共産主義者同盟(統一委員会)

 

■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■主要論文

■綱領・規約

ENGLISH

■リンク

 

□ホームに戻る

『戦旗』第1274号(2006年12月5日

 

■『戦旗』第1274号(12月5日)政治主張

 

 全国のたたかう労働者・学生のみなさん!

 われわれは、アジア共同行動日本連絡会議の呼びかけに応え、十一月二十五日―二十六日の岩国現地闘争を全国総決起でたたかい抜いた。それはまた、地元岩国をはじめ沖縄や座間など米軍再編と現場でたたかう人々、そしてアジア・米国人民との反基地国際共同行動として貫徹された。勝ち取られた地平に立脚し、国際主義につらぬかれた反基地闘争をさらに全国規模でおし広げていこうではないか。

 日帝・安倍政権は、教育基本法改悪案の衆議院での強行採決を図り、さらに防衛庁の「省」昇格法案など一連の反動諸立法を推進している。また、朝鮮民主主義人民共和国への制裁を激化させ、侵略反革命戦争体制の構築に全力をあげている。これら戦争総動員に向けた攻撃を許さず、安倍政権の打倒に向けて全力でたたかい抜いていこう。排外主義の嵐を打ち破り、アジア人民との国際共同闘争をさらに前進させていこうではないか。

 

●1章 教育基本法改悪に突き進む安倍政権弾劾

 安倍政権は十一月十六日の衆議院本会議で、教育基本法改悪案を強行可決した。教育労働者をはじめとした反対運動が全国各地と国会前を結んで広がるなか、野党の欠席のままに強行された暴挙である。われわれはこれを徹底して弾劾する。

 九月の発足以来、安倍政権は自らを「教育再生内閣」と位置づけ、教育基本法改悪を今臨時国会の最重要課題にあげてきた。暴露されたタウンミーティングでの文部科学省による「やらせ発言」が示すように、支配階級は姑息な手段を使いながら何としてもこの教育基本法の改悪を実現しようとしてきたのである。

 教育基本法改悪を通して安倍政権―日帝・支配階級が実現しようとしていることは何か。それは、「愛国心」教育の強制であり、教育への国家統制の強化であり、またそのための教育労働者のたたかいの解体である。さらに、初中等教育の段階から教育に市場原理が持ち込まれ、教育分野での「格差」が拡大し、差別・選別教育が強化されていくのは必死である。総じて、侵略反革命戦争と戦争総動員体制の構築に向けた国内階級支配再編の最重要環のひとつとして、かつ憲法改悪に向けた攻撃の要として、この教育基本法改悪攻撃があり、われわれはこれを絶対に許すわけにはいかない。

 安倍政権は、この教育基本法改悪の他にも、防衛庁の「省」昇格、国民投票法案、共謀罪新設など一連の反動諸立法を推進している。防衛庁の「省」昇格法案は同時に、〇五年防衛大綱の見直しで自衛隊の海外展開を「付随的任務」から「本来的任務」へと転換したことを受けてそれを明示する海外派兵立法だ。さらに、朝鮮民主主義人民共和国への新たな制裁を発動し、新日米同盟の具体化―共和国への戦争準備をもって戦争国家への道を邁進している。そのなかで、とりわけ支配階級のなかから核武装についての論議をすべきだという主張が公然と出されてきたことは重大だ。外相の麻生太郎や自民党政調会長・中川昭一などによって繰り返される発言はむろん議論一般を主張しているのではなく、その背後に日帝独自の核武装の野望を秘めたものであり、日本の反戦・反核運動の地平を掘り崩そうとするものだ。これらの発言、そしてそれを容認する安倍を徹底して弾劾してたたかっていかねばならない。

 安倍政権による一連の反動諸立法攻撃の先にあるのは、言うまでもなく九条を中心とした憲法改悪である。安倍は自らの政権の課題を憲法改悪に定め、国民投票法案を提出し、改憲―戦争のできる国家への飛躍をかけた攻撃を具体化している。労働者階級人民はこの改憲攻防を階級決戦に高め、そして勝利していかねばならない。だからこそ戦争国家化に突き進む安倍政権と全面対決していかねばならない。そして、排外主義とたたかい、アジア人民との連帯を推進していかねばならない。共和国の核実験を口実として、排外主義煽動をもっての戦争国家化が全面化する今こそたたかいの真価が問われている。アジア共同行動のたたかいを支持し、提起されている「憲法九条改悪を許すな!アジア・メッセージプロジェクト」を安倍政権と対決する大衆運動として拡大していこう。

 

●2章 イラク政策批判で追い込まれるブッシュ政権

 十一月七日に行われた米国の中間選挙は民主党の圧勝という結果に終わった。民主党は上院で五十議席(共和党四十九議席)、下院で二百二十九議席(共和党百九十六議席)を確保することとなり、両院において過半数を占めた。ブッシュは共和党の敗北、およびその根拠が有権者によるブッシュ政権のイラク政策への批判にあることを認め、ラムズフェルド国防長官を事実上更迭した。ブッシュはこれまでのイラク政策の「修正」を図ることを余儀なくされた。

 もちろん民主党もまたブルジョア政党であり、米国の多国籍資本・軍産複合体など支配階級の利害を代表し、ブルジョア保守二大政党制のもとに労働者人民を縛りつけておく政治的役割を負っている。そのような意味で、民主党に何らの期待をもつことはできないし、そのような幻想をもつことは危険ですらある。しかしながら、にもかかわらず今回の米中間選挙の結果は大きな意味をもっている。すなわち、米国の労働者人民がブッシュ政権のイラク政策を拒絶し、それが選挙結果として現れたということだ。現在も続くイラク戦争に対する反対の声がアメリカ帝国主義国内でも多数を占めたことの意義はきわめて大きい。この動きがさらに世界の労働者人民の反戦の意思を鼓舞するのは確実である。

 今回の選挙結果が、米軍がイラクから早急に撤退するなどの抜本的な変化へとただちにつながるわけではない。また報道によれば、ブッシュ政権のもとで進められてきた米軍の世界的な戦力再編には今後も変更はないとされている。しかし、すでにイラクでの米軍の死者が二千八百人以上に達するなかで、イラク戦争・占領に対する米国の労働者人民の批判はますます拡大していかざるをえない。そしてその声は、イラクのみならずブッシュ政権が就任以来の六年間で進めてきた世界規模での「対テロ戦争」自体への批判へと突き進んでいくだろう。そうすれば、世界のいかなる場所での「対テロ戦争」にも即座に対応できる態勢をつくることを想定しておし進めてきた米軍の戦力再編そのものの意義が問われていくことになる。アメリカ帝国主義は自らの世界支配の利害のために「対テロ戦争」を推進し、米軍の戦力再編を貫徹していくことを必要としているが、米国の労働者人民の内部で広がる反戦の声がこの野望をおしとどめ、打撃を与えていく状況が生まれつつある。

 ブッシュはすでに米軍の戦力再編の主導者だったラムズフェルド国防長官を更迭せざるを得なくなった。戦争によって世界支配を貫徹しようとするブッシュの野望に陰りがでてきた今こそ、徹底的に反戦闘争、反基地闘争をおし進める絶好の好機だ。沖縄、岩国、神奈川など現地でのたたかいと結びつき、米軍再編粉砕の声を全国各地でさらに広げていこう。イラク戦争反対、新たな朝鮮戦争反対をはっきり掲げて、アメリカ帝国主義の内部から沸き起こる反戦のうねりと結合し、米帝・ブッシュ政権の戦争政策とたたかう国際共同闘争を推進しよう。

 さらにまたわれわれは、ブッシュ政権との間で軍事同盟を強化し、イラク派兵を強行して戦争体制づくりを推進してきた小泉、そしてそれを引き継ぐ安倍に対して責任をとらせていかねばならない。自衛隊のイラクおよび周辺国からの完全撤退、日米軍事同盟反対、米軍再編粉砕―米軍基地撤去、新たな朝鮮戦争阻止を掲げ、安倍政権打倒に向けて反戦・反基地闘争に全国で立ち上がっていこう。

 

●3章 民族排外主義と対決し反帝国際協同闘争推進を

 帝国主義の戦争策動と対決し、戦争国家化に突き進む安倍政権の打倒に向けて、われわれは民族排外主義と対決し、反帝国際共同闘争をさらに推進していこうではないか。

 民族排外主義との対決は、今日の日本の反戦運動・階級闘争にとって決定的に重要である。ここであらゆるたたかいが徹底的にふるいにかけられている。

 いま日帝・安倍政権の朝鮮民主主義人民共和国に対する制裁発動、敵視政策の激化が、民族排外主義をますます助長している。在日朝鮮人に対する暴行や暴言、朝鮮総連施設に対する放火、破壊事件などが引き起こされている。安倍政権のもとで勢いづいた天皇主義右翼の白色テロルを絶対に許してはならない。

 われわれがなすべきことは、民族排外主義と徹底してたたかい、労働者人民を帝国主義とたたかう階級闘争の隊列へと組織していくことである。共和国の核実験の直後、衆参両議院では将来の軍事行動に道を開く「国連憲章第七条に基づく措置を国際社会がとること」を求める「非難決議」が全会一致で採択された。共産党や社民党もこの決議に諸手を上げて賛成した。国会内には新たな朝鮮戦争策動とたたかい抜くことができる勢力は存在しないということである。真にプロレタリア国際主義に立脚したたたかいをわれわれ自身が切り開き、労働者階級全体のものへとしていかなくてはならない。戦争に向かって情勢が煮につまっていくとき、もっとも鋭く問われてくるのは自国帝国主義に対する態度である。われわれが全面的に対決し、打倒すべき日本帝国主義・安倍政権に対する批判を鮮明にし、民族排外主義と徹底的にたたかい抜こう。

 さらに、全国総決起でたたかい抜いた十一月岩国現地闘争の地平に立脚して、反戦・反基地、反帝国主義の国際共同行動をよりいっそう推進していこう。

 アジア共同行動日本連絡会議が呼びかけた「十一月岩国国際集会」は、日米政府が米軍再編を通して「極東アジア最大規模」に変貌させようとしている岩国基地の大強化阻止に向けた現地闘争としてたたかわれ、かつ地元岩国をはじめ沖縄や座間など現下の米軍再編攻撃と現場でたたかう人々と結合した闘争として取り組まれた。さらにこのたたかいは、「アジアからの米軍総撤収」を掲げ、韓国、フィリピン、台湾、インドネシア、米国の反戦運動・民衆運動との反基地国際共同闘争として勝ち取られた。米軍再編とのたたかいの現場とアジア各地および米国の反戦運動・民衆運動が具体的に結合することで、米軍再編粉砕とアジアからの米軍総撤収に向けた展望をさらに一歩たぐり寄せたのである。

 岩国でのたたかいの地平を全国各地へと還流させていこう。沖縄、岩国、神奈川でのたたかいへの支援・連帯をさらに進め、米軍再編計画を白紙撤回に追い込んでいこう。

 同時に、アジア各地の反戦・反基地運動とのさらに緊密な結合を進めていこう。韓国・平澤(ピョンテク)では、九月の家屋の強制撤去に続いて、農民のたたき出しを図ろうとする韓国当局と対峙して、米軍基地拡張阻止闘争が決定的な局面に入っている。平澤の農民をはじめとしたこのたたかいへの連帯をさらに強めていこう。フィリピンにおいては、米比合同軍事演習を通した米軍の常駐化攻撃に反対し、米軍駐留協定(VFA)の破棄を求めるたたかいが続けられている。BAYANなどはまた、十二月中旬にセブ島で開催されるASEAN拡大外相会議に対抗するかたちで、アジアや世界の仲間に呼びかけてアジア太平洋地域における米軍の展開に反対する国際会議を開催する。アジア各地のたたかいとの結合をさらに強化し、国際共同闘争をさらに推進しよう。

 全国のたたかう労働者・学生のみなさん! 排外主義とたたかい、安倍政権と対決して、われわれ共産主義者同盟(統一委員会)とともに、反戦・反基地運動に立ち上がろう!

 

 

 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.