共産主義者同盟(統一委員会)

 

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『戦旗』第1318号(2008年12月5日)




ブント結成50周年 革命的労働者党の建設を

共産同政治集会に結集しよう

貧困化・失業―生活破壊攻撃を許すな

政治危機におちいった麻生政権打倒せよ





 
全国のたたかう労働者・学生、『戦旗』読者のみなさん!

 日帝・麻生政権は、労働者人民のなかに蓄積された自公政権に対する深い怒りと不満を前に、衆議院解散―総選挙によって自らの政権への信を問うこともできないまま、ずるずるとその危機を深めている。政権発足から二カ月も経たないうちに、各種の世論調査での麻生政権への不支持率はすでに支持率を上回った。麻生政権は、自衛隊のインド洋での給油活動を続けるための新テロ特措法の延長を画策するとともに、三年後の消費税増税と一対になったまやかしの生活給付金をはじめ選挙対策でしかない付け焼刃の「景気浮揚策」で危機を回避し、労働者人民の自公政権からの離反をなんとかくいとめようとしている。しかし、政権の危機は小手先の政策でどうにかなるようなものではない。金融危機、政治危機、階級支配の危機に直面する麻生政権をいまこそ打倒しよう。

 われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、この十二月、東京(二十一日)、関西(十四日)、九州・山口(十四日)の三カ所で同盟政治集会を開催する。米国発の金融危機が全世界でブルジョアジーを震撼させるなか、生活と生存をかけた労働者人民のたたかいは世界各地でますます激烈に展開されていく。いよいよ激烈な階級攻防の時代が始まる。問われているのは労働者階級・被抑圧人民の自己解放闘争を推進する革命期労働者党の建設と飛躍だ。全国のたたかう労働者・学生のみなさん! 帝国主義支配の打倒と労働者階級―全人民の解放に向けて決意も新たにたたかおうではないか。共産同政治集会に結集し、共にたたかいの最前線に立ちあがろう。



  ●第1章 航空幕僚長・田母神の侵略否定論文弾劾!


 麻生政権が新テロ特措法の延長をなりふりかまわず実現しようとするなかで、政権の本質を露呈する事件が起こった。航空自衛隊のトップが、日帝のアジア侵略戦争に関して、侵略ではなく正当な戦争であるがごとき、歴史の全面改竄を主張する論文を発表したのだ。

 現職の航空幕僚長であった田母神俊雄は、ホテル・マンション経営を全国的に展開するアパ・グループがスポンサーとなった「真の近現代史観」なるテーマでの懸賞論文に「日本は侵略国家であったのか」という表題の論文を応募し、そこで歴史事実を百八十度ねじ曲げた「主張」を展開している。いわく、「日本は十九世紀の後半以降、朝鮮半島や中国大陸に軍を進めることになるが相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない」「日本政府と日本軍の努力によって、現地の人々はそれまでの圧政から解放され、また生活水準も格段に向上した」「多くのアジア諸国が大東亜戦争を肯定的に評価している」「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣」などである。そして、こうした歴史のねつ造の上に、「輝かしい日本の歴史を取り戻さなければならない」などと叫んでいるのだ。全編が歴史の歪曲で塗り固められ、一片の歴史事実も盛られていない代物であり、怒りなしに読むことはできない。

 田母神論文はそれ自体としてはおよそまともな史実の検証に耐えうるものではない。だが、現職の航空自衛隊のトップが歴史を改ざんした侵略戦争の美化・正当化を堂々と主張し、また九十四人の現職自衛官がこの懸賞論文に応募し、同諭旨の主張を展開していることは絶対に軽視することはできない。軍隊の内部に侵略戦争賛美と民族排外主義を基調とする極右思想が浸透していることを今回の事態はあらためて浮き彫りにしたのだ。

 過去の侵略戦争の美化・正当化は、同時に現在の侵略戦争体制づくりをおし進めていきたいという野望と一対となったものだ。田母神論文も日本帝国主義による侵略戦争・植民地支配の歴史の歪曲にとどまるものではない。田母神は現在の自衛隊について、「領域の警備も出来ない、集団的自衛権も行使出来ない、武器の使用も極めて制約が多い、また攻撃的兵器の保有も禁止されている。諸外国の軍と比べれば自衛隊は雁字搦めで身動きできないようになっている」と嘆いてみせ、この現状を変更すべきだと主張する。さらに、参考人招致された参議院外交防衛委員会では、より明確に、「今は(憲法を)改正すべきだと思っている。これほど意見が割れるものは直したほうがいい」などと言ってのけたのである。

 田母神の論文やその言動をわれわれは徹底的に糾弾しなければならない。同時に麻生政権もまた、田母神と同一の思想的基盤にあることを見落とすことはできない。麻生自らがかつて「創氏改名は朝鮮人自身が望んだこと」などと発言したように田母神と同様の歴史認識を持っているのだ。麻生政権―浜田防衛相は、田母神を解任しただけで、懲戒処分は見送った。田母神は、自らの主張は撤回しないと明言して論文は撤回せず、即座に退職して六千万円にのぼる退職金を手にした。世論の批判のなかで、浜田防衛相は、退職金の自主返納を求めると答弁したが、確信犯―田母神は退職金を返納すれば自ら非を認めることになるとして、これを拒否した。田母神を処分することすらできない防衛相、そして麻生政権を弾劾しなければならない。侵略戦争を賛美する麻生政権を徹底的に追及し、解体へと追い詰めていこう。



  ●第2章 破綻した新自由主義
              労働者階級人民の利害を対置してたたかおう


 十一月四日の米大統領選挙において、バラク・オバマが第四十四代米国大統領に選出された。また同時におこなわれた上下両院選挙でも民主党が多数を制している。オバマ・民主党の勝利は、イラク・アフガニスタン侵略戦争の泥沼化、新自由主義政策のもとでの貧困の拡大、サブプライム・ローンの破たんから始まった米国発の金融危機とそれへの対応など、ブッシュ政権とその政策に対する米国の労働者人民の圧倒的な批判と怒りを背景としたものであった。

 オバマはブッシュの経済政策を批判し、「変革」をスローガンに、失業対策―雇用創出などに積極的に取り組むとしている。しかし、米国から発した金融危機は共和党から民主党への政権の交代によって簡単に終息するような性格のものではない。米帝資本が金融を武器に世界を支配していくような「グローバリゼーション」そのものが足元から大きく瓦解し始めているのだ。帝国主義ブルジョアジーにとって事態は極めて深刻である。この危機が世界金融恐慌に突き進んでいけば、米国を中心国とした現代帝国主義の体制そのものが根底から動揺し、崩落していくことになるだろう。

 世界金融恐慌に恐怖する帝国主義の支配者どもは、十一月にも緊急サミットをおこない、なんとかして危機のこれ以上の深刻化を回避しようとしている。十月におこなわれた主要七カ国財務省・中央銀行総裁会議では、「金融システム全体に影響を与えるような重要な金融機関の破綻をさけるため」として「あらゆる手段を活用する」と打ち出した。帝国主義各国が公的資金注入を柱として危機回避のためには何でも行うことを確認したのである。

 しかし、現在進行する事態が示しているのは、まさに新自由主義の原理的破綻である。市場万能の新自由主義が、自律的に機能しなくなり、そのために政府の大規模な介入に頼らざるを得なくなっている。新自由主義の行き着いた先は、国家による救済・管理、国有化となってしまったということだ。

 最も許しがたいことは、この経済危機のなかで、帝国主義国家権力は、労働者人民の貧困化・失業―生活破壊を放置しながら、これまでも税制の優遇を受け続けてきた投機資本の救済には血相変えて乗り出したということである。銀行・大資本の危機を救うために巨額の公的資金が投入される一方で、自動車産業をはじめとした部門で大リストラが始まり、労働者人民をますます貧困のふちに落としこめている。米国ではこのような事態に対してニューヨーク証券取引所前をはじめとして各地で労働者の抗議行動がおこなわれた。銀行・大資本が手厚く優遇され、労働者人民に一方的に犠牲が強要される構造は、日本においても変わっていない。今こそ、労働者階級人民の利害を対置し、帝国主義資本の搾取・収奪、増税攻撃を打ち破っていこう。



  ●第3章 共産同政治集会への結集を呼びかける


 われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は十二月、中央、関西、九州・山口の三カ所において、同盟政治集会を開催する。共産主義者同盟(ブント)結成五十年にあたる今年の政治集会において、われわれはあらためて日本における共産主義運動を最先頭で切り拓いていくその決意と内容を明らかにしたい。

 世界金融恐慌に突き進もうとする今般の情勢は、ブルジョアジーが全世界でおし進めてきた新自由主義政策の破綻である。同時にそれは世界資本主義体制の歴史的な危機の始まりである。帝国主義はその矛盾をすべて労働者人民に押し付けることによってしか生き延びていくことはできない。帝国主義の支配に変わる新しい社会を築いていくことなしに労働者人民はもはや生きていくことができない。

 このような情勢のなかで、この危機を労働者階級解放―全人民解放へと転化していく革命的労働者党の建設と飛躍こそが痛切に求められている。われわれは、きたる政治集会において、現代帝国主義の歴史的限界、資本主義そのものの原理的矛盾を徹底的に暴露し、労働者階級人民が新たな世界を切り拓いていく展望を提示する。

 われわれは共産同(統一委員会)は、二〇〇四年の結成以来、階級的労働運動、反帝国主義に貫かれた国際連帯運動を基軸にしつつ、現在の日本における労働者階級と被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争を全力でおし進めてきた。本二〇〇八年、われわれは七月洞爺湖サミット粉砕闘争、九月米原子力空母横須賀配備阻止闘争、十一月岩国国際集会など連続する反帝闘争を全国各地の先進的労働者・学生とともに全力でたたかいぬいてきた。同時に、民間中小や地域合同労組をはじめとして全国各地で階級的労働運動の前進のために全力を尽くしてきた。また沖縄や三里塚など反帝拠点を守りぬくためにたたかい、被差別・被抑圧人民の解放闘争を推進してきた。われわれは、これらのたたかいのすべてを積極的に引き継ぎ、二〇〇九年、さらに広く深く労働者人民のなかに根を張りながら、大胆に帝国主義打倒の攻防を担いぬいていく。

 国際的な危機の深まりのなかで、日本階級闘争もいま長い沈滞状況を打ち破って新しい局面に入りつつある。反貧困をかげる社会運動や非正規労働者を主体とした労働運動など新しい動きが各地で始まっている。また、地元住民をはじめとした米軍再編・日米安保体制強化に対するたたかい、反改憲運動が全国で持続し発展している。こうしたたたかいのなかに内在し、その発展を促進し、支配階級に対する階級闘争としての発展を全力で切り開いていかねばならない。われわれ共産同(統一委員会)は、プロレタリア国際主義に立脚し、労働者階級・被抑圧人民の自己解放闘争を断固として推進する党として、労働者人民のたたかいの先頭に立ってたたかう。そしてそのただなかで革命的労働者党建設の前進を実現する。すべての労働者・学生のみなさんが、階級解放―全人民解放に向けて共にたたかうべく、共産同政治集会に結集されることを呼びかけたい。共にたかおう!


 

 

 

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