共産主義者同盟(統一委員会)

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  ■読者からの手紙    東京・国立 一市民


 「日の丸・君が代」強制反対運動

 卒・入学式前に展示会、交流・討論会




 三月に東京都国立市で「日の丸・君が代」の強制に反対する取り組みがあったので報告させていただきます。

 ご存知のように、国立では八〇年代後半の天皇代替わりの頃から、反「日の丸・君が代」の取り組みが続けられています。小・中学校の卒業式における「日の丸・君が代」強制反対運動が市民・教員・子どもたちとの三者共闘として実現してきました。二〇〇〇年の春、東京都教育委員会と全国の民間右翼と保守系議員、さらに警察権力一体となり、「日の丸・君が代」強制がなされましたが、反対運動は粘り強く続けられています。

 今年は市内公立小・中学校の卒・入学式を目前にして、「『日の丸・君が代』反対週間」と銘打った展示会が国立公民館でおこなわれました。これまでの反対運動の歴史や写真、そして「日の丸・君が代」がなかった頃の市内小・中学校の卒業式の模様が展示され、多くの市民が足を運びました。

 そしてこの取り組みの締めくくりとして、三月十五日の日曜日に強制に反対した教職員を招き、交流・討論会がおこなわれました。

 卒業式の「君が代」不起立で行政処分を受けたことのある元小学校教職員と、市内在住の高校の教職員の方々が自らの経験を元に話してくださいました。卒業式での「日の丸・君が代」を義務付けた「10・23通達」以降、教育現場が劇的に変わっていった様子を話してくださいました。

 最初は通達に戸惑いを見せていた校長も、「『通達は絶対です』等と言うようになり、そのうちまるで自分で(通達を)発したかのように自信を持っていく様子が手を取るようにわかりました」。そして、「通達にそって提案された式の実施要綱で、壇上にある卒業生の作品は排除されました。周りの壁を飾っていた在校生のお祝いの作品も外に出されました。校長たちは『子供の作品はいらない。厳粛な式には似合わない』とまで言い放ったのです」という状況にいたったそうです。

 また「君が代」斉唱時に起立しなかったことをもって受けさせられた「研修」というものは、「公務員としての自覚を問う内容ばかりで、『君が代』不起立には一切触れることがなかった」「『公務員は上司の職務命令に従う義務がある』『従わない公務員は国民からの信用を失墜させる』ということをしつこく確認し、それの承諾を押し付ける研修でした」ということでした。

 「これは一方的な思想の押し付けでした。目と耳を塞ぐことはできても心に蓋はできません」「人が聞いていようがいまいがどうでも良いという研修に深く傷つけられました。質問を一切許さず、講義・指導した人はササッと帰ってしまい、疑問を抱えながらも『報告レポートだけは提出せよ!』と言われる」「私は『これが再発防止のための研修なんだ。上司の命令を聞かないからこうなるのだ』という無言の圧力を感じ」たが故に、二回目の「研修」からゼッケンをつけて参加したそうです。

 そして「会場に入るとき同僚のAさんがとても辛そうにしていました」「私は自分も嫌なのに『入ろう』と手を引いてしまいました」「研修中、私は自分の心を凍結したままでした。そしてAさんがフラッと立ち上がり私の方にやってきたのです。調子が悪そうでした。どこか虚ろな目と動作。研修に対する辛く苦しく悲しい思いを抱え、彼女は傷ついていました」「再発防止とは『命令は絶対に守らなければいけない』という気持ちを刷り込むことです。気持ちを変えることは思想を変えることだと思います。故に私にはできません」という話をして頂きました。

 そしてこの話の後、国立で「日の丸・君が代」の強制に反対するビラ撒きの打ち合わせがおこなわれました。

 あらためて「日の丸・君が代」の強制と「10・23通達」が学校現場にもたらした意味を真剣に考えることのできた交流会でした。リアルな中身で「思想統制とはこういう形でおこなわれるのか」と考えさせられました。「日の丸・君が代」強制とは思想の強制に他ならないということが良く分かりました。

 私は「やはり『日の丸・君が代』の強制には反対していかなくてはならない」という思いを強くしていきました。

       

 

 

 

 

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