共産主義者同盟(統一委員会)
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『戦旗』第1305号(2008年5月5日) 米軍犯罪弾劾! 辺野古、高江への新基地建設阻止! 米軍再編粉砕! 沖縄―「本土」貫く沖縄解放闘争を 増税―生活破壊弾劾! 福田政権打倒 G8―洞爺湖サミット粉砕に決起しよう 全国のたたかう労働者・学生のみなさん! 5・15沖縄反革命統合三十六カ年を目前に控え、米軍基地撤去―日米軍事同盟粉砕のたたかいの意義はますます鮮明に突き出されてきている。相次ぐ米兵による凶悪犯罪を弾劾し、全国各地の反基地闘争とその相互の結合をさらに発展させていくために全力でたたかおう。沖縄人民のたたかいに連帯し、五月沖縄現地闘争に決起しよう。そして、G8サミット首脳会議・閣僚会議に対する一連のたたかいの準備を進め、日帝・福田政権の打倒に向けてたたかおう。 ●第1章 在日米軍による相次ぐ犯罪を徹底弾劾する 在日米軍の兵士による凶悪犯罪が繰り返されている。三月十九日、横須賀でタクシー運転手が米海軍横須賀基地所属の米兵によって刺殺された。われわれはこの残忍な強盗殺人事件を徹底的に弾劾する。二月に相次いで起こった沖縄での女子中学生に対する性暴力事件、フィリピン人女性に対する性暴力事件に続いて発生したこの事件は、米軍のいうところの「綱紀粛正」がまったくのまやかしであり、米軍犯罪を根絶するためには基地撤去―米軍撤収しかないことをあらためて満天下に示した。 米海軍兵士の犯行という事実が判明した直後、米駐日大使シーファーと在日米軍幹部は、横須賀市長と外務大臣に面会して謝罪した。しかし、それは日米政府が肩を組んでおこなった単なる欺瞞的なセレモニーにすぎない。その目的はただひとつ、八月の原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備を前にして、米兵による凶悪事件に対する横須賀市民の怒りと不安を沈静化させ、相次ぐ米兵による凶悪犯罪が在日米軍再編―基地強化に反対するたたかいを燃え広がらせていくことを何とか防ごうとすることにある。 今回の米兵による強盗殺人事件はまたひとつ日米地位協定の問題点を浮き彫りにした。犯人の米兵がようやく神奈川県警に身柄を移されたのは、米軍当局が犯人を拘束した十二日後の四月三日になってからであった。日米地位協定の十七条五項Cでは、犯罪の被疑者となった米兵を米軍が先に捕捉した場合、日本側が起訴するまでは米軍側が拘束するとされている。この条項は、九五年に起こった沖縄での米兵三人による少女性暴力事件の際にも問題となり、沖縄人民の怒りを受けて、後に若干「運用改善」されることになる。その内容とは、殺人、性暴力などの凶悪犯罪については、起訴前の身柄引渡しの要請について、米軍側が「好意的な配慮を払う」というものであり、今回のケースはそれに該当する。しかし、この「運用改善」によって捜査権・裁判権をめぐる地位協定の問題点が抜本的に改められたわけではない。そもそも米軍犯罪の対処について「好意的配慮」などという傲慢な姿勢を許すことはできない。さらに、〇二年に沖縄で起こった米兵による性暴力事件の際のように、米軍が「配慮」をせず、要請を拒む例も実際にあるのである。これは数ある日米地位協定の問題点の一つであり、抜本的な改定こそが求められているのだ。 しかしながら日米政府双方とも、日米地位協定を改定しようという姿勢はまったくない。米国側は「どの国の文書と比べても、受け入れ国に有利な協定になっている」(四月十四日・ライス在日米軍司令官)と言い放ち、日本側もまた「米側から見たグローバルスタンダードで言えば、日本が少し進んでいる」(二月十六日・高村外相)などとして、米軍基地を抱える街の住民の怒りや不安を顧みず、地位協定を改定する気がまったくないことを公言している。このような日米政府の態度を徹底的に弾劾しなければならない。 新聞報道によれば、横須賀市は「米軍とともに安全な町づくりの努力を続け『横須賀モデル』と言われた」(『朝日新聞』四月四日付)。しかし、そのような対策によっては米軍犯罪をなくすことはできないことを今回の事件はあらためて示した。基地撤去―米軍撤収こそが求められている。横須賀においてもまた、〇二年のオーストラリア人女性に対する性暴力事件、〇六年の日本人女性への強盗殺人事件、〇七年七月の女性二人に対する殺人未遂事件をはじめ繰り返し米軍犯罪が引き起こされてきた。それは侵略反革命戦争を担う軍隊の本質を明らかにしている。 われわれは米軍に対して「良き隣人」になることをのぞんでいるのではない。米軍に「綱紀粛正」や「好意的配慮」を求めているのでもない。侵略反革命戦争のための部隊としてその存在するところではどこでも不可避に性暴力や殺人事件など凶悪犯罪を引き起こす米軍が撤退することこそを求めているのだ。日米地位協定改定の要求を米軍再編阻止、米軍基地撤去―日米安保粉砕のたたかいへと結びつけ、全国的な反基地・反安保闘争の爆発をかちとろう。 ●第2章 全国の反基地闘争の結合をさらに強めよう たたかう労働者・学生のみなさん! 相次ぐ米兵による凶悪犯罪を弾劾し、三月から四月にかけて各地で取り組まれてきた反戦闘争、反基地闘争を引き継ぎ、この五月、たたかいをさらに発展させ、全国の反基地闘争の結合をさらに強力におし進めよう。 イラク侵略反革命戦争の開戦五カ年に際して、立ち上がる全世界の労働者人民と連帯し、全国各地でイラク反戦世界同時行動が取り組まれた。そのなかで、アジア共同行動・京都に結集する仲間は、STOP!イラク派兵・京都による「3・20ピース・アクション」の取り組みを牽引し、昨年を上回る四百五十人の結集でその成功をかちとった。翌二十一日は、アジア共同行動日本連絡会議が東京でのアメリカ大使館抗議行動をおこない、イラク侵略・占領を続ける米・ブッシュ政権に対する激しい怒りを叩きつけた。 さらに沖縄では三月二十三日、激しい雨のなか六千人が結集して、「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」がかちとられた。この集会は相次ぐ米軍犯罪に対する沖縄人民の怒りを結集して勝ち取られ、米軍犯罪への抗議を通して日米地位協定の即時・抜本的な改定の要求を日米政府に対してつきつけ、日米安保―日米軍事同盟体制とのたたかいの重要性を鮮明にした。 そして、この3・23県民大会で示された沖縄人民の怒りを引き継いで、四月六日には「基地をけとばせ!ストップ!米軍再編 4・6防衛省『人間の鎖』行動」が、ヘリ基地反対協議会、沖縄平和市民連絡会、辺野古への基地建設を許さない実行委員会の三団体の呼びかけでおこなわれ、五百五十人の参加者が人間の鎖で防衛省南側を封鎖した。この防衛省抗議行動はまた、米軍再編の現場でたたかう全国の反基地闘争の結合をさらに一歩おし進めた。沖縄からは安次富浩さん(ヘリ基地反対協)と高里鈴代さん(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会)が参加し、岩国からは田村順玄さん(岩国市議)が駆けつけた。また、横須賀、厚木、座間、横田の反基地運動団体も結集した。各地で相次ぐ米軍犯罪を徹底的に弾劾し、米軍再編粉砕―米軍基地撤去を掲げて全国で進めてきたたたかいをさらに拡大していこう。 全国各地での反基地闘争の結合を推進するとともに、アジア各地の反基地・反帝国主義闘争との連帯・結合をさらにいっそう強めていかなくてはならない。米軍の戦力再編はアジア規模・世界規模で繰り広げられており、これとたたかう国際的な共同闘争の発展のなかにこそ勝利への展望が宿っている。 駐韓米軍をめぐっては、訪米した韓国の李明博大統領がブッシュとともに四月十九日の米韓首脳会談で「駐韓米軍の再定義」を進めることで合意した。その内容は、駐韓米軍の世界的展開を容認し、南北統一後も米軍が朝鮮半島にとどまり続けるというものである。それは、東アジアの平和と朝鮮半島の自主的平和統一をめざす朝鮮半島の労働者人民の努力にあからさまに敵対し、朝鮮半島をあくまで米帝の軍事支配の下に留め置こうとするものである。また、フィリピンにおいては沖縄でのフィリピン人女性に対する抗議が高まるなかで、三月初旬に米比合同軍事演習「バリカタン」が強行されるなど、あいからわずフィリピンにおける米帝の軍事プレゼンスの強化、米軍駐留の永続化に向けた攻撃が続いている。 韓国、フィリピンをはじめとするアジアの反基地闘争―反帝国主義闘争との結合を強め、アジアからの米軍総撤収をかちとろう。サミット首脳会談・閣僚級会談粉砕闘争、八月原子力空母横須賀配備阻止、十一月岩国闘争を国際共同闘争としてたたかいぬこう。 ●第3章 沖縄の反革命的統合36カ年糾弾 5・15沖縄解放闘争へ決起を 今年の五月十五日で沖縄の反革命的統合から三十六カ年を迎える。沖縄では「五月沖縄行動」の呼びかけによって一連の行動が取り組まれ、東京では沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの主催で「『復帰』三十六年を問う 沖縄の基地強化を許さない東京集会」がおこなわれる。3・23県民大会で突き出された相次ぐ米兵による性暴力事件に対する沖縄人民の憤激と結合し、沖縄―「本土」を貫くたたかいを実現しよう。 昨年九月二十九日の「教科書検定意見の撤回を求める県民大会」には、空前の十一万人が結集し、日本軍による沖縄戦での集団死強制という歴史事実の教科書からの抹殺策動を弾劾した。沖縄人民の怒りの前に、歴史事実の教科書への記述は「修正申請」されたものの、文科省は「検定意見の撤回」を否定したままだ。9・29県民大会実行委員会は、仲井真知事と自民党県連の敵対を粉砕し、実行委員会を存続させ、検定意見を撤回させるまでたかう姿勢を鮮明にしている。新たな戦争への準備として沖縄戦を含む歴史事実―侵略の歴史を歪曲し、戦争動員態勢づくりを推進しようとする日帝・支配階級の攻撃を沖縄人民と共に打ち破ろう。 さらに、辺野古新基地建設阻止、高江ヘリパッド建設阻止の現地攻防に決起しよう。日帝・防衛省は、三月十七日から違法不当な「環境アセス」調査をなし崩し的に強行し、名護新基地の二〇一四年完成に向けてなりふりかまわぬ攻撃にでている。これを阻止し、沖縄を侵略反革命戦争の出撃拠点としてさらに強化しようとする日米帝の野望を打ち砕き、在日米軍再編を挫折させ、日米安保体制を揺るがす巨大なたたかいをつくりだしていくために、現地での攻防に全国から決起しよう。辺野古新基地建設(アセス調査)阻止、高江ヘリパッド建設阻止の現在の取り組みにこそ、沖縄人民が戦争に反対し続け、米軍犯罪を糾弾し続けてきた内容が活かされている。このたたかいに連帯し、学び、米軍再編―日米軍事同盟強化を粉砕するたたかいの陣形を全国的にさらに発展させていこう。 沖縄人民と連帯し、5・15沖縄反革命的統合三十六カ年糾弾の沖縄現地闘争に決起しよう。沖縄―「本土」を貫くたたかいをつくりだそう。 ●第4章 危機に瀕する日帝―福田政権打倒に向けて闘い抜こう 日帝・福田政権は、その支持率が日を追うごとに低下するなかで、なんとかその政権の座を維持するために汲々としている。しかしながらそのもとでも、米軍再編に示される戦争態勢づくり、また労働者人民に犠牲を転化する新自由主義政策はたゆむことなく推進されている。 日帝・福田政権は四月十一日の閣議で、朝鮮民主主義人民共和国に対する制裁の三度目の延長を決定した。われわれはこれを弾劾する。万景峰号など共和国籍の船舶の入港禁止や共和国からの輸入禁止措置などを柱にした制裁措置は、老齢の在日朝鮮人の祖国への往来や朝鮮学校の生徒の修学旅行の実質的な制限など在日朝鮮人民に大きな影響を与えている。また、今年一月の京都朝鮮商工会弾圧など、日帝の共和国敵視政策のもとで、朝鮮総連と在日朝鮮人民に対する政治弾圧も続いている。福田政権による共和国への制裁の延長を弾劾し、日朝国交正常化の実現に向けてたたかおう。日帝による排外主義煽動とたたかいぬき、日本の戦争国家化を阻止しよう。 また労働者人民の生活と権利という点をめぐっても、いっそう深刻な状況が訪れようとしている。この四月から始まった七十五歳以上の人々を対象にした「後期高齢者医療制度」によって、低所得者を中心に保険料負担が大幅に増額されている。そもそも少ない年金からの天引きで、貧しい老齢者から保険料をむしりとり、それで生活できないのならば死んでもしかたがないといわんばかりのあくどい攻撃である。また生活保護受給者に対しても、今年度から通院費が大幅に限定されようとしている(移行期間を経て六月末から全面的に開始予定)。 社会の二極化のなかで、富める者だけがますます富み、貧しい者は権利をはく奪され、ますます貧しくなっていかざるを得ない状況が日に日に拡大している。労働者人民に貧困を押しつけ、戦争態勢づくりばかりを推進する支配階級の攻撃に今こそ反撃の狼煙をあげよう。たたかって権利を獲得し、団結を拡大し、さらなるたたかいの強化をかちとろう。危機にあえぐ日帝・福田政権の打倒に向けてたたかおう。そして、アジア・世界の労働者人民のたたかいと連帯し、帝国主義の支配に代わる新たな社会を労働者人民自身の手でつくりあげるためにたたかおう。 |
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