共産主義者同盟(統一委員会)
|
『戦旗』第1306号(2008年5月20日) G8サミット粉砕! 司法相・内務相の治安弾圧会合粉砕 辺野古・高江への新基地建設阻止 福田政権に対する労働者人民の怒りは高まっている。七十五歳以上の高齢者は、おしなべて年金から保険料を天引きされる後期高齢者医療制度のもとでより一層、生活苦を強制される。「老人は死ねということか」と、怒りの声が渦巻いている。 ガソリン税復活値上げのみならず、食料品を中心とした日常品の全般的な値上げは労働者人民の生活を直撃し、その生活苦に一層、拍車がかかっている。労働者人民の生活はますます苦しい。新自由主義政策のもとで、あらゆる領域で規制緩和が進められ、特に、労働分野における規制緩和と、社会保障制度の解体は、広範な働く貧困層を生み出してきた。反貧困を掲げたたたかいが拡大し、人民は、福田政権に見切りをつけつつある。すでに内閣支持率は20%台に落ち込んでいる。だが、福田政権は、グラグラになった政権の延命をはかりつつ、いよいよG8サミット開催に全体重をかけつつある。 戦争と貧困、環境破壊を推し進めるG8サミットを粉砕しよう。反戦・反グローバリゼーション闘争の国際的なうねりを引き継ぎ、G8サミットに反対する国際共同闘争を爆発させよう。各地での閣僚会合に対するたたかいから洞爺湖での首脳会合粉砕闘争へと攻め上ろう。 ●1章 空自イラク派兵に違憲判決 全ての自衛隊は撤退せよ 四月十七日、名古屋高等裁判所(青山邦夫裁判長)は、自衛隊イラク派遣差し止め訴訟の控訴審判決で、航空自衛隊のイラクでの空輸活動が憲法九条違反であるとの判断を下した。 九条をめぐる裁判での違憲判断は、札幌地裁による長沼ナイキ基地訴訟での自衛隊違憲判決以来、三十五年ぶりである。今回の判決そのものは、空自派兵の差し止めや損害賠償を認めず被告・国の勝訴としたが、イラク派兵が憲法九条違反であることを明確にした点で、イラク派兵違憲訴訟という意味ではむしろ原告側の勝利といえる判決であった。 当時、小泉政権は、自衛隊が「非戦闘地域」で活動することを条件にイラク特措法を強行し派兵に踏み切った。しかも、小泉前首相は、「どこが戦闘地域か非戦闘地域か、私に聞かれても分からない」とか、「自衛隊が活動している地域は、非戦闘地域だということだ」などと、詭弁を弄してイラク派兵を強行した。判決は、イラクでの空輸活動が戦闘地域にあたるとし、憲法違反であると明確に断じたのである。これに対し、福田首相を先頭に政府閣僚は一斉に反発している。福田は、「傍論。脇の論ね」などと愚弄した態度をとった。 また、航空自衛隊幹部は、「そんなの関係ねえという状況だ」などと、許し難い発言をおこなっている。憲法違反であろうが、司法がいかなる判断を下そうが、自衛隊の活動は制約を受けないという態度であり、決して許してはならない。また、自衛隊幹部自身が、イラク派兵は、戦闘に巻き込まれることを想定していると公言している事実を見ても、自衛隊のイラク派兵はまったくの憲法九条違反であり、なし崩し的に、海外における武力行使に突入することを狙ったものなのだ。不当なイラク派兵を中止し、ただちに撤兵させなければならない。 また、自民党は、このイラク派兵違憲判決で、来年七月のイラク特措法期限切れに際しての継続がますます困難になることを見越して、時限立法ではなく派兵恒久法の確立を急ごうと主張しだしている。派兵恒久法制定策動は、自民党のみならず、小沢民主党も含めて進められようとしている。これは、憲法九条改悪の決定的な先取り攻撃である。絶対に許すな。 イラクから自衛隊を即時に撤退させよう。派兵恒久法制定策動を許さず、憲法九条改悪策動を阻止しよう。 ●2章 5月沖縄闘争をうけ、反基地闘争を全国で推進しよう 五月沖縄闘争がたたかわれた。日帝の反革命的統合三十六カ年を弾劾し、沖縄への差別支配のもとで一貫して強化されてきた米軍基地に対するたたかいが、「本土」からの結集を含めてたたかわれた(詳細次号)。 日米両帝国主義による米軍再編―新日米軍事同盟にむけた再編成のもとで、その焦点である沖縄、岩国、神奈川で、米兵による性暴力事件、強盗殺人事件が激発している。米軍の綱紀粛正などという欺瞞を峻拒し、米軍基地の全面撤去にむけてたたかいを強化しよう。沖縄は、米軍の巨大な出撃拠点として、あらゆる基地被害を強制されてきた。 さらに、日米両政府は、沖縄における米軍基地を一層強化しようとしている。名護における新基地建設、高江におけるヘリパッド建設を許さず、沖縄のたたかいは実力闘争で基地建設と対峙している。全国から、名護新基地建設、高江ヘリパッド建設阻止闘争に結集しよう。沖縄のたたかいに結集し、かつ、沖縄のたたかいに連帯して、岩国や神奈川における反基地闘争を引き続き強化していこう。 アジア共同行動日本連絡会議は、沖縄、岩国、神奈川を貫く、アジアと連帯した反米軍基地闘争を、アジア共同闘争として前進させてきた。こうしたたたかいを支持し、アジアから米軍総撤収をかかげてたたかう韓国、フィリピン、さらに米国を含むアジア太平洋地域での共同闘争を前進させよう。アジア共同闘争の地平を発展させ、七月八月、ジョージ・ワシントンの横須賀配備阻止闘争に全国から結集してたたかおう。 ●3章 5〜7月、反サミット闘争に全国で立ち上がろう 福田政権は、いよいよ七月洞爺湖でのG8サミットにむけて全体重をかけだした。日帝は、G8サミットに対する国際的な反戦・反グローバリゼーション闘争の爆発を阻止するために、すでに海外からの活動家などの入国を阻止してきている。日帝は、威信をかけて、サミットを防衛しようというのだ。治安弾圧を打ち破り、各地―洞爺湖を貫ぬく反サミット闘争の爆発を実現していこう。 G8サミットは、主要帝国主義諸国による利害調整の場だ。G8サミットに結集する帝国主義諸国の首脳たちこそ、全世界を戦争と貧困にたたき込んできた張本人だ。今回のサミットは、「環境サミット」と宣伝されてきた。帝国主義諸国の首脳たちに何かしら環境問題の解決を期待するなど、もってのほかだ。そもそも、深刻な環境破壊を生み出してきたのは、資本主義・帝国主義だ。すべてを資本の利潤追求に従属させることで、環境破壊を世界中で引き起してきたのだ。 地球温暖化問題に対して、世界最大のCO 2(二酸化炭素)排出国の米帝ブッシュは、その削減の先延ばしを公言している。米帝は、経済危機に直面し、景気対策に汲々としている。環境問題の解決など、所詮、米帝にとっては自己の帝国主義利益に反するならば平然と踏みにじるのだ。 また、主要帝国主義諸国にとっては、環境問題は、新たな利潤追求の分野へと最大限に転化することに目的がある。排出量取引をビジネス・チャンスとして争い、環境問題を原発推進にまで利用しようというのだ。 主要帝国主義諸国は、サブプライムローン問題を端緒として露呈した米帝経済の危機とドル暴落、原油高を背景にしたバイオ・エタノール需要、世界的な食糧市場の逼迫と穀物価格の急騰、食糧不足という事態に直面している。主要帝国主義諸国は、不安定化を加速し深まる経済危機に戦々恐々としているのだ。 戦争、貧困、環境破壊の元凶こそ、G8に結集する帝国主義諸国だ。先進的な労働者・学生は、サミット反対闘争に各地―洞爺湖を貫く総決起を実現していこう。 先進的な労働者・学生は、サミット反対闘争を、次のようにたたかおう。 第一に、G8サミット反対闘争を、国際的な反戦・反グローバリゼーション闘争として、国際共同闘争でたたかおう。 昨年八月、ドイツ・ハイリゲンダムで開催されたG8サミットに対して、ドイツ内外から八万人にのぼる労働者人民が結集し、多数の拘束者を出す激しいたたかいが敢行された。戦争・貧困の元凶、G8首脳らに対して、反戦・反グローバリゼーション闘争が爆発したのだ。ドイツでのたたかいを引き継ぎ、断固たる反戦・反グローバリゼーション闘争を爆発させよう。 資本主義・帝国主義批判を欠き、戦争や貧困、環境破壊の解決を帝国主義諸国の閣僚や首脳らに提言することで推進しようなどという運動の誤りは明白である。資本主義・帝国主義の打倒、鮮明にそのことを目的とする国際階級闘争を前進させることが必要なのだ。アジア共同行動日本連絡会議は、サミット首脳会談に対して、洞爺湖現地での国際共同闘争を呼びかけている。韓国、台湾、フィリピン、米国の反帝勢力の洞爺湖結集を呼びかけている。こうした呼びかけに応え、サミット首脳会談を反帝派の国際共同闘争でたたかおう。 第二に、戦争、貧困、環境破壊のG8サミットを、貧困を強制される労働者階級の反帝闘争としてたたかうことであり、また、全世界における「対テロ戦争」の出撃拠点へと日米軍事同盟を再編する米軍再編に抗する、沖縄、岩国、神奈川などの反戦反基地闘争と結合してたたかうことだ。 G8を中心とする帝国主義諸国こそが、新自由主義グローバリゼーションを推し進め、世界中を資本のむき出しの利潤追求の草刈り場にしてきたのだ。帝国主義支配にさらされる諸国は、貧困と従属化を強いられた。帝国主義諸国の労働者人民にあっても、不安定雇用が蔓延し、相対的下層労働者が構造的に生み出され、働いても働いても貧困から抜け出せない状態が生み出されてきた。新自由主義は、むきだしの、何の粉飾もない資本主義の姿だ。新自由主義グローバリゼーションを推進してきた帝国主義こそ、すべての元凶だ。貧困を強制される労働者階級のたたかいとして反サミット闘争をたたかおう。 さらに、G8を中心とする帝国主義国こそが、世界中で戦争を発動してきた。アフガニスタン、イラクと、帝国主義は残忍な戦争を繰り広げている。帝国主義の侵略戦争に抗するアフガニスタン、イラク人民に連帯し、日米両帝国主義の出撃拠点である沖縄、岩国、神奈川など、「本土」各地の米軍基地とたたかう反戦反基地闘争としてサミット反対闘争をたたかうことだ。 第三に、治安弾圧をはねのけてたたかおう。 反戦・反グローバリゼーション闘争の国際的うねりに恐怖する日帝は、すでに、海外の活動家の入国拒否を数名に適用してきた。日帝は、イスラム武装勢力、および、反グローバリゼーションの活動家への入国拒否を宣言している。 同時に、国内においても、G8サミットに反対するあらゆる運動を対象にサミット警備を進めると宣言している。福田が恐れるのは、各地での閣僚大臣会合や洞爺湖での首脳会議が直接の抗議行動にさらされることにある。 治安弾圧をはねのけ、各地、洞爺湖を貫く国際反帝共同闘争を実現しよう。諸大臣会合、洞爺湖での首脳会談に対して、これを粉砕する断固たる大衆的行動をたたきつけよう。 すでに各地での攻防が開始されている。五月十一日〜十三日、新潟での労働大臣会合に続いて、関西では、まず、五月二十四日から二十六日にかけて、神戸で環境大臣会合が開催される。これに対して、「市民が提案するもうひとつの環境サミット実行委員会」が結成され、五月二十四、二十五日と神戸で、分科会、シンポジウム、パレードなどの対抗企画が呼びかけられている。続いて、六月十三日、十四日と大阪で財務大臣会合が開催される。これに対して、「〇八年G8サミット反対実行委員会」が結成され、六月十二、十三日とG8サミット・財務大臣会合に反対する大阪行動が呼びかけられている。十三日には、財務大臣会合会議場にむけてデモが予定されている。断固たる抗議行動に決起しよう。 六月二十六、二十七日には、京都で、外務大臣会合が開催される。 これに対して、「サミット外相会議反対!京都実行委員会」が結成され、「戦争と貧困をおしすすめるサミット外相会議反対! 6・25―26京都行動」が呼びかけられている。ここには韓国のたたかう仲間も結集する。二十六日には、外相会議会場にむけてデモが呼びかけられている。断固たる抗議行動をたたきつけよう。 そして、七月一日には、「〇八年G8サミット反対実行委員会」のよびかけで、フランスのNO―VOXメンバーが参加した洞爺湖サミット反対集会デモが予定されている。首都圏においても、いよいよ、司法相会合に対する反対闘争や洞爺湖サミット粉砕闘争にむけたたたかいが開始されつつある。各地での閣僚会合粉砕闘争から洞爺湖での首脳会談粉砕闘争へと攻め上ろう。 アジア共同行動日本連絡会議は、洞爺湖における首脳会談粉砕闘争を、韓国、フィリピン、米国、台湾のたたかう仲間と共に、国際反帝闘争としてたたかうことを宣言している。アジア共同行動日本連絡会議は、五月、フィリピンKMUが呼びかけるISA(国際連帯行動)に結集しともにメーデーをたたかった。また、六月には、ILPS(国際民衆闘争同盟)がよびかける香港総会に結集し反帝勢力の国際的団結を一層強めた。また、六月京都におけるサミット・外相会合に反対するたたかいに結集した韓国労働者を招いて、神戸や名古屋、福山で、サミットに反対するアジア共同行動を各地で連動して開催する。 こうしたたたかいを断固として支持し、洞爺湖での首脳会談を粉砕する行動を全国から洞爺湖へ結集したたきつけよう。 各地における閣僚会合粉砕闘争をたたかい、いざ洞爺湖への総決起を! |
|
当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.