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子供を放射能汚染から守ろう 各地で独自の取り組み |
2011年10月 東京 労働者 |
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私は東京都内に住む母親です。三月十一日の原発事故以降、福島に限らず、首都圏や東北地方に放射能汚染が広がり、心が休まることがない日々を送っています。子どもに何を食べさせればよいのか、給食は安全なのか、毎日心配がつきません。 区や学校は、子どもを守ってはくれません。土壌が汚染され、水道水からも放射性物質が検出されており、水の汚染も心配です。そこで、子どもに水筒をもたせて学校に行かせたところ、先生から「水道の水を飲みなさい」と注意されました(きちんと要請したところ、後日全生徒に水筒持参を許可する旨の文書が配布されましたが)。お弁当を持参させたいと要請しても断られました。 私だけではなく、放射能汚染を心配するたくさんの親が、「神経質だ」とか、いわゆる「モンスターペアレント」扱いをされたりだとかで、孤立感を感じているようです。放射能に対する危機感の薄い区や学校に対して、めげずに一つ一つモノを言い、子ども自身が闘わなければ、子どもの命は守れない状況です。 私が住む区でも、行政に対し放射線量の測定を要請する署名運動がおこりました。そして区議会の傍聴行動等に取り組んだ結果、区内の小中学校や保育園など百六十二ヵ所の測定を実現しました。七月には、高木学校(注)の方を招いた学習会も取り組まれました。予想外にたくさんの方が集まり、講師へ質問攻めといわんばかりに質問の時間が足りない程でした。子どもを守るために何に気をつければよいのか、本当に切実な問題だということです。 首都圏の子どもたちにとっては、学校給食を通した被害は、すでに具体的化しています。問題になった汚染牛肉は学校給食で提供されていましたし、町田市の市議が独自に測定した学校給食用の牛乳や横浜市の給食用マイタケ(新潟県南魚沼市産)からも放射性物質が検出されています。米の汚染もすでに明らかです。大きな問題になっていないのは、食品検査を徹底して行っていないからです。賠償を拡大させないという本末転倒した政府や東電の方針に、暗澹たる気持ちになります。 食品検査が実施されても安心はできません。厚労省が三月十七日に急きょ決めた食品や飲料の「暫定規制値」は、欧州の数十倍の値のまま、半年を過ぎた今も放置されています。高い「暫定規制値」以下だから安全ですといわれても、流通している食品を自信を持って子どもたちに食べさせることはできません。 「風評被害」「農家を救え」との声もありますが、それは東電の責任を免罪することです。本来、汚染農産物の買取・農家への賠償は東電・日本政府の責任です。食品不足によりアジアから食品を奪うことにつながりかねないので心配ですが、「規制値を下げること」「食品の放射能測定を行わせること」を政府の責任で徹底させ、子どもたちを守っていくことは、大人の責任なのではないでしょうか。 こうした中、東京では、江東区や目黒区をはじめ各地に子どもを放射能汚染から守ろうという動きが出ています。行政に空間線量の測定や給食食材の安全確保の要請をしたり、独自に測定したり、様々な活動が取り組まれています。そして、「NO!放射能 東京連合 こども守る会」が結成されるにいたっています。また「子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク」も発足しています。 九月十九日の六万人集会にはたくさんの子連れの人が参加していました。ベビーカーを押した若いお母さん、小学生くらいのお子さんもたくさん見かけました。福島からは、多くの子どもたちが主体的に参加していました。子どもたちの未来と原発は共存できないと多くの人が声をあげ始めています。 原発事故がなければ、避難生活をしなくて済んだ福島の方々もたくさんいます。津波の被害にあった方々の支援がもっと進んでいたはずです。ともかく、最も困難に直面している福島の方々とつながりながら、東京でも子どもたちを守り、そしてすべての原発を廃炉にしていきたいと思います。 (東京在住労働者) (注)高木学校―原子力資料情報室前代表・故高木仁三郎氏が市民の立場から問題に取り組むことのできる「市民科学者」を育成したいという思いをこめて、「高木学校」の創立を呼びかけ、これに応えて全国の多くの人々が集まり、一九九八年に「高木学校」がスタートした。原子力問題研究グループ、医療被ばく問題研究グループ、化学物質問題研究グループ、リサイクル班、くらしの中からかえるプロジェクト、寸劇部・話し方教室などのテーマ別のグループがつくられている。 |
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