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『戦旗』第1298号(2008年1月20日




 岩国市長選勝利に向け全国から支援を

 給油新法再議決徹底弾劾

 増税―生活破壊、戦争へと突き進む日帝―福田政権を打倒せよ

 在日米軍再編阻止―アジア米軍総撤収の反基地闘争を闘おう




 〇八年、われわれは、日本サミット粉砕、沖縄―岩国―神奈川を貫く反基地闘争を全力でたたかいぬく。昨年十月、われわれはアジア共同行動・日本連絡会議が呼びかけた、岩国国際集会に全国から決起し、米軍の帝国主義的再編を許さず、岩国基地の大強化を許さないたたかいを岩国市民と共にたたかいぬいた。

 日帝―福田政権は、昨年十一月の米帝・ブッシュとの会談において給油新法の成立を約束し、臨時国会を再延長した。そして、一月十一日、参議院本会議での否決後、すぐさま衆議院本会議での再決議を強行し、給油新法を可決・成立させた。われわれは、この暴挙を徹底弾劾する。中東において大量に人民を虐殺し、その上に帝国主義の利権をむさぼろうとする給油新法を絶対に許すことはできない。

 そして本年、日本で開催されるサミットを全力で粉砕していこうではないか。資本家ども、帝国主義者どもの利益のための大量生産によって、世界中の資源を奪い尽くし、破壊し尽くし、全世界の労働者人民を劣悪な条件の下、低賃金で使い捨てている「先進国」―帝国主義国が、「環境サミット」などと謳い、世界の環境力をリードしていくなどと欺瞞している。

 しかし全世界の人民はこんな欺瞞を完全に見抜いているのだ。帝国主義者どもの目論見を断固として粉砕していこうではないか。七月洞爺湖サミットを全力で粉砕していこう。各地で開催される閣僚級会談を粉砕していこう。




 ●第1章 給油新法の強行可決弾劾 日帝―福田政権打倒せよ


 福田政権は臨時国会を再延長し、一月十一日、給油新法案を強行可決・成立させた。参議院での否決後、すぐさま衆議院本会議を開き、衆議院での自民・公明による三分の二以上の賛成で再可決を強行したのだ。このような暴挙を徹底的に弾劾しなければならない。

 法案成立後、防衛相石破はすぐさま「派遣準備命令」を出した。一月下旬にも海上自衛隊の補給艦「おうみ」と護衛艦「むらさめ」がインド洋に向けて派兵されようとしている。昨年十一月一日「テロ対策特別措置法」が期限切れとなって以降、海上自衛隊はインド洋から撤収している。そもそも「テロ対策特措法」の成立以来、七年間の活動でアフガニスタンはますます混迷を極めている。さらには法の枠さえも超え、イラク侵略戦争へと向かう米空母キティーホークに間接的に給油しておきながら、防衛省はこの事実を隠蔽していたのである。国会への報告義務さえ取り払われ、アフガニスタン人民さらにはイラク人民をも虐殺していくこの給油新法による再度のインド洋派兵を絶対に許してはならない。

 そしてインド洋での給油活動が停止状態となっているなかで日帝―福田政権は、自衛隊の海外派兵「恒久法」制定を打ち出してきた。「テロ特措法」や「イラク特措法」などの時限立法ではなく、いつでもいつまででも戦地へ自衛隊を送り込むことのできる恒久法を作ろうとしているのである。今秋の臨時国会への提出が目論まれている。このような参戦立法は徹底的に粉砕されなければならない。
 日帝が最重要の同盟国としてきた米帝―ブッシュ政権は、「対テロ」戦争を拡大しながら、決して「勝利」することはできず、中央アジア―中東を泥沼の戦場に叩き込んできた。この「対テロ」戦争によって日々何十人、何百人というアフガニスタン、イラク人民が犠牲となっているのである。侵略反革命戦争への非難が集中し、ブッシュ政権そのものの命脈も絶たれた状態になっている。

 インド洋への自衛隊派兵が停止し、在日米軍再編が根底から揺らいでいる中、あわてふためいているのは、ブッシュ政権と福田政権の外交・防衛担当官僚どもである。日米同盟に歪みが生じ、在日米軍再編に衝撃を与えることを恐れているからである。日米軍事同盟の根拠を打ち砕き、自公政権を打倒しよう!



 ●第2章 防衛省疑獄―産軍ゆ着を徹底弾劾し、追及しよう


 守屋―山田洋行、日本ミライズの贈収賄事件から始まった防衛省疑獄は、防衛族議員―防衛官僚と日本の軍需産業のただれきった関係を白日の下にさらけだした。

 軍需専門商社「山田洋行」と元専務の宮崎元伸は親会社の負債返済問題で対立し、その後宮崎が独立して設立された「日本ミライズ」と「山田洋行」が商権争いとなり、それぞれがそれぞれの利権をむさぼるために贈収賄の応酬が行われていた。

 〇六年十月には「日本ミライズ」との商権争いを有利にすすめるために、「山田洋行」の幹部が、防衛族議員らが理事である社団法人「日米平和・文化交流協会」の専務理事・秋山直紀に、海外事業で捻出した裏金約二十五万ドル(約二千九百万円)を渡していた。また当時防衛庁長官だった久間に支援も要請している。一方「日本ミライズ」の宮崎は当時防衛次官だった守屋に航空自衛隊の次期輸送機(CX)エンジンなどの販売代理権を「山田洋行」から奪おうと、接待を繰り返していたのである。

 また防衛族議員や防衛官僚が関係する贈収賄が次々と明らかにされてきている。〇三年二月には、福岡県苅田町の港で見つかった旧陸軍の毒ガス弾の処理において、「山田洋行」が処理事業への参入をはかった際に、「日米平和・文化交流協会」の専務理事・秋山直紀が地元対策費として「一億円を支払えば処理事業に参加できる」と要求し、その後秋山が関係する米国内の団体の口座などに数回に分けて約一億円が振り込まれていたことが暴露されている。

 さらには〇二年、海上自衛隊の哨戒ヘリコプターのミサイル回避装置納入に際して水増し請求していた問題において、当時防衛庁の輸入調達専門官が、「山田洋行」の意に従って虚偽の調査報告書を作成していたことも明らかになっている。

 しかし産軍癒着の問題は、このようなCXエンジン選定問題などだけでおさまるものではない。表面化しているのは氷山の一角に過ぎない。在日米軍再編こそ、これら族議員、防衛官僚どもにとって最大の利権である。かれらは、再編交付金で地方自治体の首をしめながら、一方では、巨額の資金の配分をめぐって工事事業者と癒着してきたのだ。

 また東京地検は、守屋が収賄容疑で逮捕された事件に関連して那覇防衛施設局(現沖縄防衛局)の前局長を参考人として事情聴取しているのだ。この前局長は在日米軍再編関連事業に深く関わっており、事情聴取は、在沖米海兵隊のグアム移転や米軍普天間基地の辺野古への移設計画などについて行われている。「日本ミライズ」は在沖海兵隊約八千人のグアム移転に目をつけ、インフラ事業への参入を目論んでいたとされている。

 守屋をはじめとする防衛官僚どもは、沖縄も岩国も神奈川も、はてはグアムも、利権の山と捉えて、在日米軍再編を進めてきたのだ。最後の最後まで追及していかなくてはならない。今こそ、防衛族―防衛官僚どもの利権の巣窟を徹底的に破壊してやろうではないか。



 ●第3章 沖縄―岩国―神奈川を貫く反基地闘争を闘おう


 〇七年十二月十九日、米軍再編に伴うキャンプ座間への米陸軍・第一軍団司令部の移転が強行された。発足式には米軍幹部のほかに、自衛隊からも約五十人が参加している。しかし地元自治体である座間市、相模原市の両市長は参加せず、周囲では大勢の市民によって「基地強化反対」「司令部は帰れ」などのシュプレヒコールが叫ばれ、デモ行進が行われた。星野座間市長の、「基地の恒久化の解消策の協議が整うまでは、再編に関わる事前執行を行わないよう申し入れてきたのに、誠に残念」という発言に表れているように、政府は「地元の負担軽減」を口先では言いながら、実際には地元自治体の首長にさえ合意をとりつけることができないまま、日米両政府の間で決定したことをもって強行してきているのである。断じて許すことはできない。徹底的に弾劾しなければならない。

 さらにキャンプ座間には、二〇一二年までに陸自中央即応集団司令部が移設されることになっているのだ。昨年十二月には仙台駐屯地で陸自と米陸軍第一軍団の日米共同指揮演習(ヤマサクラ)が行われている。この日米の共同指揮演習ヤマサクラはすでに五十三回も行われているのである。今回、陸自から約三千五百人、米軍から第一軍団、在日米陸軍司令部、太平洋陸軍司令部、第三海兵師団などから約千五百人が参加し行われている。共同演習では、日米軍の進軍ルートを確認する作戦会議やヘリや偵察機の衝突を防ぐための空域調整、さらに模擬記者会見まで実践と同様の「共同作戦」が行われている。米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間への前方司令部開設は、この直後に行われているのである。この新司令部は安保条約の枠などはるかに超えて、中東からアジアに至る広大な地域を指揮するものとなるだろう。まさに座間を、米軍―自衛隊が一体となった出撃拠点にしようとする攻撃である。

 さらに米陸軍は二〇一〇年までに相模原補給廠に「戦闘指揮訓練センター」の建設を行おうとしている。米国本国以外では初となるこの施設は、陸自と効率的で密度の高い合同演習を行い、相互の運用性を高めることを目的としているのだ。座間―相模原―厚木を、戦争司令部、出撃拠点にさせてはならない。

 そして八月には、原子力空母ジョージ・ワシントンの米海軍横須賀基地への配備が行われようとしている。これを絶対に阻止しよう。そもそも航空母艦の存在そのものが侵略戦争のためにあるのである。現在配備されている空母キティーホークもアフガニスタン侵略戦争でアラビア海へ進出し、参戦してきている。原子力空母は燃料の補給・交換をほぼ考慮せずに、高速でしかも半永久的に航行することができるのである。米帝は世界各地に空母を配置し、軍事的圧力を加え続けると共に、即座に戦闘を可能にしようとしているのだ。また原子炉をもち、動力を核燃料とする原子力空母はひとたび事故を起こせば甚大な被害を周辺地域にあたえる。横須賀で原子炉事故が起きれば首都圏だけで数千万人という計り知れない被害がもたらされることになるだろう。地元住民はこの配備に対して一貫して反対をしてきている。何の安全確保もすることなく(もちろんできないのだが)配備を進める日米両政府に対して、配備のための海底浚渫工事の差し止め訴訟も行なわれている。そもそも十年前に問題として表面化した空母専用岸壁の桟橋整備延長工事においても、当初から原子力空母の配備を念頭においているとの批判があり、政府は市や住民に対して通常型空母用であると説明を繰り返していたにもかかわらず、原子力空母の配備を行おうとしているのである。このような人民を愚弄し、だまし続ける日帝―福田政権を許してはならない。

 また岩国においても同様である。米軍再編での空母艦載機の受け入れを拒否した岩国市に対して、政府は新市庁舎建設に対する補助金を打ち切り、財政的に地元自治体を締め上げようというなりふりかまわぬ圧力をかけてきている。これに対して昨年十二月一日、岩国市民は「国の仕打ちに怒りの一万人集会」を行い、政府に対する岩国市民の怒りを爆発させたのである。市庁舎への補助金は岩国市が一九九七年、普天間基地に配備されている米軍機KC130空中給油機部隊の受け入れに対するものである。約束さえ守らず、米軍再編=艦載機移駐を無理やり押し付けるためには、市民生活全体を行き詰らせようとする、このような政府のやり方を絶対に許すことはできない。

 現在、市庁舎の建設は九割近くの工事がすすみ、今春には完成する予定である。岩国市は、政府からの補助金が打ち切られたまま、〇六年三月に市町村合併した際の、合併特例債を使って新庁舎建設の財源を確保しようと市議会で審議を諮っていた。しかし艦載機移転の推進派・容認派が過半数を占める市議会において、これまで四度にわたって予算案が拒否されてきた。〇七年度の予算案が成立しないこのような状況の中で、昨年十二月二十六日に井原市長は「わたしの首と引き換えに、予算を市民のために通していただきたい」と述べ、予算案を提出するとともに辞職願を提出した。そして井原氏は市長選で「米軍再編についてあらためて民意を問いたい」としている。一月四日の記者会見では「市長選の争点は在日米軍再編ではない。築いてきた岩国の民主主義と自治を守るため、身を挺して闘う覚悟」「一部の人たちの利益を優先する古い政治と市民が自立した新しい民主主義の、どちらを選択するのか問われている」と語り、二月十日の出直し市長選で、米軍再編・艦載機移転問題を含め、政府―自民・公明の政治との全面対決をしていく決意を表明している。これに対して移転推進派は、山口二区選出の衆議院議員・福田良彦に出馬を要請し、福田は出馬を決めた。福田は公開記者会見で、九九年からの井原市政を「失われた九年間。国や県、議会、市民の対立をあおっている。本来の岩国を取り戻す」などと批判している。しかし市民に分断を持ち込んでいるのは誰なのか。市民・住民の意向を無視して、移転を認めるように圧力を加えているのは誰なのか。岩国市民の意思は、住民投票で、市長選で、そして「怒りの一万人集会」で、何度も示されている。さらに岩国基地周辺住民は、基地からの騒音に対して、国に損害賠償と飛行差し止めを求める騒音訴訟を起こし、裁判でもたたかっていく方針を固めている。こうした岩国市民・住民のたたかいを支持、支援していこうではないか。岩国基地の拡大・機能強化を絶対に許してはならない。岩国市民の怒りに応え、岩国現地闘争に立ち上がろう。

 そして辺野古への新基地建設を絶対に許してはならない。日米両政府は、米軍再編計画の中で沖縄・名護市の辺野古崎沿岸に新滑走路を建設することを決定。〇七年五月には、建設工事を行なうにあたってのキャンプシュワブ周辺海域の「事前調査」を開始した。そしてあろうことかこの「事前調査」の機材設置のためとして防衛施設局は海上自衛隊の掃海母艦を出動させ、県や名護市の同意すら得ないままこの事前調査を強行した。まさに軍事力を使って、建設に反対する沖縄民衆を恫喝するものである。絶対に許すことはできない。辺野古現地では、オジー、オバーを先頭にした座り込み、そして海上でのカヌーを使った実力阻止のたたかいが行われている。

 一方、政府は〇九年八月には周辺海域の埋め立てを県に申請し、十四年には新基地建設を完成させる計画である。これまで名護市長はV字型滑走路を原案より三百メートル以上、沖合いに移動する試案を提示し、沖縄県知事も同調していた。しかし政府は同意せず、合意がないまま事前調査がおこなわれていた。政府は基地建設を推し進めるために、日米政府の合意案より九十メートルだけ沖合いに出して建設する方針を打ち出している。これに対して名護市も、「百メートル近く移動できれば地元に説明がつく」として政府が打ち出す修正案を受け入れようとしている。絶対に許してはならない。

 また沖縄・東村高江区の米軍北部訓練場にヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設が行われようとしている。昨年一二月二五日には、八月以来の移設作業が強行された。那覇防衛局は、住民が抗議する中、移設作業地点N―4地区に十トントラック二台分の砂利を搬入。しかしもう一つのN―1地区ゲート前では、住民が二トントラックの前に体を張って立ちふさがり実力で搬入を阻止した。高江の住民は「住民の声を無視して、戦争につながる基地を作るのは反対だ」と政府を批判し、反対していくことを明らかにしている。

 一月二十六日、東京において、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」による集会とデモが行われる。辺野古への新基地建設、高江へのヘリパッド建設を断固として許さず、この集会へ結集し沖縄民衆と連帯してたたかおう。そして全国から防衛省に抗議の声を叩きつけよう。

 二〇〇八年、帝国主義者どもによる侵略戦争と拡大するグローバリゼーションに反対し、断固としてたたかい抜こうではないか。洞爺湖サミット粉砕! 原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀母港化阻止! 岩国闘争勝利に向けてたたかい抜こう!! われわれ人民の団結した力で、日帝―福田政権を打倒しよう!
 

 

 

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