共産主義者同盟(統一委員会)
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『戦旗』第1273号(2006年11月20日)
日本帝国主義は十月九日の朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)による「核実験発表」を最大限に利用して、共和国への制裁発動、軍事行動、朝鮮侵略反革命戦争の具体的準備を一気呵成に進めようとしている。日帝の共和国に対する戦争重圧を許さず、民族排外主義と断固として対決しなければならない。日米帝国主義こそが、アジア地域での戦争危機を煽ってる実態を見据え、アジア民衆自身の手による平和創造を推し進めなければならない。 日帝―安倍政権は、共和国への戦争重圧を強め排外主義を煽りながら、教育基本法の改悪や防衛庁「省」昇格など反動諸立法の制定に躍起になっている。労働者人民の生活破壊を推し進める中で、資本家階級の利潤極大化を果たし、戦争総動員体制の構築を通じて帝国主義国家としての飛躍を果たそうとしている。安倍の言う「戦後レジームからの脱却」とは、まさに敗戦帝国主義にはめられた制約をすべて取り払っていく決意を表明したものだ。右翼天皇主義者、国家主義者である安倍が率いる日帝―安倍政権を打倒しなければならない。われわれは十一月岩国国際反基地闘争に総決起する。この岩国国際集会の大成功をもって、反帝国際主義派のたたかいの一層の飛躍を勝ちとろうではないか。全ての労働者人民が、アジア共同行動が呼びかける11・25〜26「アジアから米軍撤収を求める岩国国際集会」に結集することを呼びかける。
●第一章 岩国から反基地闘争の新たなうねり創り出そう 十月十一日沖縄において、嘉手納基地と嘉手納弾薬庫地区へのパトリオットPAC3の配備が強行された。これを受けて、十月二十六日には防衛庁長官久間が「むしろ沖縄の人は喜んでもらいたい」などと沖縄差別剥き出しの暴言を吐いている。われわれは、沖縄人民の反対の意思を無視し、機動隊の暴力でもって強行したPAC3配備の暴挙を徹底的に弾劾する。日米帝国主義はPAC3の配備を一方的に通告し、それに抗議した地元自治体の首長に対して「PAC3は第一義的には嘉手納基地防衛のため」などと言い、嘉手納基地へのミサイル配備を強行したのだ。嘉手納基地へのPAC3配備の強行という許しがたい暴挙に対して、沖縄人民は大きな怒りとともに立ちあがった。阻止行動のさなか発表された共和国による「核実験発表」を利用した排外主義煽動を許さず、機動隊と正面から対峙し、まさに体を張って四日間にわたる阻止行動を貫徹したのだ。十月二十二日に投開票された岩国市議選では、田村順玄氏のトップ当選をはじめ、「厚木艦載機部隊移駐反対派」候補が十七名当選した。これまで移駐賛成派が多数派を形成していた岩国市議会において、定数三十四名中、その半数を移駐反対派が占めることになった。三月住民投票―四月市長選の勝利的地平を受け継ぎ、粘り強く反基地闘争をたたかってきた岩国市民に連帯し、岩国基地大強化反対の運動の大爆発を勝ちとろうではないか。 日帝―安倍政権は、共和国による七月のミサイル発射、そして「核実験発表」を利用し、全体重をかけて米軍と自衛隊を一体のものとして進める基地再編強化を強行しようとしてきている。米軍基地再編を具体的に進めていくにつれ、日米帝がいかに共和国に対する排外主義煽動を撒き散らそうとも、日米帝のいう「負担軽減」が全くのペテンであり、米軍基地強化の受け入れは、まさに地元住民に押し付けられる負担の強化・永久化でしかないことが明らかとなってきている。日本政府は、一方で辺野古への米軍新基地建設を進めながら、「沖縄の負担軽減」として千五百ヘクタールの土地が返還されると豪語していたが、実際は九百ヘクタールほどに止まることが明らかとなっている。日米帝による在日米軍再編の第一弾攻撃としての嘉手納基地へのPAC3配備強行は、まさに在日米軍再編の実態が何であるかを鮮明に示している。 こうした日帝―安倍政権が強行する米軍基地強化攻撃に対し辺野古沖への米軍新基地建設の阻止、岩国における三月住民投票―四月市長選における勝利、神奈川における五十万人反対署名など、この間の各地域住民の反基地闘争は勝利的地平でたたかいぬかれている。各地でたたかわれている反基地闘争をともに担い、これらのさらなる実践的結合でもって、在日米軍基地再編強化に対する反対闘争の大爆発をかちとろう。 日帝―安倍政権は、「アジアのための日米同盟」をぶちあげ集団的自衛権行使、米軍との共同作戦、朝鮮侵略反革命戦争準備へと突きすすもうとしている。共和国に対する戦争策動を強めている安倍政権の根幹を揺るがしていくには、日米軍事同盟の基盤たる米軍基地再編をその現場から撃つことである。アジア共同行動日本連絡会議は、東アジアの平和創造とアジア米軍総撤収のスローガンを掲げ、十一月二十五〜二十六日「アジアから米軍総撤収を求める岩国国際集会」への総結集を呼びかけている。われわれはこの呼びかけに断固としてこたえ、日帝―安倍、米帝―ブッシュを打倒するたたかいとして、十一月岩国国際反基地闘争に総力決起する。 とりわけ今、岩国国際反基地闘争に取り組むことは、共和国に対する日帝・米帝の制裁―侵略反革命戦争を断固阻止するという喫緊の課題に、直接取り組むたたかいである。日帝―安倍政権は、米帝―ブッシュとともに国連安保理での対共和国制裁決議の採択を主導し、さらに日帝独自の制裁強化策まで検討している。国連安保理決議は武力行使を認める四二条ではなく、経済制裁・外交断絶を手段とする四一条にもとづく措置を取るといっても、経済制裁を実施するにあたって臨検などの強行措置を取れば、突発的な軍事的衝突に発展する可能性は極めて高い。まさにそうした状況まで想定しているからこそ、日帝は米帝ブッシュ政権の主導するPSIに対して、アジア民衆の懸念を意に介することもせず、積極的に賛意を表明し共同訓練まで行ってきているのだ。さらに日帝は、この情勢を最大限に利用して核武装化を画策している。十月十五日には自民党政調会長中川昭一が核保有論議が必要と主張し、多くの批判にもかかわらずしつこく同じ主張を繰り返している。この中川の発言に続いて、外相麻生も核保有論議の必要を主張し、これらの発言に対し最高責任者である安倍は「個人の見解」とのペテンを弄し、核保有論の煽動を放任しているのだ。こうして核武装化を目論む日帝を絶対に許してはならない。 現在の東アジアをめぐる軍事情勢を規定しているのは、明らかに米帝、中国、ロシアである。とりわけ米帝は、九四年の朝鮮戦争重圧から、日帝とともに新安保―ガイドラインを基盤とする軍事同盟の強化を進めてきた。そこから現在、ブッシュ政権がおし進める世界規模での米軍戦力再編があり、日帝は防衛「省」昇格、憲法九条改悪をもって集団的自衛権の行使にまで踏み込もうとしている。この日米帝国主義による共和国への戦争重圧こそが、共和国の六カ国協議の参加を困難にし、東アジアの軍事的緊張を高めてきたのだ。 こうした情勢のもとで、アジア共同行動が呼びかける岩国国際集会に取り組む意義は極めて大きい。基地の拡張と空母艦載機移転をふくむ岩国基地大強化は、まさに朝鮮半島における戦争を想定したものである。そして岩国基地での米軍再編が実現されれば、まさに東北アジア最大の米軍航空部隊の基地が岩国に出現することになるのだ。地元住民への生活破壊の押しつけのみならず、基地の存在そのものが朝鮮半島への戦争重圧となる岩国基地に対する反基地闘争は、アジア民衆の反米軍闘争の一機軸となるたたかいだ。この国際共同闘争を通じて「アジアの中の岩国基地大強化」として、岩国反基地闘争を国際共同闘争の課題へと押し上げ、「アジアのための米軍再編」うたう日帝―安倍政権との対決軸を鮮明に示そうではないか。目前に迫った岩国反基地国際集会に全国から総力で結集し、新日米同盟の根幹である基地機能強化を阻止する闘いを切り拓いていこうではないか。 岩国、沖縄、神奈川をはじめとする、全国の反基地闘争の結集、実践における結合こそが、米軍基地・自衛隊基地の再編強化を実際に阻止する展望を拓く。反基地闘争、反戦闘争をたたかう全国の人々が、岩国に結集することを呼びかける。
●第二章 米軍再編強化を粉砕し安倍政権を打倒しよう 小泉政権を引き継ぐ安倍政権は、共和国への戦争重圧を強めながら、改憲―戦争のできる国家に突き進もうとしている。この反動攻勢の第一弾として安倍は、今臨時国会で教育基本法の改悪を強行しようとしている。「教育再生」という美名のもとで教育の反動的再編を行ない、「愛国心」教育を強制する教育基本法改悪を臨時国会の最重要法案として位置付けているのだ。日帝―安倍政権が推進する新自由主義政策によって、下層労働者や被抑圧人民の生存権までもが脅かされることは必至だ。しかしその不満や怒りを資本家階級とその政府に向かうことを阻止しなければ存続できない。日帝―安倍政権にとって、教育の反動的再編は避けられない課題となっている。教育基本法の改悪の狙いは、学校教育を通じて徹底的に排外主義を植付け、排外主義・国家主義のもとに労働者人民を組織化していくということだ。こうした排外主義・国家主義のもとで、侵略反革命戦争への総動員体制をつくりだし、共和国への戦争重圧をますます強めようとしている。 そして日帝―安倍政権は、朝鮮民主主義人民共和国による核実験発表を最大限に利用し、対共和国制裁において自衛隊と米軍の共同作戦を強行しようとしている。具体的には、決議に組み込まれている「貨物検査」をPSIの枠組みで行い、船舶検査や米軍支援を周辺事態法の発動によって強行しようとしているのだ。米帝は対共和国制裁決議をテコとして、核拡散阻止の努力が加盟国の「義務」となることを利用し、PSIの強化を目論んでいる。日帝―安倍政権は、こうした周辺事態法の発動のみならず、防衛庁の「省」昇格や自衛隊派兵の恒久法制定など、朝鮮侵略反革命戦争への準備を一気におし進めようとしている。つまり、制裁発動とそのさらなる強化をもって、戦争情勢を作りだし、一挙に戦争立法を進めようとしているのだ。この過程のなかで、共和国への戦争重圧とともに、朝鮮人民に対する民族排外主義が煽り立てられていることも見落としてはならない。安倍による共和国敵視政策の強化の中で、民族排外主義煽動もまた強められている。在日朝鮮人民への差別・暴力事件を断固として許さず、民族排外主義と正面から対決していかなければならない。 さらに安倍政権は新自由主義をさらに推進し、日本社会を「格差社会」として固定化・拡大しようとしている。労働者人民の生活を破壊してまで、資本による徹底した利潤の追求を許そうとしているのだ。安倍は十月十九日に政府税制調査会の会長に本間正明を当てる人事を発表した。これと同時に財務相尾身は、法人税の減税をさらに進める方針を打ち出している。一方で企業には減税を実施し、労働者人民にはさらなる増税、社会保障の切り捨てを強制しようとしている。安倍の言う「再チャレンジ支援」は、新自由主義のもとで弱肉強食の競争に参加しろ、その機会は拡大してやる、というものでしかない。新自由主義政策の推進と、その必然的な結果である格差の拡大・固定化の問題は全く無視されている。当然ここには、人間として当たり前の生存権の保障、格差拡大を阻止し社会保障や社会福祉を充実させていこうという発想は全くない。 こうした安倍政権の反人民的反動攻勢と総対決する攻防の環として、新日米軍事同盟の根幹―米軍基地再編強化から、これを叩きつぶしていこうではないか。日帝―安倍政権の最弱の環は米軍再編問題である。安倍を打倒するたたかいとして、岩国に決起しよう。 そして全人民的大衆運動として改憲阻止運動を構築することが喫緊の任務である。アジア共同行動が提起する「憲法九条改悪を許すな! アジア・メッセージ・プロジェクト」を全国で取り組み、地域からの改憲阻止運動を構築しよう。
●第三章 反帝国際共同闘争の実践的結合を強めよう 「アジアから米軍総撤収を求める岩国国際集会」は、文字通り、韓国・フィリピンをはじめとするアジア各国・地域から、反基地闘争をたたかう団体が結集してたたかわれる。反戦闘争、排外主義との対決として岩国闘争に全ての労働者人民が立ち上がることを呼びかける。 アジア太平洋地域における米軍の再編強化は東アジアでの戦争体制の構築を目的として推し進められている。在沖米軍の「削減」は在沖米軍の前線攻撃部隊を沖縄へと集中させる基地再編計画として策定されている。平澤米軍基地拡張の実態が鮮明に示しているように、在韓米軍の「削減」もまた、共和国や中国への攻撃力を増強させるものである。これらとともにフィリピンへの米軍再駐留や台湾への武器売却供与など、米帝が米軍再編を通じて東アジアで行おうとしているのは、朝鮮侵略反革命戦争とともに中国に対する軍事体制の構築に他ならない。米軍再編こそが、朝鮮半島のみならずアジア地域全体における戦争の危機を激化させているのだ。 アジア地域におけるこうした軍事情勢のもと、アジア各地の民衆による反戦闘争、反基地闘争とその実践的結合は極めて重大な意義をもつ。アジアの平和創造を民衆自身の手によって実現していくことが、共同のたたかいとしておし進められなければならない。昨年から本年にかけて実力攻防をたたかい抜いてきた平澤の米軍基地拡張阻止闘争、そして十一月労働者大会―11・15ゼネストに立ち上がる韓国労働者階級とともにたたかおうではないか。在沖海兵隊によるレイプ事件弾劾行動、米軍再駐留反対運動、そしてアロヨ政権の人民殺害攻撃とたたかいぬいているフィリピン人民、「対テロ」戦争を拡大するブッシュ政権と対決している米国ANSWERなどとの実践的結合を強めていかなければならない。 各国・地域でたたかわれている反基地闘争の国際的結合によって、アジアにおける侵略反革命戦争を実際に阻止するたたかいの展望は拓かれる。労働者階級人民の固い結合で結合し、アジアから米軍基地を叩きだす反帝国際共同闘争を実現しよう。 |
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