共産主義者同盟(統一委員会)
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『戦旗』第1307号(2008年6月5日) 米軍再編粉砕! 辺野古・高江の新基地建設阻止 労働者に貧困・生活破壊強制する福田政権打倒 全ての労働者階級人民の皆さん。いよいよ、帝国主義強盗会談=G8洞爺湖サミットが目前に迫った。われわれ共産同(統一委)は、五月十五〜十八日に取り組まれた、沖縄人民解放闘争をステップにして、この六月、サミット前段の閣僚会議反対闘争を、各地方・地区において、労働者人民の最先頭で担う抜く決意である。 そして、これらの闘いの積み重ねから、七月七日〜九日にかけて、北海道・洞爺湖で開かれようとしている、首脳会議粉砕闘争に攻めのぼろうではないか。 とりわけ全国の先進的労働者・学生は、日帝国家権力・政治警察による、サミット戒厳令弾圧体制、事前弾圧策動を、革命的警戒心をもって断固として粉砕し、全世界の反帝・反グローバリズム青年・学生運動勢力との固い連帯のもと、断固として北海道・洞爺湖現地に決起していこう。 日帝福田政権は、ガソリン税復活値上げや、「後期高齢者」医療制度の導入など、労働者人民の生活破壊を極限的に推し進めている。全国で労働者人民の怒りが渦巻いており、福田内閣支持率はついに20%を切るまでに落ち込み、もはや福田政権はガタガタの状態である。 であるがゆえに、福田はG8サミットの反革命的「成功」によって、なんとか延命をはからんと必死になっているのだ。 われわれは、洞爺湖サミット粉砕闘争を、アジア・第三世界の闘う民衆との共同闘争として位置づけ切り、またこれを、真に反帝国際主義に貫かれたものとして組織し、闘争の一大高揚をかちとらなければならない。 政治危機にあえぐ日帝福田政権を、労働者人民の力で今こそ打倒しよう。日米帝による新日米軍事同盟を粉砕しよう。米軍再編の焦点である、沖縄・岩国・座間を貫いて、反戦・反基地闘争の全人民的高揚・発展をかちとろう。 ●1章 5・15沖縄解放闘争の勝利から6―7月サミット粉砕闘争へ ▼@5月沖縄闘争の勝利を確認しよう 本年の五・一五闘争は、「復帰」=反革命統合三十六カ年を弾劾するとともに、日米軍事同盟・米軍再編攻撃と対決し、新基地建設を阻止するという固い決意のもとに、「本土」―沖縄現地を貫いて闘われた。 五・一五〜一七日にかけて、沖縄・「本土」の労働者人民千四百名の参加により、平和行進が取り組まれた。メインスローガンは「米軍再編ノー・辺野古の新基地反対」である。 本年の平和行進には、韓国労働運動からうまれた民衆歌謡グループの「コッタジ」も参加し、一連の行動を戦闘的に牽引した。 同時にわれわれは、五月沖縄行動の呼びかけに応え、「五・一五 浦添新軍港反対、キャンプ・キンザー包囲デモ」と、同日夜の「アジアと沖縄から基地をなくそう沖縄集会」をともに闘い抜いた。 十六日には、新基地建設を身体を張って闘い続けている現地住民と共に、名護市辺野古での座り込み行動と、高江ヘリパッド建設阻止の座り込み行動に参加してきた。 十七日には、二月に本島中部で起きた米陸軍兵のフィリピン人女性への性暴力に対し、不起訴処分(十五日)とした不当判決を徹底弾劾し、沖縄現地闘争に決起した闘う労働者、学生は、那覇地検前での抗議行動、「県」庁前でのサイレントアピールを闘い抜いた。 十八日には宜野湾市において、県民大会が、七千名の労働者人民の結集によって闘われた。 また同時に、東京においても、「五・一五『復帰』三六年を問う 沖縄の基地強化を許さない東京集会」が、一坪反戦地主会関東ブロックの主催で開催された。われわれも、この呼びかけに応え、共に集会の成功をかちとってきた。 この集会には、沖縄から、反戦地主の有銘政夫さんがかけつけ、米軍基地強化を徹底弾劾し、基地撤去まで闘いぬくという力強い訴えを行った。 日米帝国主義の米軍再編と、その下での日本軍=自衛隊の再編攻撃が激化するのに伴い、米軍基地が集中する沖縄や岩国(広島)、神奈川において、性暴力事件、強盗殺人事件などの、米兵による犯罪が激発している。 米軍は、度重なるこれら米兵の犯罪に対し、「綱紀粛正」を繰り返し、沈静化にやっきとなっているが、こんなものはまったく口先だけに過ぎない。 米軍・軍属・家族への一時的な「外出禁止令」以降も、辺野古での住居侵入など、事件はひきつづき引き起こされているのである。そもそもが、女子中学生に対する性暴力事件は、基地外住宅に居住する米兵によって起こされたのであって、抑止効果などありはしないのだ。 現在、米帝ブッシュによるアフガニスタン、イラクへの「対テロ」戦争の本質が、石油利権のための侵略反革命戦争戦争でしかなかったことが、全世界中に明らかとなっている。 アフガニスタン・イラク人民の抵抗闘争が粘り強く継続されるなかで、米兵の死者は四千人を突破した。もはや米帝自身が、出口のない泥沼化した状況を解決する能力を失っているのである。 このような、一片の正義も大義も無い侵略戦争に動員される兵士に、「綱紀粛正」をいくらさけんだところで、実効性があるはずがないのである。 この間の米軍犯罪の激発は、「対テロ」戦争へのアメリカ軍事戦略の変更を主要因とした、米軍再編が引き起こす必然的な結果であり、これらを黙って見過ごすならば、今後さらに激化していくことは間違いないのである。 その意味において、防衛省の米軍再編交付金の攻撃は、絶対に許すことができないものだ。そして同時に、米軍基地周辺住民の生命と引きかえに、交付金確保のために再編を受け入れる関係自治体首長も、まったく同罪であるといわなければならない。 五月十六日、防衛省は米軍再編交付金の本年度第一次配布分を内定した。総額は六十一億六千八百万円であり、沖縄・名護市が最も多い九億七千万円、次いで山口県岩国市が七億六千八百万円、神奈川県横須賀市が四億七百万円、相模原市が一億一千万円などとなっている。 帝国主義軍隊は、決して人民を守らない。その本質は、人種主義や、民族排外主義をイデオロギー的根拠とした、侵略のための軍隊なのだ。 日帝防衛省の、いわば「兵糧攻め」ともいえる、米軍再編交付金による悪らつな切り崩し攻撃を許さず、基地を抱える現地住民と固く結合して、米軍再編攻撃を粉砕しよう。 米軍基地の全面撤去にむけて、反基地闘争を全国で、よりいっそう強化しよう。 名護における新基地建設、高江におけるヘリパッド建設を許さず、沖縄のたたかいは実力闘争で基地建設と対峙している。全国から、名護新基地建設、高江ヘリパッド建設阻止闘争に結集しよう。沖縄のたたかいに連帯して、岩国や神奈川における反基地闘争を引き続き強化していこう。 アジア共同行動日本連絡会議は、沖縄、岩国、神奈川を貫く、アジアと連帯した反米軍基地闘争を、前進させてきた。こうしたたたかいを支持し、アジアから米軍総撤収をかかげてたたかう韓国、フィリピン、さらに米国を含むアジア太平洋地域での共同闘争を前進させよう。アジア共同闘争の地平を発展させ、八月、ジョージ・ワシントンの横須賀配備阻止闘争に全国から結集してたたかおう。 ●2章 先進的労学はG8サミット粉砕闘争に全力で決起しよう ▼@ 危機に陥る福田政権を打倒せよ 日帝・福田は、「後期高齢者医療制度」による、高齢者への重税攻撃の強行と、ガソリン税の復活・値上げをはじめとする、数々の反人民的政策の強行により、支持率が20%以下にまで急落している。 政権としての求心力を完全に失っているなかで、ポピュリスト小泉の再登場を願望する声が、自民党内部からも公然と出てくる始末であるが、福田自身は、北海道・G8サミットまで何とか延命しようと必死になっている。 五月二十四〜二十五日の神戸環境相会議反対闘争につづき、この六〜七月、東京・大阪・京都の各地方・地区において、G8サミット粉砕闘争に連続的に決起しようではないか。 そして、この力をもって、七月七〜九日、全国から北海道・洞爺湖現地に総力で決起し、首脳会談粉砕闘争を断固として粉砕しようではないか。 全世界の反帝・反戦・反グローバリズム運動と結びつき、八万人の結集のもと戦闘的に展開された、昨年のドイツ・ハイリゲンダムサミット粉砕闘争を引きついで、北海道・洞爺湖サミット粉砕闘争の圧倒的高揚をかちとろう。 ジリ貧の日帝・福田政権を、サミット粉砕闘争の爆発で打倒せよ! ▼A帝国主義の利害に貫かれたG8サミット G8サミットとは何か。それは、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、イタリア、ロシアと日本の八カ国の大国の首脳が、全世界六十億人民の今後について、帝国主義的利害をむき出しに、勝手な取り決めをするというものである。もちろん誰もそんなことをこの八カ国に委託したおぼえなど無い。 日帝・福田は、今回の北海道・洞爺湖サミットを、「環境サミット」などと宣伝してきているが、歴史的にサミットは、G8首脳が資本の利害を振りかざして対立と妥協を重ねてきた場であり、全地球的課題としての環境問題を解決することはできない。 G8こそが、全世界の人民、とりわけ第三世界人民を飢餓と貧困におとしいれる新自由主義グローバリゼーションを強制し、「対テロ」を名目に、アフガニスタン・イラクへの侵略反革命戦争によって、世界再編成を暴力的に推し進めている張本人であるという本質については、なんら変わっていないのである。 帝国主義は現在、@サブプライムローン問題を端緒とした米国経済の危機とドル暴落。Aアフガニスタン―イラク侵略反革命戦争を大きな要因とする石油価格の世界的高騰。Bさらには、バイオ・エタノール需要増加などによる、世界的な穀物価格の急騰=食糧危機。C地球温暖化問題に直面しておいる。 しかし、これらは、新自由主義グローバリゼーションと侵略戦争を世界規模において強制してきたG8=帝国主義諸国がもたらした必然的な結果に他ならない。 そもそも、膨大なCO 2排出―地球温暖化や、地球規模におけるこれほどまでの環境破壊の責任は、産業革命以降、大量生産・大量消費システムを確立してきたG8諸国にこそある。 その責任をいっさい省みることなく「環境サミット」などと宣伝すること自体がまったくの欺瞞でしかないことは明らかだ。 一九九七年十二月に、京都で国際会議「気候変動枠組条約第三回締結国会議(COP3)」が開催され、「京都議定書」が採択された。 これは、二酸化炭素やメタン、代替フロンなど、六種類の温室効果ガスを減少させるために、各国がそれぞれ目標を定め、最初の目標として、「先進国(=帝国主義国)」全体で一九九〇年比で、二〇〇八〜二〇一二年までに年平均排出量を5%以上削減しようというものだ。 しかし、議定書策定時に7%の削減で合意していた米帝が、ブッシュ政権になった二〇〇一年に、「途上国に削減目標がない。自国の経済と雇用に悪影響を与える」などと、露骨に巨大独占資本の利害をむきだしにして離脱しているのだ。 全世界の二酸化炭素排出量のうち、米帝は最大の24%を排出しているのである。 このことからも、巨大独占資本の利害を貫こうとする、アメリカはじめとしたG8=帝国主義諸国に、地球温暖化の本質的な解決を進めることなど到底不可能なことは明らかであろう。 ましてや、帝国主義諸国は、排出権取引をも利用して原子力発電所の大増設へと結び付けようとまでしているのである。原発の存在は、半永久的に残存する有害な核廃棄物を大量発生させる。これ自体がすでに重大な環境破壊である。さらに、原発事故は、チェルノブイリをみるまでもなく、地球環境に対して、破滅的な打撃を長期にわたり与えつづけていくのである。 ▼B帝国主義によって作り出された食糧危機 全世界で食料価格が急騰し、労働者人民の生活を圧迫している。コメ・大豆・トウモロコシなどの穀物類の価格が、この数年の間に、二〜三倍に高騰しているのである。 すでに第三世界人民や、帝国主義国の貧困層は、飢餓状況に叩き込まれている。 ハイチ、カメルーン、エチオピア、メキシコなどで、食料品の値上がりや不足に対する暴動や抗議活動が発生している。 フィリピンにおいては、たった三カ月で主食のコメが30%も値上がりしたことに対して、一千人規模での抗議デモが繰り広げられた。 最大の帝国主義国=アメリカにおいては、各地で学校給食の値上げが相次いで発表された。 〇六年時点で、国内で貧困ライン以下の生活をしている、アメリカ国内の貧困層は三千六百五十万人(六人に一人以上)にのぼる。 〇五年にアメリカ国内で「飢餓状態」を経験した人口は三千五百十万人(全人口の十二%)、うち二千二百七十万人が成人(全人口の10・45%)、一千二百四十万人が子どもである。 学校給食は、貧困層の子供たちにとっては命綱であり、給食費の値上げは貧困層をさらに深刻な飢餓状態に叩き込んでゆく。 国連の世界食糧計画(WFP)によると、この食糧危機は、世界人口の三割に影響を及ぼしており、これまで支援を必要とした一億人が新たに食糧を購入できなくなる可能性があると指摘している。 また、アジア開発銀行(ADB)は、アジア・太平洋地域の第三世界諸国では、平均で食費が家計の支出額の六割を占め(帝国主義国では、一〜二割)、十億人を超える人々が食糧高騰で深刻な影響を受けているという。 食料価格の高騰の根本的原因は、第一に、米帝のサブプライム住宅ローン問題=住宅バブルの崩壊により、金融危機が進行する中で、ヘッジファンドや多国籍資本などの投機的資金が、小麦、トウモロコシやコメなどの穀物市場に大量に流入してきたことによるものである。 第二に、米帝を先頭に進められる、バイオ燃料への農産物の転化も、食糧危機の原因となっている。バイオ燃料は、バイオマス(生物資源)を元にした、石油の代替エネルギーの総称である。サトウキビやトウモロコシ、ナタネやアブラヤシ、大豆などが原料となり、これらの需要拡大が進行し、食料価格の世界的高騰につながっている。 また同時に、アマゾンやマレーシア、インドネシアなどにおいては、バイオ燃料用の作物栽培のために、熱帯雨林などの森林を伐採しての農地化が急速に進んでおり、これらが、さらなる地球温暖化に拍車をかけるという悪循環を生み出している。 これら農作物は、そこで働く農業労働者や、その国の貧困層の口には入ることなく、穀物メジャーにより独占され、輸出されていくのである。 人民が生きるために必要な食料までが、投機の対象となり、価格高騰をひきおこしているのだ。 日帝福田は、洞爺湖サミットで、この食糧危機を主要議題のひとつにかかげているが、食料輸出国への輸出規制解除要請と、資金援助程度の小手先の手段で解決できる問題では絶対にないのである。 実は世界全体では、六十億人口が、十分に食べていける食料が生産されているのであって、もしこれが平等に分配されるならば、飢餓は存在しないのである。 しかし、G8諸国が推し進める、新自由主義グローバリゼーションによって、食料までもが投機の対象とされ、現在の食糧危機が進行しているのだ。 われわれは、食糧危機に苦しむ全世界の労働者人民とともに、現代帝国主義の強盗会談―G8サミットに断固反対して、六〜七月全国で闘争に立ち上がろうではないか。 ▼C反帝国際主義を掲げG8サミット粉砕へ G8サミットは、イラク侵略反革命戦争をはじめとして、帝国主義の侵略反革命戦争を相互に承認しあってきた。G8諸国は、「対テロ」を掲げて、侵略戦争を強行し、各国内における治安弾圧を激化させてきた。まさに強盗会談である。 洞爺湖サミットをめぐって、さまざまな潮流の動きが存在している。 極めて大まかにいうならば、@NGOなどによる、各国首脳や閣僚への「提言」をしようとする潮流と、Aさまざまな「対抗フォーラム」を対置する動きである。 われわれ共産主義者は、このような動きのなかに存在する進歩的要素を支持し、必要ならそれらの潮流との共同行動にも取り組むが、しかし、これらのいずれの立場も選択するものではない。なぜならば、これらの潮流の要求は、帝国主義批判が不徹底であるがゆえに、国家権力の問題をあいまいにし、資本主義の枠内での改良に運動を切り縮めようとする決定的な限界があるからである。 G8による新自由主義グローバリゼーションと侵略戦争、貧困・飢餓の強制、地球環境破壊などを根本的に変革する道は、帝国主義の世界的な打倒と、それを持ってする社会主義・共産主義の実現以外にない。 われわれは、このような確信をもって、洞爺湖サミット粉砕闘争を、反帝国際主義派の総決起として、国家権力の治安弾圧体制と正面から対峙した直接行動として闘いぬく。 そして同時に、自衛隊海外派兵の恒久化、米軍再編と一体の自衛隊強化、憲法九条改悪を基軸とした、日帝の戦争国家化と断固として対決する、自国帝国主義打倒をかかげる反帝政治闘争として闘い抜く。 すべての同志・友人のみなさん。われわれ共産同(統一委)とともに、サミット戒厳令体制を突破して、六―七月闘争に断固として決起しよう。 米軍再編攻撃と対決し、神奈川―岩国―沖縄つらぬいて、反米軍基地をさらに強化していこう。 |
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