新年メッセージ                                                     ホームへ
                                                                   2020年1月
共闘団体からの新年のあいさつ

   


    
 

 ●ブルジョア的世界秩序を転覆する 新たな政治勢力の形成を

 共産主義者同盟首都圏委員会 幾瀬仁弘さん


 二〇二〇年の年初に、『戦旗』読者のみなさんに連帯のあいさつを送ります。
 現代のグローバル資本主義は、世界中に格差社会を出現させながら、自らを自らの手で破壊するという極限的なレヴェルへと突き進んでいます。その帰結の一つが差別・排外主義が跋扈し憎しみが渦巻く「トランプ現象」です。苦しみに喘ぐ人々の選択がこうした望まれない状況を帰結させた一方、米国議会中間選挙においては民主党が女性・マイノリティ・社会主義的思想を持った候補者を擁立することによって躍進し、さらには朝鮮半島で進行する歴史的な事態を呼び込んだ韓国民衆のろうそく革命という名もなき民衆の抬頭があります。
 他方、安倍政権は憲政史上最長を記録しましたが、しかしこれは断末魔を迎えた資本主義を少しでも延命させたい支配階級の最後のあがき、もはやどんな手段を講じても経済成長などあり得ないにも関わらず、これを認められない支配階級に幻想を与えるために続いているにすぎないのです。
 安倍政権は辺野古新基地建設を基盤にしながら東アジアの軍事的・政治的覇権を狙っているのですが、これが挫折を余儀なくされかねないのは、現在朝鮮半島で進んでいる事態です。朝鮮戦争終結が日程に上る情勢になれば、「北朝鮮の脅威」は主張し得なくなり、辺野古新基地建設のみならず琉球列島への陸自ミサイル部隊配備、秋田・山口へのイージス・アショア配備計画などは見直しを避けられなくなります。これを実現させようとしている韓国文政権は安倍政権にとって厄介な存在となっているのでしょう。だから輸出規制などという手段を使いながら、安倍政権はマスコミを総動員しての「嫌韓」を煽り立てているのです。「戦後レジームからの脱却」との主張とは裏腹にサンフランシスコ体制という戦後レジームに固執する日帝安倍政権に対し、韓国民衆はこの軛を断ち切ろうとしているのです。日帝安倍政権がいくら抗っても、この流れはとめることはできないでしょう。
 いまこそ、ブルジョア的世界秩序を転覆する新たな政治勢力の形成が求められています。共に闘いましょう!



 ●改憲発議阻止の大衆的直接行動に起ち上がろう

 統一共産同盟


 二〇二〇年、日本帝国主義・安倍政権は新たな帝国主義国家=戦争国家確立に向けて更なる攻撃に撃って出るだろう。
 第一に自衛隊明記の改憲である。安倍政権は、二〇年一月通常国会・憲法審査会での「国民投票法改正案」審議で野党を抱き込み、一気に改憲案を国会に提出し改憲発議を狙ってくるだろう。改憲を前提とした憲法審査会そのものの開催を許してはならない。改憲の狙いは戦争国家に不可欠な自衛隊の国軍化・帝国主義軍隊化である。自衛隊容認のブルジョア議会主義政党に依存することなどできない。労働者を中軸とした憲法審査会開催・国会発議阻止の大衆的直接行動に起ちあがろう。
 第二に自衛隊のイラン派兵である。安倍政権は国会での議論抜きに、閣議決定で護衛艦と哨戒機派遣を強行しようとしている。改憲粉砕と一体に、反帝国主義・プロレタリア国際主義を貫く反戦・反基地闘争を闘おう。辺野古新基地反対・琉球弧の軍事要塞化阻止の闘いと連帯するヤマト各地の闘いを日米安保粉砕へ押し上げよう。
 第三に、天皇の元首化である。我々は昨年、天皇代替わり粉砕闘争を弾圧に抗して闘い抜いた。戦争国家確立のための天皇元首化・天皇制の下への人民統合を許すな。七月東京五輪開会式での国家元首としてのナルヒト宣言を粉砕せよ。民主主義を根底から破壊し階級融和を図る天皇制を廃絶しよう。
 第四にアイヌ民族、琉球民族への同化抹殺攻撃である。安倍政権は二〇年四月二四日、白老「民族共生象徴空間」開設でアイヌ民族同化完了を宣言しようとしている。アイヌ民族の遺骨返還・自決権獲得の闘いを支持し連帯しよう。琉球民族もヤマト・天皇制国家による遺骨略奪を植民地主義として弾劾し起ちあがっている。日本近代国家はアイヌ民族、琉球民族に対する同化抹殺・植民地主義によって成立してきた。天皇制国家を支えているものこそ他民族排外主義である。日本労働者・人民は、アイヌモシリ侵略、琉球・沖縄併合、皇民化の歴史を捉え返し、自己解放をかけて闘わなければならない。本年も共に闘おう。



 時代の流れを大きく変えよう

 労働者共産党 松平直彦さん

 共産主義者同盟(統一委員会)の皆さん。明けましておめでとうございます。
 本年も宜しくお願いします。
 さて今われわれは、後がない所で闘っています。しかも共同の革命的政治を欠いて分散した抵抗にとどまっています。この現実を直視し、戦列を立て直すことから始めなければなりません。
 他方、国家と資本主義は社会を成り立たせ得なくなりつつあります。しかも安倍政権にいたっては、国家を私物化してその上に胡坐をかいているしまつです。おかげで我々は、戦列建て直しの時間を得ているとも言えるのですが……。
 しかしもちろん敵を侮ることは禁物です。昨年夏、安倍政権は韓国敵視政治を展開しだしました。侵略・植民地支配について、口先であろうと、もう謝罪はしないとしたのです。つまり韓国は関係改善の対象ではない、屈服させる対象だとしたのです。覇権拡張政治の再始動だと言えるでしょう。背後には、朝鮮半島・東アジアの覇権負担を日本・自衛隊に肩代わりさせていくという落日の超大国アメリカの戦略的大転換がありました。
 見過ごせないのは立民・国民が、韓国敵視政治を率先支持したことです。覇権拡張政治は支配階級の動揺的部分、野党共闘をも巻き込みだしているのです。この政治に対抗するには、国境を超えて連帯する労働者民衆の政治的登場が、第三極政治勢力の形成が必要です。
 新しい年、安倍政権は韓国敵視政治を推進軸に、朝鮮半島・東アジアの緊張の再先鋭化、辺野古新基地建設・土砂投入の加速、「思いやり予算」大増額と大軍拡、社会保障制度改悪、旭日旗オリンピック、そして改憲の達成を狙っています。しかし今日ではそれらもまた、国家と資本主義が社会の存立と両立しない時代に入ったことの「証」でしかなく、帝国主義的発展時代の再来をもたらすことはありません。選択肢は、社会(人間)の崩壊か、それとも国境を超えた助け合い社会・地球的自然との共生社会か、です。
 団結・協力し、時代の流れを大きく変えていきましょう。



 ●「関生魂」の思想は潰されない

 関生コミュニスト同志会


 関生コミュニスト同志会(関コミ)から、新年のご挨拶を申し上げます。今年も、「明けましておめでとう」とはいえない年明けとなりました。それは、関西地区生コン支部への戦後最大の権力弾圧で延べ七九名の仲間が逮捕されたからです。一年五カ月になるも今だ二名の仲間が勾留中です(12/1現在)。そして、仲間の保釈を勝ち取り、身柄拘束から解き放されたと思いきや、組合事務所への出入りと組合員との交信禁止です。保釈とは名ばかりで、自宅での軟禁状態です。
 何故なのか。それは、二〇一七年一二月の運賃引き上げを求めたゼネストにあります。また、中小企業と労働組合が連携・協力する関生型運動(協同組合化)を潰すことにあります。
 中小企業同士の競争を抑制すると同時に、大企業からの収奪を抑制し、取引条件を改善するために中小企業を協同組合に結集させる。このことを通じて、生コン価格の適正化・品質保証・安定供給を実現する。この協同組合化を労働組合と生コン関連業界が連携・協力して取り組む関生型運動を潰すために、二〇一八年七月から滋賀県警、大阪府警、京都府警、和歌山県警が奔走しているのです。
 資本主義の根幹である「競争」を抑制し、中小企業と労働組合が協力・連携した政策運動の実現によって、関連産業における労働者の高いレベルの賃金・労働条件を確立してきました。この産業別労働運動を展開する関生支部の存在に対して、企業内労働組合に封じ込めている日本労働運動の再生に繋がることを恐れる資本・権力の危機の現れが、この権力弾圧なのです。
 また、中小企業を協同組合に団結させる「関生型運動」が全国に拡大することは、「大競争」の産業・社会システムが崩壊し、資本主義の終わりを告げることになるからです。権力弾圧をいくら繰り返しても、「関生魂」の思想は潰されないし、消せない。全国の仲間と団結し、闘い続けることを決意して新年のご挨拶とさせていただきます。



 ●マルクスレーニン主義の旗を掲げて

 関西共産主義運動(KCM) 新開純也さん


 〇八年リーマンショック以降、世界は二つの点で再編と危機の時代に入っている。
 第一は先進国の成長なき時代である。日本は一九九〇年代バブル崩壊で先頭を切ったが、他の先進国はリーマンショック以降その時代に入った。
 第二は昨年死去したウォーラーステインの世界システム論で言う所の基軸国家の喪失である。これは資本主義の不均等発展の結果であり、事実我々の東アジアに限っても大きな変動を迎えている。
 このような無極の時代は勢力の再編の時代であり、自国ファーストを掲げたナショナリズムの台頭の時代であることは歴史の教えるところである。同時に低成長の時代、かつ経済の金融化した時代は貧富の格差を極限にまで推し進める。この両者が結合するところに右翼ポピュリズムが生み出される。人民の閉塞感に乗じて内部に敵を(移民であったり、公務員であったり)デッチあげ相戦わせ、対外的にはナショナリズムを煽ることで強権的支配を実行する。
 このような右翼ポピュリズム政権を広範な人民の共同行動で許さず打倒することが我々の第一の任務である。
 同時にこのような再編の時代は人々がこれまで通りにはやっていけない変革の時代であり(だから右からは右翼ポピュリズムが変革を掲げて登場する)、左からの変革が必要な、またチャンスの時代である。事実欧米ではアメリカ民主党内左派(サンダース、オカシオ)、欧州のポデモスや左翼党、イギリスのコービンの労働党など左からの政治勢力が台頭している。日本はこの面で決定的に立ち遅れている。日本共産党がそのポジション(欧米左派と同一の)にいるという見方もあるが、第一により社民的であり(綱領的にも、またとりわけ行動的に議会主義で保守的である)、第二に組織的に閉鎖的である。
 より開かれたより急進的プログラムを持った左派のゆるやかな連携から始める以外にない。
 この部分が右翼ポピュリズムと先頭で闘い、同時に労働運動をはじめとする社会運動を地域から組織し拠点を形成していく陣地戦を展開すること。
 貴同盟がマルクス・レーニン主義の旗を掲げそのような闘いの先頭に立つことを期待する。