します。日米同盟は、日本の防衛のみならず、アジア・太平洋の安定と繁栄を支える国際的な共有財産と言えます。今後も同盟関係を着実に深化させます」と、在沖米軍基地を前提とした日米の核安保体制を無条件に賞賛し、これをいままで以上に推進しようとしているのである。
 このような輩が、六月二十三日の沖縄全戦没者追悼式に参加し、「沖縄を襲った悲惨な過去に想いを致すとともに、長年の過重な負担に対する感謝の念を深める」などといっているのだ。
 沖縄人民の反戦・反基地の想いを愚弄するこのような発言を絶対に許してはならない。同時に、韓国哨戒艦「天安」沈没事件は朝鮮民主主義人民共和国が起こしたものと決め付け、韓国を「全面的に支持」しているのだ。そして、普天間問題においては、日米合意を「踏まえ」と表明し、名護市辺野古に新基地を再度押し付けるようとしているのである。沖縄―「本土」をつらぬいた、米軍基地撤去闘争の大衆的大高揚をかちとり、辺野古新基地建設を何が何でも阻止しなければならない。

  ▼2節 反基地鮮明に名護市議選の勝利を

 政府は、日米合意で「辺野古移設」と決めながらも、沖縄の島ぐるみの反基地闘争の高揚に心底恐怖している。「強行してはいけない。冷却期間を少し置くことも必要。強行すれば、沖縄中が反基地、反米闘争になるかもしれない」(岡本行夫:『朝日新聞』六月三日朝刊)と、情勢を見ている。
 島袋前市長など名護市の基地容認派―利権派は、九月名護市議選で議席を増やし、移設反対派の稲嶺進市長をリコールして、普天間基地の辺野古移設を強行しようとしている(『週刊新潮』六月十日号)のである。
 日帝政府は、「冷却期間」などと言いながら、この容認派の増強を図り、再度「地元の合意」などという詭弁をもって、基地建設強行の機会を窺っているのだ。
 名護市長選の勝利をひきついで、辺野古新基地建設阻止、高江ヘリパッド建設阻止闘争に、沖縄―「本土」をつらぬいて支援を強めていこう。
 とりわけ、九月名護市議選は決定的に重要であり、何としても基地反対派の勝利をもぎ取らなければならない。沖縄労共闘を先頭に、全国の同志・友人は基地反対派勝利のためにたたかおう。


  ●第2章 日米韓による対共和国戦争圧力徹底弾劾!

 駐韓米軍と韓国軍の合同軍事演習中だった三月二十六日に、韓国海軍の哨戒艦「天安」が沈没するという事件が起きた。沈没事件の調査をしていた民軍合同調査団が、五月二十日に「北の魚雷攻撃」を沈没の原因と断定する調査結果を発表した。
 しかしながら、調査結果は状況証拠の羅列にすぎず、「決定的証拠」なるものも捏造疑惑が濃厚である。「北の攻撃」と決め付けることは絶対にできない(『戦旗』一三五一号記事を参照)。そもそも、民軍調査団の構成員は韓国軍の統制のもとに置かれた軍関係者が中心である。韓国の市民社会団体はもちろん、調査団内部からも様々な疑問の声があがっている。李明博(イ・ミョンバク)政権は、韓国内で巻き起こる調査結果への疑問の声を規制・弾圧し、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国と略す)への戦争重圧をかけている。二〇〇八年に就任した李明博大統領は、前政権までの南北対話政策を事実上破棄し、「非核・開放・三〇〇〇」なる吸収統一路線を発表し、共和国敵視の南北対決政策を推進してきた。われわれは、反統一政策をとり朝鮮半島の緊張をもたらしている李明博政権とたたかう韓国民衆や在日韓国・朝鮮人民と連帯するとともに、新たな共和国への制裁を発動し、李明博政権を後押しする日米帝国主義をきびしく弾劾する。
 調査結果が発表された五月二十日は、韓国の統一地方選の告示日であった。李明博政権の中間評価と位置づけられていた今次統一地方選に合わせて、「北の魚雷攻撃」と断定した調査結果を発表したのだ。これは、北に対する不安=「北風」を煽ることで政権基盤を安定させてきた韓国右派勢力の伝統的手法である。だが、六月二日に投開票された選挙結果は、大方の予想を覆して、李明博の与党・ハンナラ党の大敗北だった。七市長選と九道知事選の十六の主要首長選のうち、ハンナラ党が勝利したのはわずか六にすぎなかった。韓国のとりわけ若い有権者たちは、李明博政権の対北強硬路線に不安を感じ野党に投票したといわれる。冷戦時代のふるい手法で、右派の総結集と国内の締め付けをはかろうとしたハンナラ党に「北風」は吹かなかった。時代錯誤な南北対決政策に対して、韓国民衆は明確な「NO」をたたきつけたのである。李明博政権は、二〇〇〇年の六・一五と二〇〇七年の十・二の南北共同宣言を履行するように、南北政策を転換するべきである。
 こうしたなかで、米帝―オバマ政権は、北東アジアの軍事的緊張を高めることによって、日米軍事同盟の意義を再確認させようとした。四・二五県民大会や五・四鳩山訪沖抗議闘争、五・一六普天間包囲行動など、沖縄民衆のまさに「島ぐるみ」の怒りの爆発に恐怖した鳩山前首相は、五月二十日の哨戒艦沈没事件調査発表に「待ってました」とばかりに飛びつき、新基地建設と日米安保を正当化するために、この期におよんで「抑止力」なるものをぶち上げた。だがしかし、沖縄において広大な土地を占有しているのは米軍基地である。米軍兵士が事件・事故を起こしても日本の司法ではほとんど裁かれない。まさに米軍こそが沖縄民衆にとっては「脅威」であり「抑圧者」である。鳩山らのいう「抑止力」とは正反対の存在が米軍なのだ。さらに、朝鮮半島やベトナムに、あるいは現在のアフガニスタンやイラクなどに、「殴りこみ部隊」である在沖海兵隊は出撃していって、かの地を侵略し、民衆を虐殺している。沖縄の軍事基地は、米帝がアジア・中東地域を軍事的・経済的に制圧していくための侵略反革命基地にほかならない。
 日帝―民主党政権が、自民党政権同様の共和国敵視政策を鼓吹しながら、米軍基地強化・新基地建設の根拠として「抑止力」なる詭弁を使い続けることをゆるしてはならない。
 この六月二十五日に、朝鮮戦争の開戦六十年を迎えた。日帝の過酷な植民地支配から解放されたわずか五年後、朝鮮民族は分断され、互いに殺し合うことを強制されたのである。朝鮮戦争時、日本経済は「朝鮮特需」(軍需)に沸き、一九五五年に戦前の一人当たりのGNP水準を回復した。翌年の「経済白書」は「もはや戦後ではない」とはしゃぎたてた。しかし、一九五三年七月二十七日に休戦協定が結ばれた朝鮮半島は、北緯三十八度線で分断されたまま現在に至っている。朝鮮戦争は継続中であり、今も同じ民族同士が銃口を向け合っている。植民地支配から冷戦時代を経て今日まで、朝鮮半島を侵略支配し、朝鮮の人々の生き血を吸って日本の資本主義は発展してきた。また、日本社会の民族排外主義は、現在も克服されていない。やはり、日本の民衆は朝鮮半島やアジアの民衆に「血債」があるのである。われわれは、日米帝の新たな朝鮮侵略反革命戦争を絶対に阻止しなければならない。そのために、反基地・反安保のたたかいや排外主義とのたたかいを推進していこう。日朝国交正常化を実現させよう。朝鮮戦争の平和協定締結を目指し、駐韓米軍を撤退させよう。朝鮮半島の自主的平和統一を支持しよう。朝鮮半島の民衆や在日韓国・朝鮮人民と具体的に連帯してたたかおう。


  ●3章 市東さんに連帯し団結街道閉鎖阻止

 三里塚闘争はふたたびみたびの決戦情勢に突入している。
 三月十六日、成田市(小泉一成市長)は市議会で団結街道(成田市道十余三―天神峰線)の廃道を可決した(反対一)。実際に、反対同盟農家の市東孝雄さんが、自宅と農家を結ぶ生活道路として使用しているにも関わらず、市東さんに対して事前の説明は一切なかった。生活道路を利用する住民になんの相談もなく廃道を強行するのは、民法や道路法に抵触する成田市の違法行為である。成田市から団結街道を譲渡された成田空港会社(NAA。森中小三郎社長)は、そこに「第三誘導路」を建設しようと計画している。「第三誘導路」は、市東さんの自宅と農地を分断し、自宅そのものをも囲い込む形で建設しようとしている。成田市が示した迂回ルートは、交通量の多い道路を現在の三倍の距離で回れというものである。市東さんの営農は、多大な支障をきたすことになる。営農破壊以外のなにものでもない。また、自宅の軒先を「第三誘導路」が囲むことによって、排気ガスや騒音による生活破壊が強まる。これらの人権侵害を加えることによって、市東さんを「用地内」から追い出そうとしているのである。農民を「虫けらのごとく」扱い、暴力的に土地を奪っていく日帝・空港会社の本質は、この四十四年間いささかも変わっていない。
 五月二十日以降、空港会社は団結街道を封鎖しようと企図してきた。これに対して、反対同盟は普天間基地包囲行動と連帯して現地闘争を行い、この攻撃を迎え撃つ臨戦態勢を整えた。その翌日の五月十七日、空港会社はあろうことかまだ市道である団結街道に「通行止め」の看板を設置した。市東さんは断固これに抗議したが、千葉県警空港警備隊(空警)は、不当にも市東さんと支援者一名を逮捕した。一方的な団結街道廃道によって、甚大な損害をこうむることになる市東さんの怒りは当然のことである。市東さんは獄中から「自分は元気です。頑張りますから、皆さんも頑張って下さい。これで俺たちは本気だということを、空港会社に知らしめることができた」とアピールし、二十三日間の獄中闘争を意気高く貫徹した。われわれも、市東さんの決意に応え、反対同盟とともに、団結街道閉鎖阻止と「第三誘導路」建設阻止の徹底的な実力闘争をたたかおう。三里塚農民を防衛しよう。出て行くべきは市東さんではなく、空港会社である。
 一九六六年、日帝・佐藤政権は、突如三里塚に巨大空港建設を閣議決定した。地元農民もニュースで第一報を聞いたというくらい突然の決定だった。三里塚には、戦後に入植した開拓農家も多く、昼夜を問わぬ過酷な労働によって、ようやく農家としての生活を確立した矢先の閣議決定だった。ただちに農民たちは、故戸村一作氏を委員長に三里塚芝山連合空港反対同盟(反対同盟)を結成し、様々な困難とたたかいながら、「市民戦争」や「パリコミューン」と形容される激しい闘争を展開し、世界的に「サンリヅカ」「ナリタ」のたたかいは注目された。日帝・運輸省(当時)と空港公団(当時)は、土地の明け渡しを拒む農民たちに対して、警察権力を使い容赦なく襲いかかった。農民たちも武装し、老若男女が身体を張って、国家権力と血みどろの闘争を繰り広げた。この農民のたたかいに、多くの学生や労働者・市民が共感し励まされ、三里塚の大地に馳せ参じ、農民を支援してたたかったのである。この三里塚闘争の偉大な地平を、ぜひとも次の世代に継承していこう。
 六月十二日、反対同盟本部役員の鈴木幸司さんが八十五歳で逝去された。鈴木幸司さんは、芝山町菱田地区にあって、空港公団の切り崩し攻撃による集落内での孤立をものともせずに、成田用水決戦をたたかわれた。このかんは、自ら名義となっている一坪共有地裁判を夫婦でたたかってこられた。強固な闘魂の背景には、侵略戦争への動員とシベリア抑留という経験からくる反戦平和と反天皇制の思い、国策としての空港建設を阻むという熱情があった。われわれは鈴木幸司さんの生き様を記憶し、その意思を引き継ぐために、「用地内」とともに、菱田での闘争と営農をしっかり支えていこう。
 日帝・空港会社の三里塚農民に対する攻撃はなにも変わっていない。現在、団結街道閉鎖を阻止するために、三里塚は臨戦態勢でたたかっている。三里塚農民に連帯し、日常的な援農活動や全国集会をはじめとした現地闘争に、ひとりでも多くの人が結集されんことをよびかける。
 六・二七全国闘争は、決戦情勢の煮詰まりのなか、多くの人民の結集で終始戦闘的に闘いぬかれた。
 現闘団・行動隊を先頭に、団結街道廃道阻止の現地実力攻防に立ち上がろう。とりわけ全国の青年・学生は臨戦体制を維持し、すぐさま現地に駆けつけようではないか。


  ●第4章 排外主義と対決し、反帝国際連帯運動推進を

全国各地で取り組まれた六月アジア共同行動の成果をうけ、今夏、今秋、反基地闘争、労働運動における国際共同行動を進めていこう。
 朝鮮学校の「高校無償化」からの排除攻撃に対し、全国各地で反対の取り組みが開始されている。
 われわれは、この取り組みを断固支持すると同時に、ともにたたかい抜いていこうではないか。
 さらには、在特会など排外主義襲撃集団を解体するたたかいに断固として立ち上がろう。5・30関西集会は、千五十名の結集で圧倒的な成功をかちとった。関西における反在特会・反排外主義のたたかいの大衆的高揚につづき、全国各地において、反撃の陣形を構築しよう。
 在特会をはじめとする差別排外主義集団の襲撃・集会破壊攻撃を跳ね返し、社会的に包囲・解体するたたかいに断固として決起しよう。
 十二月岩国基地大強化反対集会の成功にむけ、全国から労働者人民の反基地闘争への決起をつくりだそう。
 十一月ソウルG20―横浜APEC反対の国際共同闘争を大衆的に推進していこう。


 

 

 

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