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『戦旗』第1334号(2009年9月5日)




 米帝の米軍再編重圧粉砕!

 反帝国際連帯運動推進せよ






 ●1章 帝国主義の支配体制崩す今秋期闘争に邁進しよう


 麻生政権は、とうとう解散に踏み切った。小泉政権以来の急激な構造改革=新自由主義政策は、階級矛盾を劇的に拡大してきた。貧富の格差が拡大し広範なワーキングプアーが生み出されてきた。多くの労働者人民は、こうした自公政権に見切りをつけ離反してきた。にもかかわらず、自公政権は、安倍、福田、麻生と首をすげかえることで延命を策してきた。一方で、米軍再編協定の批准や海外派兵の拡大・継続を次々と強行してきたのである。そして、混迷したバラマキ政策を繰り出し、人民を自公政権の下につなぎ止めようとしてきたのだ。だが、下落する支持率に歯止めはかからず、麻生は、とうとう追いつめられたまま解散に踏み切った。

 一方、民主党は、自公政権から離反した人民を糾合しつつ、いよいよ政権獲得に執念を燃やしている。いま、新自由主義政策のもとで離反した人民を糾合するために、自公、民主は、ともにバラマキ政策を競い合っている始末である。だが、新自由主義政策と根本的に決別することなく、一時的なバラマキ政策で人民を糾合しようとする点では、自民、民主ともその根本は同一である。また、九条改憲勢力としても両党は根本的に同一なのだ。いずれにしても、世界恐慌に突入したなかで、日帝は、ますます侵略反革命戦争策動を強めていこうとしている。朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)の人工衛星のためのロケット打ち上げ、続く核実験。こうしたなかで、日帝は、あたかも戦争前夜のような危機感を扇動し、ロケット打ち上げに対しては迎撃体制を敷き大騒動を繰り広げた。敵基地先制攻撃論も声高に叫ばれた。また、こうしたことに連動して、右翼ファシストなど排外主義勢力も跋扈し始めている。在特会などを先頭に、在日朝鮮人に対する排外主義攻撃が街頭行動として激化した。また、幸福実現党は、連日、街頭で共和国に対する戦争策動を公然と扇動している。資本主義の危機を、侵略戦争と排外主義へとのめり込むことによって突破しようとする支配階級の衝動は一貫して強まっている。こうした点において、自民も民主も結局は同一である。

 他方、労働者階級人民の生活はますます苦しくなる一方である。解雇、失業の恐怖、働けど働けど暮らしは楽にならない、そればかりか、病気になっても医療費のことを考えれば医者にもかかれない、また、若者にとっても、学費が払えなくて大学にいけない、高校を退学せざるを得ない、等々、こうした状況が広範に一般化しているのだ。すでに青年労働者の二人に一人は非正規雇用労働者なのだ。高齢者や障害者の切り捨て政策に対し、労働者人民の怒りは深まっている。そして、非正規雇用労働者のたたかいや、反貧困運動など、新たなたたかいも開始されてきた。支配階級は、こうした労働者人民の怒りを前に、これを懐柔しつつ、政治支配を強化しようとしている。自民、民主が競合するバラマキ政治はまさにそのためである。そうだからこそ、労働者階級人民は、自公政権を最後的に葬りさるとともに、これにとってかわろうとする民主党もまた、資本家階級の利益を代弁する党であることを一瞬も曖昧にせずに、労働者階級人民の利益を全面に押しだし、自己の階級闘争を前進させていくことにより邁進していかなければならない。今秋闘争は、そうした第一歩としての位置をもつ。では、今秋闘争をいかにたたかうか。重要課題を提起したい。



 ●2章 生活破壊を許さず労働者階級のたたかいの前進を


 第一に、世界恐慌の勃発とこれに続く長期の世界同時不況への突入のなかで、ますます深まる労働者階級人民の生活破壊を許さずたたかうことにある。

新自由主義のもとで、労働市場の規制緩和が推し進められ、労働者階級はかつてない強搾取、長時間労働、無権利状態のもとにたたき込まれてきた。働く貧困層が広範に形成され、それが固定化されていこうとしている。正規雇用は非正規雇用に置き換えられ、いまや三人に一人は非正規雇用労働者となった。働いても働いても、貧困を強要されるという事態が広範に形成されてきたのだ。年金破壊、医療、福祉の切り捨て、まさに、自公政権のもとで労働者階級の生活はズタズタにされてきた。しかも、世界恐慌突入とともに、一斉に派遣切りが吹き荒れ、解雇攻撃が吹き荒れてきた。これらに対決し、労働者の生活破壊を許さずたたかうことこそ、今秋をも貫く、最も重要な課題である。自公政権を葬り去るとともに、総選挙を通して発足する新たな政権に対しても、幻想を抱くことなく労働者の生活と権利を防衛し、労働組合を組織し、生活破壊をゆるさないたたかいを反戦反貧困を掲げた反政府闘争として大衆的に推し進めることが必要なのだ。



 ●3章 AWC第3回国際総会支持、国際共同闘争前進させよう


 第二に、アジア共同行動日本連絡会議が呼びかけるAWC第三回国際総会に結集し、共にその成功のために総力で奮闘することにある。AWC(日米両帝国主義のアジア侵略・支配に反対し、アジア民衆の連帯を促進するアジアキャンペーン)は、九月二十六日、二十七日の両日、「アジア太平洋地域の労働者・民衆は団結し、戦争・抑圧・搾取に抗する共同闘争を前進させよう!」をテーマとする第三回国際総会の日本開催(於・京都)を呼びかけている。第三回国際総会には、海外から、フィリピン新民族主義者同盟(BAYAN)、AWC韓国委員会、台湾労働人権協会、インドネシア文化活動家ネットワーク、米国ANSWER連合、アジア太平洋青年学生協会(ASA)の代表が結集する。AWCは、一九九二年の発足して以降、一貫して、アジアにおける反帝共同闘争を推し進め、各国地域の人民連帯を進めてきた。特に、一九九七年のフィリピンAPECでの現地闘争を国際共同闘争でたたかって以降、韓国や香港などに国際的に総結集して国際共同闘争をたたかいぬいてきた。

 昨年の洞爺湖サミットに対しても、海外から結集した国際共同闘争としてたたかいぬいた。さまざまな国際組織に比してAWCの決定的な優位性は、まさに、こうした共同の反帝闘争をやりぬく国際共同闘争組織として前進してきたことにこそある。こうした地平の上に、第三回国際総会が呼びかけられている。

 現在、帝国主義が進めてきた新自由主義政策の帰結としての世界恐慌への突入のなかで、各国の資本家階級は、労働者階級に生活苦を強制することで、危機を乗り切っていこうとしている。こうしたなかで、世界恐慌下における労働者階級の共同の反帝闘争と人民連帯運動を新たに築き上げていこうとするAWC第三回国際総会の意義は大きい。AWCは、国際的な反帝共同闘争の重要な闘争課題として、アジアから米軍の総撤収を要求する国際共同闘争を一貫して重視してきた。第三回国際総会は、韓国、フィリピン、沖縄、岩国、神奈川などをはじめとした各地から米軍と米軍基地を一掃する国際共同闘争を、より前進させていく新たなスタートとなるであろう。同時に、来秋の横浜APECを国際共同闘争としてたたかうスタートともなるであろう。第三回総会の成功を勝ち取ろう。

 また、二十六日の夕方からは、アジア共同行動日本連絡会議の主催で、「資本主義にかわる新たな社会の展望」(仮題)というフォーラムが呼びかけられている。この間の国際的な民衆闘争の地平は、資本主義にかわる新たな社会をどう展望していくのかということについて積極的に討議がかわされ、各国のたたかいの経験や問題意識の交流を共同で蓄積していくものとなっている。こうした国際的な民衆闘争の地平を積極的に継承し、歴史的危機を深める資本主義の打倒をめざして、労働者階級・民衆自身が、自らのたたかいの中から未来を展望していく各国地域の相互交流を深めようという試みである。こうしたアジア共同行動日本連の呼びかけを支持し、フォーラムに結集しよう。また、国際総会、フォーラム開催後、参加した海外代表は、各地に分散し、全国各地で国際連帯集会を予定している。各地のアジア共同行動集会に結集しよう。そして、AWC第三回国際総会の成功を勝ち取り、その成果をもって、十一月韓国労働者大会に結集し、日韓労働者の共闘と団結をより発展させていこう。



 ●4章 11月28―29日、岩国に全国から総結集しよう


 第三に、反戦反基地闘争を推し進め、十一月二十八―二十九日、アジア共同行動日本連が呼びかける岩国国際連帯集会に全国から総決起することである。

 自公政権は、米軍再編を推し進めるために、「グアム移転協定(米軍再編協定)」の国会批准を強行してきた。米軍再編―新日米軍事同盟にむけた再編は、沖縄、岩国、神奈川など全国で抵抗闘争に直面してきた。沖縄における辺野古新基地建設、岩国における基地大拡張に反対するたたかい、こうしたたたかいが日米両政府の前に立ち塞がってきたのだ。そして、新自由主義がもたらした貧困、貧富の格差拡大、こうしたことに対する人民の広範な怒りが、反基地闘争と本格的に結合したならば、米軍再編-新日米軍事同盟にむけた再編は、完全に破産してしまうのだ。だからこそ、政府は、「グアム移転協定(米軍再編協定)」の国会批准を強行し、なにがなんでも米軍再編を強行しようと必死なのである。だが、沖縄で、岩国で、住民は屈することなくたたかい続けている。今秋期、特に、より攻勢的にたたかいを推し進めることが重要となっている。沖縄や岩国のたたかいを前に、民主党鳩山なども普天間基地の県内移設に反対するということを公言さざるをえない。こうした支配階級内の動揺を徹底して押し広げ、辺野古新基地建設、岩国基地大拡張、米軍再編そのものを破産させていかねばならない。今秋は、極めて重要なたたかいとなるであろう。全国で、辺野古新基地建設粉砕、岩国米軍基地大拡張反対、神奈川における基地強化反対―ジョージワシントン横須賀母港化粉砕、こうしたたたかいを強めよう。

 アジア共同行動日本連絡会議は、ここ数年、毎年、岩国市民に連帯し、岩国での国際連帯集会を開催してきた。米軍再編が強行されようとしているなかで、岩国のたたかいを全国課題へと押し上げ、そればかりか、アジア全体の課題へと押し上げるために奮闘してきた。岩国米軍基地に反対するたたかいを、韓国、フィリピン、米国を中心とする国際共同闘争としてたたかってきた。また、岩国基地大拡張に反対する労働者実行委員会が形成され、労働者階級こそが反戦反基地闘争の先頭に立ち、新たに労働者反戦闘争を再建していこうとするたたかいも開始されている。こうしたなかで、愛宕山での米軍住宅建設策動に対するたたかい、爆音訴訟の開始など、岩国市民は、引き続き粘り強くたたかいを前進させている。岩国市民に連帯するアジア共同行動日本連絡会議のたたかい、労働者実行委員会のたたかいを支持し、十一月、全国から総力で岩国現地へ!



 ●5章 10・11三里塚闘争に決起しよう


 第四に、10・11三里塚闘争に決起することである。日帝と空港会社は、七月新誘導路供用を開始した。続いて、十月延伸滑走路供用開始を強行しようとしている。加えて、七月四日には、第三の誘導路計画が明らかになった。この第三の誘導路計画も、市東さんの農地強奪の一環に他ならない。最初の誘導路と第三誘導路は市東さんの宅地と畑を挟むように計画されているのだ。

 市東さんの農地強奪を許さず、現地攻防と法廷闘争を一体にたたかい、市東さんの農地をなんとしても守り抜いていこう。十月延伸滑走路供用開始粉砕! 十月全国から三里塚に結集しよう。全国の学生戦線はその先頭にたとう。反対同盟とともに、反帝闘争拠点としての三里塚闘争を防衛しぬこう。



 ●6章 11・12「天皇即位20年祝賀」反対を全国でたたかおう


第五に、11・12「天皇即位二〇年祝賀」に反対し、全国で反天皇闘争をたたかうことにある。戦争策動と排外主義攻撃と結合して、天皇制攻撃も強まっている。「天皇即位二〇年祝賀」のために休日化法案が国会に上程され、天皇賛美を強制しようとする動きが続いている。休日化法案は衆院解散によって廃案となったが、決して、油断してはならない。

 日帝は、自衛隊の海外派兵を次々とエスカレートさせてきた。自民党は、派兵恒久法制定を狙ってきた。そして、九条改悪をもって、自衛隊を国軍として憲法上も明確にし、歯止めなき海外派兵を熱望している。民主党も、九条改悪勢力であり、自民と根本的相違はない。まさに、「派兵時代の天皇制」として天皇制が新たに強化されようとしているのだ。天皇制に反対し、11・12「天皇即位二〇年祝賀」に反対するたたかいに全国で立ち上がろう。共産主義者同盟(統一委員会)とともに、今秋闘争をたたかおう。


 

 

 

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