共産主義者同盟(統一委員会)

 

■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■主要論文

■綱領・規約

ENGLISH

■リンク

 

□ホームに戻る

『戦旗』第1279号(2007年3月5日

 

排外主義弾圧粉砕! 全国で反戦・反基地闘争に起とう

3・25三里塚現地へ総決起しよう

07春闘たたかい、階級的労働運動の前進をかちとろう

「日の丸・君が代」強制反対! 卒・入学式闘争に決起しよう

 

●1章 4・28反処分闘争勝利を労働運動の階級的前進へ

 07春闘のたたかいのただなかで、労働運動において画期的な勝利がかちとられた。4・28反処分闘争の裁判闘争で、二月十三日最高裁は被告郵政公社の上告を不受理とする決定をくだした。これにより、二〇〇四年六月の高裁判決が確定し、原告七名の完全勝利が確定した。

 高裁判決は、原告側の主張をほぼ全面的に認め、懲戒免職処分の撤回と、公社職員としての地位確認をおこなったものである。内容的にも、4・28懲戒免職処分が政治的な意図にもとづき全逓の現場活動家を狙い撃ちにした処分であり、個々人の争議内容と直接、関係がないこと(事実上のレッドパージ)、かつ全逓の組織的な決定にもとづく組織的なたたかいであり、にもにもかかわらず、責任を負うべき指導部ではなく現場の労働者のみを懲戒免職としたのは不当であることも認定している。当局の処分の政治性と反社会性を指摘し、懲戒免職の取消しを命じたのである。このような判決が確定し、原告七名の勝利と郵政公社の全面敗北が確定したのである。

 実に一九七九年四月二十八日から二十八年になろうとする長期のたたかいによって、遂に4・28反処分闘争は完全勝利をかちとったのである。この勝利は07春闘をたたかう、全ての労働者に歓迎され、同時にたたかいに展望をあたえるものである。

 この勝利を実現したものこそ、原告七名の二十八年間に及ぶ不屈のたたかいである。七名のたたかいを中心として、弁護団、家族の長期にわたる血のにじむようなたたかいによって日本の労働運動史上、歴史的といえる懲戒免職処分の全面撤回という勝利がかちとられたのである。

 4・28反処分闘争は、当局のマル生攻撃にたいする全逓労働者の死活をかけたたたかいであった。郵政マル生攻撃は、後の国鉄分割民営化、現在の郵政民営化につながる攻撃であった。国家権力は、総評・公労協の中心であった国労・全逓の解体を意図してマル生攻撃を全面化した。これに対する全逓労働者の階級的な反撃のたたかいのなかで、一九七九年4・28に当時の全逓組合員六十一名の懲戒免職、全体で八千百八十三名の不当処分がうちおろされたのである。原告七名は困難のなかでマル生粉砕闘争の意義と処分の不当性をうったえたたかいぬいてきたのである。

 このたたかいは同時に、全逓解体の攻撃にたいする反撃戦であったにもかかわらず反労働者的裏切りをおこない、九一年に組合員資格の剥奪という反動的な攻撃をおこなった全逓(現在のJPU)指導部に対するたたかいとしてもあった。このたたかいも一九九八年十二月、最高裁において組合員資格の回復として勝利している。まさに、総評解散―連合結成にいたる労働運動の再編のなかで、労働運動の階級的なたたかいの防衛と前進のたたかいとしてたたかいぬかれてきたのである。

 したがって、4・28反処分闘争は七〇年代からの労働運動の凝縮した内容をもつものであり、労働運動における階級的な利益とは何かをしめす歴史的たたかいとしてある。

 二十八年という四半世紀をこえる不屈のたたかいによって、4・28反処分闘争は勝利し、マル生粉砕闘争の意義と、産業報国会的な労働運動の反階級性は明白になった。労働者が階級的にたたかいぬけば勝利を実現することは可能であることが事実としてあきらかにされた。これは労働運動における普遍的な階級的意義である。この地平は多くのたたかう労働者に力強い支援となるだろう。

 裁判闘争の勝利の地平を、職場復帰によってうちかためようとする原告のたたかいを支持し、当局による一切の不利益を受けないように更なる連帯をつよめていかなければならない。

 4・28反処分闘争勝利の地平を、労働運動の階級的前進として結実するために07春闘をたたかいぬこう。

 

●2章 労働法制改悪を阻止し07春闘を実力で闘おう

 三年目をむかえる「けんり春闘全国実」を中心とする07春闘は、二月一日の全国実の発足集会をもって開始された。

 二月十六日の東京総行動・国鉄闘争がたたかいぬかれたのをはじめとして全国で争議組合が活発にたたかっている。今後も、三月十一日の外国人総行動主催の第三回マーチ・イン・マーチや情宣や争議支援などが予定されており、三月二十三日の07けんり春闘総行動日を頂点とするたたかいが実現されようとしている。この日には総行動と「07春闘勝利・労働法制改悪反対総決起集会」「労働法制改悪反対集会」の二波の集会と国会デモがおこなわれようとしている。

 三十日には総行動と国鉄集会が、四月十八日には中小春闘総決起集会と銀座デモが準備されている。このような東京でのたたかいをはじめとして全国で集会や争議支援がたたかいぬかれている。この開始された07春闘のたたかいを勝利にむけて全力でたたかいぬこう。

 07春闘のたたかいの中心的な課題は、@生活できる大幅賃金の獲得A非正規職の権利拡大と均等待遇B労働法制の改悪阻止C国鉄・争議の勝利D憲法改悪反対となっている。この実現のために3・23をひとつの山場として六月にいたるたたかいがたたかいぬかれているのである。

 けんり春闘に結集する民間中小・零細の労組は、前記の課題の実現とともに、正社員一万七千四百円の賃上げ、時間給労働者の最低賃金二千百円保障、月給額の引き上げ、最低賃金の引き上げ、産別最賃の廃止反対などの要求をかかげている。民間中小・零細の労働者の苛酷な生活の現実のなかで、この要求は切実なものである。資本は、労働者からの搾取と収奪によって「空前の利益」をあげている。この利益は資本家と株所有者にまわり、労働配分率は低下するのみである。生存権を破壊する攻撃に対して断固としたたたかいを実現し要求をかちとらなければならない。労働者の下層(基本的に三百万以下、中心は非正規の労働者)の生活と権利を防衛し、均等待遇を実現し、生存権を防衛するたたかいを強化しなければならない。

 そして、今07春闘における重要なたたかいとして労働法制の改悪の攻撃にたいするたたかいがある。現在、支配階級は「労働ビックバン」と称し、戦後、たたかい取られた労働者の権利の全面的な解体攻撃を本格化している。日本経団連会長の御手洗は、今後十年間を見据えた将来構想として「希望の国、日本」(いわゆる御手洗ビジョン)を年頭にあきらかにした。その骨子は、@年平均実質2・2%、名目3・3%の経済成長の実現、二〇一五年に一人あたり国民所得を〇五年比三割増A二〇一一年度までに消費税率を2%程度引上げB法人税実効税率を30%程度に引き下げC労働市場改革で一五年までの労働力減少幅を百万人以下に抑制D東アジア全域に及ぶ経済連携協定の実現E二〇一五年をめどに道州制を導入F愛国心に根ざす公徳心の養成G憲法改正という安倍政権の「戦後レジュームの解体」と軌を一にする日本ブルジョアジーの路線である。全社会的な再編、戦後的構造の解体を、新自由主義による資本の利益の全面擁護と、労働者からの搾取、収奪の全面化と政治的・社会的権利の全面的解体によって推進し、労働者の基本的権利を解体し、ブルジョアジーの利益のみを全面的に擁護する国家への直接的再編を要求しているのである。労働者を奴隷労働と戦争へと組織することを、鮮明に要求しているのである。

 労働法制の更なる改悪こそ、その中心的攻撃である。「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」(過労死促進法)は、今国会での法案化は見送られたが、(決して消えたわけではないし、裁量労働制と年俸制、サービス残業の横行のなかで実質的に進行している)、一月二十五日に発表された「労働契約法要綱案」にもとづく「労働契約法」が提出されようとしている。「労働契約法」は、労働者の保護という労働法制の根幹を解体し、使用者側の意図によって自由に変えられる「就業規則」の変更によって労働条件の不利益変更を可能とし、さらに雇用契約の個別化を促進することによって、集団的労使関係、労働者の団結権そのものを空洞化し、労働者を個人へと解体していくものである。

 現在の攻撃は、労働者が歴史的に勝ち取ってきた権利、八時間労働制や労働基本権、労組の団結権などの一切を奪い、個人に解体し資本の利益のもとに全面的に賃金奴隷として資本に従属させようとするものである。争議の個別化や金銭解決などとして、労働組合の存在自体を解体しようとしている。少数派組合や一般労組・合同労組、ユニオンの団体交渉権を剥奪しようとする攻撃も目論まれている。まさに「労働ビックバン」とは労働者の権利の全面的剥奪であり、生存権の剥奪である。この攻撃と対決し、これを絶対に阻止することは07春闘のたたかいのカギである。

 そして支配階級が、政府―総資本が全社会的な戦後体制の解体と再編を暴力的にうちおろしている時、労働者階級はこの攻撃と実力でたたかい、このたたかいと結合して改憲・米軍再編・諸反動立法とたたかい反戦平和闘争を全力をあげてたたかいぬかなければ勝利はないといえる。開始された07春闘の前進を実現しよう。

 

●3章 07春闘を闘い、階級的労働運動の前進を

 具体的な要求を掲げ、現場と政府―資本に対するたたかいを結合することが要求されている。同時に、民間中小・零細の労働者を中心とした労働運動の新たな再編のたたかいを推進していかなければならない。

 そしてこのたたかいのただなかで階級的労働運動の再生を実現していかなければならない。そのために先進的労働者がになうべき任務の第一は、労働条件の一層の劣悪化に抗してたたかいぬくことである。労働条件をめぐるたたかい、とりわけ賃金をめぐるたたかいは労働組合運動の基礎である。雇用形態の相違による労働条件・賃金の格差は拡大し固定化されようとしている。労働分配率自体が低下している。下層の生活の困窮は拡大している。「同一価値労働同一賃金」の原則のもと「全国一律最低賃金要求」「公契約における公正賃金、公正な労働条件要求」などを具体的な運動としてたたかい、同時に地域や業種における最低賃金のひきあげのたたかいを実現していかなければならない。同時に均等待遇のたたかいも重要である。このたたかいを本工と非正規もふくめたたたかいとして実現していくことが必要である。

 第二は、労働者の基本的権利の剥奪、解体の攻撃に対してたたかいぬくことである。

 戦後成立した労働保護法制のいっさいを解体し、労働者を個人として資本の自由にしようとしている。労働組合の存在自体、とりわけ少数派労組、一般労組の解体である。労働者が労組に結集したたかうという権利自体の解体である。これとたたかわなければ労組は成立の根拠を失う。文字どおり、政府―総資本に対する死活をかけたたたかいである。このたたかいは階級的な実力でたたかいとられなければならない。

 第三は、戦後的な労働者支配の転換、新たな労働者支配とたたかいぬくことである。

 「戦後民主主義」は労働者階級の階級的なたたかいによって実現されてきた。反戦平和闘争は労働運動の重要な環としてあった。現在「戦後レジュームの解体」としての新たな労働者支配が具体的な戦争への総動員としてあることはあきらかである。まさに根底的な労働者の生存権の破壊である。戦争総動員と真っ向からたたかいぬくことこそ階級的な労働運動の、労働者の焦眉の課題である。

 第四は、労働運動の国際連帯、結合を推進していくことである。新自由主義グローバリゼーションとのたたかいは、労働者の国境をこえたたたかいなくして勝利しえない。

 第五は、労組・労働運動を産みなおしていくたたかいである。戦後の労働運動の形成期に問われた課題は、現在新たな情勢のなかで再度課題としてつきつけられている。戦後的な企業内の本工を中心とし、かつ大企業を中心とする労働運動は、もはや成立しない。腐敗するだけである。民間中小・零細、非正規を中心とし、地域・業種における新たな労働組合を中心とする労働運動へと階級的に転換していかなければならない。韓国民主労総の完全産別化のような労組自体の転換も要求されている。

 賃上げをはじめとした労働条件の引上げのたたかい、労働法制の改悪との死活をかけたたたかい、そして、改憲・米軍再編・諸反動立法とのたたかいの具体的なたたかいとして@3・23に総決起していくことである。今、07春闘の最大のたたかいとして3・23をたたかいぬかなければならない。このたたかいを中心として、全国で労働者の総決起を実現しよう。A完全勝利をかちとった4・28被免職者のたたかいの地平を全労働運動のものとし、国鉄闘争、「日の丸・君が代」処分裁判闘争をはじめとして、全ての争議の勝利のためにたたかいぬこう。「教育基本法」の改悪のなかで、現場から反撃をたたかう教育労働者とともにたたかおう。

 昨年、十一月の岩国闘争の前進をうけ、神奈川・岩国・沖縄のたたかいの結合と勝利のためにたたかいに決起しよう。

 全国でたたかう労働者の仲間の皆さん。07春闘は、歴史的にみても極めて重大な情勢のなかでたたかいぬかれている。戦後的な階級支配の転換の攻撃に対して、労働者階級が自らの利益を防衛するにとどまらず、解放にむけた新たなたたかい、運動を創造していくことが問われている。

 4・28反処分闘争の勝利がしめした、七〇年代にはじまる政府―資本との歴史的たたかいの継続を今こそ拡大し、07春闘勝利から階級的反撃を本格的に開始しよう。

 

 

 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.