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熱と光≠キみだフェスタ2009
辛淑玉さんと語る「差別と日本人」に150名
昨年十二月十四日、墨田区社会福祉会館にて、毎年恒例の熱と光≠キみだフェスタが開催されました。一九九七年より回を重ねてきたすみだフェスタ、今回は辛淑玉さんを講師にお招きし、ベストセラーとなった新著「差別と日本人」のお話を伺いながら、共に語り、考えようと企画されました。会場には、部落解放同盟墨田支部の仲間をはじめ、解放共闘に結集する労働組合・市民団体の仲間、学生や在日の仲間など百五十名が結集しました。
辛淑玉さんは、用意してきたたくさんの写真資料の中から選んでは、時間の限り多岐にわたるお話をしてくださいました。時折会場にマイクを向けて、参加者に質問を投げかける辛さんの講演スタイルに、会場の皆は「いつ指されるか」とドキドキでした。
アメリカでは運転免許証を取得するのに、世界中のあらゆる言語で筆記試験が受けられるよう準備されているし、重度の障がい者が運転できる車もある。日本とは大違い。
「カレー事件」の林真須美被告やオウムの松本智津夫被告の子ども達が、マスコミによる徹底的なバッシングと、煽動された社会によって、どんな目に合わされてきたか。「犯罪者の子ども=悪」という構図が意図的につくりあげられるなかで、子ども達は今もなお病み苦しんでいる。
辛さんが集めたたくさんの写真と、その一枚一枚に込められた思い・お話は、そのまま「差別と日本人」を浮き彫りにするかのようでした。そして最後に野中広務氏との共著『差別と日本人』の話題へ。
戦後の在日に対する排除を、日本政府がどういう思いでやってきたのか、当時の官僚に聞いてみたいと考えた辛さんは、野中氏に「被差別部落出身のあなたなら話ができると思う」と何度もアプローチして対談し、編集・出版にこぎつけたそうです。発刊直後からバッシングの嵐にあい、「野中さんに迷惑はかけられない」と一時は出版差し止めも考えたほど。しかし野中氏の固い決意もあり、思いとどまったのだそうです。「野中のような部落出身者を日本の総理にはできない」「天皇の前に出せないだろう」などと発言した麻生元首相は絶対に許せません。一方、在日のことはまるで知らなかった野中氏は、辛さんの話に「知らなんだ 知らなんだ」と繰り返し、最後に「すまなんだ」と一言。それは辛さんにとって、在日にとって、どんなにか重い一言だろうと思います。
会場には、辛さんとも交友の深い石川早智子さんが来てくださっており、急遽アピールをお願いしました。部落民であることを隠して就職した職場で受けたいろいろな差別。初めて地元でゼッケンをつけてビラまきをした時の気持ち。運動との出会いで大きく変わった自分。そんな自身の生い立ちと、正念場を迎えようとしている狭山の闘いへの思いが語られました。十六日、弁護士・裁判官・検察の「三者協議」を目前に控えての力強いアピールでした。
この三者協議で、門野裁判長から検察側に対し証拠開示勧告が出されたことは、本当に大きな一歩です。墨田はこれからも、石川一雄さん、早智子さんと共に狭山再審の門をこじ開ける闘いを全力で闘います。そして辛さんと語った「差別と日本人」が私たちに問うているものを忘れず、あらゆる差別・排外主義と闘う地域運動を推進していきたいと思います。
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