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『戦旗』第1282号(2007年4月20日

 

改憲手続き法案、米軍再編関連特措法案の採決強行弾劾

5・13嘉手納基地包囲へ

沖縄―「本土」を貫き新基地建設阻止を

反帝国際連帯運動の前進をかちとろう

 

 全国でたたかい抜いている同志・友人の皆さん! 

 日帝―安倍政権は、侵略反革命戦争に身構えた臨戦態勢の構築に突き進んでいる。政権発足以降、安倍は小泉が演出し続けた「改革」や「抵抗勢力」との泥仕合にかわり、無内容かつ独りよがりな「美しい国」なるスローガンを連呼しているが、その実態は民族排外主義煽動と「戦後レジームからの脱却」を掲げた戦争国家への突撃である。

 戦争態勢の構築とともに、安倍政権は御手洗経団連の要求する労働法制改悪などの新自由主義政策を忠実に実施していこうとしている。貧富の格差の拡大による労働者階級の分断・団結の破壊と資本への服従、労働と搾取の強化を目論んでいるのだ。このような労働者の生活を破壊し、生存権を踏みにじる攻撃によって政権支持率の低下に直面しつつも、「鈍感力」だの「支持率のために政治をしているのではない」などとうそぶき労働者階級人民を愚弄しながら、自公の数の力をもって次々と戦争国家体制確立に向けた諸立法を成立させようとしている。

 われわれは総力をあげて、安倍政権と対決していかなければならない。春夏期の攻防を勝利的に貫徹し、安倍政権を打倒する労働者階級人民の広範な包囲網を創り出していこう。われわれが積み重ねてきた反帝国主義と国際主義の綱領と実践をもって労働者階級人民、青年・学生の中に飛び込んでいこう。街頭で学園で職場で、反戦反基地を徹底的に訴えていこう。

 

●第1章 安部政権打倒へ向け春夏期闘争闘おう

 

 すべての同志・友人の皆さん! 今春夏期のたたかいは、安倍政権の戦争突撃との対決において極めて重大な意義を持っている。沖縄―「本土」を貫く反戦反基地闘争と憲法改悪阻止の全人民的な大高揚によって安倍政権の戦争突撃に楔を打ち込み、戦争のできる国家への転換を阻止できるのか否かが厳しく問われている。

 安倍政権は、七月参院選挙をにらみつつ、今国会において改憲手続き法案をはじめとした侵略反革命戦争に向けた諸立法を一気に成立させようとしている。

 安倍政権はすでに、改憲手続き法案(国民投票法案)と在日米軍再編特別措置法案の提出に続いて、三月三十日には、改悪教育基本法を補完する教育関連三法案と自衛隊イラク派兵を二年延長するイラク復興支援特別措置法改正案、さらに四月六日には、日本版「国家安全保障会議(NSC)」を設置するための安全保障会議設置法案改正案を国会に提出した。

 その中でも改憲手続き法案と在日米軍再編特別措置法案は、衆院通過が切迫した情勢を迎えている。自公側は四月十二、十三日にも両方案の委員会採決―衆院通過を策動している。

 改憲手続き法案においては、国家公務員法や地方公務員法の「政治的行為の制限」の規定を適用し、自治労や日教組などの改憲反対運動の封じ込めを画策する一方で、投票成立の要件として最低投票率の設定をせず、投票総数(賛否の合計)の二分の一を超えれば改憲の承認とするなど限りなくハードルが下げられている。改憲を参院選の争点にするなどと言いながら、労働者階級人民の反対を恐れ、姑息な手段を弄する安倍の本性が如実になっている。改憲反対運動を押さえ込み、投票成立をより容易にする改憲手続き法案を粉砕しよう。

 在日米軍再編特別措置法案は、@政府案の受け入れA環境影響評価(アセス)への着手B施設整備への着工C再編完了、の四段階で関係自治体に交付金の配分を増やしていく再編交付金制度の創出と、発展途上国援助を本来目的とする国際協力銀行の業務に在沖縄海兵隊のグアム移転経費を出資するための特例を設けることが盛り込まれている。

 在日米軍再編によって基地の強化・基地被害の増加や固定化につながることを危惧する自治体の抵抗を財政面で締め上げ、受け入れを強要し、沖縄の負担軽減を名目に、米軍のグアム移転の経費を肩代わりし巨額の税金を投入しようとするこの法案を絶対に成立させてはならない。

 また安倍政権は、集団的自衛権の行使をめぐる事例研究の有識者会議を発足させ、集団的自衛権の行使を禁じてきた従来の政府見解を見直し、九条の完全な空洞化を策動している。安倍は「世界の平和と安定に一層貢献するため時代に合った安全保障のための法的基盤を再構築する必要がある。いかなる場合が憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に該当するのか、個別具体的な類型に即し、研究を進める」として、@米国に向かうかもしれない第三国のミサイルを、ミサイル防衛(MD)システムで迎撃できるかA公海上で自衛艦と並走中の米艦船が攻撃を受けた場合、反撃できるかB海外派遣された自衛隊員と同じ場所にいる他国の要員を守るために武器使用ができるか―などの事例を研究対象としようとしている。一読してわかるようにこれらの内容は個別具体的などというものではなく、これこそまさに憲法が禁ずる集団的自衛権の行使そのものだ。憲法で禁止されない集団的自衛権なるものをデッチ上げ、実質的に九条を骨抜きにして、米軍との侵略反革命戦争が九条の戦争放棄条項に抵触しないような憲法「解釈」を作り上げようというのだ。九条改悪を先取りする攻撃であり、絶対に許すことは出来ない。

 戦争立法の構築と並行して安倍政権は、朝鮮民主主義人民共和国(以下共和国)への民族排外主義煽動、戦争重圧を強化している。昨年より警察権力による朝鮮総連や在日朝鮮人民に対する不当な弾圧、デッチ上げ逮捕が相次いでいる。民間右翼による民族排外主義襲撃も頻発している。共和国産のアサリを中国産と偽装して輸入した外為法違反で水産会社社長などが見せしめ逮捕される事態も起こっている。三月三十日には、「北の脅威」を名目に自衛隊入間基地へのPAC3配備が強行された。共和国や中国を包囲する日米帝の軍事網が強化された。

 共和国への民族排外主義と一体に、安倍は日本軍性奴隷制問題での歴史歪曲発言を繰り返し、沖縄集団「自決」問題に関する高校教科書記述の歴史歪曲を容認した。これは日本軍の蛮行を隠蔽し歴史から抹殺する攻撃であり、日帝によるアジア太平洋戦争にかかわる歴史教育の内容を侵略戦争の反省から戦争の美化、愛国心の賛美へと根本的に転換させる攻撃に他ならない。「狭義の強制」があったかなかったかなどという点に問題をすり替え、日本軍と性奴隷制度との関係を否定し、沖縄戦における日本軍の「自決」強制を否定することで、日本軍の沖縄人民に対する蛮行を隠蔽し、「本土」防衛のための「捨て石」とされた沖縄戦の歴史を抹殺しようとしているのだ。安倍にとっては、戦前日本軍は愛国心を持つ国民の理想像としてあるのだ。安倍政権の歴史歪曲・偽造を粉砕しよう!

 さらには、安倍政権は、共和国籍船舶の全面入港禁止や共和国からの全品目輸入禁止などの対共和国経済制裁の半年延長を閣議決定した。共和国の脅威を徹底的に煽動し、戦争のできる国家への転換の梃子とする安倍政権の攻撃を許すことはできない。

 安倍政権による全面的な戦争国家体制構築の攻撃は、ますます激化している。ファシストとしての本性がいよいよ明らかになってきている。それではわれわれはこの安倍政権と対決し打倒していくたたかいを、どう構築していくのか?

 安倍政権が掲げる「戦後レジームからの脱却」とは、日帝が戦争のできる帝国主義への転換であり、そのための具体的な方策が、日米共同作戦の具体化・実戦化である。米軍とともに自衛隊が海外に派兵され侵略反革命戦争に参戦し、労働者人民を戦争協力・強制動員する総動員態勢の確立が目指されている。

 この日米共同作戦の物質的基盤は、在日米軍基地、自衛隊基地であり、米軍―自衛隊の共同使用―合同軍事演習である。在日米軍再編の実施こそ、米軍―自衛隊の一体化、日帝の軍事戦略を進めるために不可欠な課題なのである。改憲は本質的に、この侵略反革命戦争の準備と一体に進められている。

 そうであるからこそ、この米軍再編こそ、安倍政権のアキレス腱である。米軍再編の現場、米軍基地の地元住民はだれも再編を積極的に受け入れたいとは思っていない。絶え間ない基地被害、地域の発展を阻害する広大な基地の存在のなかで、一日でも早い基地の返還・撤去こそ望まれている。われわれの反帝―国際連帯のたたかいと地元住民の反基地運動が結びつき、安倍政権の米軍再編―改憲攻撃と対決していくならば、そして、このたたかいの沖縄―「本土」を貫いた結合がつかみ取られるならば、この攻撃を必ず粉砕することができる。ここから安倍ファシスト政権を打倒する展望が大きく拓かれるだろう。

 われわれはこの確信を持って、昨年、岩国に全国から総決起し、国際反基地集会の大成功をかちとった。岩国は〇七年、さらに重要な反基地闘争の拠点になるだろう。

 艦載機移駐を迫る政府は、すさまじい圧力を井原市政にかけている。再編特別措置法案による「兵糧攻め」のまえに、市議会は三月二十三日、「現実的な対応を求める」とする事実上艦載機移駐容認を井原市長にせまる決議案を可決するとともに、二〇〇七年度予算案を否決し、圧力をかけ続けている。しかし岩国市民の受け入れを拒否する意思は、何ひとつ変わってはいない。われわれは艦載機受け入れを拒否する岩国市民、アジア共同行動九州・山口の仲間としっかりと連帯して今後も粘り強くたたかいぬかなければならない。そして再び十月に岩国に総決起し、艦載機移駐を粉砕し沖縄のたたかいとも結びつき、米軍再編粉砕の突破口を切り拓こう。沖縄―岩国―神奈川の反基地闘争に立ち上がり安倍政権と対決していくたたかいを軸に、今春夏期の政治攻防をともに進めていこうではないか! 

 全国で展開するアジア共同行動の活動を全面的に支援し、反戦反基地を軸にした国際共同行動を推し進めよう! 同時に首都圏の反戦闘争実、関西の反戦実行委をはじめとする統一戦線活動をさらに拡大強化し、戦争と改憲の安倍ファシスト政権と対決する反帝闘争をたたかいぬこう!

 

●第2章 米軍関連法案粉砕 5月沖縄現地闘争へ

 

 すでに触れたように、在日米軍再編特別措置法案は、四月十二日にも衆院安全保障委員会での採決が危惧される情勢に突入している。ろくな審議もしないまま、自公の数の力によって強行採決に持ち込むことを絶対に許してはならない。国会を包囲する人民の怒りと声、全国で沸き起こる反対の包囲網によって廃案に追い込まなくてならない。

 緊迫する国会情勢とともに、沖縄・名護の現地でも那覇防衛施設局による、キャンプ・シュワブ沿岸部の環境現況調査(事前調査)の強行策動が強まっている。沖縄「県」、名護市との滑走路の長さや基地の位置をめぐる対立から建設計画が定まらず、焦りを深める日帝―防衛省・防衛施設庁は、事実上の工事着工として本来の環境アセスメント法に基づく環境影響評価(アセスメント)ではない、環境現況調査(事前調査)を強行し基地建設の既成事実化をはかろうとしている。

 調査は「海域での海洋生物及び海象調査」とし、来年十月までの予定で行うとしている。しかし那覇防衛施設局は、建設計画が決定すればこの環境現況調査から環境アセスメント法に基づいた環境影響評価(アセス)に移行できるように「県」に環境影響評価方法書も提出している。さらに施設局は、陸上部分でのボーリング調査など代替施設建設にかかわる業務発注をどんどん進めている。

 そして辺野古沖建設計画を座り込みと海上阻止行動によって粉砕されたことを理由に、防衛省は、環境現況調査のために「県」に提出した「公共用財産使用協議書」の公表を拒否する攻撃に出てきている。防衛大臣久間は「今度は用心に用心を重ねてやろうと思っている」と、激しい阻止行動への敵意を露骨にし、基地建設を強行しようとしている。

 これを迎え撃つ名護現地では、四月二十八日にキャンプ・シュワブを包囲する「人間の鎖」行動を準備し、環境現況調査阻止の陣形を固めている。

 さらに沖縄全体では、五月十三日に、那覇基地を三万人の「人間の鎖」で包囲するたたかいが提起されている。われわれはアジア共同行動の仲間や全国の学園で奮闘する学生とともに、環境現況調査阻止! 新基地建設粉砕をたたかう沖縄人民としっかりと連帯する五月沖縄現地闘争に断固として決起していこう!

 首都圏では、四月三十日、改憲阻止―米軍再編特措法粉砕、沖縄連帯を掲げて反戦闘争実行委員会主催の集会・デモをたたかう。沖縄現地闘争と一体のたたかいとして大成功をかちとろう! 

 

●第3章 6月アジア共同行動を全国で支持・支援しよう

 

 アジア共同行動日本連は、三月二十四日、東京において第十二回総会を開催し、〇六年のたたかいの勝利的地平を総括し、@反戦・反グローバリゼーション闘争の推進。米軍再編に反対するアジア共同闘争の発展 A改憲手続き法案反対―改憲阻止。九条改悪阻止・アジアメッセージプロジェクトの推進 B韓国、フィリピンをはじめとした国際連帯 C六月、十一月アジア共同行動各地集会の開催、および岩国十月日本連全国闘争 の方針を決定した。

 われわれは、アジア共同行動とともに、この方針のもと全力でたたかおう! 

 アジア共同行動は、反基地闘争や反戦闘争の国際共同闘争の大きな地平を切り開いている。韓国・平澤(ピョンテク)基地拡張阻止闘争への連帯行動への取り組みでは、現地への訪問団の組織化、韓国大使館・領事館への抗議・申し入れ行動への連続決起を行ってきた。アジアからの米軍総撤収を掲げ、国境を越えた反基地国際共同行動に立ち上がるアジア共同行動を支え、韓国民衆と連帯し平澤基地拡張阻止、すべての米軍基地撤去までたたかおう。

 フィリピンにおいては米帝と結託するアロヨ政権のもとで、凄まじい政治的殺人が軍の主導によって引き起こされている。これまでに八百人以上の労働組合活動家、学生、民衆運動の活動家が殺されている。アジア共同行動は、たたかうフィリピン人民との連帯をかけて、在日フィリピン人民とともに、政治的暗殺を糾弾する署名活動に取り組んできた。

 今後もフィリピン人民の反帝民族解放闘争に連帯する国際共同闘争を推進していこう!

 米帝をはじめとする帝国主義資本の利害として世界中で推し進められている新自由主義グローバリゼーションとたたかおう。アジア共同行動は、一昨年釜山APEC粉砕現地闘争、昨年の香港WTO粉砕現地闘争と、帝国主義のグローバリゼーションと対決する国際共同闘争に派遣団をおくり、たたかいを進めてきた。反グローバリゼーション運動の中で改良運動へと流れる部分とはっきりと路線的に分岐し、最左派として反帝闘争の基軸を鮮明にしてたたかうアジア共同行動の拡大を実現しよう。帝国主義資本の侵略・搾取のためのWTO、FTA、APECに対する反対闘争を前進させよう!

 六月、十一月アジア共同行動の全国展開をしっかりと支え、運動的組織的拡大に奮闘しよう!

 

 

 

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