共産主義者同盟（統一委員会）

　 ■ＡＷＣが韓国・ソウルでＣＣＢを開催

　　　　　　　　　　

　五月三日から六日にかけて、韓国・ソウルで、米日のアジア支配・侵略に反対するアジア・キャンペーン（ＡＷＣ）の第十七回キャンペーン調整委員会（ＣＣＢ）会議とその関連事業が成功裏に開催された。
　このかんＡＷＣに参加するアジア太平洋各地の民衆団体の共同行動、連携した闘いがさまざまなかたちで発展してきた。とりわけＣＣＢ会議の直近に行われた米国大統領・オバマのアジア諸国歴訪に対しては、日本、韓国、フィリピンで連携した抗議行動が取り組まれてきた。今回の韓国でのＣＣＢ会議は、こうしたこれまでの反帝国際共同闘争の前進を踏まえ、それをさらに発展させていくために開催された。
　ＣＣＢ会議は五月三日と四日の二日間の日程で開催された。ＡＷＣの国際代表であるホ・ヨングさん（ＡＷＣ韓国委員会）と瀧川順朗さん（ＡＷＣ日本連）の開会あいさつの後、ＡＷＣ韓国委員会より、韓国情勢についての報告を受けた。韓国においては四月に発生したセウォル号沈没事故が大きな社会的衝撃をもって受け止められており、ＡＷＣ韓国委員会はこれを新自由主義政策と腐敗した韓国資本主義体制がもたらしたものと弾劾した。
　さらに、三日には日本、台湾、フィリピンの、四日にはインドネシア、在韓フィリピン人移民組織、米国からの報告があった。ＡＷＣ日本連は安倍政権の反動攻勢とそれに対するたたかいを報告した。台湾労働人権協会は、両岸サービス貿易協定と学生たちによる立法院占拠に対する分析と自分たちの立場を中心に報告をおこなった。フィリピン新民族主義者同盟は、直近の米比防衛協力強化協定の締結など強まる米軍プレゼンスに対する民衆のたたかいを報告した。
　四日におこなわれたインドネシア社会歴史研究所の報告は、海外からの生産拠点の移転先としてのインドネシアにおける労働実態を中心としたものであった。在韓統一フィリピン人移住労働者連合は、韓国における移住労働者の苦境とそのなかでの移住労働者自身の活動について報告した。米国・ＡＮＳＷＥＲ連合は会議に参加直接できなかったため、スカイプを通じて米国内の情勢報告、とりわけ青年労働者の状況について報告した。
　各国・地域の報告の後、ＡＷＣ国際事務局より、二〇一三年三月の前回の台湾でのＣＣＢ会議以降のＡＷＣの国際共同行動が報告された。フィリピンでの反基地国際会議、合同軍事演習に対する連携した抗議行動、安倍政権の歴史歪曲策動に対するたたかい、オバマのアジア歴訪に対する各国での連続闘争などこのかん発展してきた国際共同行動についての報告があった。
　これらを受けて各国・地域から集まった民衆団体の代表は、アジア太平洋地域における米日帝国主義の策動に対抗する当面の共同行動の計画について討議し、確認した。ＣＣＢ会議はまた、「歴史を歪曲し、アジア民衆に敵対する安倍首相を弾劾する特別決議」および「京丹後市宇川地区における新たな米軍基地建設計画の撤回を要求する特別決議」を採択した。最後にインターナショナルの斉唱で二日間のＣＣＢ会議は締めくくられた。
　翌五月五日、ＡＷＣ韓国委員会と各国・地域からの参加者は、ソウルの米国大使館および日本大使館に対する抗議行動をおこなった。「アジア太平洋地域の民衆は団結し、帝国主義の支配に反対しよう！」「新自由主義―ＴＰＰ反対！米軍プレゼンス増強反対！日本の歴史歪曲反対！」というスローガンが書かれた横断幕が広げられ、各国・地域の代表は米日帝国主義のアジア支配強化策動を弾劾した。また、夕方には、韓国・アルバイト労組などが呼びかけたセウォル号事件に関する明堂での追悼行進が国際行動として取り組まれた。
　さらに公式日程とは別に、ユソン企業労働者の高空篭城闘争現場への連帯訪問、双龍自動車労組への連帯訪問、ＡＷＣ韓国委員会初代代表であった李壽甲さんの墓参などが日本や台湾からの派遣団を中心に行われた。また、ＣＣＢ会議会議に先立って韓国・アルバイト労組との交流や民主労総メーデーへの参加が青年活動家を中心に行われている。
　激動するアジア情勢のなかで、反帝国主義に立脚した民衆団体の国際ネットワークとしてのＡＷＣの意義と果たすべき役割はますます重要なものになっている。今回の韓国でのＣＣＢ会議の成功を基礎にして、アジア太平洋地域における反帝国際共同闘争のさらなる前進を勝ちとっていかねばならない。