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■ILPS第4回国際総会かちとられる 第三世界諸国から多数参加 AWC日本連も代表を派遣 七月七―九日、フィリピン・マニラ郊外でILPS(国際民衆闘争同盟)第四回国際総会が行われた。これに先立つ七月五―六日、「人民の権利と闘争のための国際フェスティバル」がフィリピン大学(UP)内で開催された。 フィリピンのバヤン(人民連合戦線)、KMU(労働団体)、ガブリエラ(女性解放組織)、LFS(学生組織)、KMP(農民組織)などの大衆諸組織が軸になって、反帝・民主主義闘争の国際統一戦線として二〇〇一年にILPSは発足した。五十カ国前後の大衆組織・個人が参加する。以降、反帝・反グローバリゼーションの国際連帯・共同闘争を推進している。 今回のILPS総会には日本からAWC日本連や労組の代表などが参加した。AWC日本連の一部の参加予定者にたいして、七月五日、フィリピン入管当局は入国拒否・強制送還の暴挙を行った。不当極まりない弾圧である。フィリピンの諸団体とILPSの海外参加者はこの人権無視の政治弾圧に満腔の怒りで抗議した。フィリピン当局とその背後で共謀する米日帝は、アジアで前進する反米軍基地運動への国際的弾圧を行った。被弾圧者は、反米軍基地国際フォーラムをバヤン等と共催する予定であったAWC日本連メンバーであり、その国際フォーラム参加の前日に入国拒否は起こった。AWC日本連七月六日の抗議声明の抜粋を紹介する。「われわれはまた、沖縄・日本「本土」・韓国・フィリピンなどにおける米軍のプレゼンスに反対し、アジア太平洋地域からの米軍を総撤収に向けた共同闘争を推進してきた。今回のわれわれのメンバーに対する入国拒否・強制送還は、このような日本およびアジア・世界の民衆の搾取・抑圧からの解放を求めてたたかうわれわれの闘いを標的にした弾圧である」「弾圧によって民衆のたたかいとその国際的な団結の発展をおしとどめることは決してできない。人民の運動は、弾圧を乗り越え、各国・地域でのたたかいと国際連帯を前進させ、そして勝利するだろう」と。その通りである。 フィリピン入国を実現した日本メンバーは、弾圧をはねのけてその役割を存分に果たした。米欧日帝国主義の侵略戦争と米軍基地に反対して闘う国際的な人民闘争の隊列は、マニラにて反米軍基地国際フォーラムを成功させた。AWC日本連の参加者は在沖・在日米軍基地と日米軍事同盟および反基地闘争の現状を報告した。約百名の国際フォーラム参加者によって「基地をなくせ!在外米軍基地、米軍部隊と侵略戦争に反対するグローバル・キャンペーン・ネットワーク」をつくりだすことが決議された。これには、フィリピン、韓国、米国、オーストラリア、ベルギー、ギリシャ、ベネズエラ、ケニアの代表、そしてAWC日本連などが賛同した。ILPSと連携し、世界規模で反米軍基地運動の前進が進められようとしている。 ILPS第四回国際総会には、四十三カ国地域の海外から二百団体が参加もしくはオブザーバーした。第三世界諸国からの参加がめだつ。アルゼンチン、バングラデシュ、エクアドル、エジプト、ベネズエラ、グアテマラ、ホンジュラス、インド、インドネシア、マカオ、メキシコ、ネパール、パキスタン、パレスチナ、プエルトリコ、セネガル、タンザニア、タイ、トルコ、ジンバブエ、西パプアなどである。帝国主義諸国などでは、ベルギー、ドイツ、フランス、イタリア、デンマーク、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドから参加。韓国、中国、香港、台湾からも。これまでで最大規模となる。 第四回ILPSのテーマは、「輝く未来を築こう!長引く世界不況、国家テロリズム、侵略戦争の真っ只中で、搾取と抑圧に反対する抵抗へと人民を動員しよう!」である。二十一世紀の最初の十年においては、帝国主義侵略戦争と新自由主義による虐殺・荒廃・差別迫害・貧困が世界中の人民を襲った。〇八年恐慌も勃発した。米国、欧州、日本で財政経済危機・高失業はますます深まる。第三世界諸国では、国際投機資本・気候変動などを要因として、食料品、石油・燃料・電気の価格が急上昇している。低賃金・不安定雇用・大失業、そして生活必需品のインフレ化で、人民の生活苦は極限化している。他方、キューバ、ベネズエラ、ボリビアを先頭としたラテンアメリカ人民の闘い、中東・北アフリカのアラブ人民の解放闘争、ギリシャ・スペインなど南欧の労働者人民の闘い等、世界中で労働者人民の反帝・反資本主義・民主主義の抵抗が闘われている。第四回ILPSは、これらを反映した。マニラのベネズエラ大使も参加させるほど積極的なベネズエラ労働者統制運動の代表は反米帝闘争の拠点の勢いをそのまま陽気に持ち込んでいる。メキシコ、エクアドル、グアテマラ、アルゼンチンの参加者も活発である。ケニアやセネガルなどアフリカ勢も帝国主義への怒りと闘いを全身から発散させて訴えた。まさに第三世界諸国からの反帝民族解放・反独裁・民主主義闘争の国際連帯のモチベーションは極めて高い。 ILPS総会では、オープニングの歌に続き、開会挨拶をレン・クーパー副議長(豪、郵政通信労組幹部)が行う。続いて議長であるホセ・マリア・シソンさんが亡命先のオランダから生ビデオ(スカイプ)で政治報告をした。帝国主義と反動勢力の腐敗・抑圧と侵略戦争・略奪を全面批判し、人民の抵抗闘争・武装闘争・国際団結を訴え、公正で解放された社会にむけ反帝と民主主義の統一戦線を広く強くつくろうと訴えた。フィリピン人民運動、およびILPS参加者から熱烈な拍手が寄せられる。つづいて、この三年間の活動の成果などをカナダ人の事務局長が振り返った。財務報告、ILPS憲章の修正動議と可否討議・採決も行われた。 十八の分科会が二日間、次の内容で組織された。①反帝国主義、民族解放、民主主義・社会的解放、②被抑圧・被搾取人民・民族の社会的経済的発展と勤労人民の社会的平等、③人権守れ、国家テロ、階級的・性的・人種的・宗教的差別反対、④公正な平和を。侵略戦争反対。大量破壊兵器反対、⑤労働組合。労働者の生活と権利擁護、⑥農漁民。農地改革、⑦女性の権利。女性解放、⑧青年の権利。教育と雇用、⑨子供の権利。児童労働や性的迫害反対、⑩先住民、少数民族の権利。自己決定。差別反対、⑪教師、教育研究労働者の権利、研究の自由、⑫健康な生活をおくる権利。保健医療労働者の権利、⑬人民と環境のための科学技術。安全な食料、水を。資本のための遺伝子操作反対、⑭人民のための文化・芸術。文化・芸術活動従事者の権利、⑮政治犯、不当に逮捕拘留された者への公正な裁判と補償、⑯ホームレス、難民、移民労働者の権利と福利厚生、⑰老齢者の権利、⑱ゲイ、レスビアンなどの人々への差別迫害反対、である。 AWC日本連の参加者は、バヤンが主導する第一分科会・第四分科会、およびKMUが主導する第五分科会を牽引した。そのなかで、3・11大震災後の日本情勢と人民闘争、とくに反原発闘争、反米軍基地・日米安保粉砕の闘いについて、発言や報告を行った。日本労働者人民の課題と闘いに大きな国際的共感や連帯と激励が寄せられた。 総会宣言が提起され、討議・採択する。そこでは、米国、欧州はもちろん、日本も帝国主義に加えることを確認した。「情勢は、世界の人民にとって、自らの運命を決定し、帝国主義や現地反動と対決し、もっとも広範で最も強い団結を結集し、帝国主義の搾取・抑圧・戦争から解放された世界―自由・繁栄・平和の世界を築くうえで、ますます有利となってきている」と結論づけた。またセクト主義のサボタージュからILPSを防衛する特別決議も提案され、承認された。 最後に、ILPSの執行部である「国際調整委員会」の選挙が行われ、二十七名が当選する。これには、AWC日本連も候補者を出し、中位当選を果たした。 第四回ILPS総会は、成功裏に終わった。フィリピンの反帝民族解放闘争を中軸にした反帝国主義・民主主義の国際統一戦線は、アジア、ラテンアメリカ・カリブ海、アフリカなど第三世界諸国の反帝勢力をいっそう広範に結集させ、勢いをもっている。他方、米欧日の帝国主義諸国の労働者人民の闘いは大規模にこれと結合することが望まれる。なぜなら、帝国主義本国と第三世界諸国との貧富格差および抑圧と被抑圧の関係は依然厳しく、これを突破することは現代プロレタリア世界革命の回答のひとつだからだ。プロレタリア国際主義は口先のものであってはならない。米日欧帝国主義ならびに排外主義とその勢力の打倒にむけて闘い、第三世界諸国の解放闘争への実際の国際連帯を組織することは重要極まりない。分断の壁を突破する営々たる闘いと行動を刻んでいこうではないか。 |
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