共産主義者同盟(統一委員会)






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   労働者人民の命と生活を切り捨てる

                     日帝―菅政権を許すな

                    


 コロナ禍が全世界を襲い、感染者は全世界で一億人を超え、死者も二二五万人に迫る勢いである。
 このコロナ禍が暴き出したものは、資本主義が作り出した新自由主義グロバリーゼーションによって全世界に張り巡らされた収奪の構造こそが感染症を広める導線にもなり、この導線を断ち切る経済封鎖が各国の経済を疲弊させるという負のスパイラルである。同時に、コロナ禍は、労働者民衆の命と生活を奪い苦しめている。こうした中で各国の支配者の実態も暴き出されている。日本では、安倍を引き継いだ菅の対策の遅れが問題となっているが、この日帝政治委員会の体たらくをわきに見ながら資本家どもはこのコロナ禍を自分たちの儲けの手段とすることを狙っている。
 われわれは今こそ労働者人民の命と生活を切り捨てる日帝を許さない闘いに立ち上がろう。

 ●1章 コロナ禍が暴き出したこの国の現実

 二〇年一二月二九、三〇日、二一年一月二日(全日一〇時~一七時相談受付)に、新宿区大久保公園において「年越し支援・コロナ被害相談村」(以下「相談村」)が、弁護士や労働組合(連合有志・全労連・全労協)が中心となり開設された。ここで寄せられた相談が今の日本の現実をあぶり出している。
 相談村が設置された新宿区大久保公園は、新宿の繁華街「歌舞伎町」そして様々な国の飲食店などが集中する「職安通り」に近く、更に東京都が越年用に用意したビジネスホテルの受付窓口「TOKYOチャレンジネット」がある「東京都健康プラザハイジア」のビルのすぐそばにあった。大久保公園は「TOKYOチャレンジネット」相談者を誘導し、宿泊手続きができる好都合な場所だった(ただし、都は宿泊場所の提供と防災用のアルファ米とカップ麺、缶詰というわずかな食糧を渡すだけ)。公園の周りには塀があり、夜間は出入り禁止となっている。
 ここへの相談は、一月三日の集計によると「相談者総数三三五名、うち女性五八名、外国籍約二〇名」。相談者の年代は、三〇代五二名、四〇代七四名、五〇代七一名、六〇代五五名と、働き盛りの年代が多かった。「〇八年~〇九年のリーマンショック時の派遣村に比べると、相談者は広範な年代・性別・国籍に及んでいる(派遣村では六日間五〇五名の相談者。うち女性は五名)」とのことなので、今回のコロナが直撃している実態が浮き彫りとなった。
 特に女性たちはキャリーバッグを引きながら相談に来る人が多く、「友人宅を転々としている」「DVから逃げている」などの相談者がいた。また、滞日外国人はこの間の各種コロナ対策の助成金すら受けられず、仕事をすることもできない「仮放免」や「帰国準備」の在留資格で、帰国することもできず、働くことも許されない非人間的な入管体制の下で困窮し相談に来た人たちが多かった。
 こうした「相談村」の経験を経て、全労協などの左派労働組合は、「八時間働けば生活できる賃金を」「コロナ解雇、賃下げを許さず、すべての労働者に仕事を保障せよ」を掲げて21春闘を開始した。

  ●2章 労働者人民を切り捨てる「経労委報告」

 コロナ禍の中で一月一九日経団連によって「二〇二一年版経営労働政策特別委員会報告」が発表された。「『ウィズコロナ』時代における人事労務改革の重要性」と題して書かれたこの報告書は、コロナ禍によって今までなかなか進まなかったテレワークが進み、「場所と時間に捉われない働き方が推進されている」と描き、副業・兼業・フリーランスと固定した労使関係ではなく個々人がバラバラに解体されて働くことを更に進める「働き方改革」を提唱している。
 そして、今労働者の最低限度の生活さえ保障していない「最低賃金」については、企業の支払い能力論を前面に出し、企業がため込んでいる内部留保金(一九年度四七五兆円)については「企業の事業継続と持続的な成長のための必要な資金」と労働者人民のために吐き出すことを拒否している。
 テレワークができない現場での作業が主な仕事である医療・介護・流通・販売・水道やごみ収集などの社会的インフラ等で働く労働者に対しては、「感謝の念」と「感染対策」が「働きがい」を生むというような「働きがい搾取」を吹聴し、最終的には「デジタル技術の活用」「AIに置き換え」で労働者の切り捨てを行おうとしている。現場の労働者が望んでいる賃上げや人員増、正規職員化などには一切答えていない。
 コロナ禍の中で企業倒産、休業・失業し生活する事すら困難に直面する労働者が数多くいる中で、「『雇用調整助成金』が……二兆五〇〇〇億円支払われた結果二〇二〇年一一月の完全失業率は2・9%とリーマンショック時の5・5%より低い水準にとどまっている」とうそぶいている。
 彼らにはコロナ禍で呻吟する労働者人民の姿が見えていない。さらに、賃上げに関しては「企業の存続と雇用の確保」というように「賃上げか、雇用か」を迫り「賃金決定の大原則」(支払い能力に応じた賃金決定)を振りかざす姿勢で臨むとしている。
 われわれは、こうした資本家たちが危機の時代にあっても肥え太ることを追求する姿勢を絶対に許さない。コロナ禍にあって苦闘する労働者人民と共に日帝打倒に立ち上がろう。



 


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