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映像と音楽の夕べ 「アジェンデの子供たち」に参加して |
2015年1月 |
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昨年十一月二十日、ジグザグ会主催の企画に参加した。参考映像として「サンチアゴに雨が降る」とアルジャジーラの作成したチリの学生運動のフィルム、そして音楽はアナ・ティジュのPVが紹介された。その後クラブ・タイム、ラテン・アメリカの音楽で構成された良いライブであった。 「サンチアゴに雨が降る」という映画は、アジェンデ政権の成立からピノチェットによるクーデターと大虐殺までの歴史的事実だ。 合法的で民主的な選挙によりアジェンデ大統領は政権に就いたのだが、アメリカとチリ国内の富裕層はアジェンデを転覆するためにあらゆる工作をしかけた。三年後、ついに軍による攻撃が行われる。アジェンデ大統領も労働組合や市民も、武装して徹底抗戦するのだが、戦車やヘリコプター等軍事力の圧倒的な差によって負けてしまうのだ。 一九七〇年代におきたこの悲劇から我々は何を学んでいくことができるのだろうか。どんなに武器をそろえても、相手は世界を何回も滅亡させるだけの軍事力を有するアメリカなのである。 週刊『プレイボーイ』51号で鳩山由紀夫元首相と『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』の著者・矢部宏治氏が対談しているのだが、在日米軍と日本のエリート官僚によって構成される「日米合同委員会」の存在が論じられている。 日米合同委員会に司法やメディアもつながって、日本国憲法や議会よりも米軍の意思による政策決定と行政がまかりとおってきたのが、戦後から今にいたる日本の実状なのである。「普天間移設は最低でも沖縄県外」を主張した鳩山がなんで失脚したのか。鳩山は「官僚たちは総理である自分ではなく『何か別のもの』に忠誠を誓っているように感じた」と言っているが、これは「サンチアゴに雨が降る」と全く同じ構図だったのではないだろうか。 横田空域が関東上空のほとんどを占領していることや、安保条約による日本全土を米軍基地として米軍が使えるという権利が今でも生きているリアル。それに対して沖縄知事選挙で辺野古新基地建設反対派が圧勝しているということに安倍晋三が総選挙をぶつけてきたという政治の流れには、本質的に疑わしい何かを感じる。「美しい国ニッポン」を声高に言う首相が実は「日米合同委員会」に忠誠を誓って美しい沖縄の海を埋めたてるなら、それはナンセンスなギャグにもならない。日本の誇りを云々する人たちこそ、こんな「在日特権」にヘイトすべきなのにそこはなんで黙っているんだろうか。 この国に生きる命と自然を守るために、本当の敵と向きあい勝利しなきゃならないということは、チリで抵抗のたたかいを継承している民衆とのかけ値なしの連帯をしていくこととつながっている。そう思った。 中杉トオル(タクシードライバー) |
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