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■改訂綱領(2018年版)発行にあたって 綱領委員会 二〇〇四年結成にあたって発行された『共産主義者同盟(統一委員会)綱領・規約集』は、二〇一八年第五回大会において一部改訂案が討議され、賛成多数で採択された。すでに改訂された綱領(二〇一八年版)は党のホームページ上に公開されているが、本年三月に新たな冊子として発行した。 今回は『綱領・規約集』に収められた①結成大会宣言、②綱領、③戦術・組織テーゼ、④規約のうち、②綱領の章についてのみ改訂されている。冊子発行にあたり、改訂の経過ならびに趣旨について要点を報告する。 結党後八年が経過した二〇一二年の春、第三回党大会において、新しい中央機関として綱領委員会を設置することが決議された。綱領委員会の主任務は、新しい綱領をつくることではなく「現党綱領の見直し・改訂・修正を通じて綱領の強化をはかる」とされた。 二〇一五年、改訂第一次案をめぐって第四回大会で論議が組織され、その後も綱領委員会から第二次改訂案が中央委員会に提起され、数度の中央委員会で討議されたのち、二〇一八年第五回大会において正式に採択・承認がなされた。 綱領改訂をめぐる論議は、多岐にわたったが主な改訂は以下の諸点である。 第一は、現代資本主義・現代帝国主義の新たな状況についてその批判内容を綱領に反映させていくことである。先の綱領の採択時に比べると現代世界の現実は大きく変化した。ソ連邦、東欧の崩壊により出現した米帝の一極支配という戦後の帝国主義の支配構造が崩れつつあり、他方で中国が新たな資本主義大国として台頭してきた。資本のグローバル化がさらに進み、新自由主義グローバリゼーションの各国経済・社会への浸透が顕著となり、貧困と格差が世界的に拡大して資本主義の持つ本質的矛盾が顕在化し、「資本主義の終焉」 といわれる状況が生み出されてきた。これをとらえ、その本質と批判内容を綱領に明確にする必要があった。 第二は、党の基本思想に関わるいくつかの観点や立場を強化していくことである。①「労働者階級の自己解放闘争性」に関するわれわれの見解をいっそう明確にしていくという領域である。労働者階級には自らを解放していく潜在的力が内在するというのは、マルクス主義の思想的核心の一つであり、この思想内容をプロレタリア革命をめざす党の基本思想としてしっかりと据えきること。さらに日本のプロレタリア革命の同盟軍としての被抑圧人民、被差別大衆の革命主体としての規定を一層明確にしたことである。 これは同時に、②「党の役割について」われわれ自身に問うものであり、党とは何か。党はどうあらねばならないのか。それは一度テーゼ化して問題は終わるのではなく、何度も立ち返って問い続けなければならない問題であり、『共産党宣言』などに示されたもっとも基本的・思想的党観からもう一度再検証し、実践的にはレーニン党組織論にもとづく党建設を再確認した。 資本主義の行きづまりがくり返し顕わになる中で資本主義に代わる未来社会の内容を共産主義論として明確にすること。さらに、ソ連崩壊・スターリン主義の最後的破産のなかで、人民の間に「社会主義」「共産主義」に対する不信感が広範に存在しているという一時代において、この時代状況と格闘し続けることなくして共産主義運動は存続も前進もできない。そうした中で求められているのは、③共産主義論の内容的な強化であり、④プロレタリア独裁論の強化である。共産主義論とプロレタリア独裁論は、いずれも資本主義を打倒したのちの次の社会に関わる党の見解であるが、それは未来社会の空想ではなく現実の資本主義社会への根底からの批判と日々の実践を通してしか掴みえないものであり、領域的にはプロ独政府の政策および革命の準備に関する討議としておこなわれた。討議は多岐におよんだが生産手段の所有形態、国家論、軍事問題から農業・農民問題、国内の在日外国人、滞日外国人の権利、性的少数者への差別反対と権利、地球温暖化―気候変動、原発をめぐる諸問題などに対する見解を整理・統一した。 第三は、旧綱領にあった不適切な表現や誤った表記、わかりにくい記述を訂正したことである。「綱領はできるだけ短く厳密であるべきだ」「短い含蓄のある文章は、いったん理解されると記憶のうちにしっかりと根をおろして合言葉となる」(エンゲルス)という実践的提言のもとに労働者人民にわかりやすく、理解されるものとなるように修正を行った。 「実際に闘う党」には旗印となるべき綱領が必要である。綱領なき運動はない。 すべての労働者階級、諸階層人民がわが党の綱領を手にとり、ともにプロレタリア革命の最先頭で闘うことを心より訴える。 |
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