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『戦旗』第1289号(2007年8月5日




全国で反戦・反基地闘争に決起しよう

安倍政権を打ち倒せ!

沖縄―「本土」貫く決起で名護新基地建設阻止

反帝国際連帯運動の前進をかちとろう



 日帝―安倍政権の支持率が急激に低下している。相次ぐ閣僚の不正と暴言、年金問題での選挙目当ての欺瞞的対応に労働者人民の怒りは高まっている。安倍政権をとりまく矛盾の噴出は、日帝ブルジョアジーの延命のために、労働者人民を切り捨ててきたその階級的性格によって運命づけられている。安倍がいくら小手先の対応で乗り切ろうとしても、それを押しとどめることはできない。労働者階級人民の団結を組織して日帝ブルジョアジー・安倍政権打倒へと突き進もう。


●第1章 危機に瀕した安倍改憲政権を打倒せよ

▼@ 支持率の急低下で危機に陥る安倍政権

 「宙に浮いた」五千万件もの年金納付記録に労働者人民の怒りはいまだ治まらない。労働者のなけなしの賃金や商店主、農民から年金保険料を徴収しておいて、支払う段になると記録がない、資金がないなどといって許されるわけがない。いくら屁理屈をならべても、安倍政権が責任を取らなければならないことは明らかだ。

 そもそも自民党政府・官僚は財界と癒着して莫大な年金積立金をもとに、グリーンピアなどのハコモノ投資を行い利権をむさぼってきたのだ。また年間千億円以上もの「システム経費」が日立やNTTに流れるなど、独占資本との癒着、天下りが構造化してもいる。年金制度は労働者人民、特に低所得層にとっては将来の生死を左右する重大問題であるが、ブルジョアジーにとっては自らの利権を確保するための道具でしかないのである。

 安倍政権は批判にさらされるなか、六月三十日に社会保険庁改革関連法案を強行採決した。これは現在の社保庁を六つに分割民営化し、これまでの回収不能の損失や制度上の不備の責任を闇に葬り、社会保障を市場化して政府の責任を放棄しようとするものにほかならない。こんな詐欺行為は絶対に許せない。

 相次ぐ閣僚の不祥事に際しても、安倍は事務所費経費の内訳説明を拒み続ける閣僚たちを擁護しつづけ、さらには久間の「(原爆投下は)しょうがない」発言にさえも「問題ない」とコメントした。そこにも労働者の声に唾を吐き、ファシズム体制の再来を夢想する安倍の政治姿勢が現われている。

 だが労働者階級は、そんな政治を許しはしない。怒りは広がっている。

 安倍政権は小泉政権の新自由主義的「改革」を受け継ぎ、新自由主義政策を進めてきた。増大する労働者人民の負担は、日々の生活を圧迫している。政府は今年、所得税の定率減税を廃止した。これにより年収六百万円以下の人で16%の大増税となっている。政府は「景気が回復しているから」と理由を説明しているが、労働者にそんな実感も現実もない。年金納付負担や健康保険料も年々値上げされている。一方で法人税の減税は日本経団連からの強い圧力を受けて据え置かれたままだ。労働者人民にとって問題は税負担の増加だけではない。他方では財界からの強い要請を受けて進められた労働法制の改悪によって、労働者人民が生きることそのものが極めて不安定なものとなっている。契約や派遣、パート、アルバイトといった不安定雇用層が増大し、そこに前述の税負担が強いられる。労働者人民のまさに骨身が削られている。そしてその生き血を吸って年純利益二兆円のトヨタ自動車を筆頭とする日帝独占資本と、これを守る政治委員会・安倍政権が寄生的に延命している。

 年金問題に対する労働者人民の怒りは、その根底においてますます強まる格差と貧困、階級的搾取に対する怒りを根拠にしたものである。安倍が言い訳を繰り返し、参議院向けの弥縫策をとったところで、階級の怒りはその本質において治まるものではない。労働者階級の団結を組織し、安倍政権を打倒して日帝ブルジョアジーの新自由主義を粉砕しよう。

▼A改憲―戦争攻撃を粉砕しよう

 「自分の任期中に改憲をする」と公言して登場した安倍政権は、今通常国会で立て続けに軍事国家化のための諸法案を強行採決した。そしてさらに具体的な攻撃が開始されている。第一に、改憲手続き法である。この法律によって憲法改悪がいよいよ政治日程にあげられてきた。同法は二〇一〇年に施行される。自民党は二〇一一年には国民投票を行うという日程を立てている。改憲阻止闘争をさらに前進させていこう。第二に、米軍再編特措法である。米軍再編は、沖縄や岩国など全国各地で住民の強い抵抗に直面し阻止されている。米軍再編特措法は、再編への協力に応じて自治体に再編交付金や公共事業を与えるという、札束で顔を叩く法律である。またグァム移転の名の下に行われる米軍基地整備に対する日本の財政支出も同法によって決定された。各地の攻防もこれまで以上に激しくなっている。米軍再編阻止の全国的たたかいを前進させよう。第三に、イラク特措法の二年延長が可決された。イラクには現在も航空自衛隊が展開し、占領支援を行っている。二〇〇四年に三年間の時限立法として制定された同法案は、まともな審議もないまま強行採決され、自衛隊の侵略展開が恒常化している。第四に、教育三法の改悪が行われた。これは教育基本法改悪を受けて、さらに現場での「愛国教育」を強制するためのものである。義務教育の目的に「我が国と郷土を愛する態度」「規範意識や公共の精神などに基づき社会に参画する態度」などを明記し、教育現場での実施状況を国が評価するというのだ。
 さらに安倍は五月、集団的自衛権行使に関する有識者懇談会を結成した。同懇談会の参加者はすべて行使支持派であり、反対意見は一つもでていない。座長の柳井俊二は、集団的自衛権行使容認へ憲法解釈を改めるべきという報告書をまとめる意向を表明している。安倍はこの欺瞞的な懇談会によって憲法九条を破壊しようとしている。実質改憲はますます激しく進んでいる。現実にすすむ軍事国家化と侵略派兵への抵抗をしっかりと組織し、改憲阻止―安倍打倒に向けて断固たたかいぬこう。



●第2章 辺野古、高江への基地建設攻撃粉砕

 米軍再編特措法の成立を受け、安倍政権は各地で米軍再編関連の工事を各地で強行している。その攻撃の焦点の一つが沖縄である。七月三日には沖縄北部ヤンバルのなかにある東村高江区において、防衛省―那覇防衛施設局は住民の強い反対を押し切ってヘリパッド建設作業を強行した。

 東村高江区は人口百五十人ほどの小さな村落。米軍が北部演習場として使用している地域に囲まれている。米軍は北部訓練場の既存の十五カ所に加え、高江区を囲むように六カ所のヘリパッドを新設しようとしている。配備されるのは「最新鋭」とされるMV22オスプレイだが、開発段階から事故が頻発し、多数の死傷者も出ている危険な代物である。住民にとって騒音や危険と隣り合わせの生活が強いられる。

 それだけではない。北部の森ヤンバルは自然豊かな沖縄の水がめであり、たくさんのダムがある。ヘリパッドによる騒音や汚水は確実に自然を蝕む。事故があれば取り返しがつかない。おりしも去る七月には、一九六一年から一九六二年までの間、米軍がこのヤンバルで枯葉剤を散布し、米兵に被害が出ていたことが報道により明らかになった。絶対に許すことのできない事実である。だが日米地位協定では米軍側に汚染除去義務はない。いまなお米軍の悪行は闇のなかで続いている。

 今年六月十七日、東村ではヘリパッド建設反対集会が開催され、高江区長をはじめとして三百五十人が結集し、これ以上の基地負担は受け入れられないと声を上げた。また地元の女性たちを先頭にして、ゲート前での座り込みが連日続けられている。だが防衛施設局は七月三日には住民に何の事前通告もなく、午前五時半から「不意打ち」で工事を強行し、工事用道路のゲート設置作業などを行った。今も地元では工事を止めようとする住民たちのたたかいが続いている。

 高江での工事が強行された七月三日、膠着状態にあった辺野古でも施設局の大船団が押し寄せ、非暴力の抵抗を続ける市民を押さえ込みながら作業が強行された。以降、施設局の対応はこれまで以上に暴力的となり、連日、環境アセスに名を借りたアリバイ作りのための違法な作業が行われ、サンゴの海が破壊されている。沖縄の海も、ヤンバルの森をも破壊して、強行される基地建設を絶対に許してはならない。巨大な日帝国家権力の暴力にも屈することなく、たたかいを続ける沖縄人民の抵抗に断固として連帯していこう。

 沖縄戦における日本軍の集団死強制を歴史教科書から削除したことに明白なように、安倍政権は沖縄差別軍事支配を徹底的に強化しようとしている。沖縄人民の怒りは頂点に達している。自衛隊部隊の動員による工事強行を徹底的に弾劾し、沖縄現地攻防を全国から支援していこう。


●第3章 反基地・反核・国際連帯の前進かちとろう

▼@8・6広島行動に結集しよう

 以上のような安倍政権の攻撃に対して、八月の政治任務を確認しよう。
 第一に、8・6ヒロシマを焦点とする八月反戦闘争をたたかい抜くことである。言うまでもなく八月はヒロシマ・ナガサキ、そして8・15というかつての日帝のアジア侵略の歴史を問う重要な月である。アジアのすべての戦争被害者、そして日帝足下における戦争被害者とともに、天皇制・帝国主義国家の戦争責任を断固として追及し、歴史修正主義を粉砕して八月反戦闘争をたたかい抜こう。
 前防衛長官・久間は米国の原爆投下について「しょうがないなと思っている」と発言した。安倍首相はこれを擁護し、久間自身も最後まで発言内容についての謝罪を行わず、選挙対策のためにのみ辞任した。これが安倍政権の実態である。被爆者や被爆二世、三世のいまに続く苦しみについては理解のかけらさえなく、関心は日米同盟と領土の維持(しかも発言で言及されているのはアイヌ民族に対する侵略で占領した北海道)にのみ向いているのである。まさに帝国主義ブルジョアジーの本質を示したものといわねばならない。
 安倍政権のこの姿勢を徹底的に弾劾し、被爆者、被爆二世、三世と連帯して8・6ヒロシマ闘争に結集しよう。それは日帝のアジア侵略戦争における国家責任を追及していくたたかいであり、まさに現在、続けられている新たな日帝のアジア侵略とたたかうことでもある。被爆の苦しみは劣化ウラン弾や米軍による爆撃という形でいまも続いている。米国は膨大な核弾頭を保有し、日米同盟のもとで横須賀には米原子力空母の配備が行われようとしている。帝国主義の支配が続く限り、核兵器と戦争、人民の犠牲はなくならない。8・6ヒロシマに総結集し、日米安保粉砕―安倍政権打倒を掲げてたたかおう。

▼A米軍基地再編阻止に全国で立ち上がろう

 第二に、米軍基地再編阻止に全国から立ち上がることである。安倍政権は「戦後レジームから脱却」し、再び日本を戦争のできる国にしようとしている。改憲攻撃はそのための最大の政治攻撃であるが、その一方で米軍再編によって実質的な軍事体制整備が進められていることにわれわれは最大の注意を払い、これを全力で阻止しなければならない。現在進められる米軍再編は米軍基地の全体的機能強化と同時に、米軍と自衛隊との軍事的一体化を押し進めるものである。安倍政権が現行憲法を詐欺的に解釈してでも集団的自衛権行使へと突き進もうとしているのは、一体化した日米同盟のもとで自衛隊に実際に戦争を行わせるためである。改憲攻撃の水面下で、日帝の出撃体制が着々と整備されているのだ。安倍政権は朝鮮民主主義人民共和国に対する排外主義を煽りながら、共和国への軍事攻撃をも含めた日米共同作戦体制の実戦的構築を進めているのである。
 沖縄から、岩国から、神奈川から、安倍政権の米軍再編攻撃を突き破っていくたたかいこそが、改憲攻撃そのものの根拠を粉砕するのである。戦争の基盤―軍事基地建設・強化を阻止し、国際主義を貫いて新たな朝鮮戦争阻止を掲げて立ち上がることが、いまこそ問われている。アジア共同行動日本連絡会議は十月岩国反基地国際集会を呼びかけ、世界規模での米軍再編に対して国際的な団結と連帯をもって対峙すると同時に、岩国市民のたたかいを支援し安倍政権の戦争体制作りを実際に阻止するたたかいを創り出そうとしている。全力で結集しよう。

▼B今夏、国際連帯運動を進めていこう

 安倍政権の戦争政策と排外主義が強まるなかで、一方でこれと対峙する国際連帯の努力が各地で前進している。アジア共同行動日本連絡会議は今年六月、韓国で米軍基地拡張とたたかいつづけるピョントンサの仲間を招き、またフィリピンで日米の支配と政治的殺害のなかで躍進するガブリエラ女性党の仲間を招いて各地での交流を実現し、連帯運動を前進させた。この八月にも教職員による韓国訪問と交流、学生団体によるフィリピン連帯ツアーなどが予定されている。こうした努力を支えながら、ともに帝国主義のアジア支配とたたかう国際連帯運動の前進を創り出そう。八月反戦闘争に決起し、安倍政権打倒に向けて突き進もう。

 

 

 

 

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