|
■『戦旗』1661号(7月5日号)3面 「太平洋・島サミット」反対! 日帝のインド太平洋戦略粉砕 七月一六日から一八日、東京において「太平洋・島サミット」(以下、「島サミット」と略)が開催される。この島サミットは、一九九七年から三年毎に日本で開催されており、ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアの国々からなる太平洋島嶼国家・地域と日本との関係強化が目的とされている。 今年は日本を含め一九カ国の首脳等が参加する。参加国は、オーストラリア、クック諸島、ミクロネシア、フィジー、キリバス、ナウル、ニュージーランド、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、マーシャル諸島、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツ、仏領ポリネシア、二ューカレドニア。 この島サミットの準備会合が今年二月フィジーで開かれ、日本から上川外相が参加している。NHKの報道では、会議の後の議長総括で「気候変動などの共通の課題に一体となって取り組むことや、ルールに基づく国際秩序を堅持することの重要性、力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対することなどを確認」した。 この報道では、名指しはしていないが、帝国主義の常套句で言うならば、「海洋進出を進める中国を念頭に」島サミットが開催されることは明確だ。「ルールに基づく国際秩序」や「力や威圧による一方的な現状変更の試み」という記述は、帝国主義が中国を批判するときに用いる常套句だ。アメリカがこれまでに繰り返してきた侵略と虐殺、搾取の蛮行を微塵も踏まえない、笑止千万な批判だ。 二月の準備会合の報道の中では、この地域で中国の増大する影響力の具体例としてフィジーを取り上げている。「安全保障面で中国と距離をおきつつも、インフラ整備や投資などでは、中国の存在感が際立っている」としている。首都のスバでは、「大型の貨物船や客船が接岸する港の近くの道路や橋が中国の援助で作られ」、中国資本のよる二八階建てのビル建設が進んでいる現状が紹介されている。 今回の島サミットは、日本帝国主義が米帝国主義の中国包囲網形成の一環として、この地域における中国の影響力を押し返えす狙いがある。これまで支配してきた地域に、中国が帝国主義とは違い港湾や道路などのインフラ整備や投資を行い、貿易を振興することで、多くの国々が中国との関係を強め、経済的に発展を始めている。債務問題など中国の援助を批判する声もあるが、帝国主義も世界銀行やIMFを通じて多くの国々を債務地獄に落とし入れ、新自由主義的な構造調整プログラムを強制し、従属と搾取を強いてきた歴史をみれば、帝国主義が批判などできるわけもない。 帝国主義にとって太平洋島嶼地域は、植民地支配の対象であり、核兵器開発のための核実験場であった。アメリカ、フランス、イギリスは太平洋島嶼地域で核実験を行ってきた。 アメリカは、マーシャル諸島のビキニとロンゲラップ島で一二年にわたって実験を行っている。フランスは、ファンダガウファ環礁とモルロア環礁で実験を行った。イギリスは、キリバス。核実験は、地元住民の被ばく、周辺環境の放射能汚染、社会の破壊をもたらした。帝国主義の核実験を糾弾しなければならない。 帝国主義は中国と対抗する必要に迫られ、これまで虐げてきた太平洋島嶼国家に対して、手のひらを返し中国包囲網に取り込もうとしている。島サミットは、そのために開催される。帝国主義の中国包囲網形成を批判しなければならない。中国包囲網を進める帝国主義の狙いは、戦争と破壊、民族排外主義と労働者人民の戦争動員だ。 中国もこの地域における動きを強めている。二〇二二年四月にソロモン諸島と安保協定を調印し、その年の五月下旬から六月にかけて、中国の外相が太平洋島嶼国七カ国と東チモールを歴訪した。 帝国主義は、中国が経済のみならず軍事においても拠点を作り、進出してくることを警戒している。日帝―岸田政権は、米帝―バイデン政権と一体に、中国との戦争体制構築に突進している。民族排外主義粉砕! 侵略反革命戦争阻止! 反帝国際連帯! を高く掲げ、日本帝国主義の侵略反革命戦争攻撃と対決しよう。 |
Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.