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『戦旗』第1304号(2008年4月20日)




  5月沖縄解放闘争を闘おう

  生存権守れ・反貧困メーデーの大高揚を

  G8サミット粉砕! 福田政権を打倒せよ





 米国など帝国主義の戦争とグローバリゼーションが激烈に世界の危機を深めている。約十六万米兵が占領するイラク。侵略戦争はイラク民衆数十万を虐殺し、このなかで米兵も四千が死亡した。米欧帝の石油支配の下で、国際的な過剰資本が原油や資源への投機を強めている。アフガニスタン南部東部では、旧タリバン勢力が巻き返している。カルザイ傀儡政権やNATO軍約五万の占領支配が脅かされ、フランスは増派を決めた。米帝・ブッシュの人民大虐殺と大強盗が今なお続いている。日帝・福田政権は、自衛隊を出兵し、インド洋給油活動を再開し、イラク輸送業務を強行し、この蛮行に加担している。持続する国際反戦闘争を拡大し、米軍・自衛隊など侵略軍の即時撤退をかちとらねばならない。

 他方、米帝のサブプライムローン危機がついに爆発した。約四千三百六十億ドル(約四十兆円)ものドル資金融通や金利引き下げを実施した米連邦準備理事会(FRB)は、約百兆円損失を予測するなど「景気後退」を発表した。株安と金利低下、原油・資源・原材料費が高騰する中で、米国発の世界不況が始まった。ベア・スターンズ証券の身売りなど金融資本の再編・信用収縮が欧米に広がり、これらの矛盾が各地の労働者・被抑圧人民におしつけられ、賃下げ・失業・貧困化・飢餓が増大している。

 世界中が戦争・抑圧と貧困に直面し、各地で人民の生存と抵抗の闘争が激化している。中国スターリン主義当局による暴力的抑圧支配に抗した、チベット人民の自決要求のデモ・たたかい。米帝・イスラエルの軍事占領と隔離・封鎖の虐殺攻撃に抵抗するパレスチナ人民の解放闘争。中南米では、キューバの反米帝・社会主義革命や、ベネズエラ・チャベス政権などの反米帝民族解放―「社会主義的」改革の模索・たたかい。これらが活発化している。

 韓国では朝鮮民主主義人民共和国の敵視と労働者民衆の搾取抑圧を強める李明博大統領が登場した。外資と韓国財閥の搾取支配や韓米日軍事同盟、日韓FTAの攻撃が、一挙に強まっている。これに韓国労働者民衆が階級政党建設、民主的労働運動の産別化、国際連帯などの発展的課題を担いたたかっている。急騰する燃料代と米の不足・値上げが直撃するフィリピンでは、労働者人民運動の活動家虐殺攻撃が続くなかで、腐敗したアロヨ政権を打倒する全人民闘争が高揚している。こうした国際情勢の特徴が求めていることは、労働者階級・被抑圧人民の解放闘争―反帝・社会主義革命のたたかいが国際的規模で結合し、その主導権を回復することにある。わが同盟はこれに応えるべく、反帝プロレタリア国際主義と階級的労働運動・学生運動・被差別大衆の解放運動の建設という総路線を断固推進していく。

 相次ぐ米兵の性暴力・殺人事件とその処罰を回避する日米地位協定と日米軍事同盟、守屋前防衛次官の疑獄や自衛隊イージス艦「あたご」の漁船撃沈事故など防衛省・自衛隊の腐敗と横暴、これらに怒りと批判が沸騰している。〇八年春季闘争において、労働者・被抑圧人民の生存と抵抗の団結を組織し、米軍再編反対・自衛隊恒久派兵法阻止のたたかいを結合し、福田政権を打倒しよう。G8サミット粉砕・米原子力空母横須賀母港化阻止・岩国闘争推進の三大決戦をたたかい、アジア共同行動日本連や階級的労働運動、学生運動、被差別大衆の自己解放運動の発展をかちとろうではないか。



  ●1章 階級的労働運動の前進と政治闘争の結合


 〇八年春季の政治闘争の重点は、生活破壊と戦争攻撃への抵抗闘争を結合し、福田政権打倒闘争を進めることである。とくに、新自由主義グローバリゼーションによって生み出された広範な働く貧困層、生活苦・労働苦に対する労働者階級の層の形成や、生活苦・労働苦などの労働者階級の怒りに徹底的に立脚しなければならない。これが第一の任務である。ワーキングプアが社会問題化する〇八春闘。福田首相自らが賃上げ要請のポーズを演出した。トヨタの「一〇〇〇円」など独占資本は、米国不況、ドル安―円高、原油・原材料費の高騰などの「逆風」を口実に低額回答。非正規労働者にはゼロ回答である。中小零細労働運動の春闘は今なお続いている。全労協など左派労働運動は時給一二〇〇円以上の最低賃金大幅アップを要求した。さらに貧困・格差社会反対、非正規労働者の権利確立・均等待遇を求め、スト権をもってたたかっている。日本経団連は、この間、「経営労働委員会報告」を発表し、労働者への低賃金・格差拡大・非正規化を正当化した。その内容は、@「支払い能力」論による賃下げ、格差拡大容認、A独占資本のグローバル競争強化と規制緩和・民営化など新自由主義政策の徹底化、B細切れ雇用の拡大などによる、労働者の貧困化・階層分断支配の強化、などである。トヨタなど独占資本の側は、空前の利益を上げている。過去十年間で大企業の経常利益は約二倍の十五兆円増加、株主配当金は約四倍の伸びを示している。〇六年度の役員一人当たりの給与は約千七百五十万円で、十年前の40%増。他方で年収二百万円以下の労働者が一千万人を越えた。まさに階級矛盾・対立が激化し、富裕層がさらに富み、生存権さえ破壊される下層労働者の側に貧困が増大している。各地で、怒りの決起・反撃が広がっている。全労協系左派労働運動は「四・三中央総行動」を約千名規模でたたかった。日本経団連前の大抗議集会、生活賃金・生存権を要求し怒りの「むしろ旗」を掲げた首都高速会社前の大決起集会、国鉄闘争勝利の霞ヶ関包囲デモ。これらが熱くたたかわれた。地域・職場―全国を貫く階級的労働運動建設を前進させよう。貧困と抑圧・無権利に苦しむ非正規・下層の労働者の団結を正面から組織しよう。そうした階級的労働運動勢力によって、米軍再編反対・改憲阻止―福田政権打倒の全人民政治決起をすすめ、新たな階級闘争構造を築いていこう。



  ●2章 米兵犯罪糾弾、新基地建設阻止、沖縄解放闘争前進を


 第二には、米兵の性暴力・犯罪を糾弾し、名護新基地建設阻止をたたかう沖縄解放闘争の前進に連帯することである。

 米軍再編で、沖縄の軍事基地は強まった。「負担軽減」など真っ赤な嘘であった。市街地のど真ん中にある普天間基地で轟音を撒き散らす米軍ヘリなどの軍事演習が繰り返されている。嘉手納基地に岩国海兵隊機やF16在韓米軍機が飛来し、即応(戦争出撃)訓練が強行され、百デシベルを超える騒音が昼夜を問わず住民を襲っている。三月十七日、キャンプ・ハンセンで陸自混成団百五十名が初の訓練使用をした。米軍・自衛隊の共同使用による実弾射撃など実践訓練が本格化する。そのキャンプ・ハンセンのレンジ3では、米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)の新たな射撃訓練場建設が始まった。このキャンプ・ハンセン訓練場で、先日、米軍廃弾処理による大規模な山火事が起きた。米軍・自衛隊の軍事的一体化のもとで、紛れも無く軍事基地が増強されている。

 イラク戦争が泥沼化するなかで、軍事基地と戦争訓練が強まり、騒音被害など環境と生活が破壊されるなかで、米兵の性暴力・犯罪が相次ぎ発生した。この間、中学生やフィリピン女性への性暴力事件、さらにタクシー強盗傷害事件などが明らかとなった。沖縄をはじめ、昨秋の岩国米兵広島性暴力事件、今年三月の横須賀米兵のタクシー運転手殺人事件など、米軍基地の周辺各地で米兵犯罪が激増している。そうしたなかで、三・二三沖縄県民集会が、怒りの約六千名を集め、たたかわれた。東京では緊急抗議行動が沖縄一坪反戦地主会関東ブロックなどによる実行委でたたかわれた。

 東村・高江のヘリパッド建設や名護新基地建設をめぐる攻防もはげしい。基地と侵略戦争を強要する差別軍事支配も熾烈である。沖縄人民の抵抗と反撃が間断なく続いている。名護新基地建設の環境影響調査強行、海自掃海艦「ぶんご」の治安出動、米軍再編特措法による基地周辺自治体への買収攻撃、そして沖縄戦における強制集団死の軍命令を消去る歴史教科書改ざんなど、攻撃は連続した。これに、現地実力阻止行動や、怒りの十一万六千名の総決起がたたかわれてきた。現地のたたかいへ支援を強めよう。

 二月五日、沖縄防衛局は県からの批判を全面的に浴びたズサン極まりない「方法書」に二百五十ページもの「追加・修正資料」を提出し、三月十七日、アセス環境調査を強行している。

 「沖縄ノート」・岩波書店/大江健三郎氏に対し、元隊長からの「集団自決の軍命令は無かった」という歴史改ざん・侵略戦争賛美の名誉毀損・損害賠償請求が行われたが、三月二十八日大阪地裁は請求を棄却した。四月六日、東京では防衛省「人間の鎖」行動が労働者市民約五百五十名を集め成功した。沖縄の安次富浩・高里鈴代の両氏や、岩国の田村順玄さんや、神奈川の反基地運動諸団体が集結し、抗議アピールを繰り広げた。その後、交流集会が勝ち取られた。

 米軍再編と名護新基地建設など差別軍事支配とたたかう沖縄解放闘争の前進に連帯しよう。基地撤去―安保廃棄の五・一五闘争を沖縄現地―「本土」を貫いてたたかおう。名護新基地建設阻止の現地実力行動支援、「本土」各地の連帯闘争を強力にすすめよう。四・二六沖縄連帯の反戦闘争実の集会・デモに決起しよう。



  ●3章 岩国、横須賀闘争を闘い、自衛隊派兵恒久法案粉砕へ


 第三には、岩国闘争、八月米原子力空母ジョージ・ワシントン横須賀母港化阻止を結合し、自衛隊派兵恒久法の制定を阻止することである。

 二月岩国市長選では米軍再編に反対した井原氏が残念ながら僅差で敗れた。しかし、「市民生活破綻」の謀略的デマキャンペーンに抗し、有権者の約四割、四万五千二百九十九票もの反基地勢力がその隊列を強固にした。岩国のたたかいは、沖縄や神奈川の反基地闘争と結合し、アジア共同行動九州・山口実行委などの現地支援闘争や、韓国・フィリピン・台湾・米国などアジア太平洋地域からの連帯闘争と繋がり、前進してきた。それは、日米帝のアジア侵略戦争における最前線出撃基地へと強大化される岩国基地に反対する決定的な運動内容を形成するものとなった。つまりアジアからの米軍総撤収を求める国際反基地闘争の一翼と結合したのだ。たたかいは、岩国基地拡充計画に反対する「公有水面埋立許可取消訴訟」など、新たに進んでいる。爆音訴訟も準備されている。また井原前市長は、基地強化容認派・福田新市長への反撃も開始した。これらを支援しよう。AWC日本連は今秋十一月岩国現地闘争を決定した。岩国闘争と沖縄、神奈川など米軍再編とたたかう各地の反基地運動との結合を強め、反撃の闘争力量を拡大しよう。「軍事基地と女性ネット」が呼びかける広島県警と広島地検に対する抗議・公開質問状の賛同運動を推進しよう。

 神奈川ではさる十二月に座間基地を米陸軍第一軍団前方司令部に再編する動きが具体化した。陸自の中央即応部隊も編成され、日米陸軍の軍事一体化と司令部統合が強行されている。きたる八月一九日、米原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備が計画されている。これは、世界最大級の最新鋭空母であり、六十万キロワットの出力をもつ巨大な原子力施設が首都圏の一角に常駐し、日本とアジア太平洋・インド洋を縦横無尽に戦争攻撃するというのだ。同時に、戦後の反戦反核運動を解体し、新日米軍事同盟化の日帝核武装化を図る攻撃としてある。神奈川の平和運動センターなどは、一月前の七月十九日に、「一万人集会」を開催することを決定し、たたかいを開始した。アジア共同行動日本連は、被爆二世のたたかいに連帯する八・六広島反戦反核青空集会の後、八月十六・十七日の横須賀反基地合宿と十九日現地闘争を全国結集でたたかうと決定した。神奈川反基地闘争との共闘関係を前進させ、全力で米原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀母港化を阻止しよう。

 今通常国会において自衛隊派兵恒久法が狙われている。福田は、インド洋給油活動再開も一年間の時限立法で行わざるをえなかったという制約を取り払い、民主党との「大連立」を画策して、派兵恒久法の制定を目論んでいる。その上、憲法審査会が機能しない国会状況を打開し、改憲策動の動きを再加速しようとしている。そのために、さる三月、超党派の「新憲法制定議員同盟」を発足させた。中曽根が会長となり、顧問に伊吹・鳩山の自民・民主両党の幹事長を組織し、安倍晋三や前原誠司が役員に就き、百九十一名の国会議員を集めている。こうした改憲策動を許さず、自衛隊派兵恒久法を断固阻止しよう。同時に、AWC日本連の「憲法九条改悪を許さない!アジア・メッセージプロジェクト」運動を継続しよう。さらに六・一四日比谷野外小音楽堂の反安保闘争など、改憲阻止の広範な共闘をつくりだそう。



  ●4章 反帝国際共同闘争を推進し、G8サミット粉砕に決起を


 第四には、今春から各地で開催されるG8サミットの各閣僚会議、そして七月の洞爺湖サミットに反対する反戦反グローバリゼーション闘争を反帝国際共同闘争で迎え撃つたたかいである。ブッシュ・福田など帝国主義の頭目による戦争・強盗・貧困化・環境破壊のための国際謀議を許してはならない。国際的な反戦反グローバリゼーションの共同闘争を発展させ、各地―洞爺湖を貫く全国総決起でたたかおう。

 五月環境大臣会合(神戸)、六月財務大臣会合(大阪)、六月外務大臣会合(京都)、六月内務・司法大臣会合(東京)を各地で迎え撃ち、七月首脳会談(洞爺湖)反対現地闘争へ、全国学生、各地の派遣によって全国から決起しよう。各地で、さまざまな団体とともに共同のたたかいを作りあげ、反戦闘争実、反戦実(サミット反対大阪実)、韓国、フィリピン、米国、台湾の人民運動団体とともに、国際反帝共同闘争でたたかおう。公安警察のあらゆる弾圧を許さず、跳ね返したたかおう。

 AWC日本連が組織する本年の六月アジア共同行動は、京都でのG8外相会合反対闘争をはじめ、韓国からゲストを迎えてたたかわれる。これを全力で支え、進めよう。七月上旬、反戦闘争実などが準備するG8サミット粉砕の中央闘争を燃え上がらせよう。洞爺湖現地を反帝国際共同闘争派の隊列で包囲し、G8サミットを粉砕しよう。



  ●5章 AWC運動を支持・支援し、国際連帯の大衆的な高揚を


 第五には、韓国、フィリピンなど、アジア太平洋各地のたたかいに支援連帯し、アジア共同行動(AWC)運動の拡大を支えることである。「日米帝国主義のアジア侵略支配に反対するアジアキャンペーン(AWC)」はが、AWC日本連絡会議、フィリピン・バヤン、韓国AWC委員会、台湾労働人権協会、インドネシア・YMB、ネパール労働総同盟などを構成し、アジア太平洋各国の連帯・共同闘争を行ってきた。現在、米国ANSWER連合もAWCと共闘している。帝国主義の戦争―基地、新自由主義グローバリゼーションに反対する国際共同闘争は一国主義・排外主義の狭さや誤りを克服しうる重要な運動内実をもっている。春季政治闘争において、AWC日本連の以下の国際連帯運動を支え、推進しよう。

 韓国民衆連帯では、李明博政権による搾取支配の強化・共和国敵視とたたかう労働者民衆との連帯を強化すること。南北朝鮮民衆の自主的平和統一を支持し、民衆による朝米平和協定作りを支持しよう。韓国労働運動への連帯、韓国反米軍基地闘争への連帯、これらを軸にした派遣団を組織しよう。日韓労働者の産別交流、地域交流を進め、十一月韓国労働者大会に労働者派遣団を送り出そう。米帝・日帝の共和国戦争重圧に対して、六カ国協議の情勢を活用し、民族排外主義とたたかう日朝国交正常化署名を広範囲に組織しよう。拉致問題を利用した排外主義扇動は続き、朝鮮総連弾圧も継続している。戦後補償の実現と日朝国交正常化を戦争策動への対案として、各地で在日団体と共闘し強力に進めよう。また韓国での「朝鮮半島平和協定」作りを支持し連帯していこう。日韓FTA阻止の共同闘争を展開しよう。

 フィリピンとの連帯を反帝国主義・反米軍闘争を軸に引き続き強化しよう。四月末から五月上旬のKMU・ISA(国際連帯会議)へ、AWC日本連から労働者派遣団を組織しよう。フィリピントヨタ労組やヤザキ労組など日系侵出企業などの労働争議支援要請に応えていこう。六月ILPS(国際民衆闘争同盟)総会(香港)に代表を送出し、反基地交流を進めよう。フィリピンにおける活動家殺害や、あらゆる民衆弾圧に反対していこう。在日フィリピン人・在日BAYANへの連帯と支援を各地で推進しよう。フィリピン政治犯五名の釈放を求める運動を全国で進めよう。日比経済提携協定(JPEPA)を批判し、反対運動をひろげよう。

 米国との反戦反基地闘争をめぐる共闘、台湾の反米闘争への連帯、インドネシアへの連帯などを進めよう。反弾圧などをめぐるフィリピン、韓国の大使館や領事館への連帯抗議行動を適宜組織していこう。

こうしたAWC国際連帯運動を大衆的に組織し、アジア太平洋における反帝国際統一戦線を前進させよう。

 以上、〇八年、春季政治闘争をともにたたかおう。
 

 

 

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